令和7年第2回豊岡市議会(定例会)市長総括説明(2025年2月28日)

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ページ番号1032648  更新日 令和7年3月5日

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 おはようございます。

 令和7年第2回豊岡市議会定例会の開会に当たり、議員各位のご健勝をお喜び申しあげますとともに、日頃のご精励に対し深く敬意を表します。

 まず、埼玉県八潮市(やしおし)での道路陥没事故を受けた本市の対応について申しあげます。

 去る1月28日、埼玉県八潮市において道路が陥没し、走行中のトラックが転落する事故が発生しました。原因は、地下に埋設されていた下水道管の破損と考えられており、国土交通省から全国の自治体に対し、下水道管の緊急点検の要請がありました。

 本市においては、下水道管の口径および処理人口が点検対象以下であったことから、今回の緊急点検の対象とはなっておりませんが、ライフラインの適切な維持管理は極めて重要であると認識しています。また、従来から下水道法に定められた定期点検を実施しており、現在のところ異常は認められておりません。今回の事故を教訓に、引き続き下水道管を含めた地下埋設物の適切な維持管理に努めてまいります。

 次に、物価高騰対策に関することについて申しあげます。

 国の「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」を踏まえた市独自の支援策として、20パーセントのプレミアム付商品券「PREMIUM豊岡2025」の発行と高校3年生相当以下の子どもがいる世帯に対し、「子育て応援商品券」を配付します。

 これらに必要な予算は、去る1月30日の臨時会で議決をいただいており、プレミアム付商品券については、3月下旬、各世帯に人数分の「プレミアム付商品券購入引換券」を発送します。また「子育て応援商品券」については、3月下旬から対象家庭に順次発送できるよう準備を進めています。

 さて、今議会は、2025年度当初予算をはじめ、諸案についてご審議いただく極めて重要な定例会です。
 本日、私から提出いたします案件は、報告事項1件、事件決議8件、条例7件、予算22件の合計38件です。

 なお、本日、議決を賜りたいと考えている第17号議案に係る事項については、別途ご説明いたします。

2025年度 施政方針

 ここで、2025年度の市政運営に対する私の基本的な考え方につきまして、述べさせていただきます。

 世界の潮流に流され、また、失われた30年を取り戻すというような世相となり、望まれない物価高騰が続く中、日本中で生活苦を感じる方が多くなっていると強く感じています。同時に地方の市町では人口減少と言うなだらかな災害ともいえる状況にあえいでいます。

 先日、驚く数字を(の当たりにしました。昨年の豊岡市の出生数です。355人です。合併した20年前の約半分。
 少子化のスピードは予測以上に進んでいると感じます。遠からず市役所自体も小さくならざるを得ず、これまでのような行政サービスを提供できなくなることも予想されます。
 このような中、今後、市役所はどうあるべきかと考えると、「小さくても大きなパワー」がある、誰一人取り残さない市役所にならなければならないと考えます。そのために大きな力となる一つは、DXの推進です。
 決して新しいデジタル技術を取り入れるだけの事ではありません。これまでやっていたことを、一度立ち止まり、今の、そしてこれからの時代に合ったやり方に変えていく。市役所が変わっていく。市民の平穏な暮らしが持続する。住んでよかったと言えるまちになることを目指し、足元を固め、市民の平穏な明日につながる市政推進と行動をしなければならないと強く思います。
 これまでの4年弱の間、市政を預からせていただきました。きらびやかな、派手な、目立つことはできなかったかと思いますが、今申しあげた思いを常に持ち、明日につながる市政を、と尽力してまいりました。

 コロナ禍のワクチン接種の始まりの時です。市役所全体のチームワークの未熟さ、組織力の脆弱性を強く感じ、「新型コロナワクチン接種推進室」を設置したのが私の一番目の仕事でした。その後には、県が打ち出した豊岡聴覚・出石の両特別支援学校の出石への統合について、利用者からの強い反対要望が。それを受けて知事とのやり取りの後、旧豊岡南高校跡地での統合新設に変更となりました。   

 医療的ケアの必要な子どもたちの受け入れ施設開設に関しても、県の協力を引き続き得られ、事業者の施設開設が現実となりました。1歳から3歳までの医療費無料化、小学3年生までの無料化は、財政構造を見極めながら、着実に実現してまいりました。同時に市役所内部の改革も続けてきました。
 「組織・意識の改革」「DXの推進」「わざわざ行かなくてもいい市役所」を目指して住民サービスの向上、申請手続きのオンライン化、組織間の横展開の強化等「小さくても大きなパワーの市役所」を目指して、今後も尽力してまいります。

 産業・経済振興へも引き続き力を注いでいきます。直接的な財政支援は馴染まないものですが、業界や事業者の方々の前向きな行動に対し、行政としてできる限りの支援を行ってまいりました。また、外部からの豊岡への人的、経済的投資を引き込む役割を果たしてまいりました。同じように、今後も尽力してまいります。現在、複数のプロジェクトが動こうとしています。そのための一部を当初予算に計上しています。

 15年後の2040年、私を含めた高齢者割合のピーク、労働人口の急減、介護人材の需給ギャップの拡大、益々のインフラの老朽化は待ったなしにやってきます。来年度はその時を見据えた、次の地方創生総合戦略策定の年となります。分かりやすく、現実的な課題解決戦略を策定し、一歩一歩着実に「持続するまち」「住んでよかったと言えるまち」に「市民の市民による市民のための市政」を進めてまいります。

2025年度予算の概要

 続いて、2025年度予算の概要について申しあげます。

 今年は、新市制20周年、コウノトリ放鳥20周年、北但大震災から100年という大きな節目となります。市民の日々の暮らしを着実に支え続けることを市政の基本としながら、新年度予算は「市制20周年 変わる豊岡」をテーマとして、未来を見据え、新たなステージへ踏み出すための重要な予算となります。

 一般会計では総額511億8,000万円、2024年度当初予算と比較して6.1パーセントの増としています。
 一般会計のほか、8つの特別会計の予算額208億205万3千円、および2つの企業会計の予算額153億8,211万6千円を合わせ、全会計の総額は873億6,416万9千円、2024年度当初予算と比較して3.4パーセントの増としています。
 一般会計の歳入についてです。国の2025年度地方財政計画において、市町村税収入は前年度と比較して5.9パーセントの増、地方交付税総額は1.6パーセントの増とされています。

 市税について、個人市民税は税制改正による定額減税の影響がなくなることから増収を想定し、市税収入を97億2,992万3千円としています。2024年度当初予算と比較して3億8,988万6千円、4.2パーセントの増を見込んでいます。
 地方交付税について、普通交付税は152億円で、人事院勧告に伴う給与改定による人件費増額分の一部が措置されると見込み、2024年度と比較して4億円、2.7パーセントの増としています。特別交付税は除排雪経費の増額を見込み、7千万円、3.3パーセントの増としています。
 地方譲与税および各種交付金は30億2,256万8千円で、1億7,310万9千円、5.4パーセントの減を見込んでいます。これは、定額減税による個人市民税の減収額を補てんする地方特例交付金の減額などによるものです。

 好調なふるさと納税は15億1,120万円で、4億1,120万円、37.4パーセントの増を見込んでいます。

 市債は40億9,740万円で、3億600万円、8.1パーセントの増を見込んでおり、総合健康ゾーン健康増進施設「ウェルストーク豊岡」や道の駅「神鍋高原」などの公共施設の長寿命化事業の実施によるものなどです。

 一般会計の歳出については、子ども医療費助成制度の拡充、補聴器購入補助金の創設、帯状疱疹・新型コロナウイルスワクチン予防接種の実施、中竹野地区コミュニティセンター、城崎温泉交流センターおよび竹野学園の整備、三江小学校の長寿命化改修など市民生活に身近な取り組みのほか、市制20周年記念事業や震災復興100年事業など「豊岡で暮らしてよかったとみんなが実感できるまちづくり」を進めるための予算付けを行いました。

 また、地方創生総合戦略を的確に進めるため、地方創生関連事業に6億6,735万8千円を予算計上しています。             

 2025年度の予算編成においては、歳出に見合う一般財源の確保が困難であったため、2024年度と同様、財政調整基金から15億円を取り崩し、収支均衡を図っています。
 現状は、好調なふるさと納税と財政調整基金に依存した予算編成となっており、極めて不安定な状況です。
 今後ますます厳しくなる財政状況を見据え、経常的経費の抑制、公共施設マネジメント、DXの推進や第5次行財政改革の実行に取り組んでまいります。

主要事業(地方創生事業)

 次に、2025年度の主要事業のうち、地方創生事業について申しあげます。
 来年度は、第2期地方創生総合戦略の最終年度を迎え、次期戦略へつなぐ重要な年であり、44事業を実施します。
 事業の推進に当たっては、国県の交付金、補助金を最大限に活用するとともに、企業版ふるさと納税、ガバメントクラウドファンディングなどを積極的に活用したいと考えています。

 続いて、戦略体系に基づき、2025年度事業の主な内容についてご説明申しあげます。
 戦略の目的を達成するため、六つの主要手段を掲げております。

《主要手段01 豊岡の暮らしの『豊かさ』が内外に知られている》

 まず、一つ目の主要手段「豊岡の暮らしの『豊かさ』が内外に知られている」について申しあげます。

豊岡の良さが内外に伝わっている

 その具体的手段「豊岡の良さが内外に伝わっている」についてです。

 大阪・関西万博の開催により、関西圏に多くの人々が訪れることが予想されます。これを契機に本市の魅力をPRし誘客を図るとともに、特産品のPR・販売を行うため、昨年度に引き続き、9月にあべのハルカスで「ひょうご豊岡フェア」を開催します。
 また、移住定住ポータルサイト「飛んでるローカル豊岡」による情報発信や移住者向けの民間サイトを積極的に活用し、移住者および関係人口の増加を図ります。

 さらに、企業版ふるさと納税の獲得に向けて、本市の特徴的な施策に共感していただけるよう、企業に対し私自身も積極的にアプローチし、全庁的に取り組むことにより寄附金額の増加を目指してまいります。

豊岡を巣立った人たちが豊岡とつながっている

 次に、具体的手段「豊岡を巣立った人たちが豊岡とつながっている」についてです。

 UIターンを増やすため、潜在的に移住希望者が多い東京や大阪での移住イベントや大学主催の就活イベントなどに出展します。
 また、若者たちが高校卒業後も豊岡へ関心を寄せ、つながりを持ち続けてもらうため「はたちを祝う会」参加者に対し、LINEを活用して市の情報を継続して配信します。

移住・定住を検討する人に情報が提供されている

 次に、具体的手段「移住・定住を検討する人に情報が提供されている」についてです。

 本市へ移住を検討している方の移住を促進するため、ワンストップ窓口を設置し、移住希望者への情報提供や仕事などのマッチングを行うとともに、夜間及び休日の移住相談や現地案内等に係る業務については、民間の移住相談窓口により的確に対応します。

《主要手段02 多様なライフスタイル・働き方及び多彩な事業活動が実践されている》

 二つ目の主要手段「多様なライフスタイル・働き方及び多彩な事業活動が実践されている」について申しあげます。

新たな事業や仕事にチャレンジする人が増えている

 その具体的手段「新たな事業や仕事にチャレンジする人が増えている」についてです。

 ビジネスに関する総合相談窓口である「IPPOTOYOOKA(」において、起業を望む方や成長を目指す市内事業者を引き続き支援します。
 農業については、豊岡農業スクールにより新規就農者を育成するとともに、農業用機械等の導入補助金など、新規就農者の経営開始への支援を行います。
 地域おこし協力隊については、2014年度の制度導入以来、2月1日現在、107人に委嘱し、現在30人の隊員が活動中です。任期を終えた方のうち、起業等により51人の方が本市に定住しておられます。本制度を引き続き活用し、地域の課題解決や活性化を図るとともに、隊員の市内での起業等を支援します。
 また、若者がまちの未来を考えるきっかけをつくるため、引き続きふるさと財団の地域再生マネージャー事業補助金を活用し、外部専門家からアドバイスを受け、若者の居場所づくりや若者交流イベントを実施します。

豊岡の強みを活かして稼ぐ力が高まっている

 次に、具体的手段「豊岡の強みを活かして稼ぐ力が高まっている」についてです。

 兵庫県鞄工業組合が行う外国人材の雇用促進事業や、万博期間中に高まると予想されるインバウンド需要を捉えた「豊岡鞄」のPR戦略・販売強化事業等に対し、補助を行います。

市民が多様な人々を受け入れている

 次に、具体的手段「市民が多様な人々を受け入れている」についてです。

 去る2月10日、多様性推進・ジェンダーギャップ対策検討委員会から、今年度中に策定予定の「豊岡市多様性推進方針」に関する提言を受けました。同方針を、本市の各種計画に横串を通すものと位置付け、多様性推進の視点をあらゆる施策に反映するよう努めてまいります。
 また、多文化共生社会の実現に向けた施策をより効果的に推進するため、神戸大学と共同で外国人住民の実態調査を行い、第2次豊岡市多文化共生推進プランを策定します。

《主要手段03 いきいきと暮らす女性が増えている》

 三つ目の主要手段「いきいきと暮らす女性が増えている」について申しあげます。

性別に関わらず地域での協働が進んでいる

性別に関わらず夫婦が家庭内で支えあっている

 その具体的手段「性別に関わらず地域での協働が進んでいる」および「性別に関わらず夫婦が家庭内で支えあっている」についてです。

 だれもが性別、慣習などにとらわれず、社会、職場などで活躍できるよう、まち全体のジェンダーギャップの解消を引き続き目指します。
 来年度は、多様な「視点と価値観」が根差した地域社会の実現に向けて、政治、経済、地域の各分野で活躍する若手リーダーを育成するため、「地域リーダー塾2025」を開催します。
 また、ジェンダーギャップに関する市民意識調査と事業所調査を行い、豊岡市ジェンダーギャップ解消戦略の後期計画を策定します。

ありたい姿に向かっていきいきと働ける機会が増えている

 次に、具体的手段「ありたい姿に向かっていきいきと働ける機会が増えている」についてです。

 ワークイノベーションを推進し、女性も働きやすく、働きがいを感じることのできる事業所の増加を図ります。
 また、ワークイノベーション推進会議の会員事業所を中心に、優良事例発表、意見交換、情報共有などの機会を設け、各事業所が抱える課題の解決を図ります。
 さらに、従業員のキャリア形成やネットワーク形成を支援するため、個別の悩みや問題などを、専門家等に相談できる機会を設けます。

 子育て中の女性の就労促進についてです。

 働きたい女性を対象としたデジタルマーケティングの人材育成を図るほか、女性社員等のリスキリングを目的としたプログラミング教室を開催し、人材育成を図ります。
 また、アイティ4階の「WACCU TOYOOKA」内の「みらい応援Room」において、就職相談、起業相談、キャリア相談等を引き続き実施するほか、関連するセミナーを開催します。

《主要手段04 豊岡で人々が世界と出会っている》

 四つ目の主要手段「豊岡で人々が世界と出会っている」について申しあげます。

世界中から人々が来訪し、豊岡を楽しんでいる

 その具体的手段「世界中から人々が来訪し、豊岡を楽しんでいる」についてです。

 2024年の外国人延べ宿泊者数は、コロナ禍以前の2019年を上回り、過去最高を更新しました。インバウンドの誘客や市内周遊をさらに進めるため、引き続き、一般社団法人豊岡観光イノベーションに民間企業で培った専門的な知識や経験を有した人材を配置します。

 城崎温泉街の交通環境改善に関する社会実験についてです。

 当該区域は、道路幅が狭く慢性的な交通渋滞が発生していることから、観光客や地域住民の安全を確保し、温泉街のそぞろ歩きの魅力を高めるため、地域や兵庫県とともに交通環境改善に向けた社会実験などを引き続き実施します。
 また、引き続き、豊岡演劇祭をはじめ、但東地域では地域の方々による神楽作品の創作と公演を、玄武洞公園ではライトアップを実施します。

メイドイン豊岡が世界に広がっている

 次に、具体的手段「メイドイン豊岡が世界に広がっている」についてです。

 コウノトリ育む農法で栽培されたお米の特徴や価値について、海外の消費者に向け、インターネットによる情報発信を引き続き行います。

国内外から優れた人材が集まり、豊岡の魅力を高めている

世界の人々と対等に向き合う人材が増えている

 次に、具体的手段「国内外から優れた人材が集まり、豊岡の魅力を高めている」および「世界の人々と対等に向き合う人材が増えている」についてです。

 おんぷの祭典や城崎国際アートセンターにおけるアーティスト・イン・レジデンスを引き続き実施し、市民の皆さんが優れた文化芸術に触れる機会を作ります。
 また、来年度の永楽館歌舞伎は、9月30日から10月5日の6日間、開催する予定です。2025年度も地域一体となった事業等が企画され、地域全体の盛り上がりにつながる公演になることを期待しています。

 芸術文化観光専門職大学との連携についてです。

 同大学と連携・協働して地域課題を解決するため、来年度は竹野地域における夏と海以外の魅力を再発見するプロジェクトを新たに実施するほか、引き続き、子どもの居場所づくりのための意識調査などに取り組みます。

《主要手段05 子どもたちのふるさとへの愛着が育まれている》

 五つ目の主要手段「子どもたちのふるさとへの愛着が育まれている」について申しあげます。

子どもたちが豊岡のことをよく知っている 

子どもたちが様々なコミュニティの中で役割を果たしている

子どもたちが様々な人とコミュニケーションを楽しんでいる

 その具体的手段「子どもたちが豊岡のことをよく知っている」、「子どもたちが様々なコミュニティの中で役割を果たしている」および「子どもたちが様々な人とコミュニケーションを楽しんでいる」についてです。

この内容については、子どもたちの教育に関することですので、後ほど教育長から述べさせていただきます。

《主要手段06 結婚したいと思う人が結婚できている》

 六つ目の主要手段「結婚したいと思う人が結婚できている」について申しあげます。

若者が集い、交流する場が増えている

多種多様な出会いの機会が充実している

交際・結婚に向けた独身者へのきめ細かな支援体制が充実している

 その具体的手段「若者が集い、交流する場が増えている」「多種多様な出会いの機会が充実している」および「交際・結婚に向けた独身者へのきめ細かな支援体制が充実している」についてです。

 結婚支援事業については、2021年度から2023年度の4年間で、市内全体の婚姻数の約1割を占める65組が成婚されています。
 これまでの取組を継続するとともに、昨年10月から配置している地域プロジェクトマネージャーのもと、持続可能な結婚支援体制を整えてまいります。   
 また、アイティ4階の「みらい応援Room」に結婚支援事業の拠点を移すことによって、相談者の利便性の向上と充実を図ります。

主要事業(地方創生事業以外)

 次に、地方創生事業以外の2025年度の主要事業、および諸般の報告事項等について、基本構想の「市民の暮らしを支える施策の体系」に沿ってご説明申しあげます。

 なお、教育行政の方針と施策の展開については、教育長から別途ご説明申しあげます。

《安全に安心して暮らせるまち》

 第1に「安全に安心して暮らせるまち」についてです。

 防災・減災力の向上、消防・救急体制の充実を図るとともに、防犯意識の醸成に努め、安全な暮らしづくりを進めます。
 また、生活習慣病予防や健康づくりの支援などにより、安心しておだやかに暮らせるまちづくりを進めます。

安全を守るまちづくり

 具体的には「安全を守るまちづくり」として、今年は「北但大震災100年メモリアル」と題し、震災の歴史や復興の歩みを「まちの記憶」として継承していくため、市民の皆さまや関係機関と共働し、記念シンポジウムや中学校での防災授業等を開催します。

 また、老朽化が進んでいる豊岡消防署出石分署において、建物の耐久性を改善し消防活動に必要な機能を維持していくため、改修工事を行います。

安心しておだやかに暮らせるまちづくり

 「安心しておだやかに暮らせるまちづくり」としては、帯状疱疹および新型コロナ感染症について、予防接種法におけるB類疾病の定期接種として予防接種を行います。

 なお、帯状疱疹の予防接種のうち、定期接種の対象とならない50歳以上60歳以下の方については、県の補助事業にあわせ、来年度に限り、任意接種への補助事業を継続します。
 また、18歳以上の中等度難聴者の社会参加を促進し、閉じこもりや孤立、認知機能低下を防止することを目的として、一人につき3万円を上限に補聴器購入費用を助成します。

 高齢者福祉については「一人暮らし高齢者等安心・見守り活動」や「ふれあいいきいきサロン」に対する補助を引き続き行います。

 豊岡圏域の地域包括支援センターの運営についてです。

 港地区を除く豊岡圏域の地域包括支援センターを4月以降、当面の間、市が直接運営するため、必要な職員確保に向け準備を進めてまいりました。
 豊岡市社会福祉協議会から介護支援専門員1名を派遣していただけることとなり、予定どおりの職員体制で4月から当該センターの業務を開始します。

 手話言語条例の制定についてです。

 市民一人ひとりが手話は言語であることを認識し、聴覚障害への理解促進と手話言語の普及啓発を進めるため、手話言語条例を制定することとし、条例案を今議会に提出しています。

 子ども医療費助成制度の拡充についてです。

 子育て世帯の経済的負担を軽減するため、新たに小学4年生から中学3年生までの外来療養について、保護者の所得に応じて助成するとともに、高校生等の入院療養に対しても助成を行う制度に拡充します。
 なお、制度拡充の適用は、2025年7月診療分からとし、条例改正案を今議会に提出しています。

 豊岡市立総合健康ゾーン健康増進施設「ウェルストーク豊岡」の改修についてです。

 2010年4月のオープンから15年が経過し、施設の老朽化や設備の機能劣化が見られることから、今年の4月から第2期事業をスタートすることにあわせて、必要な機能の回復・向上を図るための改修工事を行います。

 公立豊岡病院整備に係る状況についてです。

 公立豊岡病院組合では、但馬救命救急センター拡張工事の入札を昨年8月に予定されていましたが、事業者の辞退により入札が不調となり、事業が中断しておりました。
 このため、組合において整備内容を見直され、当初予定していた総額95億円を基本として、今年9月を目途に着工したいとの方向性が示されました。
 なお、本事業に関する本市の負担金総額については、地方公営企業繰出 基準に基づく分賦金が16億9,500万円、過疎債発行による負担金が3億7,800万円と見込まれております。

 豊岡市地域医療計画の策定についてです。

 在宅医療の需要が増大する中、地域医療を担う人材が減少しており、将来的な医療サービスの供給不足が懸念されます。
 このような状況を踏まえ、将来的に必要な医療サービスを把握し、持続可能な医療提供体制を構築するため、広域医療計画である兵庫県保健医療計画と整合性を持たせながら、市内の医療資源の実態と課題を踏まえた地域医療計画を策定することとします。

 2025年度の国民健康保険税についてです。

 去る1月15日、国民健康保険運営協議会から「2025年度豊岡市国民健康保険事業運営の基本方針」について答申を受けました。この答申の趣旨を尊重し、国民健康保険税条例の改正に係る議案を今議会に提出しています。
 なお、2030年度の県内保険料率の統一に向けて、2025年度は、国民健康保険財政調整基金5千万円を、被保険者の税負担の軽減に活用することとしています。

《人と自然が共生するまち》

 第2に「人と自然が共生するまち」について申しあげます。

 コウノトリをはじめ、多様な生物が住める豊かな環境を取り戻し、人と自然が響き合うまちづくりを進めるとともに、循環型のまちづくりを進めます。

人と自然が響き合うまちづくり

 具体的には「人と自然が響き合うまちづくり」として、脱炭素社会を実現するため、市内での二酸化炭素排出量を2050年までに実質ゼロにすることを目指し、具体的施策に取り組んでまいります。

 コウノトリ放鳥20周年記念事業についてです。

 2005年のコウノトリ放鳥から20年が経過し、全国の野外生息数は、460羽を超えるまでになりました。
 放鳥20周年の節目に、これまでの取組を再評価するとともに、コウノトリ野生復帰のさらなる情報発信を行うため、記念シンポジウムやワークショップ等の記念事業を開催します。これら記念事業が、コウノトリの野生復帰の取組をさらに進展させ、次世代へと繋いでいくための契機となることを期待しています。

循環型のまちづくり

「循環型のまちづくり」としては、太陽光発電システムについて、住宅用、事業者用とも自家消費型の機器の設置補助を引き続き行います。
 また、旧豊岡清掃センターについては、北近畿豊岡自動車道の豊岡道路Ⅱ期事業に伴い、来年度から2027年度にかけて解体撤去工事を行います。

 環境省事業「脱炭素先行地域」への応募についてです。

 豊岡市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)に基づき、脱炭素の取組を進展させるため、民間事業者との協働により、日高神鍋エリアを環境省事業の「脱炭素先行地域」として応募しました。
 同エリアでの「神鍋高原ゆきみらい100年宣言」などの動きとともに、2030年度までに、官民協働の先駆的モデルとして脱炭素と地域課題解決の同時実現を目指します。

 なお「脱炭素先行地域」に選定された場合、国の交付金を活用して、区域内の公共施設や宿泊施設、観光施設などへ太陽光発電などの再エネ設備や省エネ設備の整備等を行ってまいります。

《持続可能な「力」を高めるまち》

 第3に「持続可能な『力』を高めるまち」について申しあげます。

 地域経済を元気にするまちづくりを進めます。
 また、住環境や道路網の整備、公共交通の確保などにより、賑わいと魅力あるまちづくりを進めるとともに、活力を生むまちづくりを推進します。

地域経済を元気にするまちづくり

 具体的には、「地域経済を元気にするまちづくり」として、市内産業の発展促進などに取り組みます。

 農業については、学校給食用米を無農薬米に全量転換するオーガニックビレッジ宣言の実現に向けて、作付面積および生産量の拡大を図るため、コウノトリ育む農法で「つきあかり」を無農薬栽培する農業者に、10アール当たり2万円の助成を、引き続き行います。
 森林環境整備については、造林事業によって創出される二酸化炭素吸収量について、温室効果ガスの排出量を削減する取組を国が認証する「Jクレジット」として取引きするため、来年度から認証に向けた取組を開始します。

 観光振興については「豊岡市観光地経営のあり方検討委員会」で示された方向性やアクションプランに基づき、地域と連携した具体的な施策や新たな観光振興財源の検討を行います。
 また、ふるさと納税返礼品である「豊岡幸券」の更なるプロモーション、玄武洞公園におけるアーティスト等による特別公演の実施などに取り組み、誘客促進および市内での周遊促進を図ります。
 経済については、燃油・物価高騰などの影響を受けている市内中小企業の経営安定化を図るための支援業務や、豊岡鞄の販路拡大につながる認知度向上プロジェクト事業などに引き続き取り組みます。

 産業用地の事業予定者の決定についてです。

 「コウノトリ豊岡産業用地」および「出石中川産業用地」の事業者未決定区画について、再公募していましたが、それぞれの事業予定者が決定しました。
 なお、「出石中川産業用地」につきましては、財産処分に係る議案を今議会に提出しています。

 万博への出展についてです。

 本市の観光資源や地域資源の多彩な魅力を国内外に向けて発信し、誘客促進とインバウンド誘致を図るため、「ひょうごEXPO41 -HYOGO REGIONAL( DAY-」に但馬5市町で共同出展します。また、兵庫・新潟連携の取組として、環境創造型農業やコウノトリ野生復帰の取組に関する展示も行います。

賑わいと魅力を創るまちづくり

 「賑わいと魅力を創るまちづくり」としては、住環境の整備に関し、南海トラフ地震等の発生する可能性が高まっている状況を踏まえ、住宅の耐震化を進めるため、簡易耐震診断の無料実施および同診断を前提とした耐震改修に対する補助を行います。

  市道については、豊岡地域の市道奥野線の道路防災、城崎地域の市道木屋磯ヶ谷線及び竹野地域の市道東町線第6号の側溝修繕、日高地域の市道栗山・妙見線の道路構造物の長寿命化、但東地域の市道中畑山線等の大規模舗装修繕などを進めます。

 橋梁については、出石地域で整備を進めてきた上野橋の工事が工事が終わり、明日3月1日から供用を開始します。来年度は、上野橋の旧橋撤去工事を行うとともに、五荘大橋等、長寿命化修繕計画に沿った橋梁の補修工事を行います。

 竹野地域の交通再編についてです。

 竹野地域では、昨年6月に「竹野地域交通再編準備会」を発足し、地域の皆さまと共に、交通再編について検討を重ねてまいりました。
 検討の結果、路線バス「竹野線」と市営バス「イナカー竹野海岸線」を廃止し、事業者協力型自家用有償旅客運送による「予約型乗合輸送サービス」へ転換することに決定しました。
 地域、事業者、関係団体等との丁寧な議論を重ね、10月の新たな公共交通サービスへの転換に向け、取り組んでまいります。

 なお、関係する条例改正案及び必要な補正予算を本年6月議会定例会に提出する予定としております。

 市営バス「イナカー」の普通旅客運賃改定についてです。

 路線バス運行事業者の初乗り運賃の改定に合わせて、路線バスの運送路線と重複する区間内で乗降する場合の普通旅客運賃を見直すこととし、関係する条例改正案を今議会に提出しています。
 なお、市営バス「イナカー」の運賃につきましては、2008年の運行開始以降改定していませんが、燃料費や人件費の高騰の影響により運行経費が増加傾向にあることから、運賃体系を見直すとともに、市営バス「イナカー」そのもののあり方も含めた公共交通体系の再編を検討したいと考えています。

 路線バス等へのキャッシュレス決済導入支援についてです。

 近年、公共交通機関におけるキャッシュレス決済の導入が急速に進んでいます。そのため、利用者の利便性向上やバス運行の効率化などを目的に、キャッシュレス決済システムを導入する乗合事業者に対し、導入費用の一部を補助します。

 公園については、中央公園において、老朽化した旧市民体育館の解体撤去後の跡地活用として、公園施設の利便性や安全性の向上を図るため、既存の施設機能を整備拡充します。

《未来を拓く人を育むまち》

 第4に「未来をく人を育むまち」について申しあげます。

 子育て・教育環境の整備などにより、健やかで心豊かな子どもを育むまちづくりを進めます。

健やかで心豊かな子どもを育むまちづくり

 具体的には「健やかで心豊かな子どもを育むまちづくり」として、今年度策定する「こども計画」に基づき、子どもや子育て家庭への切れ目のない支援を推進します。

 まず、安心して妊娠・出産できる環境を整えるため、妊婦健康診査費の助成額の上限を引き上げ、新たに多胎妊婦の健康診査費、低所得妊婦の初回産科受診料および1カ月児健康診査費の助成制度を創設します。
 また、今年4月に設置する「豊岡市こどもセンター」に統括支援員と家庭支援コーディネーターを配置し、こどもや子育て家庭に対する相談支援体制を強化します。

 さらに、登校しづらい児童生徒の居場所づくりとして設置した「ふれあいルーム」の利用者の増加に対応するため、補助員を増員し、こども支援センターの体制を強化します。
 小中学校適正規模・適正配置計画の推進についてです。

 本市で初めての義務教育学校となる「竹野学園」が、今年の4月に開校します。現在進めている小中一貫教育をより一層実効性のあるものとし、地域独自の特色ある教育が可能となるなど、様々な教育効果を期待しているところです。
 そのほか、2026年4月に統合を予定している「小野小学校と小坂小学校」については、統合準備委員会で引き続き協議を行っているところです。

 小学校プールの民間等施設利用の拡大についてです。

 近年の猛暑による児童の健康面への配慮、水泳指導やプールの維持管理に係る教職員の負担軽減などを目的に、今年度8校をモデル校として、民間施設等のプール利用を試行的に実施しました。
 来年度は対象校を10校に拡大して、引き続き、民間施設等のプール利用の評価と検証を行います。

 学校給食センターの再編についてです。

 市立小中学校の給食については、豊岡、日高および出石学校給食センターの3センターで提供しており、調理業務は民間に委託しています。
 しかしながら、児童生徒数が急激に減少し学校再編が進んでいる中、3センター体制を維持することは非効率になってきています。
 この現状を踏まえ、日高学校給食センターを、調理業務の委託契約の更新と合わせて2026年度末で廃止し、豊岡および出石学校給食センターに再編・統合したいと考えています。

 学校現場におけるICTの積極的な活用についてです。

 国のGIGAスクール構想第1期の取組により、2020年度、各校に配布し、児童・生徒に貸与した学習用端末を、国県の補助事業を活用して更新します。
 また、小・中学校に「学習支援ソフト」を導入し、児童・生徒が自分の意見や思考の流れを可視化して説明したり、お互いの意見や考えを瞬時に共有するなど、個別最適な学びと協働的な学びを促進します。
 さらに、中学校に「採点支援ソフト」を導入して、テストの採点や集計に伴う教職員の負担を軽減し、超過勤務の縮減を図ります。

《人生を楽しみお互いを支え合うまち》

 第5に「人生を楽しみお互いを支え合うまち」について申しあげます。

 さまざまな学習の機会と場が提供され、歴史・伝統や優れた文化芸術に 触れることにより、お互いを尊重し、誰もが日々の暮らしを楽しみ、お互いを支え合うまちづくりを進めます。

日々人生を楽しむまちづくり

 具体的には「日々人生を楽しむまちづくり」として、生涯学習の推進に関し、築26年を経過し老朽化している図書館本館の長寿命化を図るため、屋根や外壁の修繕、照明のLED化などの改修工事を行います。

 豊岡市民会館の大規模改修についてです。

 これまで文化会館機能をいかにして維持するかという観点に立ち、様々な可能性を比較検討した結果、市としては「豊岡市民会館を大規模改修し、機能向上と長寿命化を図ることによって、文化会館機能を維持していく」ことが最適であると判断いたしました。
 昨年12月議会定例会において「豊岡市民会館の現況をしっかりと把握すべき」との意見が多数寄せられたことから、大規模改修に向けた基本設計等に先立ち、来年度は、市民会館の現状把握のための老朽度等の調査を、引き続き実施します。

 東大谷野外活動施設の財産処分についてです。

 2023年3月をもって廃止となった当該施設、通称「たけのこ村」については、今年度に入り、土地所有者1名の方から、引続き野外活動施設として再開したいとの申し出がありました。
 市としましては、他の土地所有者および関係区等の同意のもと、施設の一部を土地所有者に譲渡したうえで、土地所有者と事業予定者との貸借契約により、事業再開できると判断し、新たな地元組織による事業開始に期待しているところです。

 全国市町村交流レガッタの豊岡開催についてです。

 全国ボート所在市町村協議会が主催する「第34回全国市町村交流レガッタ豊岡大会」を9月27日と28日の2日間、円山川特設コースを会場に開催します。本市での開催は2012年以来3回目となり、全国から参加される皆さまに気持ちよく参加いただけるよう受け入れ態勢を整え、大会を成功に導くとともに、本市の魅力を発信する機会にしたいと考えています。

お互いを支え合うまちづくり

 「お互いを支え合うまちづくり」としては、旧中竹野小学校を今年度中に解体し、その跡地に来年度、中竹野地区コミュニティセンターを新築します。併せて、隣接する中竹野ふるさと館の一室をコミュニティセンターとして使用するため、再整備を行います。

《市政の運営》

 第6に「市政の運営」について申しあげます。

 それぞれの地域の固有の自然・歴史・伝統・文化を尊重し、特色あるまちづくりを進めます。

特色ある地域の成長と連携

 具体的には「特色ある地域の成長と連携」として、各地域の特徴を活かした事業推進により、地域の振興を図るとともに、人口減少の緩和を目指します。

 新市制20周年記念事業についてです。

 来年度は新市制20周年を迎えることから、これまでの歩みを振り返るとともに、豊岡の未来が私たち一人ひとりの現在(いま)と深く結びついていることを改めて認識するとともに、まちへの愛着や誇りを深める契機にしたいと考えています。

 具体的には、11月16日に記念式典を開催し、地域での活動やまちづくりの取組に長年にわたりご尽力いただいた市民の皆さまに対し、感謝の気持ちをお伝えするため特別表彰を行います。
 また、主な記念事業として、市の未来につながる新たなチャレンジやまちの魅力をさらに磨き上げる市民活動を後押しするための「市民活動応援事業補助金」を創設します。
 さらに、市への愛着や誇り、対外的なイメージ向上につなげるための市ロゴマークの制作などを予定しています。

 節目の年に、将来にわたって「豊岡で暮らしてよかったとみんなが実感できるまち」、の実現に向け、全市一体となって事業を展開してまいります。

 城崎振興局では、北但大震災から100年の節目を記念して、実行委員会が実施するシンポジウムや関連事業に対して補助を行います。
 また、誰もが安心して滞在できる観光地を目指して、地域の皆さまと共に城崎温泉街における災害対応のあり方について検討を進めてまいります。 
 「城崎温泉交流センター」通称さとの湯を「城崎文芸館」と「城崎麦わら細工伝承館」の機能を集約した施設として整備するため、現在の施設を解体します。

 竹野振興局では、インバウンド及び多様な世代の観光対策として、竹野海岸中央駐車場と弁天浜の観光トイレ洋式化、LED化等の改修を行います。

 また、竹野庁舎の省エネ化と脱炭素化を推進するため、より空調効率の高い機器に更新します。

 日高振興局では、道の駅「神鍋高原」において、照明器具LED化、断熱強化など脱炭素化と施設の長寿命化を図るとともに、売店や飲食施設等の機能強化による利便性向上を目指した改修工事を行います。
 また、殿食材供給施設(殿さんそば)の民営化に向け、施設の不動産鑑定評価を行います。
 さらに、日高庁舎の施設管理コストの縮減と来庁者の利便性向上を図るため、脱炭素とユニバーサルデザインに配慮した改修工事を行います。

 出石振興局では、観光地としての魅力向上を図るため、出石お城まつりへの支援を引き続き行うとともに、重要な観光資源である出石城の石垣除草による景観保全を行います。
 また「出石の歴史活用応援事業」として、地域住民が行う歴史的資源を活用したまちづくり活動に対し、その経費の一部を補助します。

 但東振興局では、移住者の視点を活用して「空き家対策」「移住促進」など、地域課題の解決に向けたまちづくりを進めるため、集落支援員1名を配置します。
 また、但東シルク温泉やまびこの安定的な稼働と利用者の利便性向上のため、長寿命化に向けた実施設計を行います。

 日本語教育機関等に関する調査研究についてです。

 人口減少が著しく、今後もその傾向は大きく改善されないと見込まれる中、外国人市民をコミュニティの一員として受け入れ、地域の活性化につなげていくとともに、今後ますます需要が高まることが予測される外国人材の受け入れを加速させていく必要があると考えています。
 これまでから、市内の外国人支援団体と共に外国人市民に向けた日本語や日本文化を学ぶ機会の充実や生活支援等に取り組んできましたが、これらの取組に加えて、将来的に日本での就職などを目指す外国人の受け皿となり、地域の活性化に貢献する人材を育成するための日本語教育機関について、調査研究を実施します。

新しい時代にふさわしい行政経営

「新しい時代にふさわしい行政経営」としては、職員の自律的なキャリア形成意識の醸成や市役所でのジェンダーギャップ解消を目指し、キャリアデザイン推進事業を継続します。

 職員派遣については、新たに総務省へ派遣し、引き続き、兵庫県立大学大学院、芸術文化観光専門職大学などへ派遣します。

 公共施設再編計画の改定についてです。

 市では、2016年度に「豊岡市公共施設再編計画」を策定し、10年間を第1期計画の期間として、市が保有する公共施設について個別施設の方向性を明らかにしました。来年度は、その最終年度にあたるため、2026年度から始まる第2期10年間(2026年度~2035年度)に向けて再編計画の改定を行います。

 DX(デジタルトランスフォーメーション)と行財政改革の推進についてです。

 市では、今年度から5カ年にわたる第5次豊岡市行財政改革大綱に基づく取組を始めており、市民との共創をさらに進めるため、市の取組や課題を市民の皆さまと共有し、解決策を共に考える機会を創出します。
 また、但東地域において地域内配送の検討・実証を進め、有志の市民の皆さまと共に持続可能な配送の仕組み構築を目指します。
 さらに、総務省の地域活性化起業人制度を活用して、企業から3名の人材を受け入れ、外部・民間の視点や専門的知識を活かし、DXをさらに推進します。
 なお、残念ながら依然として事務処理誤りが生じています。
 有識者による職員ヒアリングの結果、この背景には、業務の属人化など、様々な組織課題があることが明らかになりました。すべての職員にとって働きやすく、働きがいのある市役所とするため、事務事業のあり方の見直しや組織風土の改革を進めてまいります。

 ふるさと納税についてです。

 2月20日現在、寄附金額は16億5,824万円、昨年同期比130パーセントで、既に昨年度の決算額を上回る寄附をいただいております。
 来年度も、返礼品の拡充や効果的なPRに努め、更なる寄附金額の増加を目指してまいります。
 なお、企業からいただく企業版ふるさと納税については、2月20日現在で21件、800万円の寄附をいただいております。

 2025年度の市の組織についてです。

 「スリムでコンパクトな市役所」の実現に向けて、限られた職員数で多様化する地域課題の解決等に取り組み、効果的、効率的な行政運営を行うため、教育委員会部局では、学校園の再編および施設管理を一体的に行う「教育施設課」を新設するとともに、社会教育課を廃止し、その事務を教育総務課に移管します。
 市長部局では、港地区を除く豊岡圏域の地域包括支援センターを市が直接運営することに伴い、高年介護課に「地域包括支援センター」を新設します。 
 なお、こども支援課の「こども家庭相談係」を「こども家庭支援係」に改組し、子育て家庭への支援機能を強化します。

2024年度補正予算

 最後に、2024年度の一般会計補正予算について申しあげます。

 まず、補正予算第9号です。大雪に伴う市道除雪に要する経費として1億5,000万円を追加するため、2月13日付けで専決処分したものです。
 次に、補正予算第11号です。11億9,204万6千円の減額としています。
 減額の主なものは、入札残、事業費の確定に伴うもののほか、年度末までの支出予定の精査により不用額等を減額します。
 繰越明許費の補正では、庁舎管理費をはじめ、年度内にその支払いが終わらないもの28件の追加と1件の変更を行っています。
 債務負担行為の補正では、2件の廃止と4件の変更を行っています。
 地方債の補正では、22事業の変更を行っています。

 なお、年度内の財政収支見通しについては、地方債や特別交付税・地方譲与税など、現時点では額が確定していないものが多くあり、これらが確定した段階で更に補正の必要が生じることとなります。
 その際には、財政事情を勘案する中で、所要の専決補正を行いたいと考えておりますので、ご了承賜りますようお願い申しあげます。

 以上をもちまして、私の総括説明を終え、各議案の詳細については担当部長等から説明いたしますので、よろしくご審議いただき、適切なるご決定を賜りますようお願い申しあげます。

 ありがとうございました。

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