2020年度 教育行政の方針と施策の展開

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ページ番号1009477  更新日 令和2年3月2日

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2020年度 教育行政の方針と施策の展開

 令和2年第1回豊岡市議会で、嶋教育長が『教育行政の方針と施策の展開』を説明しましたので、お知らせします。
 

 令和2年第1回豊岡市議会定例会の開会に当たり、議員の皆様のご清栄をお喜びいたしますとともに、日頃の教育行政に対するご理解・ご支援に対しお礼申しあげます。

 「ふるさと豊岡を愛し 夢の実現に向け挑戦する子どもの育成」を基本理念とする「第3次 とよおか教育プラン」の計画期間が2019年度末で終了します。
 この5年間、実践の基盤としてきたことは、子どもがどう感じ、どう考え、どのように行動しているかといった“子どもの事実に学ぶ”ことと、“子どもに寄り添う”ことでした。小・中学校では、「自分にはよいところがあると思う児童生徒の割合」と「先生が、自分のよいところを認めてくれていると思う児童生徒の割合」は、ともに上昇傾向にあります。教員が日常的に、子どものよさを丁寧に見取り、そのことを確かな言葉で、粘り強く伝えてきたことの成果だと言えます。
 今後もこの実践姿勢を貫き、本市の教育課題の改善はもとより、子どもと教師の、また、子ども同士の肯定的なかかわりの中で、子どもたち一人一人が抱えている課題の解決に取り組むことが重要であると考えています。

 教育を取り巻く環境は、著しいスピードで変わろうとしています。こうした中、小学校では「主体的・対話的で深い学び」の実現を意図した次期学習指導要領が、2020年度から完全実施されます。英語が教科化されることで、3~6年生の年間の授業時間が今よりもそれぞれ20時間多くなり、この増加分の授業時間を確保する必要があります。
 2020年3月には全ての小・中学校の普通教室に空調設備の整備が完了予定であることを踏まえ、子どもたちのゆとりある生活の観点から、1週間当たりの授業時間を増やすことなく、市内小・中学校の夏休みを4日間短縮することで対応します。

 本市では、国の教育改革の方向性を注視しながら、2017年度から全ての公立小・中学校において「小中一貫教育」を実施し、3年が経過しました。
 2020年度からは、特に「授業でつながる小中一貫教育」をテーマとし、子どもたちの“生きる力”を育むための取組として充実を図ります。さらなるご支援を賜りますようお願いいたします。

 さらに、2020年2月に「第4次 とよおか教育プラン」を策定しました。新たなプランでは、引き続き、基本理念を「ふるさと豊岡を愛し 夢の実現に向け挑戦する子どもの育成」と設定しました。あわせて、これまでの方向性を発展させるものとして「非認知能力」を重視し焦点化することとしました。
 ふるさとの「ひと・もの・こと」と出会い、体験を通して学びながら夢や目標を持ち、その実現に向けて挑戦するために必要な非認知能力(やり抜く力・自制心・協働性)を伸ばすことが基本理念の実践の方向であると考えています。

 一方で、豊岡の子どもの数は毎年減ってきており、今の就学前の児童数をみると、地域によっては、今後これまで以上に加速度的に減少していくものと想定され、複式学級を有する学校もさらに増えるなど、教育上の課題も生じています。
 そのため、2019年度は「豊岡の教育の現状と課題について考える」をテーマに、市内7会場で教育懇談会を開催したところ、延べ428人に出席いただきました。
 懇談会では、少子化および複式学級の現状と今後の見込み、少子化による教育課題等についてお伝えし、多くの方から意見を伺いましたが、意見の多くは「小規模校の課題についてもっと詳しい説明が聞きたい」「地域ではまとまらないので、市主導で統合を進めてほしい」といったものでした。
 これらの意見を踏まえ、2020年2月、「豊岡市立小中学校適正規模・適正配置審議会」を立ち上げました。今後、審議会委員や地域の方等、さまざまな立場の方から意見をお聞きしながら、学校統合という方法も含めて、教育的課題を軽減するためのさまざまな手法を議論し、検討していきたいと考えています。
 なお、今後のスケジュールについては、2020年度中に審議会から答申を受け、2021年度中に計画としてまとめる予定です。審議の期間中や、答申を受けてから計画策定までの間にも、意見交換会・説明会等を開催し、地域の方から十分に意見を伺いながら、慎重に進めていきたいと考えています。

 五荘小学校と奈佐小学校の統合につきましては、現在までに2回の準備委員会を開催し、協議・調整を行っています。今後も、子どもや保護者、さらには地域の皆様の不安を少しでも軽減し、円滑に進められるよう検討を行います。

 港東小学校と港西小学校につきましては、去る2月25日に港地区区長会長と、港東・港西両小学校、港中学校、港認定こども園のPTA会長の連名で、港東小学校と港西小学校の統合を希望する旨の要望書が提出されました。
 これを受け、2月27日に臨時教育委員会会議を開催し、要望の趣旨を尊重し、統合に向け準備を進めていく方針を決定いたしました。
 今後、統合準備委員会を設置し、2021年4月の統合を目標に、検討を進めていくこととしています。

 それでは、2020年度の「教育行政の方針と施策の展開」について、『生きる力を育む教育の推進』と『子どもたちの学びを支える仕組みの確立』に分けて説明します。

生きる力を育む教育の推進

 はじめに、『生きる力を育む教育の推進』について申しあげます。
 教育は、「家庭の教えで芽を出し、学校の教えで花が咲き、地域の教えで実がなる」と言われるように、市全体が子どもの成長にかかわる当事者として一体となり、子育てに取り組みます。
 また、現在の子どもたちの姿から、学力の向上、不登校児童生徒の増加、特別な支援が必要な子どもたちの教育的ニーズへの対応を最重要課題として位置付け、その対応を進めます。

主な取組

 それでは、生きる力を育む教育について「あたまの力」、「こころの力」、「からだの力」、「あたま・こころ・からだの3つの力を支える基礎力」、「特別支援教育の充実」の5つの施策ごとに主な取組を説明します。

あたまの力の育成

 はじめに、「あたまの力の育成」について説明します。
 豊岡市は全国に先がけて、2007年度から小中連携教育に取り組んできました。2017年度からは、9年間の系統性と一貫性のあるカリキュラムを実践するため、小中一貫教育「豊岡こうのとりプラン」を公立の全9中学校区において実施しています。
 「豊岡こうのとりプラン」の中心となる取組は、「ふるさと教育」、「英語教育」、「コミュニケーション教育」の3つの柱で構成する「ローカル&グローバル学習の時間」での実践です。
 3つの教育をバランスよく実践することが、子どもたちの生きる力を育み、小さな世界都市を目指す豊岡の未来を創造する力を持った子どもを育てていくことにつながっていくものと考えています。 

 ふるさと教育では、引き続き「コウノトリ」「ジオパーク」「産業・文化」を共通の学習課題とし、「ふるさと学習ガイドブック」やDVD「豊岡ふるさと学習 山陰海岸ジオパーク」を効果的に活用しながら、外部講師の招へいや現地でのフィールドワークを通して、体験に基づく探究的な学習を行います。
 豊岡についての知識を習得するだけでなく、自分の生活や生き方と結び付けて考え、学んだことについて相手を意識しながら表現することを通して、ふるさと豊岡を自分の言葉で語り誇れる子どもの育成を目指します。

 英語教育では、就学前の「英語遊び保育」を2017年度から継続して、市内の各幼稚園・保育園・認定こども園で積極的に実施しています。2020年度以降においても、引き続き子どもの実態に合わせて内容の充実に努めます。

 小学校では、2020年度からの新学習指導要領実施により、3・4年生で「外国語活動」が必修に、5・6年生で英語が教科になります。1・2年生では、2017年度から実施している豊岡市独自の取組である「英語遊び」を継続します。
 現在、外国語指導助手(ALT)を全小学校に配置していますが、来年度から英語の授業時数が増えるため、各校に配置するALTを増員し、全ての英語の授業をティーム・ティーチングで行うこととしています。アンケートによると、4年生の94.5パーセントが「英語の授業が楽しい」、6年生の80.3パーセントが「英語の授業が好き」と答え、多くの児童が休み時間、給食、掃除の時間など、授業以外でもALTと英語で積極的に会話をしようとする姿が見られます。

 また、夏季休業中においては、中学校3年生の希望者を対象にオールイングリッシュでの活動を3日間行う「イングリッシュ サマー キャンプ」を引き続き開催する予定としています。昨年度は市内全ての中学校から、前年度比およそ倍増となる45人の生徒が参加し、91パーセントの生徒が「とてもよい体験ができた」と答えました。
 このように、幼児期から小・中学校までの連続性と系統性のある学習を通して、「自分のこと」「ふるさとのこと」を英語で語ることのできる資質・能力を育成します。

 コミュニケーション教育では、相手が伝えたいことや相手の意図を理解する能力、自分が伝えたいことを相手に「正確に」「効果的に」伝える能力の育成を目指し、継続して取り組みます。
 とりわけ、小学校6年生と中学校1年生では、引き続き多様な意見をすり合わせて合意形成を図ったり、仲間と協働して課題を解決したりすることを目標とした演劇的手法を取り入れた授業を行います。
 また、この教育は、やり抜く力、自制心、協働性といったIQなど数値で表すことのできない非認知能力を向上させることにつながる可能性があり、全ての教科・領域で重視していきたいと考えています。
 さらに、この能力の育成は、幼少期に出力型の学習を通して働きかけることが有効であることから、モデル校2校において、小学校1~3年生を対象とした演劇ワークショップを引き続き実施することとし、プログラムの開発と評価方法の研究を行っていきます。

 小・中学校の授業実践については、主体的・対話的で深い学びの実現のため、「何を学ぶか」だけでなく、「何ができるようになるか」、そのために「どのように学ぶか」ということを重視した授業改善に努め、確かな学力の定着と教職員の授業力向上に取り組みます。

こころの力の育成

 2点目に、「こころの力の育成」について説明します。
 子どもたちが、現代の複雑で予測困難な社会に対応し、将来を見据えて社会的自立に必要な能力を育成するため、体系的、系統的なキャリア教育に取り組みます。また、人権感覚の涵養を基盤に、自他に対する肯定的な態度と共生の心の育成に努めます。あわせて、子どもたちの豊かな人間性と社会性を培うために、発達段階に応じた体験的な活動を推進します。

 道徳教育については、教科となった道徳の授業を中心に、学校教育全体を通して取り組みます。授業では、「問題解決的な学習」や「体験的な学習」等を取り入れ、他者や自己との「対話」による授業づくりを進めます。また、積極的に授業を公開し、家庭や地域の皆様の理解と協力を得られるよう工夫します。

 防災教育については、過去の災害を踏まえた年3回のメモリアルデーの防災・減災授業を継続するとともに、市民総参加訓練をはじめ家庭・地域・専門機関と連携した取組を実施します。

からだの力の育成

 3点目に、「からだの力の育成」について説明します。
 小学校5年生、中学校2年生を対象とした全国体力・運動能力テストの結果から、全8種目の「体力合計点」は、2019年度においても全国を上回る結果となっています。特に、女子の体力合計点は過去最高を記録し、中でも、5年生は県内でトップクラスとなりました。これは、幼児期や小学校低学年における運動遊び、豊岡市版小学校体育準備運動の取組が運動能力の底上げにつながっているものと考えられます。
 しかし、ここ数年、「50メートル走」や「上体起こし」など、体幹を使って行う運動の能力が低いことが課題といえます。
 今後も、就学前教育施設と小学校の連携教育の核として運動遊びや、各校での体育の授業に体幹を鍛えることを意識した運動やトレーニングを取り入れ、健やかな体づくり、運動する楽しさや心地よさを味わわせる授業づくりに取り組んでいきます。

あたま・こころ・からだの三つの力を支える基礎力の育成

 4点目に、「あたま・こころ・からだの三つの力を支える基礎力の育成」について説明します。
 乳幼児期の教育・保育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要な時期です。子どもたちは、集団の中で夢中になって遊ぶ体験などから興味と関心を広げ、新しいことに挑戦し、自分で考える力・学びに向かう力を身に付けていきます。

幼稚園・保育園・認定こども園では、望ましい基本的生活習慣をはじめ人とのかかわり方や思いやりなど、幼児期に身に付けさせたい子どもの姿をまとめた「スタンダード・カリキュラム」や「すくすくプログラム~育てたい5つの力~」などを活用しながら教育・保育を進めます。
 なお、「スタンダード・カリキュラム」については、就学前教育施設に関する関連3法令の改訂を踏まえ、新たに「第2次 スタンダード・カリキュラム」を2020年2月に策定しました。
 本カリキュラムは、公立園と私立園の両方から集めた557のエピソード記録をもとに、子どもの姿や事実から育ちや学びを読み取って作成しており、より豊岡の子どもたちの実態を踏まえたものになっています。
 今後、このカリキュラムを活用した公開保育研修会を実施し、職員の資質向上と、さらなる就学前教育・保育の充実、併せて保護者への普及啓発に努めます。

特別支援教育の充実

 5点目に、「特別支援教育の充実」について説明します。
 特別な支援を要する子どもたちが、就学前から学校卒業時まで系統的、継続的に適切な支援を受け、その能力や可能性を最大限伸ばし、自立し、社会参加するために必要な力を培うことが重要だと考えています。

 こども支援センターでは、さまざまな困難や課題を有する子どもにかかる相談を受けて、教育と福祉、保健等の関係機関と横の連携を図りながら、子どもと家庭が抱える問題を解決するため、適切な支援を行います。
 保護者や学校園からの特別な支援が必要な子どもの相談に応じ、臨床心理士等による面接や学校園訪問により実態を把握し、必要に応じて検査を実施のうえ、個々の特性や課題に応じた支援方策を助言していきます。2019年4月から2020年1月までの実績としては、相談件数が405件、訪問件数が356件、検査等件数が100件あり、学校園や保護者からのニーズは高い状況が続いています。

 適応指導教室「ふれあいルーム」では、学校に行きたくても行けない児童生徒や保護者の思いを受けとめ、学校復帰や社会的自立に向けて支援するとともに、家庭環境を含めた複合的な要因がある場合は、学校とスクールソーシャルワーカー・家庭相談員が連携して対応します。
 保護者支援としては、同じ悩みを抱える保護者同士が情報交換・交流できるよう座談会を開催します。
 また、大学研究者のスーパーバイザーの指導のもと、モデル校において、子どもたちの発達課題を把握し、全ての子どもが分かる授業を目指して、「授業のユニバーサルデザイン化」の視点から授業研究を行います。

子どもたちの学びを支える仕組みの確立

 次に、『子どもたちの学びを支える仕組みの確立』について申しあげます。
 学校園は、子どもたちにとって安心して自己表現し、他者と協働して学び合う場であり、心身ともに安全安心な場所でなければなりません。
 家庭は、子どもの教育に第一義的責任を有し、保護者が子どもの基本的生活習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成する場です。
 また、地域は、子どもがさまざまな体験を通して生きる力や他者を思いやる力を身に付ける所であり、地域の行事への参加を促すなど、「顔でつながり、声でつながり、心でつながる」を合言葉に、地域全体で積極的に子どもを育てる機運を高めていかなければなりません。
 学校園・家庭・地域がそれぞれの責任と役割を自覚し、連携・協力していくことが、子どもの学びを支えるためには重要であると考えています。

主な取組

 それでは、子どもたちの学びを支える仕組みについて「教職員の資質能力の向上」、「学校園の組織力の強化」、「安全・安心な教育環境の整備・充実」、「家庭と地域による学校と連携した教育の推進」の4つの施策ごとに主な取組を説明します。

教職員の資質能力の向上

 はじめに、「教職員の資質能力の向上」について説明します。
 学校現場に求められる役割は多様化しており、専門的知識・実践的指導力等、必要な資質・能力を高めるため、体系的な研修を行うことが重要です。
 他方で、全国的に教職員の長時間業務が課題となっており、本市においても教職員の長時間業務は課題となっています。そこで、2017年12月に「豊岡市学校における働き方改革」推進方針を策定しました。
 その取組の一環として、2019年4月から市内の全公立小・中学校に統合型校務支援システムを導入し、各学校において運用を開始しています。今後も、業務の効率化を図り、学校現場における働き方の見直しに向けた意識改革、業務改善をより一層推進していきます。
 学校現場の働き方改革を推進することで、教員が子どもと向き合う時間を確保し、業務に専念できる環境を整え、学校教育の質の向上を図ります。 

学校園の組織力の強化

 2点目に、「学校園の組織力の強化」について説明します。
 まず、社会的に大きな問題となっているいじめについてです。子どものサインを見逃さないため、引き続き全ての学校で毎月1回「いじめアンケート」を実施し、いじめの積極的認知に努めます。
 教職員が子どもの声を丁寧に聴き、子どもの良さや持ち味を見出そうとする姿勢を持つことによって、子どもと教職員が互いに信頼しあい、普段から何でも話しあえる環境を整えます。
 加えて、小学校3年以上の全児童生徒を対象に、学校環境への適応感をはかる「アセス」を実施し、子どもたちの心の状況を客観的にとらえ、学級での子どもの状況把握に努めます。
 また、5月・9月・2月を「子どもの心を理解する強化月間」とし、児童生徒に個別面談を行い、いじめや問題行動の未然防止、早期発見、早期対応を組織的に取り組みます。

 不登校の児童生徒数は、2012年度から増加傾向が続き、豊岡市の教育の中心課題となっています。
 また、不登校の原因も家庭に係る状況、人間関係の問題、学業の不振など、多様化かつ複雑化しており、学校の対応能力の向上が求められています。
 まず、授業づくり、集団づくりを中心とした魅力ある学校づくりを推進するため、豊岡市不登校対策アクションプランの見直しを行います。また、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、こども支援センター、福祉や医療等の関係機関との連携を密にしながら、個に応じたきめ細かな指導の充実に向け、教職員の能力、専門性の向上を図ります。
 併せて、小中連携教育で構築してきた引継ぎ連携システムについては、その取組により小学校6年生から中学校1年生にかけての不登校出現率を抑えることができています。今後は、より実効性のあるシステムにするため見直しを図るとともに、中学校進学時の生活や学習を支援するためのカリキュラム「アプローチ アンド スタートカリキュラム」に基づく実践を進めます。

安全・安心な教育環境の整備・充実

 3点目に、「安全・安心な教育環境の整備・充実」について説明します。
 2019年度は、2016年度に策定した「学校施設整備計画」や市全体の「公共施設再編計画」に基づく小・中学校の「豊岡市学校施設個別施設計画」を策定しました。
 この計画は、緊急性や児童生徒の安全性、教育環境に配慮しつつ、事業量や事業費の縮減および平準化を図り、適切な時期に必要な施設整備を行うためのものです。2020年度以降、小中学校適正規模・適正配置審議会の審議状況や他の公共施設のあり方等の検討状況等と整合性を図りながら、学校施設に求められる機能・性能を維持・確保していくこととします。

 学校施設の安全性や防災機能の充実を図るための、体育館および武道場の「照明器具等非構造部材の落下防止対策事業」については、2019年度中に全ての中学校の整備を終えました。
 2020年度からは、小学校の工事に着手することとしており、2023年度中には全ての小学校について、整備を完了する予定としています。

 2018年度の猛暑を受け、実施してまいりました小学校・幼稚園等の普通教室・保育室への空調設備整備につきましては、2020年3月に整備が完了する見込みとしており、2020年夏からは全学校園で稼働できる予定です。

 その他、子どもたちの安全を確保し、学習・保育環境を向上させるため、定期的に遊具、防火設備等を点検し、教育・保育施設の修繕、改修を行います。

 子どもたちが情報モラルを身に付け、情報を適切かつ主体的、積極的に活用する能力を育成するとともに、一人一人に応じた学びを推進するため、教育用情報機器の計画的な整備と更新を進めます。

 国では、児童生徒向け1人1台の学習用端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備する「GIGA(ギガ)スクール構想」を推進しています。本市では、国の補助を活用し、2020年度に小中学校の校内通信ネットワークの高速大容量化を図ります。

 学校給食においては、(1)「安全安心な食事の提供」、(2)「『食育』につながる給食づくり」、(3)「地域とつながり地域を大切にする給食づくり」を学校給食の目標とし、食材の地産地消率の向上に努めます。
 「食物アレルギー」については、対応マニュアルに基づき、学校給食センターと学校園が関係機関とも連携し、事故防止と発生時の即時対応の徹底など、アレルギー対応の充実を図ります。
 また、学校給食センターについては、人事管理の効率化を図るとともに、子どもたちに安全・安心で安定的に学校給食を提供するため、調理・洗浄業務等について民間委託導入に向けた検討を進めます。

家庭と地域による学校と連携した教育の推進

 4点目に、「家庭と地域による学校と連携した教育の推進」について説明します。
 家庭の就労環境が変化し、望ましい生活習慣の定着が難しくなってきている状況がある中で、睡眠や食事の大切さを保護者に正しく伝えることはとても重要なことであると考えます。
 そのため、学校園においては、本市教育委員会が作成し、配布している「すくすくメッセージ」・「はばたきメッセージ」や睡眠の大切さ(眠育)を知らせる紙芝居「めらとにんじゃのしゅぎょう」等を活用するとともに、子育てセンターやこども支援センター等において、保護者等に「望ましい生活習慣」や「子どもの発達への理解」を深めるための子育て講座等を充実します。

 次に、“地域の主体的な学校支援の取組”として、学校支援地域本部事業を継続し、学校と地域のつながりを強めます。
 また、“地域ぐるみで子どもを育てる取組”として、放課後子ども教室を実施し、地域における子どもの居場所づくりに努めます。
 さらに、学校運営に地域の声を積極的に生かし、学校と地域が一体となり特色ある学校づくりを進める学校運営協議会制度「コミュニティ・スクール」をモデル校2校に導入します。モデル校による先行実施を通して、校区の実情を踏まえた「コミュニティ・スクール」豊岡方式を具体的に検討します。

 ファミリーサポートセンターは、会員数が1月31日現在で226人となり、順調に会員数を増やしています。
 子どもの預かりや送迎などの相互援助活動も、平均して月45件以上あり、順調に活動が進んでいる状況です。
 今後も、会員募集に努めるとともに、会員研修や会員間の交流事業の充実を図り、育児と仕事を両立し、働きながら子育てがしやすい環境づくりに資するよう取り組んでいきます。

 放課後児童クラブは、利用児童数が年々増加する状況にあります。児童が放課後等に安心して過ごせる生活の場となるよう、入所希望児童の受け入れ体制の確保を図り、適切なクラブ運営に努めます。

 生涯にわたる人格形成の基礎を培う幼児教育の重要性や、幼児教育の負担軽減を図る少子化対策の観点などから、消費税率引上げ時の2019年10月から幼児教育・保育の無償化が実施されました。
 保育ニーズの高まりにより待機児童が解消できない中、喫緊の課題である保育士等の確保のため、2018年度から2019年度の2年間、2つのモデル園で保育士等確保推進事業に取り組み、その成果などを市内全園へ周知しました。
 2020年度からは、当該事業を参考に各園において、「より働きやすく」「より働きがいのある」園づくりが進められていくことを期待しています。
 なお、公立園については、市の財政状況を踏まえつつ、(1)ICTを利用した業務改善、(2)保育補助者の配置を順次導入していきたいと考えており、2020年度は保育支援システムを西保育園に導入することとしています。

 0~2歳児の保育ニーズの高い豊岡地域内において、2020年4月に市内で4カ所目となる小規模保育事業所が開園します。さらに1カ所の開園を目指し、2020年度も小規模保育事業設置運営事業者の公募を行い、その施設改修工事にかかる支援を計画しています。
 また、2020年度と2021年度の2カ年で、八条認定こども園を増改築して受け入れ枠を拡大し、待機児童の解消を目指します。

 待機児童の解消、放課後児童クラブのニーズの急増、急激に進む少子化などを総合的に解決するため、「豊岡市における幼児教育・保育及び放課後児童のあり方計画」を策定することとしています。
 この計画は、今後の子どもの人数や保育ニーズの推移を見据えた上で、「より良い幼児教育・保育の質の確保」、「保育所・放課後児童クラブ等の施設のあり方」といった課題について、市の基本的な方針や具体的な施設の再編・統合計画について定めるものです。
 昨年9月13日に「豊岡市子ども・子育て会議」からいただいた答申および関係する社会福祉法人等の意向を尊重しつつ、10月に市内6会場で実施した市民懇談会でいただいた意見を踏まえ、市としての計画(案)を作成しているところです。来たる3月26日には議員説明会を開催し、議員の皆さまのご意見を伺いたいと考えています。
 その後、改めて説明会を開催して市民の皆様から再度ご意見をいただくとともに、関係する社会福祉法人等との協議をさらに重ね、2020年8月に計画を策定する予定としています。

 また、国において、2012年8月に「子ども・子育て支援法」が制定され、この法律に基づき、2015年3月に市が策定した「豊岡市子ども・子育て支援事業計画」により、就学前の教育・保育、地域における子育て支援を総合的に推進してきました。
 現行の計画が2019年度で終期を迎えることから、新たな計画となる、2020年度から向こう5年間の「第2期 豊岡市子ども・子育て支援事業計画」を2020年3月に策定する予定としています。

 教育委員会は、「とよおか教育プラン」、「豊岡市子ども・子育て支援事業計画」を踏まえ、市長部局と一丸となって本市の教育行政に取り組んでいかなければならないと考えています。
 議員の皆様には、格別のご理解とご協力をお願い申しあげます。

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