平成28年第2回豊岡市議会(定例会)市長総括説明

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 6月3日、第2回豊岡市議会定例会の議案提出に当たり、中貝市長が、当面する市政の諸課題、提出議案の主なものについての説明(市長総括説明)を行いました。

 おはようございます。
 平成28年第2回豊岡市議会定例会の開会に当たり、議員各位のご健勝をお喜び申しあげますとともに、日頃のご精励に対し深く敬意を表します。

 また、このたび、永年にわたり市政の伸展にご尽力いただいたご功績により、全国市議会議長会から表彰をお受けになりました奥村忠俊(おくむら ただとし)議員、福田嗣久(ふくだ つぐひさ)議員、升田勝義(ますだ かつよし)議員、門間雄司(かどま たけし)前議員に対し、心からお祝いを申しあげます。
 今後さらなるご活躍を祈念申しあげます。

 熊本地震への対応について申しあげます。
 現在も多くの方が避難生活を余儀なくされています。市では、災害対策支援本部を設置し、支援を行ってきました。
 発災直後には、消防本部から緊急消防援助隊を派遣し、熊本県益城町(ましきまち)や南阿蘇村で捜索活動を行いました。
 熊本県菊池市、大津町(おおづまち)、及び益城町(ましきまち)には、支援物資及び見舞金を届けました。
 現在は、関西広域連合の一員として、特定の被災地区に特定の支援自治体を割り当てる「カウンターパート方式」により、益城町(ましきまち)を支援しています。これまでに、人的支援として、家屋被害認定、避難所運営支援、応急仮設住宅の受付等のための職員を派遣しています。
 また、被災された方に対し、市営住宅を提供することとしています。
 今後とも被災地の状況を把握しながら、適切な支援をしっかりと継続してまいります。
 次に、但東中学校MISSION IN TOKYO(ミッション イン トーキョー)について申しあげます。
 但東中学校3年生が、修学旅行に際して、市のアンテナショップがある東京交通会館のイベントスペースで豊岡のPR活動を行いました。
 生徒たちは、道行く人々に手作りのパンフレットやしおりを配布し、自分たちで制作した映像を上映するとともに、豊岡の産物の販売を行いました。売り上げは、半日で約14万円でした。
 豊岡の一員としての役割を果たすことを通じて、ふるさとへの愛着と誇りを高めることにつながったものと評価しています。生徒たちの活躍を褒めたたえたいと思います。
 次に、韓国でコウノトリのひな誕生について申しあげます。
 昨年9月、韓国禮山(イエサン)郡で放鳥されたコウノトリのペアから、初めてのひなが2羽誕生しました。このペアは、コウノトリの郷公園から送られた鳥の2世です。
 ひな誕生が確認された日は5月20日。豊岡で放鳥コウノトリのひなが初めて確認されたのと同じ日で、豊岡市生きもの共生の日でした。5月26日には、禮山(イエサン)郡の首長、ファン・ソンボン郡守らが豊岡にお越しになり、ひな誕生を喜び合いました。コウノトリが日韓友好の懸け橋になるものと期待しています。
 さて、今議会に私から提出いたします案件は、報告事項7件、事件決議5件、条例6件、予算4件の合計22件です。
 なお、会期中に報告事項1件を追加提出する予定としておりますので、あらかじめご了承賜りたいと存じます。
 それでは、当面する市政の諸課題及び提出議案の主なものについてご説明申しあげます。

安全に安心して暮らせるまち

 第1に、「安全に安心して暮らせるまち」に関連する内容について申しあげます。
 まず、円山川河川整備事業についてです。
 現在、国により無堤対策として行われている城崎大橋から奈佐小橋(なさこばし)間の円山川左岸特殊堤(パラペット)整備工事は、今年度も継続して進められる予定です。
 特に、来日川合流部における工事については、円山川の洪水高に合わせ、支川(しせん)である来日川護岸のパラペット形式による嵩上げと、主要地方道豊岡瀬戸線「来日橋」の架け替えが行われます。
 今年度は、円山川河川内への仮設桟橋の設置や結和橋(ゆうわばし)左岸スロープの一時撤去に伴う仮設スロープの設置に着手し、併せて円山川からの逆流防止対策として、宮代川(みやしろがわ)樋門の設置が行われることとなっています。
 なお、円山川左岸のパラペット整備工事については、整備工事完成後も円山川の雄大な眺望が確保できるよう県道の嵩上げを要望しており、現在国において、眺望が確保できる構造で設計を進めていただいているところです。
 今後も安全・安心の確保に向けて、国と一層の連携を図ってまいります。
 次に、市立高橋診療所の医師の交代について申しあげます。
 高橋診療所では、新田 誠医師がこの3月をもって退職されました。
 新田医師におかれては、50年にわたり昼夜を問わず地域医療のために献身的なご尽力をいただきました。永年のご努力とご貢献に対し、深く感謝申しあげます。
 また、後任に太田秀明(おおた ひであき)医師をお迎えすることができました。地域医療の提供体制が継続できたことを地域の皆さまとともに喜び、太田医師の活躍を期待しています。
 次に、豊岡市国民健康保険税条例の一部改正について申しあげます。
 豊岡市国民健康保険運営協議会から、5月13日に「平成28年度豊岡市国民健康保険事業運営の基本方針について」答申を受けました。この答申の趣旨を尊重し、豊岡市国民健康保険税条例の一部改正案を今議会に提出しています。
 昨年度は、被保険者1人当たりの医療費の伸びを3.0パーセント増と見込んで国保税額を算定しましたが、実際は6.3パーセントの大幅な増となりました。
 このため、今年度の医療費は、昨年度実績と比較して4.0パーセントの増を見込んで算定しました。
 国保税額の算定に当たっては、急激な負担増を緩和するため、前年度繰越金見込額の2分の1相当額の1億2,200万円を活用するとともに、国民健康保険財政調整基金から1億円を取り崩すこととしました。
 その結果、基礎課税分、後期高齢者支援金分、介護分を合わせた被保険者1人当たりの税額は、対前年度比9.8パーセント増の10万9,643円となります。
 この軽減策を取らなかった場合は、対前年度比21.1パーセント、2万1,097円増の12万939円となりますので、この軽減策による税額圧縮効果は、1人当たり1万1,296円となります。

人と自然が共生するまち

 第2に、「人と自然が共生するまち」に関連する内容について申しあげます。
 北但行政事務組合で整備が進められているクリーンパーク北但の状況についてです。
 施設建設工事の進捗状況については、4月30日現在で、全体計画95.7パーセントに対し96.2パーセントの実績となっています。
 稼働状況は、運営事業者であるタクマグループによる試運転期間を活用した、ごみ全量受け入れや資源化が4月1日から始まりましたが、施設の不具合等もなく、おおむね順調に稼働しています。
 なお、ごみの持ち込み時の計量と荷降ろし後の計量を別の動線としたことから、計画収集業者からは、以前の施設に比べて搬入にかかる時間が短くなったと聞いているところです。
 今後、外構工事や進入道路の舗装などの仕上げに掛かり、7月末には検査を終え、工事が完成する予定です。

持続可能な「力」を高めるまち

 第3に、「持続可能な『力』を高めるまち」に関連する内容について申しあげます。
 まず、但東シルク温泉やまびこのリニューアルについてです。
 但東シルク温泉やまびこは年間約17万人の利用者があり、交流拠点として但東の地域振興を担ってきましたが、施設の一部は築後30年を経過しています。そこで老朽化対策を行うとともに、経営改善に資するよう施設のグレードアップとより効率的な施設配置を行うこととし、今年の1月から改修工事を行ってきました。
 改修工事のうち、温泉館と本館宿泊棟の工事が5月23日に完了し、翌24日から営業を開始しています。
 主な改修内容は、これまで宿泊と温泉の2カ所に分かれていたフロントを温泉館に統合し、効率的な人員配置を行います。また、本館宿泊棟全室にトイレと洗面所を設置し、温泉館の一部を除き全館外靴での利用を可能にしました。
 今後は、旧事務所部分を個室食事会場へ変更し、別館の外壁修繕を行い、7月29日には全ての工事が完了する予定となっています。
 収支状況につきましては、3年間にわたる経営改善努力の結果、平成27年度の純利益は、平成26年度の104万円を上回る黒字が見込まれており、リニューアル後はさらに経営改善が進むものと考えています。
 なお、改修に伴う利便性向上や機能追加に併せ、施設の利用料金の限度額等を改定する条例案を今議会に提出しています。
 次に、外国人観光客の動向について申しあげます。
 昨年の豊岡市内に宿泊した外国人の延べ人数は、3万4,318人で、前年と比較し約2.3倍の大幅な増加となりました。
 今年1月から3月の第1四半期については、1万542人で前年比1.88倍となり、引き続き順調に増加しています。
 地域別では、城崎地域が9,323人と最も多く全体の9割弱を占め、次いで豊岡地域が699人、日高地域が454人となっています。
 なお、城崎地域の国別の人数は、中国が3,063人で最も多く、次いで台湾1,563人、香港1,327人となっています。例年、第1・第4四半期は東アジアのシェアが高く、第2・第3四半期は欧米豪のシェアが高くなる傾向にあります。
 今年度は、これまで注力してきたヨーロッパ市場へのプロモーションに加え、アメリカ及びオーストラリア市場へのプロモーションを開始するほか、成長著しい東南アジア市場からの誘客を目指した取組みも行ってまいります。
 次に、豊岡版DMOの設立について申しあげます。
 豊岡版DMOは、名称を「一般社団法人豊岡観光イノベーション」として、6月1日に設立しました。当法人の設立目的は、「観光まちづくりの観点から、当該地域の関係者の力を結集し、顧客視点に立ち、地域の魅力を再編集して、地域の稼ぐ力を引き出し、地域経済の活性化に寄与すること」としています。
 マーケティングデータの収集・分析による戦略策定や事業遂行により、特にインバウンド需要の取り込みに力を入れたいと考えています。
 私が理事長、真野副市長が副理事長となっています。また、三井物産株式会社から豊岡市に派遣を受けている職員が事業本部長として就任しました。
 事務所は、当面、市役所本庁舎3階の会議室に置き、じばさん但馬の改修後はその5階に移転する予定です。
 事業本部の職員は、JTB、全但バス、WILLER(ウィラー) CORPORATION(コーポレーション)、但馬銀行、及び豊岡市からの派遣職員各1名でスタートし、当面は、大交流課所属の海外戦略支援員がサポートします。
 当法人は、8月を目途に旅行業免許を取得し、外国人向け宿泊予約サイトの運営、着地型ツアーの企画販売、外国人富裕層向けの小人数グループ旅行の企画販売などにも取り組んでまいります。
 目標数値は、2020年の外国人宿泊者数10万人としていますが、今後は、1人当たりの観光消費額、平均滞在日数など他の目標設定も行い、事業を推進していきたいと考えています。
 次に、有害鳥獣対策について申しあげます。
 シカの捕獲は、銃猟によるシカ捕獲専任班に加えて、昨年8月にわな猟によるシカ捕獲専任班を新設し、併せて狩猟期間における農会所有の捕獲檻の活用などを進めてまいりました。その結果、昨年度の有害捕獲頭数は4,815頭となり、平成26年度の4,041頭に比べて774頭増加しました。
 狩猟による捕獲頭数は2,478頭で、有害捕獲と狩猟を合わせた全体の捕獲頭数は、平成26年度実績の6,589頭を大きく上回り、7,293頭となりました。
 今年度は、わな猟によるシカ捕獲専任班を2班から3班体制にするとともに、銃猟によるシカ捕獲専任班については、1班19人を2班に再編成し、同時に2カ所で捕獲活動ができる体制とします。シカの捕獲目標頭数6,500頭を引き続き達成できるよう、捕獲体制のさらなる強化に取り組んでまいります。
 次に、宵田商店街活性化事業について申しあげます。
 昨年度、宵田商店街は、県の「商店街の活性化とまちの再整備による賑わいのまちづくり」事業のモデル商店街に選定されました。まちなか再生アドバイザーの派遣を受け、地域の現状と課題の整理や、今後の商店街の目指すべき姿などの検討がなされてきました。
 その結果を踏まえ、今後は、引き続き県の支援を得て、地元の関係者が中心となって「まちなか再生協議会」を設立し、「カバンストリート」の取組みを中心に観光客の増加等を図る具体的方策を探ることになりました。
 市も協議会の運営や計画策定に対し県に随伴して支援を行うこととし、今議会に補正予算を提出しています。
 次に、豊岡市営住宅の設置及び管理に関する条例の改正漏れについて申しあげます。
 老朽化が進み、長期空家となっていた但東町の市営中山神田(なかやまかんだ)住宅を昨年度解体しましたが、当該住宅を条例の別表から削除する、条例改正事務手続きができていませんでした。今議会に同条例の改正案を提出しています。
 議会及び市民の皆様に対し、深くお詫びを申しあげます。今後、適正な事務処理を行い、二度と誤りを繰り返さないよう努めてまいります。
 次に、北近畿豊岡自動車道「豊岡道路」の新規事業化について申しあげます。
 昨年6月に都市計画決定された、北近畿豊岡自動車道の(仮称)豊岡南インターチェンジから(仮称)豊岡北インターチェンジまでの7.1キロ区間のうち、(仮称)豊岡南インターチェンジから公立豊岡病院に近接する(仮称)豊岡インターチェンジまでの2キロの区間が「豊岡道路」として、今年度、新規事業化されました。
 国では、今年度1億円の事業費が予算計上され、測量調査設計が進められることとなっています。これにより整備に向け事業が大きく前進することとなります。
 なお、八鹿氷ノ山インターチェンジから(仮称)日高インターチェンジまでの八鹿日高道路については、今年度末の供用開始に向け鋭意事業が進められています。
 引き続き、関係者一丸となって早期整備の推進に努めてまいります。
 次に、ターゲット70(ナナマル)について申しあげます。
 昨年度の但馬空港の利用者数は2万9,362人で、3年連続前年度の記録を上回り、開港以来最高を記録しました。また、伊丹経由の東京乗継利用者数についても1万811人で3年連続での1万人超えを達成しました。
 これは、12月から2月の冬期午前便のダイヤを1時間遅らせたことによる利便性の確保に加え、暖冬の影響で天候が比較的安定していたことなどから、同期間の就航率が87.9パーセントと、前年比7.6ポイント改善したことによるものと考えています。
 今年度は、地域活性化と大交流の実現に必要不可欠な東京直行便の実現に向けて、豊岡の認知度向上と魅力発信を行います。さらに、東京乗継に重心を置いた誘客を図り、航空需要を拡大する取組みを、航空会社や首都圏自治体との協働により実施することとしています。
 次に、Uターンの推進について申しあげます。
 このことについては、体系的な取組みはこれまでほとんどできていないのが実態です。
 その反省にたって、今年4月にUIターン戦略室を設置し、現在、社会減の抑制に向けた市の事業全体の精査を横断的に行っています。
 小中学生に対してはふるさと教育などにより、豊岡の魅力や仕事を伝えていますが、十分とは言えません。また、高校生、大学生等に対しては、就職活動直前に市内企業の情報を発信するのみにとどまり、豊岡で暮らす魅力の発信がほとんどできていないのが現状です。
 今後早急に、学識者や市内企業の担当者とともに、高校生・大学生等を含めたUターン推進策を体系的に組み立て、実施してまいります。
 併せて、今すぐ実施可能な対策として、高校生には市内企業の見学や経営者、若手従業員等の講話を聞く機会を設けることとします。
 また、大学生や第二新卒者対策として、ジョブナビ豊岡をより訴求力のあるものに改修し、豊岡で暮らす魅力と市内企業の魅力、仕事を発信します。
 さらに、成人式など豊岡出身の若者が集まる機会をきっかけとし、スマートフォンやソーシャル・ネットワーキング・サービスを活用して、定期的に豊岡の情報を届ける仕組みを構築します。
 これら社会減を抑制するための取組みを強化するため、今議会に補正予算を提出しています。
 次に、地域おこし協力隊の導入実績と今後の募集について申しあげます。
 協力隊には、4月以降、城崎地域に1人、竹野地域に1人、豊岡地域に1人、出石地域に1人の計4人の新たな隊員が加わり、現在、9人の隊員が活動を行っています。7月にはさらに城崎地域に1人の委嘱を予定しています。
 地域おこし協力隊の活躍には目覚ましいものがあり、地域活性化に大いに役立っているものと評価しています。
 充足していない地域については、引き続き募集を行ってまいります。

未来を拓く人を育むまち

 第4に、「未来を拓く人を育むまち」に関連する内容について申しあげます。
 中学校への空調設備の整備についてです。
 中学校は、小学校に比べ年間の授業時間数や1教室当たりの生徒数が多く、夏期には、全員または個別対象の補充授業などを実施していることから、まず中学校を優先し、すでに設置されている但東中学校以外の中学校の普通教室及び特別教室等に、空調設備の整備を行うこととしました。
 平成30年夏からの全校一斉の稼動を目指し、今年度は実施設計を行い、来年度から設置工事を行いたいと考えています。
 なお、小学校については、対象施設数が多く、初期投資とランニングコストの両面で財政負担が大きいなどの制約があるため、今後の課題として引き続き検討してまいります。

人生を楽しみお互いを支え合うまち

 第5に、「人生を楽しみお互いを支え合うまち」に関連する内容について申しあげます。
 まず、高齢者の学びの拠点等事業化可能性調査についてです。
 昭和54年から活動を行っている但馬高齢者生きがい創造学院は、現在、旧豊岡南高等学校校舎を使用しており、市街地から離れていることなどにより学院生が減少傾向にあります。また、施設はバリアフリー対応がなされていないことや、老朽化による維持管理経費の増加、現在の無償借用期間が平成35年で終了することなどの課題を抱えています。
 一方で、大開通りは空き店舗が多く存在し、将来的にも人口減少によりさらなる空洞化が懸念されます。
 これらの課題を解決するため、交通利便性の高い中心市街地に高齢者の学びの拠点を移し、併せて中心市街地の活性化にも寄与できる機能を持つ施設整備に向けて、可能性調査を行いたいと考えています。
 この件については、今後の高齢者の生きがい対策を充実すべきとの請願が、3月議会において全会一致で採択されたところです。
 高齢者の生きがいづくり、居場所づくり、相互交流や健康増進などのため、現在の但馬高齢者生きがい創造学院をコア団体と位置付け、将来の中心市街地を見通した上で、どのような機能を付加するのか、どのような整備手法があるのかなどを検討してまいります。
 次に、市民ふれあいのつどい「式町水晶(しきまち みずき)ハートフルコンサート」について申しあげます。
 脳性麻痺などによる障がいと闘いながらヴァイオリンの演奏活動をされている式町水晶氏を招き、7月31日に市内2カ所でハートフルコンサートを開催します。
 東日本大震災復興支援活動を通じて”命の大切さ”を訴えられてきた式町さんの経験なども踏まえ、多くの皆さまに熱いメッセージと勇気を送ります。
 今年4月、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が施行されました。また、豊岡市はいのちへの共感に満ちたまちづくりを進めています。
 式町さんの演奏を通して、障がい者や東日本大震災に起因する人権問題、いのちへの共感などを考える契機にしたいと考えています。
 次に、植村直己冒険賞20周年記念事業について申しあげます。
 植村直己冒険賞は平成8年度に創設し、今年度で第20回目の授賞式を迎えます。これまで19人の方を表彰し、全国的に認められた賞へと成長してきました。
 この節目に、歴代の受賞者を豊岡に招き、受賞者から冒険の醍醐味や生きざまなどを感じていただく講演会や交流事業などを8月に実施します。
 人間の可能性や挑戦というものはどんなに素晴らしいものか、いくつになってもチャレンジする意欲を持ち続けることの大切さを実感できる機会とし、冒険賞の意義を改めて考え、広くPRしていきたいと考えています。
 次に、永楽館歌舞伎について申しあげます。
 今年第9回を迎える歌舞伎公演は、毎年座頭を務めていただいている片岡愛之助さんの人気沸騰により、チケットが購入しづらい状況が続いています。さらに、この3月に結婚されたことにより、今年はチケット購入を希望される方が増えることが予想されます。
 そのため、公演期間を1日、2回公演を追加し、増えたチケットは、主に地元販売分に充て、一人でも多くの地元歌舞伎ファンが永楽館歌舞伎を楽しめるようにしたいと考えています。
 今議会には、公演回数追加に係る補正予算を提出しています。
 なお、今年度、ふるさと納税の謝礼品として、新たに永楽館歌舞伎公演のペアチケットを、1公演につき2組限定で追加しています。
 次に、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組みについて申しあげます。
 2020年の競技大会に向けて、円山川城崎漕艇場にボート競技の事前キャンプを誘致したいと考えています。
 映像作家の藤原次郎氏による円山川城崎漕艇場のPR動画を作成し、広く情報提供を行うとともに、フランスをはじめ欧米のチームをターゲットに誘致活動を開始します。
 今後、ソフトボールが大会の競技種目に選定された際には、ソフトボールチームの事前キャンプの誘致活動も検討したいと考えています。
 また、国では、競技大会を契機に地方公共団体と大会参加国とが相互交流を行うことで、地域の活性化を図る取組みであるホストタウン構想事業を推進しています。
 本市は、国内唯一のモンゴルに特化した博物館である日本・モンゴル民族博物館を交流の拠点として、20年にわたりモンゴルと幅広い交流を続けています。
 新たなスポーツ分野の交流も視野に入れて、モンゴルとのホストタウンの登録を目指したいと考えています。
 その一環として、同国のボクシングチームの事前キャンプ誘致の検討を進めたいと考えています。
 なお、ホストタウンに登録された場合には、一定の割合で財政措置が講じられます。

市政の運営

 第6に、「市政の運営」に関連する内容について申しあげます。
 まず、地方創生総合戦略第2版の策定についてです。
 昨年10月30日に地方創生総合戦略の第1版を策定したところですが、人口ビジョンで示す将来の方向性をさらに具現化していくため、第2版を策定することとし、今回その暫定版をお配りしました。
 第2版は、戦略体系図の整理をはじめ、事業推進に当たっての成果指標となる重要業績評価指標(KPI)の設定や、主要事業を今年度のものに置き換えた内容となっています。
 今後、最終的な成果指標の整理・設定を行い、できる限り早い段階で第2版を確定させたいと考えています。
 次に、合橋地域づくり事業について申しあげます。
 「合橋地域づくりの会」は、地域コミュニティ組織として平成26年2月に設立されました。以後、高齢者宅の電球交換などの軽作業を有償で提供する「まごの手活動」や「買い物ツアー」、但東産大豆を使った「きな粉あめ」の商品化、「花びらジャム」や「アユのへしこ」の試作、耕作放棄地を活用した農場の運営等を行ってこられました。
 今回、国の過疎地域等集落ネットワーク圏形成支援事業を利用し、これらの活動を継続するとともに、地域プロデューサーである一般社団法人ノオトの協力を得て、大学との連携や体験プログラム提供のための拠点整備を実施されることになりました。
 これを受け、事業に必要な補正予算を今議会に提出しています。
 次に、長期財政見通しについて申しあげます。
 先日配布しました長期財政見通しは、平成26年度決算額を基本に、一般財源ベースで平成40年度までの15年間を見通しています。
 普通交付税の算定では、今年度の地方交付税制度改正を基に、一本算定への市町合併による増加需要額の加算を反映させています。昨年度の見通しでは、合併算定替の最終的な縮減額を約19億円と見込んでいましたが、国の制度改正を踏まえ、今年度は約11億円と見込んでいます。国勢調査人口の減少による交付税額の減少についても、これまでは5年ごとに約5億円を見込んでいましたが、国において地方交付税総額が確保される見通しから減少額の緩和を見込んでいます。
 また、特別交付税は、地方交付税総額に占める割合が段階的に縮小される予定でしたが、現在の割合が維持されることとなったため、平成27年度決算見込額約25億円を据え置きで算定しています。
 投資的経費については、これまでの長期財政見通しでは、計画にある事業のみを計上し、平成26年度は一般財源ベースで約5億円、昨年度は約8億円を見込んでいました。今回は、昨年度に比べて歳入財源を上方修正できたことから投資的経費も増額することが可能となりました。現在計画のある事業に要する経費に加え、普通交付税の合併算定替及び合併特例債の発行期間が終了する平成33年度以降に収支の均衡が図られる程度の事業費を計上し、一般財源ベースで毎年度約16億円、事業費ベースで毎年度約50億円を見込んで算定しています。
 なお、公共施設、道路等の社会基盤を維持するための投資的経費は、さらに上積みしなければ市政運営は困難と考えられるため、依然として厳しい長期財政見通しとなっており、引き続き慎重な財政運営を心掛けてまいります。

予算、決算

 続いて、平成27年度一般会計専決補正予算及び決算見込みについて申しあげます。
 まず、平成27年度一般会計専決補正予算第9号についてです。
 地方譲与税・各種交付金の確定、地方債の最終決定等により、去る3月31日に専決処分しましたので、今回、報告案件として提出しています。
 平成27年度の決算については、昨日までの状況を踏まえて見通すと、市税収入が予算額に対して1億円弱の増収となる見込みであることや、歳出経費の不用額などにより、実質収支では約8億円の黒字となる見込みです。平成26年度の実質収支額との差引きである単年度収支も、1億円弱の黒字となる見込みです。
 また、年度中の基金への積立金や取崩し額など黒字・赤字要素を加味した実質単年度収支は約11億円となる見込みです。財政指標から分析すると、財政運営は概ね適切にできたものと考えています。
 次に、平成28年度一般会計補正予算について申しあげます。
 まず、補正予算第2号です。熊本地震に係る支援経費1,300万円を追加するため、第2回支援本部会議を開催した4月25日付けで専決処分したものです。
 次に、補正予算第3号です。兵庫県議会議員補欠選挙に係る経費3,661万7千円を追加するため、県選挙管理委員会の説明会が開催された5月12日付けで専決処分したものです。
 次に、補正予算第4号については、緊急やむを得ないもののみ補正することとし、円山川運動公園移転整備事業の期間・限度額の変更や指定管理施設の管理者を公募するための債務負担行為、児童扶養手当法改正に伴う給付額の増額などに、総額で9,409万5千円を計上し、必要な一般財源は地方交付税等で措置します。
 財政運営については、引き続き一層の財源の確保と経費の節減合理化に努め、中長期的な視点に立った節度ある運営に十分留意し、財政体質の健全化に努めてまいります。
 以上をもちまして、私の総括説明を終え、各議案の詳細については担当部長から説明いたしますので、よろしくご審議いただき、適切なるご決定を賜りますようお願い申しあげます。
 ありがとうございました。

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