令和2年第1回豊岡市議会(定例会)市長総括説明(2020年2月28日)

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ページ番号1009489  更新日 平成31年2月28日

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 2020年2月28日、第1回豊岡市議会定例会の議案提出に当たり、中貝市長が、施政方針と、当面する市政の諸課題、提出議案の主なものについての説明(市長総括説明)を行いました。

 おはようございます。
 令和2年第1回豊岡市議会定例会の開会に当たり、議員各位のご健勝をお喜び申しあげますとともに、日頃のご精励に対し深く敬意を表します。

 新型コロナウイルスの感染が全国で拡大しています。去る2月25日には、政府の新型コロナウイルス対策本部で基本方針が決定され、行事開催の必要性を改めて検討することなど、社会全体での対応が求められています。
 本市においては、2月3日に庁内連絡会議を開催し、市庁舎等へアルコール消毒薬を設置したほか、手洗い等の感染症対策について、防災行政無線及び市ホームページで周知を行いました。2月20日には県の豊岡健康福祉事務所、豊岡病院組合、豊岡市医師会、本市関係課による「関係機関事前連絡会」を開催し、その結果に基づき、医療機関の受診方法について、防災行政無線及び市ホームページで周知しました。
 市主催のイベント・行事等については、昨日、市内及び県内で感染者が確認されていない現段階では、(1)業務上の会議・打合わせは、適切な予防対策を講じた上で、原則、平常どおりとすること、(2)健診等市民生活のための市の本来業務は、適切な予防対策を講じた上で、原則、平常どおりとすること、(3)集客イベントについては、2週間は基本的に中止又は延期とすること、(4)それ以後のイベントについては、今後の状況を踏まえて改めて検討すること、などの方針を決定しました。
 学校園については、首相が全ての小中学校等の臨時休校を要請したとの報道を受け、(1)3月2日の午後から春休みまでの間を臨時休校とする、(2)卒業式等の対応については、別途協議の上、判断する、(3)その他、具体的課題への対応については、本日午後、校園長会を開いて協議し、現場の声を踏まえて決定する、との判断を教育委員会において行っています。
 なお、幼稚園、保育所、認定こども園については、保護者の就労状況を考慮し、感染拡大防止策を取った上で開設することとしています。

 今後とも、状況の変化に最大限の注意を払い、関係機関と緊密に連携、協力し、事態への対応を図っていきたいと考えています。
 さらに、観光業、製造業等経済の様々な分野への影響も懸念されます。県、観光団体、商工団体、金融機関等と緊密な情報連携を行い、動向を十分に注視しながら機敏に対応を検討し、実施してまいります。

 今議会は、2020年度当初予算をはじめ、諸案についてご審議いただく極めて重要な定例会です。
 本日、私から提出いたします案件は、報告事項4件、事件決議5件、条例16件、予算21件の合計46件です。
 なお、会期中に人事案件24件を追加提出する予定としておりますので、あらかじめご了承賜りたいと存じます。

2020年度の本市のまちづくりと市政運営に当たる所信

 ここで、2020年度の本市のまちづくりと市政運営に当たる私の所信を述べさせていただきます。

 新年度も、地方創生‐人口減少対策‐に、市の未来に関わる最大の課題として、徹底して取り組んでまいります。
 この100年間、豊岡市の人口は、第2次世界大戦終結直後の第1次ベビーブームと若干の例外的時期を除いて、一貫して減少を続けてきました。私たちが「地方創生」という名のもとに闘っているのは、そのような固く、厳しい現実です。
 最大の要因は、若年層の流出にあります。「豊岡に暮らす価値」は、残念ながら、若者、近年はとりわけ若い女性に選ばれてきませんでした。選ばれてきたのは、「大都市、とりわけ東京に暮らす価値」です。
 大きさや高さや速さを競う闘いでは、豊岡のような小さなまちが大都市に伍していくことは不可能です。別の次元の高い価値を創り上げていく他はありません。その旗印が、「小さな世界都市‐Local & Global City‐」の実現です。
 それは、地域に根ざしつつ、絶えず世界を意識しながら、突き抜けた「豊岡に暮らす価値」を創造する挑戦です。
 これまで、世界に飛び立つためのエンジンとして、コウノトリの野生復帰、コウノトリ育むお米の輸出、インバウンドの促進、深さをもった演劇のまちづくりの4つを挙げてきました。加えて、世界水準の製品を生み出す市内企業を第5のエンジンに位置づけることもできます。
 そこで問われているのは、ローカルな豊岡において世界に通用する文化的価値を創造できるかどうかです。
 なお、ジェンダーギャップの問題は、その解消が進まない限り世界に飛び立つことはできない、という意味でも重要な課題と考えています。
 これまでの、様々な人々の様々な努力によって、方向性と戦列は整いつつあります。今後さらに市内外に賛同者を増やし、連携しながら、人口減少対策に果敢に挑んでまいります。

2020年度予算

 続いて、2020年度予算の概要について申しあげます。
 人々の日々の暮らしを支えることを市政の基本としながら、新年度予算の打ち出しを「『小さな世界都市‐Local & Global City‐』突き抜けた価値の実現に向けて」としています。

 一般会計では、総額460億5,600万円、2019年度当初予算と比較して1.3パーセントの減としています。一般会計のほか、8つの特別会計の予算総額206億5,039万9千円、及び廃止する農業共済事業を除く2つの企業会計の予算総額149億9,763万4千円を合わせ、総額817億403万3千円、2019年度当初予算と比較して0.1パーセントの増としています。

 一般会計の歳入についてです。
 国の2020年度地方財政計画は、市町村税収入は前年度と比較して0.2パーセントの増、地方交付税総額は2.5パーセントの増としています。
 これに対して、本市の市税収入は97億6,809万3千円で、地域間の課税偏在の是正を図るため法人市民税率が引き下げられたこと等から、2019年度当初予算と比較して5,554万5千円、0.6パーセントの減を見込んでいます。
 地方交付税については、普通交付税は150億円で、会計年度任用職員制度に係る経費算定や地域間の課税偏在の是正を図る地域社会再生事業費の創設等による基準財政需要額の増加と、2016年度から始まった合併算定替の段階的縮減などの影響を加味した上で、前年度と比較して1億円、0.7パーセントの増を見込んでいます。
 特別交付税は、ここ数年の決算状況等から同額の20億円としています。
 地方譲与税及び各種交付金は25億8,156万9千円で、前年度と比較して約2億2千万円、9.5パーセントの増を見込んでいます。これは、法人事業税交付金の創設、地方消費税交付金の増額などによるものです。
 ふるさと納税については、5億円で、前年度と比較して3億円、150パーセントの増としています。なお、新年度事業の財源として、2019年度分のふるさと納税のうち3億円を充てることとしています。
 市債は35億6,180万円で、7,640万円、2.2パーセントの増としています。そのうち地方財源の不足に対処するための臨時財政対策債は、地方財政計画を考慮し、9億8,810万円で、1億1,450万円、10.4パーセントの減としています。
 したがって、普通交付税に臨時財政対策債を加えた一般財源への影響額では、1,450万円、0.1パーセントの減となります。
 自主財源は、歳入全体の33.3パーセントと、2019年度当初予算と比較して0.8ポイントの減少で、脆弱な財政構造が続いています。
 歳出については、市民の日々の暮らしを支え続けることを基本としつつ、基本構想に掲げる「小さな世界都市‐Local & Global City‐」を実現するため、市政経営方針に定める戦略的な事業に重点的な予算付けを行いました。
 また、地方創生総合戦略を的確に推進するため、地方創生関連事業53事業、5億4,900万1千円を予算計上しています。
 2020年度予算の編成においては、公立豊岡病院組合への負担金や社会保障経費等の増により、歳出に見合う一般財源の確保が困難であったため、財政調整基金から12億円を取り崩し、収支均衡を図っています。
 残念ながら、2020年度予算は、財政調整基金と不安定なふるさと納税に依存した極めて不健全な状況となっています。
 2020年度が普通交付税の合併算定替えの優遇措置の最終年度であること、合併特例債の発行可能額も残り少なくなってきたことなど、今後ますます厳しくなる財政状況を見据え、第4次行財政改革にしっかり取り組んでいく必要があると考えています。

地方創生事業

 次に、2020年度の主要事業について申しあげます。
 まず、地方創生事業についてです。

 去る2月21日に、2020年度からの5年間を計画期間とする第2期豊岡市地方創生総合戦略を策定しました。
 戦略には、これまでの取組みから見えてきた3つの新たな視点を加えています。
 一つ目は、ジェンダーギャップの解消による「女性に選ばれるまちづくり」及び外国人住民との共生を推進する「多様性を受け入れるまちづくり」です。
 二つ目は、「深さをもった演劇のまちづくり」です。
 三つ目は、「国際観光芸術専門職大学(仮称)との連携」です。
 2020年度は、地方創生関連事業として53事業を掲げています。これらを着実に推進し、戦略目的である「暮らすなら豊岡と考え、定住する若者が増えている」状態を目指します。
 事業の推進にあたっては、国の地方創生推進交付金や県のひょうご地域創生交付金、ふるさと納税及び企業版ふるさと納税などを積極的に活用することとしています。

 続いて、戦略体系に基づき、主な内容についてご説明申しあげます。
 戦略目的を達成するため、六つの主要手段を掲げています。

主要手段01 豊岡の暮らしの『豊かさ』が内外に知られている

 まず、一つ目の主要手段「豊岡の暮らしの『豊かさ』が内外に知られている」について申しあげます。

豊岡の良さが内外に伝わっている

 その具体的手段「豊岡の良さが内外に伝わっている」についてです。
 本市の取組みや理念に共感し、周囲にも市の良さを伝えていただける「豊岡ファン」との関係強化のため、第1回豊岡演劇祭の開催期間中に、市内でファンミーティングを開催します。これまで東京で企業等の関係者にお集まりいただき開催していた豊岡エキシビションに代わるものであり、東京等からあえて豊岡に足を運んでいただけるような熱心なファンの増加を図りたいと考えています。
 また、移住ポータルサイトである「飛んでるローカル豊岡」による情報発信を引き続き行います。
 さらに、文化や教育による先端的なまちづくりを進めている自治体で連携して、演劇を活用した非認知スキル向上などの先進的な取組みについて情報発信します。

豊岡を巣立った人たちが豊岡とつながっている

 次に、具体的手段「豊岡を巣立った人たちが豊岡とつながっている」についてです。
 就職を機としてUターンする人を増やすため、就活イベントなどを通じて、豊岡で暮らす魅力、地元就職のメリット、やりがいのある仕事の存在などについて伝えます。
 「ジョブナビ豊岡」などのWEBサイトは、Uターン等を検討している人の興味を高めるため、アクセスの解析、サイトの改善等に努めます。

移住・定住を検討する人に情報が提供されている

 次に、具体的手段「移住・定住を検討する人に情報が提供されている」についてです。
 豊岡への移住希望者に対して、ワンストップ窓口での相談や現地案内を通じて、地域、住まい、仕事等のコーディネートやマッチングを行います。
 また、東京や大阪の移住フェアに出展し、豊岡への来訪や移住を促します。
 移住を検討している方が本市に来訪される際には、宿泊費や飛行機旅費の一部を補助します。
 さらに、移住者等がまちの人たちと出会い、つながりが生まれる交流拠点として、また移住者等の暮らしに関する相談の場として、「まちのサードプレイス」を引き続き開設します。

主要手段02 多様なライフスタイル・働き方及び多彩な事業活動が実践されている

 二つ目の主要手段「多様なライフスタイル・働き方及び多彩な事業活動が実践されている」について申しあげます。

働きがいがあり、働きやすい場が増えている

 その具体的手段「働きがいがあり、働きやすい場が増えている」についてです。
 既に市とつながりがあって、IT業界に精通している方の紹介に基づき、IT企業の誘致活動を展開するとともに、市内に新たにIT関連の事業所を開設する事業者等に対して補助金を交付します。
 農業に関しては、コウノトリ育む農法における高温障害での品質低下対策として、センサーを利用した水管理の実証実験に取り組みます。

新たな事業や仕事にチャレンジする人が増えている

 次に、具体的手段「新たな事業や仕事にチャレンジする人が増えている」についてです。

 ビジネスに関する総合相談窓口である「IPPO TOYOOKA」において、起業を望む若者・女性及び成長を目指す市内事業者を支援します。

 農業に関しては、豊岡農業スクールによる新規就農者の育成、農業用機械等導入への補助、都市部などから市内へ移住する新規就農者への家賃補助等に引き続き取り組みます。

豊岡の強みを活かして稼ぐ力が高まっている

 次に、具体的手段「豊岡の強みを活かして稼ぐ力が高まっている」についてです。
 豊岡鞄の展示会等の東京での開催を支援します。この展示会で得られるアンケート結果等を基に、「KITTE丸の内店」の商品構成、レイアウト等に工夫を凝らし、訴求力の向上を図ります。
 また、アルチザンアベニューにおける豊岡財布スクール「アルチザン財布専科」の新設を支援し、高品質な財布を生産できる人材を育成します。

市民が多様な人々を受け入れている

 次に、具体的手段「市民が多様な人々を受け入れている」についてです。
 外国人住民が増加傾向にある中、引き続き神戸大学と共同で外国人住民の実態を把握するとともに、彼らをコミュニティの一員として受け入れ、多文化共生を推進するための戦略を策定します。

主要手段03 いきいきと暮らす女性が増えている

 三つ目の主要手段「いきいきと暮らす女性が増えている」について申しあげます。

性別に関わらず地域での協働が進んでいる

性別に関わらず夫婦が家庭内で支えあっている

 その具体的手段「性別に関わらず地域での協働が進んでいる」及び「性別に関わらず夫婦が家庭内で支えあっている」についてです。
 若い女性が「豊岡に暮らす価値」をより強く感じられるよう、家庭、地域等を含めたまち全体のジェンダーギャップの解消を目指します。そのための戦略を策定します。ジェンダーギャップ解消についての市民意識の高揚を図るため、委員会における検討状況などを広く発信するとともに、戦略の説明等のためのシンポジウムを開催します。

 また、子育てを応援するため、単発的な保育所への送迎や一時的な子どもの預かりニーズに応える仕組みとして、豊岡市ファミリーサポートセンターを引き続き開設します。有償ボランティアの形で会員同士が相互援助することにより、働きながら子育てがしやすい環境を整えます。

ありたい姿に向かっていきいきと働ける機会が増えている

 次に、具体的手段「ありたい姿に向かっていきいきと働ける機会が増えている」についてです。
 豊岡市ワークイノベーション戦略に基づき、女性も働きやすく、働きがいを感じられる事業所の増加を図ります。それらの事業所の取組内容などを広く情報発信し、理解拡大につなげます。経営者、管理職、女性従業員等、様々な方に合わせたワークショップ、啓発セミナーなども引き続き実施します。
 また、子育て中の女性が働きやすくなるよう、適職診断などを内容としたワークショップの開催や、事業所への少日数・短時間勤務の導入促進を進めるとともに、当該導入事業所と子育て中の女性とのマッチング機会を引き続き設けます。

 さらに、地域のママの自主的な活動を応援するため、「NPO法人ママの働き方応援隊」の派遣の場を創出します。子育て中の女性の団体が、旧市町単位にある「子育て広場」を活用して一定のイベントを開催する際には、経費の一部を引き続き補助します。

主要手段04 豊岡で人々が世界と出会っている

 四つ目の主要手段「豊岡で人々が世界と出会っている」について申しあげます。

世界中から人々が来訪し、豊岡を楽しんでいる

 その具体的手段「世界中から人々が来訪し、豊岡を楽しんでいる」についてです。
 第1回豊岡演劇祭を、2020年9月のうちの2週末に、城崎国際アートセンター、出石永楽館、江原河畔劇場、市民プラザ、市民会館等を会場にして、実行委員会主催で開催します。
 招待演目と自主参加演目で構成されるフリンジ型の演劇祭としては、5年でアジアナンバーワン、10年で世界有数の演劇祭を目指します。
 また、演劇祭において、地域課題の解決に役立つテクノロジーの実証実験を行い、その技術により豊岡の人々の暮らしを便利、豊かにして、「人を幸せにするスマートコミュニティ」を目指していきたいと考えています。

 2019年の本市の外国人延べ宿泊者数は、6万3,648人で、前年比17.2パーセントの増となりました。全国の伸び率9パーセントと比較しても高い伸びとなっています。
 地域別の内訳は、城崎地域が5万783人で15.6パーセントの増、次いで日高地域が5,987人で20.2パーセントの増、豊岡地域が4,510人で6.7パーセントの増となっています。
 国別の人数では、台湾が15,080人と最も多く、次いで中国が10,843人、香港が6,714人となっています。また、伸び率では、高い順に、アメリカが 59.1パーセントの増、次いで台湾が43.8パーセントの増、カナダが33.6パーセントの増となっています。
 オリンピックイヤーである2020年は、全世界から日本に注目が集まることから、ターゲットである欧米豪に対し、WEBを中心としたプロモーションを強力に行うとともに、台湾など東アジア市場への働きかけをさらに強化したいと考えています。

 但馬空港の2019年度の利用者数については、直近の2月25日現在、前年度同期比240人増の37,561人となっています。利用率については、前年度同期比 2.1ポイント増の67.3パーセントとなっています。東京便乗継者数については、前年度同期比746人増の13,311人となっています。
 また、航空法施行規則の改正により、但馬空港の滑走路両端の安全区域を 2027年3月末までに100メートル伸ばす必要が生じています。県はこれを契機に、2千メートル級への滑走路延長の可能性も含めて、今後の空港のあり方を検討する懇話会を設置しました。滑走路の延長とジェット化、羽田への乗り入れは但馬全体にとって不可欠の方向であり、その実現に向けて全力を挙げてまいります。

 城崎温泉は、温泉街の中心部で慢性的に車の渋滞が発生しています。歩行者の安全を確保するとともに、温泉街のそぞろ歩きの魅力を高めるため、桃島バイパスの整備を見据えた交通環境改善計画の策定を地元組織主体で進めます。

メイドイン豊岡が世界に広がっている

 次に、具体的手段「メイドイン豊岡が世界に広がっている」についてです。
 コウノトリ育むお米の海外販売を、引き続き促進します。
 2020年度は、アメリカで開催される日本食エキスポに出展するとともに、オーストラリアや香港の食品販売店等で、販売プロモーションを行います。

国内外から優れた人材が集まり、豊岡の魅力を高めている

世界の人々と対等に向き合う人材が増えている

 次に、具体的手段「国内外から優れた人材が集まり、豊岡の魅力を高めている」及び「世界の人々と対等に向き合う人材が増えている」についてです。

 劇団青年団の新たな活動拠点「江原河畔劇場」の改修工事が進められています。来たる3月28日・29日の両日には、劇場のプレオープン公演が行われ、同時に江原駅周辺の飲食店等が中心となって、飲食イベントが開催される予定です。劇場のグランドオープニングプログラムは、4月29日から5月3日の間、予定されています。

 「国際観光芸術専門職大学(仮称)」については、現在、県が文部科学省へ設置認可を申請中であり、学舎及び学生寮の建築工事は2021年1月頃の竣工を目指して行われています。
 市としても、開学後に大学が行う地域連携事業について県と共に検討するほか、高校生や保護者、学校教員向けのPR事業への支援などの協力を行うこととしています。

主要手段05 子どもたちのふるさとへの愛着が育まれている

 五つ目の主要手段「子どもたちのふるさとへの愛着が育まれている」について申しあげます。

子どもたちが豊岡のことをよく知っている

子どもたちが様々なコミュニティの中で役割を果たしている

子どもたちが様々な人とコミュニケーションを楽しんでいる

 その具体的手段「子どもたちが豊岡のことをよく知っている」、「子どもたちが様々なコミュニティの中で役割を果たしている」及び「子どもたちが様々な人とコミュニケーションを楽しんでいる」についてです。

 豊岡市小中一貫教育「豊岡こうのとりプラン」を公立の全小中学校で展開し、ふるさと教育、英語教育、コミュニケーション教育の三つの柱で構成する「ローカル&グローバル学習」を進めます。
 このため、中学校3年生を対象にしたイングリッシュ・サマーキャンプを継続します。
 また、小学校に6名配置しているALTを、2020年9月から13名に増員する予定です。英語への興味・関心を持つために大切な入門期である1・2年生では熟達している民間会社派遣のALTを、3年生以上では文部科学省が実施しているJETプログラムによるALTを配置します。
 小学校6年生と中学校1年生で行っている演劇ワークショップによるコミュニケーション教育も継続します。
 さらに、演劇ワークショップによる非認知能力の向上を図るモデル校での取組みを引き続き試行します。

 国の地方創生総合戦略で新たに打ち出された高校生への働きかけに関しては、市内高校での演劇ワークショップの実施を支援し、コミュニケーション能力の向上を促進します。また、高校生がプロのミュージシャン等と共に豊岡の魅力を表現する音楽動画を制作・発信する取組みや、地域探求活動により感じたことをダンスで表現する取組み等の支援を実施します。

主要手段06 結婚したいと思う人が結婚できている

 六つ目の主要手段「結婚したいと思う人が結婚できている」について申しあげます。

若者が集い、交流する場が増えている

多種多様な出会いの機会が充実している

 その具体的手段「若者が集い、交流する場が増えている」及び「多種多様な出会いの機会が充実している」についてです。
 お見合いイベント「恋するお見合い」や婚活応援プロジェクト「はーとピー」を実施し、より多くの出会いの場を引き続き創出します。
 また、民間団体が主催する婚活イベントへの補助金を継続します。

交際・結婚に向けた独身者へのきめ細かな支援体制が充実している

 次に、具体的手段「交際・結婚に向けた独身者へのきめ細かな支援体制が充実している」についてです。
 引き続き、ボランティア仲人「縁むすびさん」により、若者のお見合いや交際を後押しする取組みを進めます。また、社会福祉協議会が運営する結婚相談所への補助金を継続し、結婚相談員や担当者のスキルアップを図ります。

地方創生事業以外の事業等

 次に、地方創生事業以外の2020年度の主要事業、及び諸般の報告事項等について、基本構想の「市民の暮らしを支える施策の体系」に沿ってご説明申しあげます。
 なお、教育行政の方針と施策の詳細については、教育長から別途ご説明申しあげます。

安全に安心して暮らせるまち

 第1に、「安全に安心して暮らせるまち」についてです。
 防災・減災力の向上、消防体制の充実を図るとともに、防犯意識の醸成に努め、安全な暮らしづくりを進めます。
 また、生活習慣病予防や健康づくりの支援などにより、安心しておだやかに暮らせるまちづくりを進めます。

安全を守るまちづくり

 具体的には、「安全を守るまちづくり」として、防災行政無線のデジタル化を引き続き進めます。2020年12月を目途に、各家庭等へのデジタル戸別受信機の設置を完了し、デジタル放送への完全切替えを行う予定です。
 また、大規模災害が本市で発生した場合に他の自治体や関係機関からの応援を円滑に受け入れるため、「受援計画」を策定すると共に、支援いただく関係機関等の情報通信や情報収集に役立つよう、本庁舎の一部にWi-Fi環境を整備します。なお、議場及び本庁舎7階にもWi-Fi環境を整備し、タブレット端末を利用した事務効率化に役立てます。

 2004年の台風23号で氾濫した稲葉川の河川改修事業に合わせて進めてきた稲葉川土地区画整理事業については、2019年12月に区域内の造成工事を終えることができました。今後、換地処分を進め、2021年2月には土地登記を完了する予定です。

 円山川河川整備事業については、現在、無堤対策として行われている下流部のパラペット工事や鶴岡・日置地区の堤防整備工事に加え、豊岡市街地など下流の河道水位低減を目的とした中郷遊水地の整備が進められています。
 このうち、奈佐川合流部から結和橋上流までのパラペット工事については、2004年台風23号時の水位の高さまでの整備が来たる3月末に完了する予定です。引き続き、同区間の道路等のかさ上げや、来日橋架け替えを含む下流部のパラペット工事が行われます。

 ここで、2020年1月31日現在の災害復旧の進捗状況について申しあげます。
 2018年の7月豪雨及び9月の台風24号により被災した農地、農業用施設、林道については、国庫負担対象の36箇所のうち34箇所で復旧工事が完成しています。民家裏で発生した5箇所の山腹崩壊の復旧工事については、全て完成しています。
 道路や河川については、国庫負担対象の98箇所のうち71箇所で復旧工事が完成しています。民家裏山が崩れた小規模急傾斜地の土砂災害4箇所の復旧工事については、全て完成しています。
 また、2019年10月の台風19号により被災した林道1件については、去る12月24日に国による査定を終え、繰越明許費に係る補正予算を今議会に提出しています。
 引き続き、災害復旧事業の早期完了に努めてまいります。

 消防体制については、中枢的な業務をつかさどる高機能消防指令センターを最新システムに更新します。2020年度に実施設計を行い、2021年度に工事を実施します。また、豊岡消防署配備の支援車と搬送車、城崎分署配備のはしご車、出石分署配備の高規格救急自動車を更新します。

 安全な暮らしについては、地域団体への防犯カメラの設置補助やLED防犯灯の整備補助を引き続き行います。
 また、消費生活相談員の積極的な研修参加によるレベルアップや出前講座等での啓発を通して、消費生活センターの充実・強化を図ります。

安心しておだやかに暮らせるまちづくり

 「安心しておだやかに暮らせるまちづくり」としては、「玄さん元気教室」の普及・拡大、歩キングの推進を図ります。
 高齢者福祉では、「一人暮らし高齢者等安心・見守り活動」や「ふれあいいきいきサロン」に対する補助を引き続き行います。
 障害者福祉では、障害者の地域生活への移行や就労に向けた取組み等により、障害者福祉を着実に推進します。
 各種計画については、2020年度までを計画期間とする「老人福祉計画・第7期介護保険事業計画」、「障害者計画」、「第5期障害福祉計画・第1期障害児福祉計画」、さらに2021年度までを計画期間とする「地域福祉計画」について、次期計画の策定作業を進めます。

 障害者就労支援についてです。
 障害のある方々の中には、心身面や体力面での制限により、長時間労働や広範な職務の遂行が困難である方もおられ、そのような場合には、一般就労ではなく福祉就労に留まっていることが多くあります。
 そこで、事業所の超短時間かつ特定の職務と障害のある方々とをマッチングする仕組みを作ることにより、それぞれに合った仕事が得られるよう支援します。

 発達障害児の早期発見・早期支援についてです。
 幼児健診の機会に発達障害を早期発見できるよう、現在よりも詳細なスクリーニング指標を用いた問診を導入します。
 これに伴い、保護者の回答の手間が増えるため、スマホアプリを導入し、利便性の向上を図ることとします。
 また、発見した子どもの課題に対応するため、育児・保護者支援教室の拡充等を行うとともに、早期療育の有効性を保護者へ伝え、早期療育への足掛かりにしていきたいと考えています。

 在宅重度肢体不自由児者訪問リハビリ支援事業についてです。

重度の肢体不自由児者が、訪問リハビリを気軽に利用して身体機能の維持を図ることができるよう、2020年度からの県の補助制度創設に合わせ、随伴補助を行いたいと考えています。具体的には、訪問リハビリにかかる訪問看護療養費に関して、医療保険により自己負担が3割であるところ、県と市の補助により、最終自己負担が1割相当額となるようにします。

 子どもの貧困対策についてです。
 2019年6月に子どもの貧困対策の推進に関する法律が改正され、市町村に対して子どもの貧困対策計画を策定する努力義務が課されました。本市においては、来たる3月に策定予定の「第2期豊岡市子ども・子育て支援事業計画」の一部に「子どもの貧困対策推進計画」を盛り込むこととしています。
 所得格差と学力格差の連鎖を断ち切るため、現時点では、次のような施策に重点的に取り組みたいと考えています。
 まず、「非認知能力と学力の向上」のために、演劇ワークショップをモデル小学校で引き続き実施するとともに、ひとり親家庭の中学生以下の子どもが文化芸術イベントを無料鑑賞できる制度を創設します。
 保育所等の現場職員が早期に子どもの課題に気づくことを促す「気づきシート」を導入し、早期支援につなげます。
 保護者の経済状況の改善については、非正規雇用者であるひとり親を重点的に支援することとし、将来のキャリア設計を促すステップアップセミナーや就業支援個別相談会を開催します。
 また、こども医療費の助成制度を拡充することとします。2020年度にシステムを改修した後、2021年度から非課税世帯の0歳から中学3年生までの子どもの外来受診に係る医療費を無料にしたいと考えています。

人と自然が共生するまち

 第2に、「人と自然が共生するまち」について申しあげます。
 コウノトリも住める豊かな環境を取り戻し、人と自然が響き合うまちづくりを進めるとともに、環境経済戦略を推進します。さらに、循環型のまちづくりを進めます。

人と自然が響き合うまちづくり

 具体的には、「人と自然が響き合うまちづくり」として、豊岡における生物多様性を保全するための普及・啓発や、科学的根拠に基づく、効率的な自然再生活動に取り組みます。また、自然再生のシンボリックな成功例とするため、かつて生きものがあふれていた頃の豊かな環境を目指し、戸島湿地及び田結湿地において重点的に自然再生活動に取り組みます。

 さらに、国内外で進められているコウノトリ野生復帰の取組成果や課題を共有し、知恵を出し合いながら国際的議論を深めるため、兵庫県と本市の共催、そして実行委員会での企画運営により、来たる10月31日、11月1日に「第6回コウノトリ未来・国際かいぎ」を開催します。

循環型のまちづくり

 「循環型のまちづくり」としては、太陽光発電システム設置への補助を継続します。

 プラスチックごみについてです。
 近年、海洋プラスチックごみによる環境汚染が世界的な問題となっています。国は、2019年5月に「プラスチック資源循環戦略」を策定し、2020年7月からレジ袋を有料化するなどの取組みを進めています。
 市としても、2020年度にプラスチックごみ削減のための実行計画策定等に取り組みたいと考えています。
 また、引き続き、レジ袋削減のためのマイバック持参運動の推進、ポイ捨てや不法投棄の撲滅運動の推進、清掃活動や海洋ごみの回収活動の促進、プラスチック製容器包装の分別徹底の周知等にも取り組んでまいります。

持続可能な「力」を高めるまち

 第3に、「持続可能な『力』を高めるまち」について申しあげます。
 地域経済を元気にするまちづくりを進めます。
 また、住環境や道路網の整備、公共交通の確保などにより、賑わいと魅力あるまちづくりを進めるとともに、活力を生むまちづくりを推進します。

地域経済を元気にするまちづくり

 具体的には、「地域経済を元気にするまちづくり」として、観光誘客の促進や産業の発展促進、市内周遊拡大のための二次交通の充実、効果的な情報発信などに取り組みます。
 農業では、環境創造型農業を推進するため、コウノトリ育む農法などに取り組む農業者に対し、国の交付金制度に基づく市の随伴補助を行います。
 また、広域基幹農道の安全・安心な交通を確保するため、農道橋の耐震化事業に併せ、長寿命化のための補修事業を実施します。

 農業ビジョンの策定についてです。
 2015年農林業センサスによる本市の農業経営者の年代構成は、70歳以上の方が約41%を占めています。60歳以上の方だと約77%を占めることとなります。
 このままでは、10年後には豊岡の農業を支える人材が圧倒的に不足し、農業がさらに衰退する恐れがあります。そのため、2018年度から「豊岡市農業ビジョン」の策定に取り組んできました。来たる3月末には策定を完了する予定です。
 ビジョン案では、持続可能で幸せを感じる社会の実現に貢献する農業のあり方を“豊岡グッドローカル農業”と称し、これを実現するため、3つの戦略目的と6つの主要手段からなる戦略体系を作成しています。
 2020年度には、豊岡市農業ビジョン推進委員会を設置し、6つの主要手段に係る具体的な施策等について検討を進めることとしています。

 有害鳥獣対策事業についてです。
 2020年1月末現在のシカの捕獲頭数は、有害捕獲が4,003頭で、前年度同期比7.5パーセントの増、狩猟による捕獲が1,645頭で、前年度同期比11.9パーセントの減となっています。このまま推移すると、2019年度の捕獲目標頭数である6,500頭を超える見込みとなっています。
 2020年度からは、「第3期シカ有害被害撲滅大作戦」を3年間の目標期間で展開します。車で移動しながら、シカを発見すれば降車して射撃・捕獲する「流し撃ち部隊」の新設等を行います。
 また、県版地域おこし協力隊である「地域再生協働員」の協力を引き続き得て、サルの追い払いや防護柵の維持管理に関する地元への指導・講習等を実施します。さらにサルの防護柵設置への補助制度を創設したいと考えています。

 林業では、持続可能な森づくりを目指し、市行造林事業による除間伐の保育業務、作業道の開設などを実施します。

 豊岡市林業ビジョン等の策定についてです。
 市内の森林の現状や問題点に基づき、将来の森林整備や保全のあり方などを検討し、持続可能な力強い林業を目指していくビジョン及び行動計画を2020年度、2021年度の2カ年で策定します。
 学識経験者、市内の林業事業者等で構成する検討委員会を設置し、「地域に合った安定的かつ循環型の森林整備」、「森林環境譲与税の活用方針」、「林業従事者の育成・雇用促進」などについて、検討します。

 関連して、森林環境基金条例の制定について申しあげます。
 森林環境の保全事業に必要な財源として国から地方公共団体へ譲与される森林環境譲与税については、事業の執行残などにより余剰金が発生する場合には、後年度に計画的に事業を実施していくための基金に積み立てることとされています。
 当該基金創設のための条例案及び93万円の余剰金を積み立てるための補正予算を今議会に提出しています。

 森林環境譲与税の譲与額についてです。
 近年の自然災害の激甚化・多発化を受け、2019年12月に閣議決定された税制改正大綱は、豪雨等の際の森林保水力の重要性に鑑み、森林環境譲与税の譲与額を増額することとしています。
 このため、2020年度の本市への譲与額は、2019年度の見込み額2,970万円のおよそ倍額である6,000万円を見込んでいます。豊岡市林業ビジョンの策定経費及び木質バイオマス利活用設備等整備への補助金に充てることとし、残額は森林環境基金に積み立てたいと考えています。

 工業振興では、北近畿豊岡自動車道に関連して県が整備する県道但馬空港線の沿線土地を産業用地として整備します。2020年度は、主に上下水道の整備を行います。

 観光分野では、玄武洞公園のリニューアル事業を引き続き行います。2020年度に実施設計に取りかかり、公園前の県道工事の進捗状況に合わせつつ、2022年4月のオープンを目指します。オープンに合わせて、入場の有料化を図ることとしています。
 また、城崎温泉が開湯1300年を迎えることに伴い、地元主体の記念事業に対し、支援を行います。

賑わいと魅力を創るまちづくり

 「賑わいと魅力を創るまちづくり」としては、市道八条線等の道路整備、市道田鶴野東部幹線等の大規模舗装修繕、市道久斗野山線等の側溝修繕、市道正法寺坂津線等の道路構造物長寿命化などを進めます。
 橋梁については、栃江橋等の整備を進めるとともに、定期点検結果に基づいた長寿命化修繕計画に沿って、補修設計、補修工事を行います。
 交通安全対策としては、市道三坂納屋線等での歩道の転落防止柵の設置や道路区画線の整備、通学路のグリーンベルトの設置等により、歩行者にとって安全な道路空間を確保します。

 北近畿豊岡自動車道の進捗状況についてです。
 (仮称)豊岡南インターチェンジまでは、2020年度中に開通する予定となっています。これに合わせ、県がアクセス道路として新たな但馬空港線を整備中であり、旧道となる一部区間約1.8キロメートルを市道として引き受けるため、今議会に市道認定に係る議案を提出しています。
 その北側の(仮称)豊岡インターチェンジまでの間の「豊岡道路」については、早期開通を目指して事業が進められています。
 さらにその北側の(仮称)豊岡北インターチェンジまでの間については、山陰近畿自動車道との接続を踏まえた都市計画変更の手続きが行われ、去る2月18日に県において決定告示がなされました。この区間の一日も早い事業着手を期待しているところです。

 バス交通についてです。市営バスの竹野海岸線において、地域住民がドライバーとして参画すると共に、観光繁忙期の需要に対応した臨時シャトルバスを運行する取組みを行います。

活力を生むまちづくり

 「活力を生むまちづくり」については、現在地域おこし協力隊として14人の隊員が活動中です。2020年度は、14職種、18名の隊員の獲得を目指します。

未来を拓く人を育むまち

 第4に、「未来を拓く人を育むまち」について申しあげます。
 子育て・教育環境の整備などにより、健やかで心豊かな子どもを育むまちづくりを進めます。

健やかで心豊かな子どもを育むまちづくり

 具体的には、待機児童の解消を目指し、小規模保育事業の設置運営事業者の公募をさらに進めます。また、八条認定こども園の3歳児保育室の増築を行い、2歳児と3歳児の受入れの増を図ります。
 吊り天井を有しない小学校の屋内運動場及び武道場の非構造部材に係る落下防止対策を引き続き行い、施設の安全性を高めます。

 豊岡市における幼児教育・保育及び放課後児童のあり方計画についてです。
 現在、豊岡市子ども・子育て会議からの答申を尊重しつつ、去る10月の公共施設のあり方を考える市民懇談会での市民意見及び関係する社会福祉法人等との協議結果も踏まえ、市としての計画案の策定を進めています。来たる3月26日には、議員説明会において議員の皆さまのご意見を伺いたいと考えています。
 その後、各地域での市民説明会の開催やパブリックコメントの実施などを経て、来たる8月に計画策定を完了したいと考えています。

 小中学校の適正規模・適正配置の検討についてです。
 審議会については、学識経験者、教育・保育関係者、PTA、未就学児の保護者、区長、学校評議員等、様々な地域や立場の方18名に委員として就任いただき、去る2月3日に第1回の会議を開催したところです。
 今後、市の児童・生徒数の推移などの実情を審議会に示し、実際に極小規模校や複式学級の授業の様子をご覧いただく機会を持ちながら、教育環境をより良くするために学校はどうあるべきか検討していただくこととしています。
 審議会から2020年度中に答申を受け、その内容について、地域の皆様と充分に課題等を共有し、対話をしながら、2021年度中には適正規模・適正配置に係る計画を策定したいと考えています。
 なお、去る2月25日、港地区区長会長と港東小、港西小、港中、港認定こども園のPTA会長の連名で、港東小学校と港西小学校の統合を希望する旨の要望書が提出されました。
 これを受け、2月27日開催の臨時教育委員会会議において、当該希望に沿うべきであるとの決定がなされました。
 今後、統合準備委員会を設置し、2021年4月の統合を目標に、協議を進めてまいります。

人生を楽しみお互いを支え合うまち

 第5に、「人生を楽しみお互いを支え合うまち」について申しあげます。
 さまざまな学習の機会と場が提供され、歴史・伝統や優れた文化芸術に触れることにより、お互いを尊重し、誰もが日々の暮らしを楽しみ、お互いを支え合うまちづくりを進めます。

日々人生を楽しむまちづくり

 具体的には、「日々人生を楽しむまちづくり」として、生涯学習サロンの整備を引き続き進めます。2020年度は新築整備工事に着手します。現在施工している既存建物の解体工事は、入札不調が原因で着工が遅れたため、関連業務とともに繰り越すこととし、繰越明許に係る補正予算を今議会に提出しています。なお、施設のオープンは、計画どおり2021年4月の予定としています。

 植村直己冒険館機能強化改修運営事業についてです。
 事業契約を締結した豊岡冒険館株式会社は、2020年4月に設計業務を終える予定です。2020年度は、同社において既存建物の改修や展示のリニューアル、全天候型の遊戯施設の建設が行われ、完了した直後に市が買い取ることとしています。リニューアルオープンの予定は、2021年の4月下旬としています。

 新文化会館の整備についてです。
 2020年度は、建物の構造や配置、各階のレイアウト、内外のデザイン等の基本設計を行います。現在、基本設計業務の契約候補者を選定するため、公募型プロポーザルを実施しており、来たる5月に契約を締結し、2020年度内の基本設計完了を予定しています。施設のオープンは、2025年度の早期を目指しています。

 東京2020オリンピック・パラリンピックについてです。
 ボート競技に関しては、来たる5月17日からスイスで開催される世界最終予選の結果により、ドイツ、スイス代表チームの事前合宿の受入れ人数等が確定します。「とよおか2020スポーツ実行委員会」を中心に、オリンピックで最高のパフォーマンスを発揮していただけるよう、歓迎の準備を進めます。
 日本代表チームは、4年連続となる豊岡での強化合宿を4月に予定しています。現在、予選でのオリンピック出場権獲得を目指して奮闘中であり、強化合宿において最大限の協力を行いたいと考えています。
 オリンピック聖火リレーに関しては、今後、本市を走るランナーが公表される予定です。5月24日の本番に向け、「東京2020オリンピック聖火リレー豊岡市実行委員会」を中心に準備を進めてまいります。
 なお、今回の取組みを契機に、スポーツの推進に関し優れた指導や支援ができる知識・経験等をお持ちの方を「豊岡市スポーツアドバイザー」として委嘱することとしています。具体的には、2020年4月1日からの3年間を任期として、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会参与の上治丈太郎(うえじじょうたろう)氏を特別アドバイザーに、ロンドンオリンピック女子バレーボール銅メダリストの紀氏香織(きしかおり)氏とNOMOベースボールクラブをアドバイザーにそれぞれ委嘱したいと考えています。

お互いを支え合うまちづくり

 「お互いを支え合うまちづくり」としては、地域コミュニティ活動の支援等を行います。
 去る2月10日に策定した地域コミュニティビジョンの実現に向け、地域づくりの専門家で構成する「(仮称)地域づくりアドバイザー会議」を設置します。同会議から助言を得ながら、市のアクションプランを策定します。
 また、地域コミュニティ組織を支援する「中間支援組織」の立上げに向け、地域サポーターを1名増員して2名体制とし、立上げの準備を進めます。
 さらに、建築年次が最も古く、老朽化の目立つ中筋地区コミュニティセンターについて、長寿命化のための改修工事を行います。

市政の運営

 第6に、「市政の運営」について申しあげます。
 それぞれの地域の固有の自然・歴史・伝統・文化を尊重し、特色あるまちづくりを進めます。

特色ある地域の成長と連携

 具体的には、「特色ある地域の成長と連携」として、各地域の特徴を活かした事業推進により、地域の振興を図るとともに、人口減少の緩和を目指します。

 城崎振興局では、大谿川沿いの柳、桜の健全な育成を図るため、剪定、植替え等を行います。
 また、太鼓橋及び大谿川パラペットの表面モルタルに亀裂・剥落が生じているため、補修を行います。

 竹野振興局では、「海町マーケット」や「まち歩き散策」など様々な事業から成る川(かわ)湊(みなと)再生プロジェクトに、引き続き地元とともに取り組みます。
 また、御用地館の障子やふすまをスクリーンとして、竹野の資源を盛り込んだプロジェクションマッピングを実施します。
 2020年度で第20回目となる「仲田光成記念豊岡全国かな書展」については、最終回と位置付け、実施します。

 ここで、森本中学校跡地の処分について申しあげます。
 学校教育施設整備のための基金設置を前提に、文部科学省へ財産処分に係る承認申請をしておりましたが、去る1月10日に承認がありました。
 これに伴い、仮契約を締結した株式会社白バラドライへの財産処分のための議案とともに、学校教育施設整備基金設置のための条例案及び基金積立てに必要な補正予算を今議会に提出しています。

 日高振興局では、日高で暮らす若者の増加を目指し、劇団青年団との連携や、観光事業等の実施に取り組みます。
 なお、道の駅「神鍋高原」の隣接地が民間主導プロジェクトによるホテル立地の候補地となっています。他の候補地と異なり、当該候補地は自然公園法の規制等への対応経費が必要となり建設コストが割高になるという事情があるため、ホテル側の負担軽減を図って誘致を促進する観点から、上下水道等のインフラ整備工事を市で行いたいと考えています。誘致が実現すれば、それを契機に道の駅及び周辺地域の機能強化を目指すこととし、地元を主体とした検討会議の設置を予定しています。

 出石振興局では、まちの賑わいと活性化を目指し、観光イベントへの補助等を実施します。
 また、春・秋の繁忙期の渋滞対策として、交通量や交通の流れ等の実態調査を行い、安全で安心な城下町・出石を目指します。
 さらに、出石伝統的建造物群保存地区の災害時における危険性や問題点を調査・把握し、当該地区の防災計画の策定に取り組みます。

 但東振興局では、移住者、定住者を増やすため、地域コミュニティ組織と協働し、Web活用により、移住等に関心のある方にターゲットを絞り込んだ情報発信を行います。
 また、移住促進住宅や空き家などの活用により移住を促進するとともに、交流人口の増加や受入家庭の副収入の向上を目指し、教育民泊の取組みを支援します。

参画と協働のまちづくり

 「参画と協働のまちづくり」については、「市民と行政の協働推進指針」に基づき、福祉や子育て、環境などさまざまな分野で、市民、NPO、各種団体、企業などと行政が適切な役割分担と連携を図りながらまちづくりを進めます。

新しい時代にふさわしい行政経営

 「新しい時代にふさわしい行政経営」については、キャリアデザインアクションプランに基づいた様々な研修やキャリアサポート制度の実施、男性職員の育児休業取得の促進などにより、職員のキャリア形成意識の醸成や、働きやすく働きがいのある組織づくりを進めます。
 また、引き続き日本政府観光局、中小企業庁、兵庫県立大学大学院、日本航空株式会社への職員派遣を行います。
 さらに、可能な限り効率的な行政事務の遂行を目指し、情報戦略の専門家のアドバイスを受けながら、AI等のICTの活用、導入について検討してまいります。

 第4次行財政改革の推進についてです。
 早期に効果を上げるため、着手可能なものから既に取組みを始めています。
 まず、「市民との共創」の具体策として、「サウンディング型市場調査」を積極的に活用します。事業の検討段階において、行政内部だけで検討するのではなく、広く民間事業者から意見、提案を求め、対話を通して事業の市場性を把握します。活用が見込まれる事業としては、市有地や公共施設の利活用や処分、各種業務の委託等を想定しています。
 次に、学校給食センターで行う業務のうちの調理・洗浄業務に係る経費節減のため、民間委託の検討を進めます。検討にあたっては、学校給食センター運営委員会のほか、学校、保護者、栄養教諭、調理員等からも意見を聞き、課題の洗い出しを行った上で、先進地の事例も参考にしながら方針を定めたいと考えています。

 ふるさと納税の状況についてです。
 去る1月末時点での寄附金額は6億4,898万円、寄附件数は10,147件で、それぞれ前年度同期比3.8倍、3.6倍と大きく増加しました。
 寄附者により使途として指定された分野と寄附額は、1月末現在で、上位から順に、「小さな世界都市の実現を目指すまちづくり」に1億6,949万円、「未来を拓く人を育むまちづくり」に1億4,127万円、「コウノトリをシンボルとした人と自然が共生するまちづくり」に1億760万円、「深さを持った演劇のまちづくり」に8,393万円などとなっています。
 2019年度のふるさと納税は、7億円を見込んでいます。
 そのうち1億7,150万円は、2019年度事業に充当しています。
 残額のうちの3億円は2020年度事業に充当し、残りの2億2,850万円は今後のふるさと納税額の変動等に備え留保することとしています。
 なお、ふるさと納税に係る返礼品と事務手数料に要する経費については、従来、一般財源を充てていましたが、2020年度以降はふるさと納税を充て、その残額を寄附者から指定された分野の事業に充てることといたします。
 第1回豊岡演劇祭では、企業版ふるさと納税制度も活用することとしています。

 公共施設マネジメントの推進についてです。
 2020年の夏を目途に、概ね旧市町単位で地域デザイン懇談会を設置します。各地域における必要な施設・機能について、市民参加型ワークショップ等により共に考えます。
 旧5町の地域では、それぞれ30名程度の参加者を想定しており、年3回、2年にわたりワークショップ形式で議論し、意見の取りまとめを行います。旧豊岡市域においては、多くの施設が市全体における拠点施設であることから、フォーラム形式で懇談会を実施する予定としています。
 活発な意見交換や懇談会の円滑な進行のため、公共施設マネジメントに関する専門知識を有するファシリテーター等の支援を受けたいと考えており、運営支援業務の委託を行うこととしています。
 なお、市が保有するすべての公共施設について個別施設計画を2020年度中に策定すること、及び策定済の公共施設等総合管理計画を2021年度中に充実・改訂することを国から要請されており、これに対応したいと考えています。

 水道料金等の改定の検討についてです。
 水道料金は2011年4月に、下水道使用料は2016年4月に、それぞれ値上げとなる改定を行いました。その後、現在までの間、両事業とも概ね良好な経営状況であったと考えています。
 しかし、人口減少や節水型社会への移行に伴う有収水量の減少、施設の大量更新に向けた財源確保の問題、防災・減災対策の必要性など、事業をめぐる環境は刻々と変化しています。
 水道事業、下水道事業では、5年ごとに料金改定について検討を行っています。現行料金の算定期間が2020年度で終了するため、次期算定期間に向けて、料金改定の要否等を慎重に検討していきたいと考えています。

 2020年度の組織についてです。
 「第4次行財政改革」を強力に推進するため、政策調整課の行財政改革係を「行財政改革推進係」とします。
 ICTを活用した業務の効率化を進めるため、情報推進課を「情報管理係」と「ICT推進係」の2係とします。
 文化関連事務を市長部局に一本化するため、教育総務課の「文化財室」と「歴史博物館」を文化振興課の所管とします。
 現在閉館中の「植村直己冒険館」については、組織と事務を生涯学習課生涯学習係が吸収します。
 兵庫県農業共済組合への事務移管に伴い、「農業共済課」を廃止します。
 国直轄事業と県土木事業の促進強化を図るため、建設課の「円山川整備事業推進室」と「高規格道路建設推進室」を統合し、「国県事業推進室」とします。
 用地事務の集約化、効率化のため、「用地課」を「用地対策室」とし、建設課の所管とします。
 小中学校の適正規模・適正配置や幼児教育・保育施設のあり方に係る事務を推進するため、教育総務課の「企画係」を廃止し、「学校再編推進室」を設置するとともに、こども育成課の「幼保政策室」を「幼保政策推進室」とします。

2019年度補正予算

 最後に、2019年度一般会計補正予算について申しあげます。
 まず、補正予算第6号です。これは、ふるさと納税の増収に対応するための経費で、基金積立てや返礼品等に要する経費4億4,939万2千円を追加するため、1月6日付で専決処分したものです。
 次に、補正予算第7号です。これは、暖冬に伴う雪不足の影響を受ける中小企業への金融支援で、融資保証料補助金に要する経費1,000万円を追加するとともに、同額を2020年度の債務負担行為として追加し、1月31日付で専決処分したものです。
 次に、補正予算第8号です。これは、「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」に基づく国補正予算の対象事業で、地籍調査、橋りょう長寿命化、校内通信ネットワーク改修に要する経費2億9,870万3千円を追加して、全額を繰越明許費とし、2月10日付で専決処分したものです。
 次に、補正予算第9号です。13億2,863万4千円の減額となっています。
 減額の主なものは、入札残、事業費の確定に伴うもののほか、年度末までの支出予定の精査による不用額等の減額です。
 繰越明許費では、プレミアム付商品券事業をはじめ、年度内にその支払いが終わらないもの25件、8億7,774万3千円を追加、3件を変更しています。
 債務負担行為の補正では、2件の廃止と8件の限度額変更をしています。
 また、年度内の今後の財政収支見通しについては、地方債や特別交付税・地方譲与税など、現時点では確定していないものが多くあり、これらが確定した段階で更に補正の必要が生じることとなります。
 したがってその際には、財政事情を勘案する中で、所要の専決補正をしたいと考えていますので、ご了承賜りますようお願い申しあげます。

 以上をもちまして、私の総括説明を終え、各議案の詳細については担当部長等から説明いたしますので、よろしくご審議いただき、適切なるご決定を賜りますようお願い申しあげます。
 ありがとうございました。

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