令和5年第4回豊岡市議会(定例会)市長総括説明(2023年9月1日)

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ページ番号1027553  更新日 令和5年9月4日

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 おはようございます。

 令和5年第4回豊岡市議会定例会の開会に当たり、議員各位のご健勝をお喜び申しあげますとともに、日頃のご精励に対し深く敬意を表します。

 まず、9月から実施する新型コロナワクチン秋開始接種についてです。
 対象者は、初回接種が完了した生後6カ月以上の方です。そのうち、65歳以上の高齢者の方や基礎疾患を有する方、その他重症化リスクが高いと医師が認める方については努力義務の対象となります。努力義務の方や接種券の希望のあった方約12,700人に対して、8月28日に接種券を発送しており、そのうち市の集団または個別接種会場で接種された、1958年7月30日以前生まれの方には、あらかじめ接種日時と場所を指定しております。
 接種体制については、市の施設で行う集団接種と市内30カ所の協力医療機関で行う個別接種の2体制で行い、いずれも9月20日から開始する予定です。使用するワクチンはオミクロン株XBB対応の1価ワクチンになります。
 今後も、引き続き円滑な接種に努めてまいります。

 また、2年前に新型コロナワクチン接種後にお亡くなりになられた遺族から申請があった予防接種健康被害救済制度による給付金について、国が死亡一時給付金等の支払いを決定しました。今後、市を通して給付金等を支払うことになりますので、必要な補正予算を今議会に提出しております。

 次に、地方創生臨時交付金等を活用した物価高騰対策について申しあげます。

 市民を対象とした省エネ家電買換補助金の申請状況についてです。
 本事業は、地方創生臨時交付金等を活用して、市民の皆さまが市内の店舗等で省エネ基準を満たす新しい家電に買い換えた場合、補助率3分の1以内で、最大5万円を補助するものです。
 6月15日から開始した申請受付の状況は順調で、8月30日時点で、申請件数3,570件、補助申請額約1億5,351万円、補助金予算額に対して77%の申請状況となっております。
 受付期間は12月28日までですが、受付期間内であっても申込みが予算枠に達した時点で受付を終了いたします。

 中小企業者省エネ設備等導入支援補助金(第2弾)についてです。
 本事業は、地方創生臨時交付金を活用して、市内の中小企業者の皆さまが省エネ化を図るための設備導入などに対して、補助率2分の1以内で、50万円を上限に補助するものです。
 去る5月8日から6月14日にかけてエントリーを受け付けたところ、217件、補助金ベースで約7,500万円の申込みをいただきました。今回は、申請総額が予算額を超えなかったため、第1弾の抽選で漏れた方など、申請されたすべてを採択いたしました。
 本制度を通じて、省エネ化の取組みへの支援はもちろん、市内の中小企業者の皆さまの経営改善にも寄与ができたものと考えております。

 給食等の食材料費高騰分の追加支援についてです。
 物価高騰の影響を大きく受けている公立の小中学校や保育所、認定こども園などの給食等の提供にかかる食材料費について、保護者の負担を少しでも軽減するため、昨年度に続き今年度も支援しています。
 当初予算に給食等材料費の物価上昇分6パーセント相当を計上し、市単独で公費負担を行い、6月補正予算では地方創生臨時交付金を活用して、公立小中学校の牛乳価格上昇分1食あたり8円の公費負担を追加計上したところです。
 しかし、物価高騰に歯止めがかからず、10月以降は年度当初想定していた数値より物価上昇率が10パーセント上昇し、16パーセントになると見込んでいます。そこで、10月以降に提供する給食等の食材料費について、地方創生臨時交付金を活用して、公立小中学校では1食当たり小学生15円、中学生18円を、公立保育所・認定こども園では物価上昇分10パーセント相当分を追加して公費負担したいと考えており、必要な補正予算を今議会に提出しております。

 私立保育所等への物価高騰対策支援についてです。
 物価高騰等の影響を受けている私立保育所等に対しても、保育所等の継続的・安定的なサービス提供が図れるように支援が必要な状況です。
 具体的には、県の保育施設等一時支援補助金を活用し、光熱費等の高騰分の一部を物価高騰対策支援給付金として各私立保育所等に支給したいと考えております。
 また、保護者への負担増を回避し、これまでどおりの栄養バランスや質を保った給食が提供できるように、当初予算で給食材料費の物価上昇分6パーセント相当を計上し、補助を行い支援しています。しかし、10月以降は年度当初想定していた数値より物価上昇率が10パーセント上昇し、16パーセントになると見込んでいます。そのため、地方創生臨時交付金を活用して物価上昇分10パーセント相当分を追加して補助したいと考えており、必要な補正予算を今議会に提出しております。

 農林水産事業者への物価高騰対策支援についてです。
 物価高騰により、エネルギー価格をはじめ、資材費、人件費等のあらゆる生産コストが上昇し、農林水産事業者の経営を圧迫しています。
 そこで、地方創生臨時交付金を活用し、生産コスト低減のための機器の導入を支援することで、少しでも事業者の皆さまの経営改善につなげたいと考えております。農業においては、経営耕地面積30アール以上、または、農産物販売金額50万円以上という一定の要件はありますが、いわゆる「兼業農家」の方も対象とする予定です。
 具体的には、生産コストの低減につながる20万円以上の機器を導入する場合、補助率2分の1以内、上限50万円を補助したいと考えており、必要な補正予算を今議会に提出しております。

 さて、今議会に私から提出いたします案件は、報告事項4件、事件決議8件、条例9件、予算9件、決算11件の合計41件です。

 それでは、当面する市政の諸課題および提出議案の主なものについて、基本構想の「市民の暮らしを支える施策の体系」に沿ってご説明申しあげます。

安全に安心して暮らせるまち

 第1に、「安全に安心して暮らせるまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、台風7号の被害状況等についてです。
 台風7号が8月15日に襲来し、5年ぶりに災害対策本部を設置いたしました。
 本市においては、人的被害としては、竹野地域内の国道178号土生(はぶ)トンネル東側で土砂崩れが発生し、車が横転して2人が軽傷を負われましたが、それ以外には被害がありませんでした。
 また、家屋被害としては、8月30日時点で住家の一部損壊1棟、床上浸水2棟、床下浸水17棟、非住家の一部損壊2棟、床上浸水5棟、床下・土間上浸水25棟の計52棟の被害が生じました。
 そのほかに、河川災害128件、道路災害124件、農地被害81件、農業用施設被害89件、治山被害4件、林道被害34件の被害が生じ、今後、迅速に復旧事業を進めてまいります。
 これらの事業につきましては、緊急を要する案件を専決処分による補正予算で実施し、公共土木施設や農林水産業施設などの国庫補助災害本復旧にかかるものについては、詳細が決まり次第、必要な予算を補正したいと考えております。
 なお、台風7号においては、養父市からの要請により、去る8月16日から18日にかけて職員2人を派遣し、給水支援の対応もいたしております。

 次に、産前産後の国民健康保険税減額措置にかかる対応について申しあげます。
 「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律」が公布され、来年1月1日から、出産前後の4カ月分の国民健康保険料が減額される制度が始まることになりました。
 この制度改正に伴い、早急に国保業務システムを改修する必要があり、必要な補正予算を今議会に提出しております。
 なお、国民健康保険税条例の改正議案については、12月議会に提出させていただきます。

 次に、公立豊岡病院日高医療センターの診療所化について申しあげます。
 公立豊岡病院組合では、日高医療センターにおける眼科センターの豊岡病院への移転に伴い医師数が減少し、また、医師確保の見通しがつかないため、2017年度策定の整備計画の見直しが行われました。
 診療所化への見直しにあたっては、市民の意見を広く聞く市民説明会やパブリックコメントが実施され、その後の豊岡病院組合議会での説明を経て、19床の有床診療所とする「日高医療センター整備基本計画(修正版)」が策定されました。
 なお、この計画の見直しにより、公立豊岡病院組合規約の変更にかかる議案を構成市それぞれで同文議決を行う必要があり、今議会に提出しております。

人と自然が共生するまち

 第2に、「人と自然が共生するまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、韓国・禮山(イエサン)郡との友好交流合意書締結式及びコウノトリ放鳥式典への参加についてです。
 豊岡市と韓国・禮山(イエサン)郡は、2009年からコウノトリの野生復帰を通じて交流・連携を行っており、2013年には「コウノトリ野生復帰に関する友好交流合意書」を締結しました。
 この度、禮山(イエサン)郡から両都市の交流・連携をさらに推進するため同郡にて合意書を再締結したいと打診があり、合わせてコウノトリの放鳥式典への出席依頼がありましたので、来たる9月18日に禮山(イエサン)郡で行われるこれらの行事に私自身が出席することにいたしました。
 合意書の締結に基づき、本市と韓国・禮山(イエサン)郡におけるコウノトリ野生復帰の取組みの情報交換や交流等の連携を強化することによって、コウノトリと人が共生するまちづくりをさらに効果的に推進してまいります。

 次に、新潟・兵庫連携会議について申しあげます。
 2025年開催の大阪・関西万博を見据え、新潟県と兵庫県で共通する地域資源をベースとした連携を推進し、両県の地域活性化と持続的な発展を目指すため、来たる9月5日に新潟県佐渡市で「新潟・兵庫連携会議」が開催されることとなりました。両県知事および佐渡市長が出席予定で、県から私にも出席依頼がありましたので、参加してまいります。
 本会議では、両県が相互に連携して取り組む項目として、「コウノトリとトキの野生復帰」や「野生復帰を支える環境に配慮した農業」などが検討協議される予定です。今後、両県が連携して進めるこれらの取組みに本市も積極的に参画し、大阪・関西万博で広く周知されるように推進してまいります。

持続可能な「力」を高めるまち

 第3に、「持続可能な「力」を高めるまち」に関連する内容について申しあげます。 

 まず、豊岡ファンミーティングについてです。
 昨年度に引き続き、今年度も来たる10月29日から2日間の日程で、本市を応援していただいている企業関係者やメディアなどの皆さまを招き、30日には、道の駅「神鍋高原」を会場に「豊岡の今」というテーマに基づき、「豊岡ファンミーティング」を開催いたします。 
 市全体で推進している高付加価値ツーリズムや観光DXなどの施策、日高神鍋観光協会による観光分野での気候変動対策について、実際に携わっている市民の方や市職員が取組状況や課題などを説明し、意見交換を行います。豊岡ファンの皆さまに豊岡の取組みを知っていただき、さらに豊岡に関わっていただくきっかけをつくっていきたいと考えております。

 次に、豊岡演劇祭について申しあげます。
 「豊岡演劇祭2023」は、来たる9月14日から24日までを会期として実行委員会主催により開催されます。国内外から91の団体・アーティストが参加し、市内各所で演劇公演や路上パフォーマンスなどが行われます。
 市外からの来訪者に加えて、多くの市民の方がさまざまな形で参加し、皆さんに楽しんでいただける演劇祭になることを期待しております。

 次に、道の駅「神鍋高原」整備事業の進捗状況について申しあげます。
 施設の長寿命化を含めた改修整備については、策定委員会の議論を経て整備運営計画を定め、これに基づき実施設計を進めることとしております。
 委員会の議論はほぼ終えましたが、施設運営者である日高振興公社と今後の運営計画についての協議が続いております。
 実施設計に係る予算を今議会に提出する予定でしたが、日高振興公社との調整にもうしばらく時間を要するため、調整がつき次第提出させていただきたいと考えております。

 次に、国内および外国人観光客の動向について申しあげます。
 国内観光客の動向については、兵庫県観光客動態調査に係る本市の基礎調査によると、本年4月から6月までの城崎温泉外湯の入浴者数は23万5,458人で、前年と比較して6.3パーセント増えました。しかし、市内の他地域では、観光客の入込みが前年を下回る結果となっております。これは、コロナ禍における国や地方自治体の観光需要喚起策により、高まっていた国内旅行の近隣化などが収まったためと考えられます。 
 外国人観光客の動向については、本年4月から6月の本市外国人延べ宿泊者数は17,019人泊で昨年同期比で61.2倍、コロナ禍前の2019年と比べても4.1パーセント増えており、急激に回復しております。
 これは、訪日個人旅行解禁となる昨年10月よりも一早く、アメリカ、オーストラリア、台湾をターゲットとして、昨年6月からウェルカム動画の配信や市外国語版ウェブサイトによる情報発信強化などに取り組んできた成果によるものと考えております。

 次に、農業生産コスト低減緊急対策事業について申しあげます。
 燃料や肥料価格の高騰等により影響を受けている地域の担い手である農家に対し、生産コスト低減につながるスマート農業機器等の導入を支援するため、兵庫県が緊急対策として補助制度を創設いたしました。
 これを受けて本市においても、7月に要望の取りまとめを行ったところ、33件の農家の方から事業費約1億7,500万円、補助金額で約8,300万円の要望がありました。
 事業採択された農家の方には、市を通じて県の補助金を支払うことになるため、必要な補正予算を今議会に提出しております。
 なお、県内全体での要望額をとりまとめた結果、予算額を超過していると伺っており、現在、県による調整が行われているため、すべてが採択されるとは限らない状況です。

 次に、雪害倒木緊急対策事業について申しあげます。
 近年、市内では、未整備森林の増加により、冬期の降雪による倒木に起因した停電が多発しております。特に、竹野南地域では、3年連続で倒木による停電が発生し、市民生活に大きな影響を与えております。
 雪害倒木による停電を防ぐため、電線周辺の危険木を伐採するための緊急補助制度を創設したいと考えております。事業期間は3年間で、財源は森林環境譲与税を活用することとし、必要な補正予算を今議会に提出しております。

 次に、路線バス運賃等のキャッシュレス化実証実験事業について申しあげます。
 全但バス株式会社をはじめ一般社団法人豊岡観光イノベーション、KDDI株式会社と連携し、スマートフォンのウェブアプリを活用して、路線バス運賃等のキャッシュレス決済実証実験を行いたいと考えております。
 合わせて、食べ歩きクーポン付きバス乗車券のデジタル化を行い、その利用データを収集し活用して、市内周遊の促進、市内移動総量の増加に向けた施策を講じるための知見を獲得したいと考えております。
 本事業の実施にあたっては、国の「共創による地域交通形成支援事業補助金」を活用することとしており、去る7月4日付けで事業の採択通知を受け、連携して本事業に取り組む運行事業者である全但バス株式会社が、国土交通省へ補助金の交付手続きを進めております。補助率は3分の2で、残りの自己負担額を市と全但バス株式会社で折半したいと考え、必要な補正予算を今議会に提出しております。
 なお、本事業から得られた知見や課題は、但馬の2市2町にも還元し、「JRローカル線維持・利用促進検討協議会」が今年2月にまとめたJR山陰本線利用促進策の方向性の一つに挙げられている「地域の発展にもつながる地域公共交通体系の構築」(交通連合の設立)などにつなげてまいりたいと考えております。

 次に、ワークイノベーションの推進について申しあげます。
 働きやすく働きがいのある職場への変革を進めるため、2018年に市内16事業所の参加を得て「豊岡市ワークイノベーション推進会議」を設立しました。5年経過して、参加事業所数は7月末現在で103事業所となり、着実に取組みの輪が広がっております。
 去る7月5日に、設立総会以来5年ぶりの総会を実施し、67事業所81人が参加しました。当日は、気仙沼市長、気仙沼商工会議所会頭、経済産業省経済社会政策室などの視察や、メディア取材も多数ありました。今後は、推進会議の参加事業所等に呼びかけ、若手従業員向けや女性マネジメント層向けのセミナーなどを実施してまいります。

 次に、地域おこし協力隊について申しあげます。
 本市では、2014年度から地域おこし協力隊制度を導入しており、これまでに92人を採用し、9月1日現在42人の隊員が地域活性化等の活動を行っております。
 また、活動を終了した50人の隊員のうち33人が市内に定住しています。そのうち14人が起業しており、ゲストハウスの開業や非営利法人を立ち上げております。
 今年度は、最終的に13人の隊員が活動終了後市内で起業する予定であるため、起業支援補助金を増額補正したいと考えており、必要な補正予算を今議会に提出しております。

未来を拓く人を育むまち

 第4に、「未来を拓(ひら)く人を育むまち」に関連する内容について申しあげます。

 竹野子育てセンターの竹野健康福祉センターへの移転についてです。
 竹野子育てセンターは、1965年に竹野町立竹野児童館として建築された建物に1997年に移転し、現在に至っております。
 その間、幾度の増改築を行ってきましたが、老朽化が進んでいます。
 市では、公共施設マネジメントの考え方や、竹野地域における地域デザイン懇談会の意見を踏まえ、以前から竹野子育てセンターを竹野健康福祉センターへ移転することについて地元区と協議を行っておりました。この度、その協議がまとまりましたので、来年4月に移転することとしました。
 竹野健康福祉センターの2階に子育てセンターの事務室と活動スペースを設けます。そのため、豊岡市立健康福祉センター、豊岡市立子育てセンターの設置及び管理に関する条例の改正議案と必要な補正予算を今議会に提出しております。

人生を楽しみお互いを支え合うまち

 第5に、「人生を楽しみお互いを支え合うまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、新文化会館整備事業に係る建設工事の入札結果についてです。
 建築工事は、2者の共同企業体(JV)が参加し、去る8月9日に開札を行った結果、2者とも入札金額が予定価格を超過したため不調となり、入札を打ち切りました。
 機械設備工事は、参加申込みがなく、入札を取りやめました。
 電気設備工事については、予定していた入札公告を一旦見送り、現在、建築工事が不調となった要因や参加申込みがなかった原因等の調査を行っております。
 今後、発注スケジュールの再検討を行った上、できる限り早い時期に再度入札を行うべく入札公告の準備を進めることとしております。

 次に、永楽館歌舞伎について申しあげます。
 来たる9月22日から永楽館歌舞伎公演を4年ぶりに開催いたしますことはお伝えしておりますが、歌舞伎公演にあわせて、9月21日には出演者によるお練り、9月21日から26日にかけては「まちバル」が実施される予定となりました。地域住民を巻き込んだ出石地域全体の盛り上がりを期待しております。

 次に、高橋地区コミュニティセンターの長寿命化改修について申しあげます。
 市内のコミュニティセンターについては、施設の長寿命化に伴う維持管理・修繕費等の必要な将来負担を把握し、計画的な保全を行うために策定した「豊岡市コミュニティセンター個別施設計画」に沿って、順次改修を行っております。
 高橋地区コミュニティセンターでは、2系統あるうちの1系統のエアコンが今年5月以降使用できない状態で、利用者が多い県民交流広場はスポットクーラーを設置して応急対応している状況です。
 そのため、来年度の早い時期に長寿命化改修工事を実施したいと考えております。空調・換気設備の更新とともに、照明のLED化、外壁・内装改修などの実施設計に着手するため、必要な補正予算を今議会に提出しております。

 次に、市民体育館の廃止・解体について申しあげます。
 オープンから63年が経過している市民体育館につきましては、昨年の9月議会において、「機能移転をどのように図るかについて、他の施設の活用も選択肢として検討を進める」という説明をさせていただきました。
 総合体育館の利用範囲・時間など利用区分の見直しや市立施設等予約オンラインシステムの導入などにより、これまで市民体育館を利用していた方の利便性を今後向上させることで、おおむね機能移転が図れるとの判断に至ったことから、来年度中に市民体育館を閉館することといたしました。今後、ご利用いただいている市民の皆さまへ丁寧な説明を行いながら、スムーズに機能移転を進めてまいります。
 なお、跡地につきましては、中央公園として整備拡充し、利用することとしております。
 スケジュールについては、今年度から来年度当初にかけて解体にかかる実施設計を行い、来年度下半期に解体工事に着手、2025年度上半期の工事完了を目指し、その後、跡地整備工事を行う予定です。
 そのため、市民体育館解体に係る実施設計業務に着手することとし、債務負担行為の設定にかかる補正予算を今議会に提出しております。

市政の運営

 第6に、「市政の運営」に関連する内容について申しあげます。

 まず、ジェンダーギャップ解消の推進についてです。
 今年度、新たな取組みとして、ジェンダーを含む多様性をテーマとしたオリジナル絵本を制作することとしております。
 絵本の読み聞かせや対話を通して、保育者がジェンダーギャップ解消の必要性について理解を深めるとともに、子どもたちに他者理解や自己理解を促すことを目的としております。
 絵本制作プロジェクトには、保育士や保育教諭を中心に13人が参画し、ワークショップを通してストーリーなどを検討してまいりました。今後、絵本の概要をまとめ、絵本作家の但東町出身の羽尻利門(としかど)さんに挿絵の制作を依頼し、今年度中に、学校園などに配布できるよう進めてまいります。
 また、ガバメントクラウドファンディングを活用し、全国から寄付を募り、制作費に充てたいと考えております。

 次に、公共施設の新たな利活用について申しあげます。
 本年度末をもって指定期間の満了する施設について、来年度以降のあり方を評価・検討した結果、次の4施設については、指定管理者制度による管理運営を終了するとともに、公有財産としてのあり方を見直し、新たな活用策を検討します。
 具体的には、奈佐森林公園については、指定管理者制度の継続が難しいため、サウンディング型市場調査を行い、来年度以降の施設のあり方を定めていきます。
 また、竹野多目的研修施設、但東地域特産物加工施設および竹野観光センターについては、施設の利用が特定の団体に限られているため、関係団体の意向をお聞きしながら、普通財産として貸し付け、有効利用を図ってまいります。

 次に、長期財政見通しについて申しあげます。
 先日配布させていただきました長期財政見通しは、前年度の決算額を基本に、一般財源ベースで2032年度までの10年間を見通しております。
 昨年8月に策定した前回の見通しと比較して、歳入では、市税が増収となったものの、普通交付税と臨時財政対策債の合計額は減収となりました。
 歳出では、公債費などが減額となりましたが、人件費や後期高齢者医療事業などの繰出金が増額となったため、年平均での赤字額は、5.4億円から5.7億円へと3千万円増加しております。
 長期財政見通しでは、赤字には基金を取り崩して充てることとしております。
 前回の見通しと比較して、期間最終年度の基金残高は若干増加しておりますが、厳しい状況に変わりはありません。持続可能な行財政運営を目指し、経費節減等に向け、さらに検討を進めてまいります。
 なお、物価高騰による社会経済活動への影響等、今後の状況次第では、見通しがさらに厳しくなる可能性があると考えております。

 次に、第5次行財政改革大綱の策定について申しあげます。
 去る8月17日に、豊岡市行財政改革委員会から大綱の答申を受けました。
 答申では、豊岡市役所がめざす姿を「限られた資本と多様性をいかし、市民の視点で公共サービスが持続可能な状態で提供されている」としております。
 また、その取組みの柱は、1公共サービスが多様な人たちによって創造されている、2多様な市民の思い・願いが尊重されている、3さまざまな豊岡の資本が効果的に活用されている、4デジタル社会を前提とした市役所になっている、5すべての世代にとって働きがいのある市役所になっている、としております。
 今後、この答申を踏まえた市としての大綱案を定め、議会や市民の皆さまのご意見をお聞きし、10月に大綱を策定する予定としております。

 次に、電子決裁・文書管理システムの導入について申しあげます。
 現在、庁内のほとんどの決裁は書面で行っております。このことにより決裁資料の印刷、決裁済文書の検索、保存期間が経過した文書の廃棄作業等に手間がかかり、文書保管等に多くのスペースを使っております。
 そこで電子決裁・文書管理システムを導入し、文書に関する業務を効率化するとともに、将来に向け自宅、他の庁舎等での勤務も可能にします。また、文書保管等のスペースを事務スペースに置換えて事務所の集約を進め、市民の皆さまや職員等の庁舎間移動の負担を軽減します。
 システムは今年度中に調達を行い、来年度から運用開始したいと考えており、必要な補正予算を今議会に提出しております。
 また、今年度までに作成した文書については、来年度以降に順次データ化したいと考えております。

予算、決算

 続いて、令和5年度一般会計補正予算について申しあげます。

 まず、補正予算第4号です。これは、台風7号災害について、応急対策や災害復旧費等に要する経費7,275万3千円を追加するため、8月15日付で専決処分したものです。なお、太陽光発電事業特別会計につきましても、応急対策に要する経費を専決処分しております。

 次に、補正予算第5号です。予算全体を見直し、今後の執行見込額を精査した上で、過不足が生じる経費や今年度の人事異動による人件費の整理、さらに、地方創生臨時交付金を活用した市独自の物価高騰対策事業として「豊岡市地域活動支援センターの運営支援」、「農林水産事業者への物価高騰対策支援」、「給食等の食材料費高騰分の追加支援」のほか、「高橋地区コミュニティセンター長寿命化改修」、「雪害倒木緊急対策事業」の経費など緊急やむを得ないものを計上しております。
 歳入歳出予算の補正総額は7億9,360万1千円の追加となり、これに必要な財源は繰越金等で措置しております。
 なお、前年度決算の確定に伴う決算剰余金の処理のため、市債管理基金へ5億2千万円を積み立てます。

 次に、前年度決算の認定に関連し、その概要を申しあげます。
 一般会計の総額で歳入は約524億円、歳出は約511億円となり2021年度の決算と比較して、歳入は約23億円、歳出は約18億円の減額となりました。
 その内訳の概況ですが、歳入では、コロナの軽減措置の終了による固定資産税の増額等により、市税全体で約4億5千万円の増額となったほか、ふるさと納税等の寄附金、諸収入などが増額となった一方、地方特例交付金、地方交付税、国庫支出金、繰入金、市債などが減額となっております。
 歳出では、価格高騰緊急支援給付金、子育て世帯への家計応援給付金、20パーセントプレミアム付商品券換金業務、家計応援商品券換金業務などの新型コロナウイルス・物価高騰対策のほか、障害者(児)自立支援給付事業費、生活保護費、私立認定こども園整備事業費などが増額になっております。
 一般会計の最終的な実質収支については、10億2,285万1千円の黒字決算となりました。2021年度の実質収支額との差引きである単年度収支額は、6億4,558万7千円の赤字となり、年度中の財政調整基金への積立金や取崩し額など黒字・赤字要素を加味した実質単年度収支は、2億137万4千円の赤字となっております。
 これは、2021年度の決算剰余金の2分の1以上に当たる8億4千万円を、財政調整基金ではなく市債管理基金に積み立てたことなどが要因であり、後年度を見据えた財政運営は、概ね適切にできたものと考えております。
 経常収支比率については、93.1パーセントと2021年度から1.1ポイント悪化しております。
 地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく健全化判断比率については、今議会に監査委員の意見を付して報告しております。実質公債費比率は14.3パーセントと2021年度と比較し0.2ポイントの悪化となり、地方債発行の許可団体を判断する18パーセントを下回っていますが、高い水準となっております。
 将来負担比率は44.7パーセントと11.5ポイント改善し、いずれも早期健全化基準を下回っております。
 このように財政指標については国の基準を下回っておりますが、いまだ地方債の現在高は高い水準にあります。下水道事業などの公営企業や公立豊岡病院組合などに対する一般会計の負担についても、今後、引き続き高い水準で推移することが見込まれ、厳しい状況が続くものと考えております。したがって、企業会計や一部事務組合を含めた公債費負担の適正化を図ることが最重要課題であると認識しております。
 加えて、税収入の確保、未利用地の売却、滞納対策の徹底や受益者負担の適正化等、財源の一層の確保に努めるとともに、経常的経費の抑制、公共施設マネジメントやDXの推進を図る必要があると考えております。
 以上が前年度決算の概要です。詳細については、お手元に決算書および関係資料をお届けしておりますので、ご清覧賜りますようお願い申しあげます。

 以上をもちまして、私の総括説明を終え、各議案の詳細については 担当部長等から説明いたしますので、よろしくご審議いただき、適切なるご決定を賜りますようお願い申しあげます。

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