市長臨時記者会見(平成25年5月1日)

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ページ番号1003623  更新日 平成30年5月23日

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日時

平成25年5月1日(水曜日) 午前10時45分~11時15分

場所

豊岡市役所東庁舎別館2階会議室

会見事項

中貝宗治豊岡市長就任(3期)・初登庁

市長コメント

 また4年間務めることになりましたのでよろしくお願いします。
 皆さんの向こう側に市民の皆さんがおられる、そのことをしっかりと肝に銘じて情報をしっかりと飛ばしていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。
 4年間についての抱負は先月公約として申しあげてきたとおりです。「4つの危機」に果敢に大胆に挑戦をし、果敢に大胆に小さな世界都市の実現を図ります。私1人でやるわけではなく、市の職員と一緒になって、市民の皆さんと協働して大きな2つの柱をしっかりとやっていきたいです。
 選挙後の会見でも申しあげましたが、過疎地の厳しさというのを選挙戦を通じて改めて実感しました。急がないといけないということで過疎対策の加速をさせたいと思っています。
 1つはコミュニティーが弱まってきていますので、これを小学校単位で助け合いをもって維持強化をします。この道をできるだけ早く探り、そして地域の人たちと一緒になって具体的な形を現すことです。その地域だけでの過疎対策ということでは地域は元気になりませんので、例えば、但東全体とかあるいは竹野全体での対応という絵を描く必要があります。すでにその方向は出ておりますが、その過疎対策をやるパートナーとしても先ほど申しあげた小学校単位でのコミュニティーの育成というのがとても大切だと思っています。まず、その維持をするという観点から、小学校単位での 組織のあり方を探ります。同時に過疎地を元気にするというプロジェクトをやっていく上でも、その協働のパートナーとしてそこに期待をする。この二本立てでやっていきたいと思っています。
 冒頭、果敢に大胆にと申しあげましたけど、このことはとても大切だと思っています。生半可なことでは今の苦境を脱することはなかなか難しいです。私自身のみならず、関係する職員にも果敢に大胆にチャレンジすることをさらに求めていきたいと思っています。
 「小さな世界都市」の実現もとても大切なことです。さっきの職員の訓示でも言いましたが、町には希望が必要です。自分たちの町がこういう方向にいけばこの町は輝く、良くなる。そういった道筋を「小さな世界都市」という言葉で表してきました。これをさらに早く形にすること、あるいは強めること、それがそのまま今度は市民の皆さんの自信や誇りにつながり、町づくりのエネルギーになります。その歩みを加速させることになりますのでこれもぜひやっていきたいと思っています。
 選挙中あるいは選挙前でも、もっと地道なことをという意見もいただきました。もちろん高齢者対策であるとか、障害者福祉であるとか地道なところでやることはたくさんありますし、それはまさに職員総がかりでやります。同時に、それだけでは足りないのであって、まちの明確な自分たちの目標を持ち、それを実現する必要があります。そのことは誇りにつながり、エネルギーになります。先ほど申しあげたとおりですので、これをしっかりやってまいります。
 以上のことをやるためにも職員の能力開発、育成にも戦略的に取り組んでいきたいと思っています。トップダウンでやることももちろんありますが、すでに今の豊岡市の重要な政策自体には、職員からの提案ということがかなり増えてきています。もっともっと増やしていきたいと思っています。例えばラムサールの登録も私が言い出したのではなくて、職員からの提案でした。ミシュランガイドにも載りましたが、これも職員からの提案でスタートしています。NOMOベースボールクラブも職員からの提案でした。こういったことがもっと組織を通じて百花繚乱になるように職員を鼓舞していきたいと思いますし、同時にそういったことを自ら切り開いていけるような能力を身に着けられる研修体制をできるだけ早く体系的に作り上げていきたいというふうに思っています。そして、まさにチームとして一丸となってこの町を支え、この町の人々の暮らしを支え、同時に目標に向かって進んでいきたいと強く思っています。
 今日、改めて防音壁のとれた市庁舎を見てみると、やはり豊岡市の中では相当大きな建物で、威容を誇っているという印象を改めて持ちました。この威容さというのが市民と私たちとの間の溝にならないようにさらに私たちは心がけていく必要があります。市役所が、冷たい組織と出会う場所ではなくて、一緒になって親身に考える、市民にとって市役所はそういう場所であるように心がける必要があります。これはチームの監督としてそのようなチームになるように努力をしたいと思っています。本庁舎を残したのはとてもよかったと思いますが、7階建ての建物はやはり豊岡の中では非常に大きくて、心の壁にならないようにしっかりと取り組んでいきたいと思っています。
 スピードも上げます。かなり上げてきたつもりですが、まだまだできることはたくさんありますので、スピード感をもって物事を決定して実行していきたいと思っています。
 市民の皆さんとの対話もしっかりとやっていきたいと思います。聞くこともそうですが、伝えることも非常に大切であると、選挙戦で改めて実感いたしましたので、伝えること、聞くこと、対話をすること、それをしっかりやっていきたいと思っています。
 できる限りそれぞれの施策で目に見える形、結果を出してそのことを自分たちの自信につなげ、市民の信頼につなげ、そして協働をするということの基礎の信頼につなげていきたいと思っています。

質疑応答〔発言記録要旨〕

Q1 職員の研修ですが、能力開発はけっこう難しい問題です。それをどういうふうに進めていくか、頭に描いているイメージはありますか。
A1 まずは他の組織がどのような職員研修の体系をやっているかリサーチをしっかりしたいと思っています。すでに担当のほうでは始めていると思います。どのようなタイミングでどういう能力を必要とするのか。入った新人のとき、係長のとき、課長のときとか部長のときとかがありますので、役所でのステージに応じて身につけるべき必要なことをきちんとつかんだ上で研修を行っていくことになろうかと思います。
 それと、全体をかさ上げするということも必要なのですが、リーダーを育てることも必要なのだろうと思います。係の中でのリーダー、課の中のリーダー、部の中のリーダーとあるわけですが、突き抜けていく職員を突き抜けさせていく、そのような研修もあわせて必要だと思います。同時に、それによってある職員が伸びてくると、そこをきちんと評価する仕組みというのもいるのだろうと思います。たくさんのヒーローがいる組織といったらいいのですかね。例えばアメリカンフットボールのように、全て監督やコーチが次は何というふうに指示して、それでクォーターバックはクォーターバックの役割をしてランニングバックはひたすら走りというようなチームではなく、サッカーやラグビーのように、選手がやるというものです。選手が目指すのは、ただひたすらゴールなのですが、そのゴールを目指すにあたって周りの動きを見ながら自分が何をするかということを判断をし、チームとしてゴールになだれ込んでいくというそのような組織です。1つの極端なあり方だと思いますが、そういうチームになればいいなと思っています。1人のカリスマがいてあとはそのまま一糸乱れずにいくという組織のあり方ではなくて、いっぱいヒーローがいる組織です。サラ金の相談をやっている所にはそういうヒーローがいて、税金を徴収する側にはそういうヒーローがいて、コウノトリにはコウノトリのヒーローがいてという、ヒーローの職員がいっぱいいる組織を目指したいです。

Q2 職員の研修制度というのは、各ステージごとでの研修ですか。
A2 ステージでの研修はしています。
 もっと明確に目標を持って、明確に意識を持って育てることをやりたいと思います。1つ1つはみんな大切な研修なのですが、散漫さがあるのではないかという印象を持っています。それを直すためには、豊岡市は職員に何を求めるかということ自体を明確にする必要があります。豊岡市の予算の中で一番ボリュームを持っているのは人件費で、人に1番投資しているわけです。その職員がどれだけ成果を出すかということが投資がうまくいったかどうかを左右するわけですから、そういう意味でここはとても大切なことだと思っています。

Q3 「4つの危機」の中で財政の危機は、密接に取り組まなければならない課題で、長期的に見ても平成32年まで大幅に地方交付税が減額されます。おそらくこの任期中に道筋を示さなければならないと思いますが、いかがですか
A3 現在、行革委員会で議論いただいていますが、数字的にどの程度の結果を出さなければいけないのかということを明確にする必要があります。それはもうまもなく公表できると思います。
 しかし、難しいのは、この4年間の間に財政が危機に見舞われるわけではないことです。平成28年度から交付税が減っていきますが、それでもまだ何年間かは耐えうる構造にはできています。問題はそこから転げるようにして財政が悪化して、平成33年度では相当なマイナスが見込まれることです。それに対して今どう対応するのかということは、職員の意識を考えた上でも非常に難しいところがあるので作戦をしっかり練らないといけないと思っています。

Q4 今まさにこの危機にあるというわけではなくて、少し先にある危機について今、職員にどのような意識改革をもたらすのですか。
A4 それは事後評価から事前評価へということを前から申しあげています。組織全体の思考パターンを変える必要があると思っています。今までは役所はとにかく予算をとることに非常に精力を注いで、予算ができるとだいたいそれで仕事が終わったような気分になります。ものによっては消化をしていくことが現実にあります。あとでその政策は良かったのかどうかを評価すると、必ず何かの役に立っています。まったく役に立たない政策なんてことはちょっと考えられません。何かの役に立っているので結局その政策は残っていくということになります。事後評価というのはそのような限界を持っていますので、事前の作戦段階での評価、立案段階での評価ということに思考パターンを変えていく必要があります。
 豊岡市全体の組織の目標があり、各部の目標があり、各課の目標というか。つまりこういう状態を実現したいという目標があって、その目標を達成するためにその作戦、その政策は本当に有効か、効率的かということを立案段階で徹底して検証します。そういう方向への思考パターンを変えていくことによって、筋肉質で体力のある組織が出来上がります。その結果としてコストダウンが働く、そういう道筋が柱かなと思っています。それは先ほど話した職員の育成ということと密接に絡んでいます。なかなか役所の中ではこの立案段階での事前評価というのは口で言うとうんうんとなるのですが、おそらく職員は実感として分かっていないでしょう。今いくつかの部署が、モデル的に明治大学の教授陣と組んで、実際に作戦評価とはどうすることなのか、また目標とはどのように定式化するのか、そういうことから今訓練を積んでいます。

Q5 先ほど、豊岡市職員を代表して中川副市長があいさつされた時に、よく聞いてほしいということがありましたが、それを受けて、こういうかたちをとっていこうと考えられていることがありますか。
A5 端的に言うと監督になるということだと思います。選手から監督になる。政治家というのは4番バッターである必要があります。絶えず市民に目立っていないといけません。結果を出さなければいけません。あるいはマスコミに出ないといけないという宿命のようなものがあります。
 しかし、たくさんのヒーローを作るということは監督になるということです。つまり選手を育てる、うまく采配する、配置をする。そういったことに組織のリーダーとしての役割を強めていきます。辛抱しろということだと思います。
 職員がいろいろと言ってくると結論が分かってしまう、あるいはそれがうまくいくかいかないかとか、他のものにまずいとかということが、長いこといろいろなことやってくると見えてしまうことがあります。それで結論だけずばっと言ってしまうとそこで成長は止まってしまいます。
 中川副市長が言ったのは、頭ごなしではなくて、ちゃんと話を聞いて、同時に育てるということを言っているのだと思います。

Q6 監督になられるということを具体化すると、豊岡市は各地、各方面で受賞とかされますが、そのような表舞台に対して担当職員が顔になっていくということですか。
A6 シンボリックにはそうです。やらせるということです。授賞式は市長が行かないといけないこともあるでしょうが、やりたいということをやらせてみるということです。

Q7 無投票で初登庁を果たした2期目に比べて、今回選挙戦を経ての初登庁だったわけですが心境に変化はありますか。
A7 1週間手を振り続けて、とにかく走り回っただけでも良かったです。手を振り続けるのははたから見たらばかみたいに見えるかもしれないですが、反応は確実にあります。優れたウグイス嬢は全部見ていて、「向こうの山で手を振ってる人が見えてます」、2階から手を振っていると「2階に見えてます」と言うのです。一見ばかみたいですが、あれは対話をしているのです。相手方のこちらに対する支持の気持ち、応援したいという気持ちで手を振っているのを、選挙カーがすっと走り去ってしまうとそこで切れてしまいます。そこでそれに対していちいち応えていく、そういう作業ですが、1週間そういうことをしていると、自分が期待されているという感じが確かにしてくるのです。わざわざ出てきて手を振るというただそれだけのことなのですが、期待が伝わってきたり、あるいは過疎の村に行くと、願いが伝わってくるみたいな感じがします。
 しかし、あれやこれや論争にならず、ひたすら自分と対話をして手を振ってくれる人たちと心の中で対話をしている選挙でした。市民にとって損にならなかったと言ってもらえるようなことをこれから自分で頑張るほかありませんので、そういう心がけをしていきたいと思います。

Q8 選挙戦で感じた期待を一心に背負って初登庁されていかがでしたか。
A8 あれだけ職員が出迎えてくれ、ああやっぱりこのメンバーでやるんだなと、自分1人がという感じがなかったです。このチームを率いていくのだというそういう感じを非常に強く持ちました。
 選挙の組織は上司部下の関係ではなく、気にくわなければぷいっといなくなればすむ組織なのです。職員はいくら僕に怒られても辞めますというわけにはいかないので、仮に喧嘩をしたところで、嫌でもとどまらざるを得ないわけです。
 しかし、選挙はボランティアの組織ですから、気に入らなければ何もしなくてもすむという、そういう人たちが、中貝を当選させるという目標に向かってだんだん熱くなっていくわけです。その要素って何だろうと考えたら、夢を共有するとか、目標を共有するという気持ちがなければそんなことは起きません。同時に、1人の人がずっと選挙に関わってくれた時でも、一番生き生きする時というのは選挙カーに乗っている時なのです。あるいは選挙カーの先導車に乗っている時、一生懸命手を振っている、「中貝中貝」と連呼している。向こうから反応があるということが、非常に直接的に自分が何をやっているかという狙いがはっきり分かる、成果がはっきり分かるという意味で、とても活性化するのです。こういう組織のあり方というのは行政組織のあり方にもずいぶん参考になります。どう生かせるか分かりませんが、この組織の違いはなかなか面白いと思います。大学院で組織論をやったもので実感として面白かったです。
 職員が組織の中で目標をちゃんと共有をして、ここができると自分が何のために働いているのかということが分かる、自分の労働の意義、意味が分かる。そうするとそれは意欲につながり、モチベーションになる。そして、成果が具体的な形で出たときに喜びになってきて、もっと頑張ろうという気持ちになる。すべての組織に共通することなのだろうと思います。マネージャーとして、組織の経営者として、そういうことを心がけるということなのだろうと思います。

Q9 職員が目標統一をしていくことが必要ですが、例えばコウノトリの野生復帰事業に関しては、担当課以外はきちんと理解されているとはあまり見えません。ラムサールに関してもそうだと思いますが、全員がきちんと目標を共有してるとなかなか思えないところもありますが、その辺はいかがですか。
A9 絶対値としてはそうです。しかし、2年前と5年前と10年前を比べると確実に変わっていると思います。コウノトリ共生課はずいぶん先鋭化してきているというか、深くなってきています。その意味では社会性が少し上回ってきているという感じがします。
 例えばコウノトリ育む農法というのは、実は農林水産課から始まっていなくて、コウノトリ共生課からスタートしています。コウノトリ共生課が生き物育む農法というのをやろうと言ってスタートさせているのです。それがいまや農林水産課の側に移って、そしてコウノトリ育む農法のお米は非常に好調に売れて、広がってきています。そういう意味では実はポピュラーになってきているのです。
 それから、大交流課を作りましたが、やはりコウノトリが大きな柱です。そうすると5年前、10年前と比べるとほんとにコウノトリ共生課だけが頑張っていたというのが、明らかに組織の中で広がってきているというふうに思います。今、市役所全体がそうなっているかというと、まだなっていませんので、絶対値はまだで、まだまだ良くなりうると思います。
 環境経済もコウノトリ共生課でやっていました。環境経済戦略は2004年度にコウノトリ共生課が作りました。今、環境経済戦略は、環境経済課がやっています。昨年35事業に委嘱をしてその35事業の売り上げが130億円でした。環境経済企業が、豊岡の工業の規模の12パーセントまできています。
 豊岡の金融機関が、フォローする組織がいるのではないかということを豊岡市に提案してきました。全ての金融機関と商工会議所・商工会の指導員と市役所でマンツーマンで環境経済の商品を作ったことに対して、販売戦略、営業戦略を指導し、必要な融資をする組織ができました。もともとコウノトリ共生課の中で生まれた種が今広がってきているわけです。確実に広がってきています。しかし、まだまだです。

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