令和2年第4回豊岡市議会(定例会)市長総括説明(2020年8月28日)
おはようございます。
令和2年第4回豊岡市議会定例会の開会に当たり、議員各位のご健勝をお喜び申しあげますとともに、日頃のご精励に対し深く敬意を表します。
まず、新型コロナウイルスに係る支援制度の状況について申しあげます。
1人10万円の特別定額給付金についてです。
申請期限である8月24日までの間、防災行政無線や市広報等で繰り返し案内するとともに、未申請世帯への申請書の再送付などを行いました。期間終盤には、一部の区でのチラシの再回覧や、職員による未申請世帯への戸別訪問なども行っています。
その結果、対象世帯数33,399世帯のうち、99.7パーセントに当たる33,311世帯に給付できました。申請のなかった88世帯については、住民登録はあるものの居住実態がないなどの要因を推測しているところです。
STAY豊岡についてです。
8月24日時点で、予約を含めた利用人数は7,845人となっています。また、申請予定を含めた補助金額は、約5,438万円で、予算額8,000万円のうちの68パーセントに達しています。
市の補助率から算出すると、少なくとも約1億2,040万円以上の直接的経済効果となります。
なお、この制度は、国の「GoTo トラベルキャンペーン」までのつなぎとし、8月末までの実施としていました。しかし、現時点においても、国のキャンペーンのうち、旅行代金の15パーセント相当を支援する「地域共通クーポン」の実施時期が未定のため、市の現行制度を9月30日まで延長することといたします。
ただし、9月30日までに「地域共通クーポン」制度が実施された場合には、その時点で終了することといたします。
EAT豊岡についてです。
当初発行した40,000セットの食事券が売り切れる見込みとなったため、去る7月17日、専決補正により予算を増額し、さらに40,000セットを追加販売しているところです。
8月24日時点で、食事券50,961セットが販売済みとなっています。この販売済み食事券がすべて使用されるとすれば、少なくとも約3憶3,120万円以上の直接的経済効果が発生することとなります。
BUY豊岡についてです。
補助金部分を含めた売上げの目標額を1億円として、去る7月27日から事業を開始しました。この段階において、参加店舗から提出された販売見込みの総額が約1億5,000万円となり、その後に実績が計画を上回る店舗も見られたことから、8月7日、専決補正により予算を増額し、売上げの目標額を2億円に増額しました。
8月24日時点での売上げ額は約9,830万円となっており、目標額2億円に対する到達割合は、49.2パーセントとなっています。
感染症予防力向上補助金についてです。
8月24日時点で、補助金交付決定済みの件数は326件、金額では約1,512万円となっています。予算額1億4,700万円のうちの10.3パーセントに留まっており、今議会に9,250万円を減額する補正予算を提出しています。
これは、補助金額のより大きな県の制度を紹介し、比較を促していることが大きな要因と考えています。補助制度への問い合わせが多いことから、県と市を合わせた事業効果は発揮できているものと考えています。
次に、新型コロナウイルス感染症対策認証制度「CLEAN and SAFE TOYOOKA(クリーンアンドセーフトヨオカ)」について申しあげます。
去る8月12日、本市、豊岡ツーリズム協議会、豊岡観光イノベーションによる委員会を組織し、感染症対策に係る認証制度をスタートさせました。宿泊、飲食、物産、アクティビティなどの事業者が対象です。豊岡独自の感染症対策ガイドラインに基づくチェックシートの全ての項目をクリアした事業者に対し、認証ポスターを交付します。
このガイドラインと認証制度は、観光と感染症の専門家による監修と県の豊岡健康福祉事務所の助言を受けています。
市ホームページや防災行政無線でのPRとともに、観光協会や商工関係団体などを通じて市内事業者へ認証取得を促してまいります。
また、本市施設のうち、制度の対象となる施設の指定管理者についても認証取得を進めるとともに、直営施設におけるガイドライン遵守を徹底してまいります。
今後とも、感染リスクをゼロにすることはできないことを受け入れた上で、まち全体の感染予防力の向上を図りつつ、社会・経済活動の再起動を促進してまいります。
次に、令和2年7月豪雨により被災した大分県日田市等の被災状況調査について申しあげます。
災害時相互応援協定を締結している日田市及び被害の大きかった熊本県内の被災状況等を調査するため、職員2名を去る7月20日から24日まで派遣しました。
その結果、被災県が応援要請の窓口となり、全国知事会が受援先の調整を行うことで、必要な職員数は充足している状況でした。
必要物資についても、内閣府の物資調達等支援システムが機能し、滞ることなく調達できているようでした。
避難所では、パーテーション等による飛沫感染の防止や、密にならない空間づくりとともに、看護協会等の専門家による衛生・健康管理などにより、良好な環境が保たれていました。
このため、本市からの直接的な支援については当面不要との判断をしています。
さて、今議会に私から提出いたします案件は、報告事項6件、事件決議9件、条例5件、予算12件、決算12件の合計44件です。
それでは、当面する市政の諸課題及び提出議案の主なものについて、基本構想の「市民の暮らしを支える施策の体系」に沿ってご説明申しあげます。
なお、本日に議決を賜りたいと考えている第107号議案及び第113号議案に係る事項については、別途ご説明いたします。
安全に安心して暮らせるまち
第1に、「安全に安心して暮らせるまち」に関連する内容について申しあげます。
まず、発達障害児の早期発見・早期支援事業についてです。
発達障害児の支援は、開始年齢が早いほど、言葉を理解し、表現する力を伸ばす効果が大きいことが研究で明らかになっています。早期療育によって、他の子どもへの接し方が変わり、社会性が高まる、とされています。
そこで、子どもの発達障害を早期に発見し、早期療育につなげることができるよう、この8月の1歳6カ月児健診から、M-CHAT(エムチャット)と呼ばれる世界基準の詳細なスクリーニング指標を用いた問診を実施しています。
新指標では質問項目が増加するため、保護者の回答の手間を軽減するスマホアプリを全国に先駆けて導入しています。このアプリは、電子版母子手帳アプリを提供している企業と市の協働で開発したものです。
今後、明らかになった子どもの課題に対応するため、早期療育の有効性を保護者に伝えるとともに、今年度から充実させた育児・保護者支援教室への参加を積極的に促していきたいと考えています。
来たる10月には、この取組みを広く知っていただき、支援をお願いするため、ふるさと納税を活用したクラウドファンディングの実施を予定しています。
次に、子ども食堂の開設支援について申しあげます。
現在、市内には3カ所の子ども食堂が開設されていますが、子どもたちにとって十分な状況ではありません。
そこで、子ども食堂を新たに設置する際の支援を行いたいと考えています。
具体的には、県等の支援制度や先行事例について情報提供するとともに、関係機関への申請の際の事務手続きを支援します。
また、開設に必要な備品購入費などへの補助や開設後1年間の運営費用への補助を行いたいと考えています。
これらに必要な補正予算を今議会に提出しています。
持続可能な「力」を高めるまち
第2に、「持続可能な「力」を高めるまち」に関連する内容について申しあげます。
まず、豊岡演劇祭についてです。
去る7月1日、「豊岡演劇祭2020(ニーゼロニーゼロ)」の第1回記者会見を江原河畔劇場で行い、演劇祭を開催すること及び開催概要を発表しました。
7月30日には第2回記者会見を行い、公演スケジュール等の詳細や新型コロナウイルス感染症への対策等について説明を行いました。
演劇祭の開催に当たっては、東京都等の感染拡大地域からの参加アーティストやスタッフには原則としてPCR検査を義務付けるとともに、演劇祭独自の感染症対策ガイドラインを策定するなど、徹底した対策を講じます。
なお、チケットについては、8月8日から但馬地域在住者を対象に先行販売を行った後、8月20日から全国販売しています。
次に、神鍋高原へのホテル誘致について申しあげます。
去る7月30日、民間主導プロジェクトによるホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット」が、道の駅「神鍋高原」の隣接地へ建設されることが発表されました。このホテルは宿泊特化型で、食事や風呂、土産物は周辺施設を活用するというコンセプトとなっています。2022年の夏から秋のオープンを目指すと聞いています。
立地が決定しましたので、事業者と調整し、消火栓の設置と上下水道管の布設工事を行いたいと考えています。
また、これを契機に道の駅及び周辺地域の機能強化を目指すこととし、地元を主体とした検討会議の設置を予定しています。
次に、湯の原温泉オートキャンプ場の指定管理者の公募について申しあげます。
湯の原温泉オートキャンプ場は、今期の指定管理期間が年度末で終了するため、次期指定管理者を公募しているところです。
公募に当たっては、施設の休止期間を設けず通年営業ができることを応募条件の一つとしています。これにより、更なる需要の掘り起こしにつなげようと考えています。
通年営業とするための条例改正案を今議会に提出しています。
次に、国内外からの観光客の動向について申しあげます。
まず、今年4月から6月の第2四半期に豊岡市内に宿泊した外国人の延べ人数は140人で、前年同期16,213人の減、99.1パーセントの減となっています。この宿泊者につきましては、入国に係る現状に鑑みると、ほぼ国内在住の外国人であると考えられます。インバウンドの促進につきましては、積極的な誘客事業は停止し、新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインの策定など、市の対応状況を海外向けウェブサイトで発信しているところです。
また、市の大交流ビジョンにおける調査の速報値では、今年4月から6月の本市の宿泊者数は約3万7千人で、前年同期比約19万人の減、83.6パーセントの減となっています。
国内外ともに非常に厳しい状況です。
ただ、城崎温泉外湯の日帰り・宿泊の入浴客数を見ますと、一斉休業した5月は前年同月比で99.9パーセントの減であるものの、6月は70パーセントの減、7月は36.7パーセントの減と回復傾向にあります。もちろん、今後の新型コロナウイルス感染拡大の状況が見通せないため、先行きは不透明です。
このような現状で、6月1日から実施していますSTAY豊岡につきましては、8月24日現在、予約も含め7,845人の市民の皆さまにご利用いただいており、苦境にある観光業等の支援に一定程度の役割は果たせているのではないかと考えているところです。
次に、アイティ4階フロアの取得と子育て支援総合拠点等の整備について申しあげます。
議員の皆さまには、去る17日の全員協議会において、株式会社さとうとの協議の経過や合意内容とともに、アイティ4階フロアの取得とその利用案について説明させていただいたところです。
フロアの取得については、約9ケ月に及ぶさとう側との交渉を経て合意したものであり、ぜひとも議員の皆さまのご理解を賜りたいと存じます。
今後、全員協議会でご説明したとおり、4階フロアにおいて子育て支援の総合拠点や生涯学習サロンの整備等を行いたいと考えています。
具体的には、アイティ7階の子育て総合センターや豊岡健康福祉センター内のこども支援センターを移転するほか、雨天時にも遊べるキッズランドや子ども図書館の整備などを検討しています。これに生涯学習サロンを併設し、高齢者と子ども達のふれあいの場を創出したいと考えています。
さらに、テレワーク等の民間活動の拠点整備も検討しています。
なお、生涯学習サロンの陶芸教室部分については、当初、旧いずたや跡地に整備する、としていましたが、現在、アイティ7階屋上に整備し、旧いずたや跡地は、生涯学習サロンの屋外交流広場として位置付けることを検討しています。
今議会に、フロア取得のための不動産鑑定費や債務負担行為、及び子育て支援総合拠点等の構想策定費に係る補正予算を提出しています。
また、生涯学習サロンの整備費用が減額の見込みとなるため、これに係る減額補正予算も提出しています。
その他の施設整備に係る予算は、来たる3月議会に提出させていただきたいと考えています。
次に、北近畿豊岡自動車道について申しあげます。
日高神鍋高原インターチェンジから但馬空港インターチェンジまでの日高豊岡南道路は、この秋の開通予定となっています。間もなく、国から正式な開通日の発表がある見込みです。
開通を記念し、プレイベントとしてのトンネルウォーク等や、当日の開通式典、通り初め式などを国、県等とともに開催したいと考えています。
「命と交流、定住・自立、危機管理の道」実現への大きな前進であり、市民の皆さまと喜びを分かち合い、関係各位に感謝の意を表したいと思います。
引き続き、「豊岡道路」、「豊岡道路Ⅱ期」の早期開通に向けて、地元調整や用地交渉への協力などを行ってまいります。
次に、但馬空港の状況について申しあげます。
但馬空港の利用者数は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で大きく減少しており、今年4月から7月においては、前年同期比11,064人の減、77.5パーセントの減である3,221人となっています。6月19日に都道府県をまたぐ移動の自粛が国から解除された以降は、少しずつ利用者が戻る傾向にあるものの、感染拡大の動向に左右される状況に変わりはありません。
なお、県が設置した「但馬空港のあり方懇話会」が、今年の2月と7月に開催されています。意見交換においては、東京乗継便の需要が増加傾向にあることから東京直行便を期待する意見があり、本市としてもその実現に向けて全力を挙げてまいります。
次に、豊岡スマートコミュニティについて申しあげます。
去る5月7日にトヨタ・モビリティ基金とともに、「豊岡スマートコミュニティ推進機構」を設立し、現在に至るまで様々な活動を行っています。
9月に開催する「豊岡演劇祭2020(ニーゼロニーゼロ)」においては、日高地域を中心としたモビリティの実証実験として、江原・神鍋間、江原・但馬空港間での予約制のオンデマンド運行などを計画しています。
また、竹野南地区と小野地区をモデル地区として、防災や福祉分野などにおいて情報技術やモビリティを活用するべく検討を進めているところです。
市役所本庁舎2階の西側エレベーターホールに完成した、当機構の活動の場である「B-room」を拠点に、引き続き各プロジェクトを進めてまいります。さらに10月からは、プロジェクトに携わる地域おこし協力隊員を1名加え、体制を強化したいと考えています。
次に、移住促進住宅について申しあげます。
現在、但東地域への移住促進策の一環として、5戸から成る中山向町(むかいまち)移住促進住宅を設置し、管理しています。
さらに今回、特定公共賃貸住宅である赤野住宅5戸を移住促進住宅へ用途変更し、総戸数を増やしたいと考えています。
比較的即時に、かつ所得要件なく入居ができる市営住宅として、広く移住・定住希望者を募集します。
来たる10月から募集を開始したいと考えており、必要な条例改正案を今議会に提出しています。
次に、地域おこし協力隊について申しあげます。
来たる10月から開始を予定している13の活動メニューに関し、17名の定員で募集を行ったところ、過去最多となる56名の応募がありました。このため、定員を3名増加し、計20名を受け入れたいと考えています。
現在、7名の着任を見込んだ予算額となっているため、追加で必要となる13名分の補正予算を今議会に提出しています。
また、こうした状況を好機と捉え、来年4月からの開始を予定していた活動メニューの中から3つを来年1月からに前倒しし、3名の隊員を新たに募集したいと考えています。これに必要となる補正予算についても今議会に提出しています。
未来を拓く人を育むまち
第3に、「未来を拓く人を育むまち」に関連する内容について申しあげます。
まず、幼児教育・保育及び放課後児童のあり方計画についてです。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により延期していました市民説明会を8月24日から順次開催しています。
開催に当たっては、新型コロナウイルス感染症対策のため、会場別に参加人数を制限しています。
市民説明会で皆さまのご意見をいただいた後、パブリックコメント等を経て、2021年2月を目途に計画を策定したいと考えています。
次に、小学校1年生から3年生に対するタブレット端末の配備について申しあげます。
コロナ禍の中、仮に長期休校を余儀なくされた場合であっても子どもたちに一定の学習機会を提供できるよう、家庭でのオンライン学習のための環境整備を行います。
現在、1人1台のタブレット端末の配備を中学生及び小学校の4年生以上を対象に進めているところですが、さらに小学校の3年生以下にも配備したいと考えています。
4年生以上への配備事業の予算残などを活用するとともに、必要な補正予算を今議会に提出しています。
なお、このタブレット端末については、通常授業においても有効に活用することとしています。
次に、小中学校の適正規模・適正配置に係る地域別意見交換会の開催について申しあげます。
小中学校の適正規模・適正配置について審議を行う上で、地域の方との対話は大変重要なプロセスであり、来たる9月23日から10月29日にかけて 6地域で意見交換会を開催します。
学校は、子どもたちの教育のための施設であるとともに、地域の交流拠点でもあり、保護者の方と地域の方が、それぞれの立場で様々な思いをお持ちであると考えています。そこで、率直な意見をより多く聞かせていただくため、保護者の方と地域の方を別日程としています。
また、新型コロナウイルス感染症対策として、会場別に参加人数を制限し、事前申込制としています。
次に、専門職大学の進捗について申しあげます。
「国際観光芸術専門職大学(仮称)」については、文部科学省の示す標準スケジュールでは8月下旬頃に設置認可される見込みとなっていました。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、文部科学省の審査に1ケ月半から2ケ月程度の遅延が生じたことにより、認可が遅れる見込みとなっています。
現時点では文部科学省から正式な認可時期は示されていませんが、県からは来年4月の開学に影響の無いよう適切に対処していくと聞いています。
なお、大学学舎及び学生寮の建築工事は順調に進められており、大学学舎は2021年2月頃、学生寮は同年1月頃の竣工予定となっています。
人生を楽しみお互いを支え合うまち
第4に、「人生を楽しみお互いを支え合うまち」に関連する内容について申しあげます。
植村直己冒険館の機能強化改修運営事業についてです。
昨年9月に事業契約を締結し、その後、設計及び建築確認申請業務を終え、去る6月に工事着工しています。
工事及び展示制作は順調に進捗しており、予定どおり来年4月にリニューアルオープンする見込みです。
指定管理者による管理運営を行うこととし、条例の全部改正案を今議会に提出しています。
市政の運営
第5に、「市政の運営」に関連する内容について申しあげます。
まず、公共施設マネジメントの推進についてです。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により延期していました「地域デザイン懇談会運営支援業務」の業者選定プロポーザルを8月7日から開始しており、10月中には業者を選定する予定としています。
秋以降、適切な感染防止対策を講じつつ、地域デザイン懇談会を開催したいと考えています。
次に、出石文化会館跡地の売却について申しあげます。
昨年11月、売却に係る市場性の把握のため、サウンディング型市場調査を実施しました。
その後、公募条件を整理し、去る7月8日から22日までの間、一般競争入札による売却先の公募を行いました。
その結果、市内の株式会社オークから参加申込みがあり、跡地のすべてを一括して売却することとなりました。8月3日に土地の売買に係る仮契約を締結したところであり、財産処分のための議案を今議会に提出しています。
次に、長期財政見通しについて申しあげます。
先日配布させていただきました長期財政見通しは、前年度の決算額を基本に、一般財源ベースで2029年度までの10年間を見通しています。
昨年8月に策定した前回の見通しと比較して、歳入では普通交付税が減収、歳出では人件費が増額、補助費等や投資的経費が減額の見込みとなりました。
2020年度以降は赤字で推移することに変わりはありませんが、2022年度以降の事業に公共施設等適正管理推進事業債を充てることによる一般財源の負担減により、年平均での赤字額は、5.7億円から4.9億円へと8千万円減少しています。
長期財政見通しでは、赤字には基金を取り崩して充てることとしています。前回の見通しより基金残高の減少幅は若干緩和されていますが、厳しい状況に変わりはありません。持続可能な行政経営を目指し、経費節減等に向け、さらに検討を進めてまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響について、市民税、固定資産税、入湯税が影響を受けるものとして見込んでいますが、今後の状況次第では、見通しが更に厳しくなる可能性があると考えています。
予算、決算
続いて、令和2年度一般会計補正予算について申しあげます。
まず、補正予算第8号です。EAT豊岡の食事券追加販売及び商工会議所の「みらい飯(めし)」への支援のため、2億7,650万円を7月17日付けで専決処分したものです。
次に、補正予算第9号です。BUY豊岡の拡充に要する経費として、3,000万円を8月7日付けで専決処分したものです。
次に、補正予算第11号です。
新型コロナウイルス感染症対策に要する経費のほか、予算全体を見直し、今後の執行見込額を精査した上で、過不足が生じる経費や今年度の人事異動による人件費の整理などを計上しています。
新型コロナウイルス感染症対策の内容としては、「水産加工品製造設備の導入への補助」、「安全安心な保育のための私立保育園等への給付金の支給」、「夏季休業の短縮による児童生徒の熱中症対策」、「小学校へのタブレット端末の追加配備」、「学校園等の感染症予防対策」、「城崎国際アートセンターでのアフター・コロナ社会を見据えたテレワーク拠点整備」などです。
感染症対策以外の内容としては、「アイティ4階フロアの取得と子育て支援総合拠点等の整備」、「子ども食堂の開設支援」、「地域おこし協力隊の拡充」などです。
また、感染症対策に係る既決予算の執行見込を精査した結果、合わせて3億7,203万5千円の予算減額を行います。
これらを総合すると、補正額は5億4,374万3千円となります。
必要な財源は地方創生臨時交付金、繰越金等で措置しています。
この地方創生臨時交付金は、国の第1次・第2次補正予算で、合わせて3兆円が確保されています。本市には第1次上限額として約3億7,800万円が既に交付済みであり、第2次で約13億5,400万円が交付される見込みです。
これを補正予算第11号及び後ほど説明する補正予算第10号の各事業に充当するとともに、既決の補正予算において被災者生活再建支援基金、財政調整基金を財源とした事業について、財源更正を行い、各基金からの繰入額を減額することとしています。
なお、前年度決算の確定に伴う決算剰余金の処理のため、財政調整基金へ6億2,000万円を積み立てます。
次に、前年度決算の認定に関連し、その概要を申しあげます。
一般会計の総額で、歳入は約487億円、歳出は約472億円となり、2018年度の決算と比較して歳入は約17億円、歳出は約22億円の増額となりました。
その内訳の概況ですが、歳入では、地方特例交付金、国県支出金、寄附金、繰越金などが増額で、地方交付税、分担金及び負担金、繰入金などが減額となっています。
歳出では、社会保障関係費の自然増の他、公立豊岡病院組合負担金、防災行政無線整備事業費、専門職大学誘致事業費などが大幅に増加しています。
前年度は、地方創生の深化の予算と位置付け、「市民の日々の暮らしを着実に支え続けること」を基本とし、「豊岡で暮らして良かった」と市民が実感できるまちづくりを積極的に進めてきました。
「小さな世界都市」の実現を目指して、「ローカル&グローバル」という旗印を掲げ、意識してローカルであることを基礎にしてダイレクトに世界と結びついて世界の中で輝き、国内外への情報発信、インバウンド戦略、演劇のまちづくりなど特長的な施策を展開し、地域経済の活性化に積極的に取り組んでまいりました。
また、地方創生に的確に対応するため地方創生総合戦略、振興局プロジェクト事業にも積極的に取り組んでまいりました。
結果として、一般会計の最終的な実質収支については、12億3,998万2千円の黒字決算となりました。2018年度の実質収支額との差引きである単年度収支額は、4億1,713万5千円の黒字となり、年度中の財政調整基金への積立金や取崩し額など黒字・赤字要素を加味した実質単年度収支は、1億6,974万6千円の黒字となっています。後年度を見据えた財政運営は、概ね適切にできたものと考えています。
なお、経常収支比率については、93.4パーセントと2018年度から2.9ポイント悪化しています。
地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく健全化判断比率については、今議会に監査委員の意見を付して報告しています。実質公債費比率は13.3パーセントと、2018年度と比較し1ポイントの悪化となりましたが、地方債発行の許可団体を判断する18パーセントを引き続き下回っています。
将来負担比率は74.5パーセントと0.3ポイント改善し、いずれも早期健全化基準を下回っています。
このように財政指標については国の基準を下回っていますが、いまだ地方債の現在高は高い水準にあります。下水道事業などの公営企業や一部事務組合に対する一般会計の負担についても、今後、引き続き高い水準で推移することが見込まれ、厳しい状況が続くものと考えています。したがって、企業会計や一部事務組合を含めた公債費負担の適正化を図ることが最重要課題であると認識しています。
加えて、税収入の確保、未利用地の売却、滞納対策の徹底や受益者負担の適正化等、財源の一層の確保に努めるとともに、経常的経費の抑制、公共施設マネジメントの推進を図る必要があると考えています。
また、新型コロナウイルス感染症の影響で、税収の落ち込みなどによる 歳入の減収が想定されます。
今後の状況を見極めながら、第4次行財政改革大綱を速やかに実施し、一層の経費削減を図らなければならないと考えているところです。
以上が前年度決算の概要です。詳細については、お手元に決算書及び関係資料をお届けしていますので、ご清覧賜りますようお願い申しあげます。
以上をもちまして、私の総括説明を終え、各議案の詳細については担当部長等から説明いたしますので、よろしくご審議いただき、適切なるご決定を賜りますようお願い申しあげます。
ありがとうございました。
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