平成30年第2回豊岡市議会(定例会)市長総括説明

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ページ番号1005108  更新日 平成30年6月4日

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 6月1日、第2回豊岡市議会定例会の議案提出に当たり、中貝市長が、当面する市政の諸課題、提出議案の主なものについての説明(市長総括説明)を行いました。

 おはようございます。
 平成30年第2回豊岡市議会定例会の開会に当たり、議員各位のご健勝をお喜び申しあげますとともに、日頃のご精励に対し深く敬意を表します。

 このたび、永年にわたり自治の伸展にご尽力いただいたご功績により、全国市議会議長会から表彰をお受けになりました青山憲司(あおやまけんじ)議員、兵庫県功労者表彰をお受けになりました椿野仁司(つばきのひとし)議員に対しまして、心からお祝いを申しあげます。
 今後さらなるご活躍を祈念申しあげます。

 まず、ウェルストーク豊岡について申しあげます。
 平成22年4月に開設した健康増進施設「ウェルストーク豊岡」は、開設以来利用者が着実に増加し、今年5月23日に累計200万人に達しました。
 国保および後期高齢の被保険者で、ウェルストーク豊岡を平成23年度から平成27年度まで5年間継続して利用された方々と、同じく国保および後期高齢の被保険者で利用されなかった方々について、5年間の医療費の変化を比較したところ、利用者は1.3万円の増加に留まっているのに対し、非利用者は13.7万円の増加があり、12.4万円の差が生じていることが分かりました。この差は、ウェルストーク豊岡における健康づくりが、医療費の抑制に一定の効果を有していることを示しています。
 今後とも、ウェルストーク豊岡が、ますます市民の皆様に親しまれ、利用されるよう努め、市が標榜する「歩いて暮らすまちづくり」を着実に推進してまいります。

 次に、「コウノトリ育むお米」の輸出について申しあげます。
 コウノトリ育むお米のアラブ首長国連邦・ドバイへの輸出が決まり、過日、JAたじまから1,200キログラムが出荷されました。
 コウノトリの野生復帰に強い共感を持たれた日本人女性が、知り合いの高級リゾートホテル「フォーシーズンズ・リゾート・ドバイ・アット・ジュメイラビーチ」の日本人副料理長に強力に推薦され、JAが提供したサンプルの試食で高い評価を得て、使用が決定したものです。
 今後とも積極的に機会をとらえ、JAたじまと共に、世界への販路を開拓してまいります。
 さて、今議会に私から提出いたします案件は、報告事項9件、事件決議9件、条例2件、予算3件の合計23件です。
 なお、会期中に報告事項3件を追加提出する予定としておりますので、あらかじめご了承賜りたいと存じます。

 それでは、当面する市政の諸課題および提出議案の主なものについて、基本構想の「市民の暮らしを支える施策の体系」に沿って、ご説明申しあげます。

安全に安心して暮らせるまち

 第1に、「安全に安心して暮らせるまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、豊岡市国民健康保険税条例の改正についてです。
 5月15日に、豊岡市国民健康保険運営協議会から「平成30年度豊岡市国民健康保険事業運営の基本方針」について答申を受けました。
 この答申の趣旨を尊重し、豊岡市国民健康保険税条例の改正に係る議案を今議会に提出しています。
 国民健康保険事業は、今年度から県単位で実施されることとなりました。
 県は、県全体の医療費の伸びを試算し、必要と見込んだ国保事業費の総額から国の補助金等を差し引いた額を各市町の医療費や所得等の水準に応じて市町に割り振り、県への納付金として通知します。
 市町は、納付金額とともに県から示される標準保険料率を参考に、それぞれの事情を加味して国保税率を決定し、賦課・徴収を行います。
 このような手続きに基づき、今年度の本市の国保税額を算定しました。その結果、(1)県単位化により国の財政支援が手厚くなったこと、(2)安定した財政運営を行っていた本市にとって不利な制度だった保険財政共同安定化事業が廃止されたこと、(3)前年度繰越金見込額の2分の1相当額の2億3千万円を活用したことなどにより、財政調整基金を取り崩すことなく、被保険者一人当たりの国保税負担額を対前年度比13.8パーセント減、15,501円減の97,043円としています。

 次に、兵庫県市町交通災害共済組合の解散について申しあげます。
 本市を含む県内19市町で構成する同組合の「交通災害共済事業」は、近年、加入者が減少の一途をたどり、基金を取り崩しながら事業を継続している状況にあります。
 このため、昨年度、構成市町による検討委員会で協議が重ねられ、行政が実施する事業として一定の役割を終えたとの判断がなされました。共済期間は平成31年度末までとし、さらに平成33年度末をもって組合を解散するとの結論となり、組合議会の承認も得られています。
 このことを受け、共済期間を平成32年3月31日までとする組合規約の変更について、議案を今議会に提出しています。

 次に、新生児聴覚検査費助成制度の創設について申しあげます。
 先天性の聴覚障害は、早期発見・治療を行うことで音声言語発達等への影響が最小限に抑えられるとされており、新生児用の優れた検査方法の開発・普及により、大半の医療機関で検査体制が整備されています。
 しかしながら、任意の検査であるため、費用は自己負担となります。実施者は新生児の8割程度にとどまっており、聴力障害の発見の遅れにつながっている可能性もあります。
 先般、豊岡市医師会から新生児聴覚検査に対する助成制度創設の要望を受け、検討した結果、疾患の早期発見への支援は急務であるため、本日から助成制度を創設したいと考えています。
 助成費用は、当面予備費により対応することとし、9月議会に関連の補正予算を提出する予定としています。

 次に、定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所の開設について申しあげます。
 「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」は、介護保険サービスの一つであり、訪問介護および訪問看護を利用者の居宅を定期的に巡回して行うとともに、利用者からの要請に応じて随時にも行うサービスです。
 社会福祉法人「兵庫県社会福祉事業団」から、このサービスを養護老人ホーム「ことぶき苑」の施設内で、8月を目途に開始したいとの申し出がありました。
 そこで市として県補助を活用して支援を行うこととし、事業所の開設準備費用や開設後の人件費に対する補助金の交付に必要な補正予算を今議会に提出しています。

 次に、オトングラスについて申しあげます。
 オトングラスは、視覚障害者のために開発されたメガネの形状をした機器です。Wi-Fi環境の下で文章の方向を向いてボタンを押すと、装着されたカメラで文章を読み取り、読み上げてくれます。
 この機器の利用によって、視覚障害のある方でも書籍、郵便物、看板などに書かれたさまざまな情報を得ることができます。日常生活に大いに役立つとともに、社会参加の促進にもつながることが期待されます。
 そこで、全国の自治体で初めて、この機器を視覚障害者の日常生活用具給付事業の対象品目に追加するとともに、図書館本館に設置することとし、必要な補正予算を今議会に提出しています。
 なお、図書館分館等への設置については、市の施設のWi-Fi環境整備と歩調を合わせて検討してまいります。

人と自然が共生するまち

 第2に、「人と自然が共生するまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、今年8月17日から19日の間に開かれる「バードフェア2018」への出展についてです。
 バードフェアは、イギリスのラトランド・ウォーターで毎年開催される、世界最大の野鳥観察会です。バードウォッチャーや自然愛好家を中心に、各国から2万4千人を超える来場があります。500を超えるブースが設置されますが、人気が高く、出展希望が叶わない企業や団体は数百にのぼります。
 このバードフェアへの豊岡市の出展について打診がありました。
 イギリスのバードフェアの会長が、今年2月、インドで開催されたバードフェアでイスラエルのエコロジスト・ラン・レヴィ・ヤマモリ氏の、豊岡のコウノトリ野生復帰を題材にしたドキュメンタリー映画「KOUNOTORI」をご覧になり、共感され、豊岡の取組みを世界に発信すべきとして、声をかけていただきました。
 フェアでは、「KOUNOTORI」上映とあわせて、野生復帰に関する4回の講演、出展ブースでのPRを行う予定です。野生復帰の世界への発信、豊岡の認知度アップと市への誘客促進の絶好の機会ととらえ、補正予算を今議会に提出しています。

 次に、自然再生アクションプランに基づく生物モニタリング調査について申しあげます。
 昨年度、自然再生アクションプランを策定しました。
 これは、10年以上に及ぶ野外のコウノトリの観察結果や研究成果を活用して、「コウノトリも住める豊かな環境の再生」をより効率的に進めるための方策をとりまとめたものです。
 このプランの策定作業では、まず、市内にある21本のコウノトリの人工巣塔を繁殖率の高、中、低に従って区分し、繁殖の成功に影響を及ぼす周辺の環境条件を統計解析によって科学的に探っています。
 その結果、巣塔から300m以内の水田面積、500m以内のコウノトリ育む農法の水田面積等の、繁殖の成功と正の相関関係を持つ環境条件が見つかりました。これらの要素が多くあるエリアほど、生息環境がいいと想定されます。
 そこで、巣塔周辺以外のエリアを、それらの要素がどの程度あるかによって、生息環境としてのポテンシャルが、高い、中程度、低いの3エリアに区分し、中程度のエリアに自然再生のエネルギーを注ぐことによって、より効率的に自然再生ができる、としています。
 このプランに基づき、今年度は、パイロットエリアを2カ所選定し、地元と協働して自然再生活動に取り組むことにしています。また、活動の前後において生物モニタリング調査を実施し、生物の変化の実績を把握することにより、自然再生活動への意欲の向上や将来の効率的な活動につなげたいと考えています。
 まず、活動前のモニタリング調査を来年度にわたり行うこととし、そのための債務負担行為に係る補正予算を今議会に提出しています。

持続可能な「力」を高めるまち

 第3に、「持続可能な「力」を高めるまち」に関連する内容について申しあげます。 

 まず、川湊(かわみなと)再生プロジェクトについてです。
 最近の調査によって、竹野は、竹野川河口の川湊を中心に町が発達してきたことが分かってきました。川湊から日本海に出て、広く各地とつながってきました。
 現在、竹野の観光は、年間の来客の約7割が夏に集中しています。この状況を改善し、年間を通じたにぎわいを創出するため、川湊の歴史に根ざした取り組みを進めようと、本年4月、地元団体による「川湊再生プロジェクト運営協議会」が設立されました。
 協議会は六つの分科会を有しており、「竹野に行ってみたい、住んでみたい、住み続けたい人を増やす」との目標のもと、さまざまな事業が計画され、実施される予定です。
 市としても協議会の主体的な活動を支援していきたいと考えており、協議会との共催によるキックオフイベントとして、6月23日、竹野中学校体育館で劇団わらび座によるミュージカル「北前ザンブリコ」を上演することとしています。

 次に、観光ビジョンの策定について申しあげます。
 本市の観光分野においては、インバウンドに関する具体的な戦略は存在しますが、国内外を含めた観光分野全体についての基本的な理念や取組みの方向性を示すものは存在していません。
 「観光」は、国の成長戦略と地方創生の大きな柱として位置付けられており、本市における基幹産業の一つでもあります。観光振興への取組みを加速させ、市の総合的かつ体系的な観光施策の展開を図るため、10年間の観光ビジョンを策定することとし、必要な補正予算を今議会に提出しています。
 策定に当たっては、学識経験者、観光事業者等で構成する委員会を設置し、「観光産業の将来性や可能性」、「本市における観光産業の位置付け」、「豊岡の観光のあり方や進むべき方向性」などについて、明確化していきたいと考えています。

 次に、外国人観光客の動向について申しあげます。
 今年1月から3月の第1四半期に豊岡市内に宿泊した外国人の延べ人数は1万3,004人で、前年同期比5.2パーセントの増となりました。しかし、全国の伸び率は13.1パーセントであり、これと比較すると低い伸び率となっています。
 この要因としては、日高地域や豊岡地域では人数が大きく増加したものの、誘客の大部分を占める城崎地域が1万726人と4.5パーセントの減となったことが挙げられます。これは、国内のテレビや雑誌などで昨年末から今年の1月にかけて城崎が多く取り上げられ、1月から3月の日本人の宿泊予約が増加したことにより、結果として外国人の宿泊が圧迫されて減少したからだと考えています。ちなみに、宿泊客総数では、約6,500人増加しています。
 なお、城崎地域の誘客ターゲットである欧米豪については、全体におけるシェアが15.8パーセントから18.0パーセントへと増加しています。今後とも、欧米豪の個人旅行者をメインターゲットに、城崎の閑散期の需要を喚起し、年間需要を平準化させる取組みを進めていきたいと考えています。
 また、シンガポールを対象としたビジット・ジャパン地方連携事業とともに、タイや台湾からの誘客促進活動を神鍋エリアを中心に進めるなど、城崎以外の地域へ誘客する取組みについても継続していきたいと考えています。

 次に、有害鳥獣のシカ捕獲対策について申しあげます。
 市の鳥獣害対策員の調査、分析に基づき、シカ捕獲専任班を「銃猟」中心から「わな猟」中心へシフトしたことに加え、有害鳥獣捕獲班の増員など、シカの生息状況に応じて捕獲体制を見直しました。その結果、昨年度の捕獲頭数は、有害捕獲が4,476頭、狩猟による捕獲が2,155頭、合計6,631頭となりました。これは平成28年度比63頭の増で、4年連続で捕獲目標頭数である6,500頭を超えています。
 今後とも、2人の鳥獣害対策員の調査、分析により、シカの生息状況に応じた“すき間のない捕獲”を進め、農業被害の減少に取り組んでいきたいと考えています。
 
 次に、新型機ATRの就航について申しあげます。
 平成6年の開港以来、但馬空港路線で使用されていたサーブ機に代わり、5月7日から新型機「ATR42-600」が就航しています。
 これを契機として、東京直行便の実現に向け、ATR機就航による利便性向上を広くアピールするとともに、東京乗継ぎに重点を置いた誘客を図り、航空会社等とともに需要拡大の取組みを進めていきます。
 なお、就航から5月末までの搭乗者数は3,224人で、前年同期比673人の増となっています。ただし座席数が増えたことにより、搭乗率は前年同期比9.6ポイント減の67.2パーセントとなっており、これまで以上に、搭乗率向上の取組みに力を注いでいきたいと考えています。

 次に、市への移住者の状況について申しあげます。
 市では、人口減少の緩和を目指し、メディアやSNSを積極的に活用して、豊岡の暮らしの魅力や価値を発信しています。さらに、移住希望者の細かな相談に対応する「U・Iターン相談窓口」を平成28年4月に開設し、一人でも多くの方に豊岡で暮らしていただけるように取り組んできました。
 その結果、昨年度は相談窓口を通じての移住者が29組61人となり、平成28年度の約2.3倍に増加しました。また、30代までの移住者が全体の約7割を占めています。特に、但東地域の移住促進住宅では、お子さんのおられる世帯の入居が3組14人ありました。
 今年度についても、4月および5月の相談件数が、前年同期比15件増の29件となっているほか、7組14人の移住者があるなど、順調に推移しています。引き続き、効果的な情報発信と丁寧な窓口対応を行うとともに、創設した「移住促進支援補助金」により、移住希望者が豊岡へ来訪する際の宿泊費用への補助を行い、移住希望者の来訪を促していきたいと考えています。

 次に、「多様性を受け入れ、支え合うリベラルなまちづくり(ジェンダー)」について申しあげます。
3月議会において、「人口減少対策で最も注視すべき若者回復率において、女性のそれが危機的状況にあること、その背景に、豊岡が男社会であって、さまざまな場面において女性の居場所と出番が少ないことがあるのではないか」という趣旨のことを申しあげました。
 さらに調べてみると、大都市、大企業において、近年、労働力不足対策や急激に変化する環境下で組織における多様性確保が重要であるとの観点から、女性の働きやすい職場づくりが進んでおり、豊岡は働く女性にとっての魅力を相対的に弱めてきたのではないかと思われます。
 多くの市内企業において、「女性が働きたい職場づくり」への取組みがあまり進んでいないことも分かってきました。
 そこで、女性が働きたい職場、すなわち、働きがいがあり、働きやすい職場への変革を市内企業に促すことにより、女性がいきいきと働く企業を増やし、基本構想に定める「多様性を受け入れ、支え合うリベラルなまちづくり」を進めたいと考えています。そのため、関心を持つ企業と協働して「豊岡市ワークイノベーション戦略」を策定し、企業へ取組みを促すこととし、必要な予算を今議会に提出しています。
 同時に、「まず隗より始めよ」です。市役所においても、性別にかかわらず能力や個性が十分発揮され、女性が活躍する組織の実現を図る必要があります。これに向けた「豊岡市役所キャリアデザイン アクションプラン」を策定したいと考え、必要な予算を今議会に提出しています。
 また、国連の掲げるSDGs(エスディージーズ)(持続可能な開発目標)の観点から共同研究をしている慶應義塾大学と連携し、ヒアリング調査などにより豊岡における女性を取り巻く状況を多角的に調査・分析して、今後の施策展開に活用していきたいと考えています。

未来を拓く人を育むまち

 第4に、「未来を拓く人を育むまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、中学校空調設備の運転開始についてです。
 市立中学校の夏季の暑さ対策として、普通教室や特別教室等の空調設備の整備を平成28年度から進めてきましたが、このほど完成し、全ての中学校で一斉に利用できる環境が整いました。
 今後、6月下旬をめどに、気温の状況に合わせて運転を開始します。ただし、環境負荷への配慮も重要であることから、稼動期間や設定温度等の指針を定め、各学校での適正な運用を図ることとしています。
 なお、事業に係る起債償還時の一般財源負担分は、金銭信託の金利を活用することとしています。

 次に、小学校敷地の取得について申しあげます。
 現在、市立小学校のうち6校の敷地に借地があり、3校は地元地区または宗教法人から、3校は個人からお借りしています。このうち、特に個人からお借りしている用地について、将来にわたって安定的に学校敷地として利用できるよう、所有者のご理解を得て、順次取得していきたいと考えています。
 今年度は、所有者から売却のお申し出のあった中竹野小学校の借地全体および資母小学校の借地の一部について当初予算で取得することとしています。
 また、資母小学校の残りの借地および合橋小学校の借地全体についても取得に向けて用地測量等を行うこととし、必要な補正予算を今議会に提出しています。

 次に、専門職大学誘致にかかる進捗状況について申しあげます。
 去る5月9日、県において「但馬地域専門職大学設立準備委員会」が開催され、具体的な検討が始まりました。平成33年4月の開学を目指して、今後、夏を目途に基本構想が取りまとめられる予定です。
 この専門職大学では、「観光」および「文化」の分野での実践教育を通じ、新たな価値を創造できる専門職業人材の育成に取り組んでいくこととなっています。また、委員会から、本市内での建設適地の選定について依頼があったため、現在、候補地の検討作業を進めており、7月20日に開催される第2回委員会で提案することとしています。
 なお今年度、県において、開学時に入学対象者となる現在の高校1年生やリカレント教育の対象となる地元の社会人等を対象に、シンポジウムや模擬講座等を開催し、専門職大学設置の機運醸成を図ることとされています。
 今後とも、県との連携を密にしながら、専門職大学の誘致に向けて取り組んでいきたいと考えています。

人生を楽しみお互いを支え合うまち

 第5に、「人生を楽しみお互いを支え合うまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、新文化会館整備基本構想および基本計画の策定についてです。
 出石文化会館「ひぼこホール」および豊岡市民会館については、建物や設備の老朽化が進んでいたことから、専門家による老朽度調査を実施しました。
 その結果、いずれも老朽化が相当進んでおり、ホール機能を今後20年間維持するためには、出石文化会館で約16.4億円、豊岡市民会館で約31.9億円の改修費用が必要となることが判明しました。
 今後、市の保有する多くの施設が順次大規模改修や建て替えの時期を迎え、長期にわたって、多額の費用が必要となります。今後は、辛抱できるものは極力辛抱して、不可欠な機能の維持に資源を割り振る、という姿勢を取らざるを得ません。このような観点から、市民会館と出石文化会館については、その両方を改修・維持していくことは断念せざるを得ないものと判断しています。
 一方で、一定規模の文化ホールの機能は、今後とも市全体にとって必要なものと言えます。
 そこで、出石文化会館は、公共施設再編計画で示したとおり「廃止」を選択せざるを得ないものの、豊岡市民会館と出石文化会館のホール機能を統合する形で新たな文化会館を、適正規模に縮小して整備したいと考えています。
 起債制度上、豊岡市民会館を大規模改修し、20年後に建て替えるよりも、今新たに文化会館を建設し、20年後に大規模改修する方が長期的に市の実質負担が少なく、有利であることも分かっています。またレベルの高いサービスをより早くから市民に提供することもできます。
 新たな文化会館の整備には6年から7年の期間が必要と見込まれることから、新文化会館の整備に向けた基本構想および基本計画の策定に早期に取り組むこととし、関連する補正予算を今議会に提出しています。

 関連して、公共施設マネジメントについて申しあげます。
 先日の全員協議会でも申しあげたとおり、公共施設再編計画に基づき、今後も維持、継続等の方向性を示している施設の平成30年度から39年度の10年間の更新費用を機械的に試算すると、約317億円となります。
 今後、事業を具体化していくと、試算に比べ費用が高くなるものも低くなるものもあるかと思いますが、いずれにしても現在の財政見通しでは、とても対応できないことも十分予想されます。
 そこでまず、今後10年間の公共施設マネジメントに、全庁的にどう取り組むのか、着実な進め方等について、検討に着手します。
 なお、検討結果に基づき、9月議会には、公共施設等適正管理推進事業債の活用に向けた個別施設計画策定経費等の関係予算を提出したいと考えています。

 次に、豊岡市立玄武洞スポーツ公園の竣工について申しあげます。
 円山川運動公園の移転整備事業として田鶴野地区で整備工事を進めてきた玄武洞スポーツ公園は、来たる7月30日に竣工式を行い、供用を開始する運びとなりました。
 式典終了後に、地元団体により3世代交流のグラウンドゴルフ大会が開催され、初めて使用されることとなっています。また、8月から9月に行われる少年野球や少年サッカーの主要大会を竣工記念協賛事業として位置付けます。今後、玄武洞スポーツ公園が多くの市民の皆さまに親しまれ、利用される施設となるよう、積極的なPRに努めていきたいと考えています。

 次に、ボート日本代表チームへの「コウノトリ育むお米」の提供について申しあげます。
 代表チームには、2年連続で城崎を強化合宿地に選んでいただいています。
 昨年9月、フロリダで開催中の世界選手権に出場していた日本代表チームのホテルを訪れ、「コウノトリ育むお米」や「誕生の塩」などを差し入れました。後日、チームのコーチから「お陰様で、チームは過去最高の成績でした。」とメールが届き、さらに「コウノトリ育むお米を海外遠征に持っていきたい。」とのリクエストをいただきました。
 市としても代表チームを応援したいと考え、JAたじまと共同で「コウノトリ育むお米」200キログラムを7月のワールドカップ大会から9月の世界選手権までのヨーロッパ遠征用に提供することとし、必要な補正予算を今議会に提出しています。

 次に、生涯学習サロン整備について申しあげます。
 生涯学習サロンにつきましては、去る3月29日に所有者と土地建物の売買契約を締結しました。
 今後、詳細設計を行い、今秋には改修工事を発注したいと考えています。主な設計コンセプトとしては、「中心市街地の玄関口にふさわしい外観にすること」、「アイティ側にある公園との一体活用に配慮した出入口を設けること」、「再生可能エネルギーの活用など徹底した環境負荷の低減を図ること」を掲げています。
 また、但馬高齢者生きがい創造学院では、現在は高齢者に限定している会員資格について、施設整備後は高齢者以外の一般市民にも拡大し、幅広く生涯学習の機会を提供することを検討されています。さらに、地元商工団体では、生涯学習サロンをイベント等で活用し、中心市街地に賑わいを取り戻すことを検討されています。これらの動きとも連携しつつ、生涯学習サロンが中心市街地の賑わいと学習の拠点となるよう努めてまいります。

予算、決算

 続いて、平成29年度一般会計専決補正予算および決算見込みについて申しあげます。
 まず、平成29年度一般会計専決補正予算第12号についてです。
 地方譲与税・各種交付金の確定、地方債の最終決定等により、去る3月30日に専決処分しましたので、今回、報告案件として提出しています。
 平成29年度の決算については、5月末までの状況を踏まえて見通すと、歳出経費の不用額などにより、実質収支では約8億円の黒字となる見込みです。平成28年度の実質収支額は約9億円ですので、差し引きの単年度収支は、約1億円程度の赤字となる見込みです。
 また、財政調整基金を70億円取り崩し、公共施設整備基金に積み替えたため、財政指標上、実質単年度収支は、約66億円の赤字と見込まれますが、後年度を見据えた措置であり、財政運営は概ね適切にできたものと考えています。
 
 次に、平成30年度一般会計補正予算について申しあげます。
 補正予算第1号は、緊急やむを得ないもののみ補正することとし、指定管理者制度を導入する施設の管理者を公募するための債務負担行為、豊岡市ワークイノベーション戦略の策定、新文化会館整備に係る基本構想および基本計画の策定、小学校用地測量費などに、総額で1億3,941万2千円を計上し、必要な一般財源は財産収入等で措置します。

 財政運営については、引き続き、一層の財源の確保と経費の節減合理化に努め、中長期的な視点に立った節度ある運営に十分留意してまいります。

 以上をもちまして、私の総括説明を終え、各議案の詳細については担当部長から説明いたしますので、よろしくご審議いただき、適切なるご決定を賜りますようお願い申しあげます。
 ありがとうございました。

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