2022年度 教育行政の方針と施策の展開

このページの情報をツイッターでツイートできます
このページの情報をフェイスブックでシェアできます
このページの情報をラインでシェアできます

ページ番号1019817  更新日 令和4年2月28日

印刷大きな文字で印刷

2022年度 教育行政の方針と施策の展開

 令和4年第2回豊岡市議会で、嶋教育長が『教育行政の方針と施策の展開』を説明しましたので、お知らせします。

 令和4年第2回豊岡市議会定例会の開会に当たり、議員の皆様のご清栄をお喜びいたしますとともに、日頃の教育行政に対するご理解・ご支援に対しお礼申しあげます。

 「ふるさと豊岡を愛し 夢の実現に向け挑戦する子どもの育成~非認知能力(やり抜く力・自制心・協働性)を子どもたちに~」を基本理念とする「第4次 とよおか教育プラン」がスタートし、2年が経ちました。
 豊岡市が教育実践の原点としてきたことは、子どもがどう感じ、どう考え、どのように行動しているかといった“子どもの事実に学ぶ”ことと、子どもの声を聴き、受け止め、共感する“子どもに寄り添う”ことです。令和3年度の全国学力・学習状況調査の質問紙では、小学生で85.8%、中学生で75.8%が「自分にはよいところがあると思う」と実感しています。「先生は、自分のよいところを認めてくれていると思う」児童生徒の割合は、小学生では95.5%、中学生では93.4%となっており、過去最高の割合となっています。子どもの自己肯定感の醸成、教師による肯定的な関わりの浸透はともに高い水準で推移しています。このことは教員が日常的に、子どもの事実をつぶさに見取り、そのことを確かな言葉で意味づけ、粘り強く伝え続ける教育実践が、市内各学校で行われているものと捉えています。

 今年度も、新型コロナウイルス感染症による教育活動の制限や臨時休業などがあり、学校教育の意味と意義を再認識する1年となりました。去る11月に実施した「子どもの心のケアのためのアンケート調査」によると、「なかなか眠れないことがある」「怖くて落ち着かない」など、コロナ禍での子どもたちの不安は5月調査と同程度でした。しかし、そうした不安を解消し、仲間との学び合いを通して自己肯定感を育むことなど、今こそ学校の真価を発揮するときだと考えています。
 2022年度もベストな状態で教育を行うことが難しい場面があるかもしれません。厳しい状況の中でも「子どもの事実に学び、子どもに寄り添う」という実践姿勢を貫き、本市の教育課題の改善に邁進していく所存であります。

 本市では、2020年度に策定した「第4次 とよおか教育プラン」において、これまでの方向性を発展させるものとして「非認知能力」を重視し焦点化することとしました。
 とりわけ「やり抜く力」「自制心」「協働性」の向上に向け、この2年間、全ての教育活動で取組を進めてきました。令和3年度全国学力学習状況調査では、小・中学校ともに「物事を最後までやり遂げてうれしかったことがある」「学級みんなで話し合い、協力してうれしかったことがある」と回答した児童生徒の割合は、令和元年度に比べて増加しており、非認知能力の向上に効果が表れ始めています。
 今後もこのことは、本市の教育課題の改善を図るためにも、就学前から一貫して取り組むことが重要だと考えています。

 また、2017年度から全ての公立小・中学校において「豊岡市小中一貫教育『豊岡こうのとりプラン』」を実施し、5年が経過しました。
 2020年度からスタートした第2期では、「授業でつながる小中一貫教育」をテーマに取り組んでいます。

 他方で、豊岡の子どもの数は毎年減少してきており、現在の就学前の子どもの数をみると、地域によっては、今後これまで以上に加速度的に減少していくものと想定され、複式学級を有する学校もさらに増えるなど、教育上の課題も増大することが見込まれます。
 このため、教育委員会では、小中学校のあり方を検討する必要があると判断し、2020年2月に「豊岡市立小中学校適正規模・適正配置審議会」に諮問し、延べ7回に渡る審議を経て、2021年2月10日に答申をいただきました。

 2021年7月に答申の地区別説明会、11月から12月にかけては、計画案の説明会やパブリックコメントを実施し、いただいた意見を踏まえたうえで、12月23日に計画を策定いたしました。
 今後は順次、計画の推進に向けて校区別説明会を開催することとしています。子どもたちにとって、より良い学びの環境とするため、地域の皆さんと丁寧に対話を重ねながら計画を進めてまいります。

 竹野小学校と中竹野小学校、竹野南小学校の統合については、2021年11月に統合準備委員会から統合に必要な調整項目に係る報告書が提出されました。
 来たる3月26日に中竹野小学校、3月27日に竹野南小学校で閉校式や閉校記念行事を予定しています。4月7日には竹野小学校の統合式を予定しており、現在、具体的な準備を進めているところです。
 また、2021年7月に高橋地区から、高橋小学校を合橋小学校へ、高橋認定こども園を合橋認定こども園へ、それぞれ統合することについての要望書が提出されました。10月に両校区の関係者による統合準備委員会を設置し、現在、2023年4月の統合に向けての調整を進めているところです。

 それでは、2022年度の「教育行政の方針と施策の展開」について、「とよおか教育プラン」の体系に基づき、「『生きる力』を育む教育の推進」と「子どもたちの学びを支える仕組みの確立」に分けて説明します。

生きる力を育む教育の推進

 はじめに、「『生きる力』を育む教育の推進」について申しあげます。
 小中学校9年間の連続性・系統性を重視しながら、「あたまの力」「こころの力」「からだの力」をバランスよく育成します。
 また、その3つの力を支える基礎力としての保育・幼児教育、さらには、特別な支援を必要とする子どもたちの教育的ニーズに応じた適切な指導・支援を含め、総合的に「生きる力」を育んでいきます。

主な取組

あたまの力の育成

 それでは、はじめに「あたまの力の育成」について説明します。
 豊岡市は全国に先がけて、2007年度から小中連携教育に取り組んできました。2017年度からは、9年間の一貫したカリキュラム「豊岡こうのとりプラン」を、公立の全9中学校区において実施しています。
 このプランの中心となる取組は、「ふるさと教育」「英語教育」「コミュニケーション教育」の3つの柱で構成する「ローカル&グローバル学習の時間」での実践です。

 ふるさと教育では、ふるさと豊岡の優れた資源を教材とすることで豊岡への理解を深め、ここに暮らす人々との関わりを通して、ふるさとへの愛着を育てています。今年度はコロナ禍により、地域へ出かけての体験活動が十分にできませんでしたが、それでも「ふるさと学習を通して、ふるさとや自分のことで、新たに発見したり考えたりしたことがある」という子どもは、小学生86.3%、中学生85.6%に上っています。
 また、「ふるさと教育は、子どもにとって有意義だと思う」保護者の割合は、小学校95.9%、中学校93.8%にも上っています。
 今後はさらに、地域の一員として何ができるか、何をすべきかについても考え、語ることのできる子どもの育成を目指します。

 英語教育では、就学前の「英語遊び保育」を2017年度から継続して、市内の各幼稚園・保育園・認定こども園で積極的に実施しています。
 小学校1・2年生では、2017年度から実施している豊岡市独自の取組である「英語遊び」を継続します。アンケートでは「英語の授業が楽しい」と答えた1年生は97.2%、2年生は95.7%となっており、低学年では多くの児童が楽しく英語を学んでいることがわかります。中学年では「外国語指導助手(ALT)の先生ともっと話したい」と答えた児童が88.8%、高学年では「英語の授業が好き」と答えた児童が77.0%となっており、英語学習に対して肯定的に捉えている児童が多い状況です。しかし、小学校の先生からは、英語の授業づくり、ALTとのティーム・ティーチング、評価の仕方など、さまざまな不安があることを聞いています。今後も引き続き、デジタル教科書の活用、各中学校区内での教員相互の授業参観や研修の充実を図り、こうした不安の解消をめざしていきます。
 中学校3年生の希望者を対象とする「イングリッシュ サマー キャンプ」については、夏季休業中に開催を予定しています。外国人等とふれ合いながらオールイングリッシュでの活動を3日間行い、英語によるコミュニケーション力の向上を図ります。
 このように、幼児期から小・中学校までの連続性と系統性のある学習を通して、「自分のこと」「ふるさとのこと」を英語で話すことのできる資質・能力を育成します。

 次はコミュニケーション教育についてです。
 小学校6年生と中学校1年生を対象とした「演劇的手法を取り入れた授業」は、全市展開して5年が経過しました。
 子どもたちは、男女関係なく、仲間と主体的に関わりながら、コミュニケーションの大切さを体験的に学んでいます。
 「普段の授業の中で、話し合いを通して、自分と異なる考えを受け入れたり、自分の考えを深め広げたりできたと思う児童生徒の割合」は小学校6年生で86.5%、中学校1年生で89.1%にのぼり、協働的な学びは教科学習にも広がっています。
 こうした成果を踏まえ、本市が目指すコミュニケーション能力育成の4つの視点(1)他者を理解する、(2)自己を見つめる、(3)他者と協働する、(4)表現活動を取り入れ課題に取り組む、これらを生かした指導を全ての教科・領域で展開し、保護者・地域の皆様のご理解をいただきながら、豊岡ならではのコミュニケーション教育を強力に推し進めていきます。

こころの力の育成

 2点目に、「こころの力の育成」について説明します。
 子どもたちが将来、社会的・職業的に自立し、社会の中で自分の役割を果たしながら自分らしい生き方を実現できるよう、キャリアノート、キャリアパスポートを活用しながら、体系的・系統的なキャリア教育に取り組みます。

 人権教育については、人権感覚の涵養を基盤に、自他に対する肯定的な態度と、共生の心の育成に努めます。とりわけ、コロナ禍においては、差別や偏見が生じないよう実践的な行動力を育成するための生きた学習の場とする方針です。

 道徳教育については、道徳の時間を要として、学校教育全体を通して取り組むとともに、他者や自己との「対話」による「考える道徳」の授業づくりを進めます。あわせて、積極的に授業を公開し、家庭や地域と連携した取組を進めます。

 防災教育については、過去の災害を踏まえた年3回のメモリアルデーの防災・減災授業に取り組んでいきます。また、市防災課作成の「防災教育教材」等を活用し、校区の特性や発達段階に応じ、自らの命を守るため主体的に判断し行動する力の育成を目指します。

 読書活動の充実については、「授業以外で1日あたり30分以上読書をする」と答えた児童の割合が32.3%と、全国平均よりも5ポイント以上低い状況となっています。ICTの急速な普及は読書環境に大きな影響を与えています。引き続き、学校においては、家庭や図書館との連携を大切にしながら、読書活動の習慣化と読書の質の向上を目指した取組を進めていきます。

 こうしたこころの育成の取組で基盤となるのは「非認知能力」の向上です。
 モデル校で実施した3年間の演劇ワークショップでは、子どもが主体性を発揮し、一人一人の良さや持ち味を生かし、仲間と協働しながら目の前の課題を乗り越える姿に、確かな手ごたえを感じています。中でも「協働性」「自制心」については、青山学院大学の分析において、確実にプラスの変化が起こっていることが検証されました。
 そこで、2022年度は、市内全ての小学校1年生で、演劇ワークショップを実施する予定としています。指導は、引き続きプロのファシリテーターを活用し、教師はその関わり方について学びます。ワークショップで得られた成果を生かしながら、特色ある豊岡の教育を推進してまいります。

からだの力の育成 

 3点目に、「からだの力の育成」について説明します。
 2年ぶりに実施された令和3年度全国体力・運動能力テストでは、対象となった小学校5年生、中学校2年生男女全てで、全8種目の「体力合計点」が全国平均と同等、もしくは上回る結果となっています。このことは、幼児期や小学校低学年における運動遊び、豊岡市版小学校体育準備運動の取組をはじめとする体育授業の充実が運動能力の維持・底上げにつながっているものと考えています。
 今後も体育や部活動の制限が続くと考えられますが、学校では引き続き感染症対策を講じながら授業内容を工夫し、運動する楽しさや喜びを味わわせる取組を進めます。

 また、子どもたちが新型コロナウイルス感染症の正しい知識を身に付け、正しく行動する力を育成するために、「学校の新しい生活様式」に基づき、引き続き実践的な指導を通して、感染症予防のための能力・態度の育成を図ります。

あたま・こころ・からだの3つの力を支える基礎力の育成

 4点目に、「あたま・こころ・からだの3つの力を支える基礎力の育成」について説明します。

 公立、私立の幼稚園・保育園・認定こども園では、実践の中で印象に残った出来事を557集め、そこから読み取った子どもの事実と保育者の関りをまとめた「第2次スタンダード・カリキュラム」を活用し、教育・保育を進めています。
 各園では、職員の資質向上のため、公私立の枠を越えてカリキュラムを活用した実践を外に開き、意見を聞くための「まなびの公開保育」を実施していきます。
 なお、このカリキュラムをより実効性のあるものとするため、保育実践の留意点などを具体的に盛り込んだ「活用の手引き」を現在作成しており、2021年度末に完成予定です。

特別支援教育の充実

 5点目に、「特別支援教育の充実」について説明します。
 障害の有無に関わらず、子どもたちが、その能力や可能性を最大限伸ばし、自立し、社会参加するために必要な力を培うことが重要だと考えています。
 そのために、縦の連携として、特別な支援を要する子どもたちが、就学前から学校卒業時まで連続性があり、適切で一貫性のある教育を受けるため、子ども一人ひとりの指導・支援計画を作成し、活用していきます。
 また、大学研究者のスーパーバイザーの指導のもと、子どもたちの実態を把握し、全ての子どもが参加できる授業を目指し、学習面・行動面の配慮といった一人ひとりの教育的ニーズに応じた指導・支援を行います。

 次に、横の連携として、子ども支援センターを核とし、福祉、保健、医療等の関係機関と連携を図りながら、子どもと家庭が抱えるさまざまな困難や課題を解決するため、適切な支援を行います。
 とりわけ、2021年4月から2022年1月までの臨床心理士等による相談件数は575件、訪問件数が390件、検査等件数は158件あり、学校園や保護者からのニーズは高い状況が続いています。

 去る2月に就学ガイドブック「わくわく どきどき 1年生」を作成しました。この冊子には、特別支援教育にかかる各種の情報を掲載しています。この冊子により、就学前の不安が少しでも解消され、小学校の入学が楽しみになることを願っています。

子どもたちの学びを支える仕組みの確立

 次に、「子どもたちの学びを支える仕組みの確立」について申しあげます。
 学校園、家庭、地域は、それぞれの「よさ」を生かしながら、責任と役割を自覚し、連携・協力していくことが重要です。

 2019年度に「第2期 豊岡市子ども・子育て支援事業計画」を策定しました。
 子どもを安心して産み育てられること、子どもが集団の中で互いに育ちあう環境を確保すること、子育ての不安や負担感を和らげ、親子がしっかりと向き合い、子育てが楽しいと感じられるよう、庁内関係各課や関係機関と連携し、家庭と地域・事業者・行政がそれぞれの役割を認識し、協働して取組を進めます。

主な取組

教職員の資質・能力の向上

 はじめに、「教職員の資質・能力の向上」について説明します。
 学校に求められる役割は多様化・複雑化しており、専門的・実践的指導力の向上等、体系的な研修を組織で行うことが重要です。
 昨年、文部科学省は「令和の日本型教育」として、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に行うことを提起しました。本市では引き続き、授業力の向上に向け、独自の授業過程である「5つの徹底・継続実践事項」により、協働的な学びの充実に向けた指導方法の工夫・改善を進めます。
 感染症拡大による臨時休業中に、多くの学校が、オンラインで朝の会や健康観察をしたり、eライブラリーを活用したドリル学習をしたりしました。さらには、感染症への不安で登校できない児童生徒に対して、授業をオンラインでつなぎ、自宅から参加できる体制を取った学校もありました。
 このように、ICTを活用したより一人一人へのきめ細かい指導の充実に向けて、個別最適な学びを行うためのICT活用研修を進めます。
 また、小規模校や若手教員の多い学校では、独自の研修が困難であることから、教育研修センターを核として、研修事業を実施していきます。

 他方で、全国的に教職員の長時間業務が課題となっており、本市においても教職員の長時間業務は課題であると認識しています。そこで、2020年6月に「豊岡市学校における働き方改革」推進方針を改定しました。学校現場における働き方の見直しに向けた意識改革、業務改善をより一層推進していきます。

 また、公立園においても、ICTを活用した業務改善を推進するため、保育システムを順次導入していきたいと考えています。すでに八条認定こども園と西保育園、竹野認定こども園に導入しており、職員の負担軽減や保護者とのより良いコミュニケーションづくりに効果をあげています。2022年度は港認定こども園と合橋認定こども園に導入することとしています。

学校園の組織力の強化

 2点目に、「学校園の組織力の強化」について説明します。
 まず、社会的に大きな問題となっているいじめについてです。教職員が子どもの声を丁寧に聴き、普段から何でも話しあえる環境を整えるとともに、子どものサインを見逃さないため、引き続き全ての学校で毎月1回「いじめアンケート」を実施し、いじめの積極的認知に努めます。
 加えて、小学校3年生以上の全児童生徒を対象に、学校環境への適応感をはかる心のアンケート「アセス」を実施し、子どもたちの心の状況を客観的にとらえ、学級での子どもの状況把握に努めます。
 また、5月・9月・2月を「子どもの心を理解する強化月間」とし、児童生徒に個別面談を行い、いじめや問題行動の未然防止、早期発見、早期対応を組織的に取り組みます。

 不登校の児童生徒数は、2012年度から増加傾向が続き、依然として本市教育の中心課題となっています。
 2021年度においても、感染症の影響により、ストレス度が高くなった児童生徒や学校生活のリズムに適応しにくい児童生徒、感染症への不安から登校できない児童生徒が見られました。
 今後も引き続き、アンケートや教育相談を通して、児童生徒の心と体の状態をしっかり把握するとともに、スクールカウンセラーによるストレスマネジメント授業を計画的に実施し、心のケアに努めていきます。また、家庭と連携を図り、児童生徒の情報を共有し、共に支援方法を考えていきます。

 こども支援センターの適応指導教室「ふれあいルーム」では、学校に行きにくい児童生徒や保護者の思いを受けとめ、子どもの居場所を提供し、学校復帰や社会的自立に向けて支援をしています。また、家庭環境を含めた複合的な要因がある場合は、学校とスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、家庭相談員が連携して対応します。

 また、不登校など同じ悩みを抱える保護者同士が情報交換・交流できるよう座談会を開催することで、不安を取り除き、前向きに考えられるよう寄り添いながら保護者を支援していきます。

安全・安心な教育環境の整備・充実

 3点目に、「安全・安心な教育環境の整備・充実」について説明します。
 「豊岡市学校施設個別施設計画」を2019年度に策定しました。この計画は、緊急性や児童生徒の安全性、教育環境に配慮しつつ、事業量や事業費の縮減および平準化を図り、適切な時期に必要な施設整備を行うためのものです。2021年度に策定した「小中学校適正規模・適正配置計画」や他の公共施設のあり方等の検討状況と整合性を図りながら、学校施設に求められる機能・性能を維持・確保していくこととします。
 2022年度は、三江小学校校舎の長寿命化工事基本設計を実施し、2023年度には実施設計を予定しています。

 学校施設の安全性や防災機能の充実を図るための、体育館および武道場の「照明器具等非構造部材の落下防止対策事業」については、2019年度中に全ての中学校の整備を終えました。
 2020年度から小学校の工事にも着手しており、2022年度には計画している13校について、整備を完了する予定としています。

 小学校・幼稚園等の普通教室・保育室等の空調設備については、2020年夏から全学校園で稼働しています。
 新型コロナウイルス感染症対策として整備を進めていた小中学校33校の理科室、音楽室、被服室等の空調設備についても、2021年夏までに整備を完了しました。
 また、消毒用アルコールや空気清浄機、非接触体温計、飛沫防止パーティション、二酸化炭素濃度測定器などの設置、サーキュレーターや自動水洗装置なども整備しました。

 その他、子どもたちの安全を確保し、学習・保育環境を向上させるため、定期的に遊具、防火設備等を点検し、教育・保育施設の修繕、改修を行います。

 教育用情報機器については、国の方針を受け本市でも取組を進めており、2021年5月に1人1台の学習用端末の整備が完了しました。
 さらに、2022年度では、1人1台端末環境の運用面の支援を行うGIGAスクール運営支援センターの開設、老朽化した小学校の端末の更新等、ICTを活用した豊かな学びを提供するための環境整備を進めます。

 学校給食においては、(1)「安全安心な食事の提供」、(2)「『食育』につながる給食づくり」、(3)「地域とつながり地域を大切にする給食づくり」を学校給食の目標とし、食材の地産地消率の向上に努めます。
 「食物アレルギー」については、対応マニュアルに基づき、学校給食センターと学校園が関係機関とも連携し、事故防止と発生時の即時対応の徹底など、対応の充実を図ります。
 また、学校給食センターの調理業務等については、来たる4月から民間委託を導入します。民間事業者の専門的な知識、技術等を生かしながら、今後も安全安心な学校給食を提供してまいります。

家庭と地域による学校と連携した教育の推進

 4点目に、「家庭と地域による学校と連携した教育の推進」について説明します。
 家庭の就労環境が変化し、望ましい生活習慣の定着が難しくなってきている状況がある中で、睡眠や食事、読書の大切さを保護者に正しく伝えることはとても重要なことであると考えます。
 そのため、学校園においては、本市教育委員会が作成し、配布している「すくすくメッセージ」・「はばたきメッセージ」や睡眠の大切さ(眠育)を知らせる紙芝居「めらとにんじゃのしゅぎょう」等を活用するとともに、子育てセンターやこども支援センターにおいて、保護者に「基本的生活習慣」や「子どもの発達への理解」を深めるための子育て講座を充実します。

 次に、地域全体で未来を担う子どもたちの成長を支えるための、県の新たな施策「地域学校協働活動」の取組の推進です。地域と学校で「子どもたちにどんな力を育てていくのか」という目標を共有し、地域と学校が協働して子どもたちを育みます。

 また「地域ぐるみで子どもを育てる取組」として、放課後子ども教室を実施し、地域における子どもの居場所づくりに努めます。

 さらに、学校と地域が一体となり、特色ある学校づくりを進める学校運営協議会制度「コミュニティ・スクール」の拡充に向けた取組を進めます。2022年度は2校のモデル校による先行的な取組を通して、校区の実情を踏まえながら学校運営に地域の声を積極的に生かす有効な在り方についてさらに検討を進めます。

 小学校の統廃合に伴い、放課後児童クラブも統合します。児童が放課後等に安心して過ごせる生活の場となるよう、入所希望児童の受け入れ体制の確保を図るなど、適切な運営に努めます。
 また、「豊岡市における幼児教育・保育及び放課後児童のあり方計画」に基づき、幼稚園舎を使用しているクラブについて、順次トイレ改修等を実施するなど、環境改善に取り組みます。
 現在豊岡ひかり幼稚園で実施している豊岡第2放課後児童クラブについては、2022年度に豊岡小学校の校舎の一部を整備し、2023年4月に豊岡小学校内に移転する予定としています。

 地方創生を先導する子育て支援総合拠点等の施設をアイティ4階および7階フロアに整備することとしています。
 先行して整備を進めている4階フロアには、屋内型の遊び場である「こども広場」、市民の交流を促進する「市民交流広場」、未就学児の「一時預かり室」、気軽に子育て相談ができる「子育てなんでも相談室」を新設し、加えて、子育て総合センター、ファミリーサポートセンターを移設し、2022年3月27日にオープンする予定としています。

 次に、待機児童対策について説明します。
 保育ニーズの高まり等による待機児童の発生に対応するため、2021年度に八条認定こども園の保育室増築などの施設整備を実施しました。これにより、2022年度から保育認定児の利用定員を拡大し、待機児童の緩和を目指します。

 「豊岡市における幼児教育・保育及び放課後児童のあり方計画」の推進に関し、2021年7月に、2025年度までに施設の再編・統合等を予定する地区を対象に説明会を開催しました。本計画について、各会場で概ね理解をいただけたことから、計画前期の再編・統合等は年次計画どおり推進することとしました。
 この計画に基づき、2023年度には新田幼稚園・中筋幼稚園・神美幼稚園とアートチャイルドケア豊岡こうのとり保育園の統合と私立認定こども園移行を、2024年度には日高幼稚園と蓼川保育園の統合と私立認定こども園移行を予定しています。
 この統合に伴い、法人が実施する認定こども園移行のための施設整備に対し、補助金を交付します。
 また、来る4月には竹野認定こども園と森本へき地保育園の統合を予定しています。

 教育委員会は、「とよおか教育プラン」「豊岡市子ども・子育て支援事業計画」を踏まえ、市長部局と一丸となって本市の教育行政に取り組んでいかなければならないと考えています。
 議員の皆様には、格別のご理解とご協力をお願い申しあげます。

より良いウェブサイトにするために、ページの感想を聞かせてください。

質問:このページの情報は役にたちましたか?
質問:このページの内容は分かりやすかったですか?
質問:このページは見つけやすかったですか?

このページに関するご質問やご意見は、「このページに記載されている情報の担当課」までお問い合わせください

このページに関する問合せ

教育委員会 教育総務課 教育総務係
〒668-8666 豊岡市中央町2番4号
電話:0796-23-1117 ファクス:0796-24-4669
問合せは専用フォームを利用してください。