市長定例記者会見（平成21年9月2日）

日時

平成21年9月2日（水曜日）10時30分～11時8分

場所

市政記者クラブ室

会見事項

1. 兵庫県大型観光交流キャンペーン（あいたい兵庫デスティネーションキャンペーン）の評価について（資料1）
2. 市上下水道料金「コンビニ収納サービス」の平成20年度試行実施結果について（資料2）
3. 山陰海岸ジオパークの世界ジオパークへの認定にかかる現地調査・意見交換会について（資料3）
4. 高齢者運転免許自主返納のサポートについて（資料4）
5. 出石永楽館狂言鑑賞教室の開催について（資料5）
6. 第8回全国草原サミットシンポジウムについて（資料6）

質問・回答(発言記録要旨)

（3）山陰海岸ジオパークの世界ジオパークへの認定にかかる現地調査・意見交換会について

Q1　山陰海岸ジオパークの取組みの中にガイドの養成が入っていますが、現在、玄武洞公園に配置されているガイドは、観光協会の嘱託のような方で、配置も7月までだったものを好評だから延長するという程度です。島原市のホームページを見ると、市民サイドが積極的で、官民一体になっていることが良く分かります。山陰海岸ジオパークの取組みは、官民で温度差がある気がしますがいかがですか。
A1　島原のジオパークに関係するのは1市だけですが、山陰海岸ジオパークは、3府県3市3町にまたがっているので、横のつながりをその都度確認しながら、一体性をどのように強めて行くかを考えていかなければなりません。
　山陰海岸ジオパークは、大きいがゆえに魅力はたくさんありますが、官民一体の取組みは総体的に弱いので、もっと強化する必要があると思います。

Q2　官民一体の取組みになるまで、まだ時間がかかるということですか。
A2　山陰海岸ジオパークのエッセンスは、何だと言われると、そこをコンパクトに説明する言葉がようやく固まってきた状態です。
　日本海の形成とそれに伴う気候・地質・文化や生物の多様性などをエッセンスとして打ち出しているのですが、まだ十分、外に向かっては発信できていません。

Q3　世界遺産のように広く支持を受けられるよう、第3回ジオパーク国際シンポジウムで大変良いプレゼンテーションをされた市のジオパーク普及啓発専門員が講師になって、市民を対象にした講演会を開催されたらどうですか。
A3　専門家に通用する形でプレゼンテーションを行いましたので、今後翻訳し、市民向けにして説明するようにしていきます。
　例えば、城崎温泉は、北但大震災で大打撃を受けて、そこから立ち上がってきた町なのですが、川幅や道路を広げて、要所要所に鉄筋コンクリートの建物を配置して類焼を防ぐ。その上で、コンセプトは木造3階建ての町を再建したという、そういう目で見ると、ただ素敵だという温泉が、いわば大地に恐ろしい異変をもたらした、この地域の磁力のかかわりが見えてきます。このように今まであまりなかった盛り付け方をして、説明していきたいと思います。

Q4　香美町の方で、普及啓発専門員のような方が観光業者に向けて話されているのを取材したのですが、豊岡市でもされていますか。
A4　していません。観光はまだ従来型の観光です。例えば、玄武洞を見ると素敵な柱状節理ですが、逆転磁場が世界で初めて発見された所で、プレートテクニクスにつながっているということは、まだ十分説明できていません。

Q5　城崎温泉の宿のおかみさんがジオパークについて話せるようにしていただけますか。
A5　少なくとも地元でそれをしないと、ジオパーク自体が日本で認知されないと思います。

〈会見事項以外〉民主党政権について

Q1　民主党政権になりましたが、それに対する感想やどのように対応していくかを話していただけますか。
A1　圧倒的な支持が示されて民主党政権になったわけですから、それを受け止めて対応していきます。
　しかし、民主党の公約というのは、地方自治の実態からいくと困る政策が入っています。例えば、暫定税率の廃止、高速道路の無料化です。
　また、後期高齢者医療も今はかなり落ち着いてきていて、市の方にはクレームは入ってきません。制度そのものが定着しつつある時に廃止して、ひっくり返すというのは混乱します。今後、具体的に民主党の政権が打ち出す政策を見ながら、適宜自治体としての立場を訴えていく必要があると考えています。

Q2　但馬の他の自治体と協力して対応することもありますか。
A2　もちろんあります。兵庫県の市長会として対応することや全国の市長会でするということもあると思います。地方自治の実態をきちんと伝えながら、その上で政策判断をしていただくように訴えていく必要があります。

Q3　暫定税率の廃止や高速道路の無料化は、豊岡市にとってどのような所に弊害がありますか。
A3　暫定税率がなくなるということは、道路予算は半分になるということです。新たに別の国税を入れないことには、新しい道路整備は相当ダメージを受けます。私たちの地域では、北近畿豊岡自動車道や鳥取豊岡宮津自動車道がこれからですから、ブレーキがかかることを非常に心配しています。
　また、橋の架け替えが今後どんどん出てきますから、維持管理自体に相当費用がかかります。インフラの維持や整備に打撃が出るのではないかと心配しています。
　民主党は、県に対しては、直轄の負担金を減らすからよいのではないかと言われていますが、市は直轄の負担金を払っていません。現在配分を受けている金額は、これまでの道路整備などの借金返済で済んでしまっていますから、それすら減るということになれば、豊岡市の道路行政は大打撃を受けます。私たちの地域の基盤整備に大きなマイナスが出てくることが心配です。
　高速道路の無料化は、すでにできている地域の人にとっては恩恵がありますけれども、私たちの地域にとってはメリットがありません。
　高速道路料金収入の内の約30兆円が借金返済に回っているのですが、その財源がなくなるのですから、これも今後の道路建設にマイナスの影響を与えると思われます。また、地球温暖化対策からいくと、決定的に方向が間違っています。JRのような公共交通機関にもマイナスが出てきます。

Q4　自民党は、なぜこれだけ惨敗したと思いますか。
A4　1つは語る言葉ではないでしょうか。つまり、自民党はプロフェッショナルであるとか、実績に関する自負心が強くて、印象的な言葉で、人に語りかけるという努力が足りなかったと思います。後期高齢者医療制度もそうですが、高齢者の負担を求めなければ保険は維持できないと、きちんと伝えることが非常に弱かったと思います。
　また、閣僚も次々におかしな発言をして信頼を失っていき、自滅したと思います。自民党は、もっと緊張感を持って国民に語りかける、誠実に語りかけるという、そういう姿勢がいると思います。
　自民党と民主党は、根っこの所では非常に大きく違うというわけではありませんから、2党が切磋琢磨して、日本の政治を高めていってほしいと思います。

〈会見事項以外〉新型インフルエンザ対策について

Q1　新型インフルエンザ対策ですが、行動計画のようなものを改めて作るのですか。
A1　弱毒性のものについてのマニュアルは、一応できています。強毒性のものについては、暫定のものは作っているのですが、国県の見直しがありますので、それを受けてからきちんとしたマニュアルを作成したいと考えています。

Q2　これから本格的な観光シーズンを迎えますが、春のように新型インフルエンザが発生する状況になれば、観光地は春以上の風評被害を受けることになりませんか。
A2　風評被害の危険性は、春より減っていると思います。春の時は、新型インフルエンザそのものが敵というよりは、人々の意識の方が大きな課題でした。前に比べると、皆さん平静に受け止められていると思いますので、これからは、新型インフルエンザそのものが敵であるいう対応でいけるのではないでしょうか。

• （資料1）兵庫県大型観光交流キャンペーン（あいたい兵庫デスティネーションキャンペーン）の評価について （PDF 14.0KB）
• （資料2）市上下水道料金「コンビニ収納サービス」の平成20年度試行実施結果について （PDF 14.6KB）
• （資料3）山陰海岸ジオパークの世界ジオパークへの認定にかかる現地調査・意見交換会について （PDF 5.5KB）
• （資料4）高齢者運転免許自主返納のサポートについて （PDF 16.6KB）
• （資料5）出石永楽館狂言鑑賞教室の開催について （PDF 5.4KB）
• （資料6）第8回全国草原サミットシンポジウムについて （PDF 5.2KB）