平成21年第2回豊岡市議会(定例会)市長総括説明

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 3月2日、3月市議会定例会の議案提出にあたり、中貝市長が施政方針と当面する市政の諸課題、提出議案の主なものについての説明(市長総括説明)を行いました。

 おはようございます。
 平成21年第2回豊岡市議会定例会の開会にあたり、議員各位のご健勝をお喜び申しあげますとともに、日ごろのご精励に対し、深く敬意を表します。

 さて、今期議会は、平成21年度の当初予算を始め、諸案についてご審議いただく、極めて重要な定例会です。
 本日、私から提出いたします案件は、報告事項3件、事件決議10件、条例14件、予算25件の合計52件です。

 合併して、まもなく4年が経過しようとしています。私に与えられた任期も残り2カ月となった今、まず、新豊岡市の歩みを振り返ってみたいと思います。
 合併後の課題は、大きく3つありました。
 第1の課題は、なによりもまず「傷ついた故郷を再生する」ことでした。幸い、市民の皆様の不屈の精神と職員の頑張り、議会を始め多くの方々のご支援によって、102億円にも及ぶ平成16年台風23号による市の災害復旧事業はすべて終了しました。さらに、治水上の安全度を飛躍的に高める国の激特事業も、650億円の予算に対し、本年度末で77パーセントの執行率と、着実に進みつつあります。
 第2の課題は、「新生豊岡の基礎を創る、方向性を定める」ことでした。これについては、議会や市民の皆様との議論も踏まえ、「コウノトリ悠然と舞うふるさと」を目指す都市像とする総合計画や行政改革大綱など、基本となる計画が定まり、着実に実行されつつあります。
 第3の課題は、「地域と市民の一体感を醸成し、連携を強める」ことでした。旧1市5町は、「それぞれで頑張るよりも力を合わせたほうがきっとうまくいく」ことを信じて、合併の道を選びました。未知の世界を進む強い不安や不満の中で、一つひとつ連携の具体例を積み重ねる努力が続けられています。コウノトリという強力なシンボルがあったことは幸いでした。この鳥はしばしばいわれのない批判も受けてきましたが、共通のシンボルとして、着実に人々の心を繋ぎつつあります。
 水害の1年後に行われたコウノトリの自然放鳥とそれに続く野外でのヒナの誕生と巣立ち、環境創造型農業の画期的な広がり、環境経済戦略の策定と実践などによって、国内外からの注目を浴び、地方の一都市に過ぎなかった豊岡は、一躍表舞台に駆け上がりました。
 課題はなお山積し、合併自体を疑問視する声もないわけではありませんが、新豊岡市が歩んできた道は間違っていない、そう確信しています。
 私たちは目先の利害のためにではなく、「未来への責任」を果たすためにこの道を選びました。昨今の経済・雇用情勢を受けて、豊岡も荒波の中にありますが、こんなときこそ、市民一丸、力を合わせて新しいふるさとを創っていく必要があります。

 4月には市長選挙が予定されています。したがって、予算は、骨格予算にするという選択肢もありました。しかし、その場合は、(1)4年に1度、市政が停滞してしまうこと、(2)新年度予算に関する作業はすでに昨年8月からスタートしており、積み重ねてきた議論を予算の形にまとめる責任があると考えられること、(3)仮に予算に反対の候補者が出る場合は、選挙の中でそのことを明らかにし、当選後に補正することで、新しい市長の政治責任を果たすことができること、などの理由から、私の責任で本格予算を編成することにしました。経済・雇用対策を迅速に打ち出す必要性がいつになく高い中にあって、結果としても適切なものであると考えています。

 現職の市長として、新年度予算に込めた、豊岡が目指すべき方向は、次の3つです。
 1つは、「地域固有の自然、歴史、伝統、文化に根ざしたまち」です。
 日本中が、粗雑で同じ顔をしたつまらないまちを創ってきました。それは、年老いたものは醜い、若く新しいものにのみ価値がある、と言わんばかりのまちづくりでもありました。私たちは、時間の経過に耐えて永らえてきたものに敬意を払い、尊重し、自らの工夫を加えて、次へと引き継いでいく姿勢を明確に示す必要があります。それは、穏やかさと落ち着きに満ちたまちづくりの戦略であると同時に、激しい都市間競争を生き抜くまちづくりの戦略でもあります。
 2つ目は、「環境都市の統合モデル」です。豊岡は、コウノトリをめぐる取り組みによって、生きものとの共生という点では、存在感を発揮するところまできました。今後は、地球温暖化防止、森林保全、省資源・省エネルギー、エネルギー自給率の向上など様々な環境分野で最先端を行く、文字通りの環境都市を目指します。
 3つ目は、「小さな世界都市」です。地域固有の資源に根ざした、環境都市の統合モデルを実現することによって、豊岡は、人口規模は小さくても、世界の人々に尊敬され、尊重されるまち、「小さな世界都市」になることができる、そう信じます。それは豊岡の市民の大いなる誇りへと繋がるはずです。

新年度予算

 それでは、平成21年度予算の概要について申しあげます。
 限られた財源を最大限に活かすことを基本に、「状況と未来を切り拓く予算」と位置付けています。
 全国の自治体では景気後退等に伴い税収入が急激に落ち込む一方で、社会保障関係経費の自然増や公債費が高い水準で推移すること等により、財源不足が大幅に拡大するものと見込まれています。このため、昨年12月に経済対策閣僚会議でまとめられた「生活防衛のための緊急対策」に基づき、特別枠として地域雇用創出推進費が創設されるなど、雇用創出等のため地方交付税が1兆円増額されるとともに、地方財政計画の一般歳出が対前年度比較で0.7パーセント増額されました。
 本市においては、地方交付税が国全体で1兆円増額されることを踏まえ、本年度当初予算に比べ7億円の増額を見込んでいます。しかし、市税については、法人市民税の落ち込みに加え、都市計画税の廃止とその代替財源である個人市民税や固定資産税の超過課税との差額などにより、約5億3千万円の減収となる見込みです。さらに、扶助費や公債費などの義務的経費の増嵩、大型継続事業の影響などにより財政需要が増大することから、財政調整基金を5億3千万円取り崩さざるを得ない大変厳しい状況にあります。
 こうした中で、限りある貴重な財源を、総合計画に定める5つの分野の実現につながるよう、予算付けを行い、一般会計では総額443億8,236万4千円、対前年度比7.3パーセント増の予算としています。
 予算全体としては、一般会計のほか8つの特別会計の予算総額167億1,461万3千円および3つの企業会計の予算総額138億8,598万1千円を合わせ、総額749億8,295万8千円、対前年度比0.4パーセント減となっています。ただし、老人保健医療事業の後期高齢者医療事業への移行による影響額を除くと、0.6パーセント増となります。
 平成21年度も、厳しい経済雇用情勢に適切に対応しつつ、行政改革を着実に実行するとともに、歳出の徹底した見直しによる抑制と重点化を進めます。また、歳入面でも自主財源について積極的に確保を図るなど、中長期的な視点に立ち効率的で持続可能な財政運営に努めてまいります。

 続いて、総合計画に基づき平成21年度に取り組む主な施策等についてご説明申しあげます。
 なお、教育行政の方針に基づく施策の展開については、教育長から別途、ご説明申しあげます。

安全に安心して暮らせるまち

 まず、「安全に安心して暮らせるまちづくり」についてです。
 防災・減災力の向上、消防・救急体制の充実を図るとともに、消費生活相談体制の充実、交通安全・防犯意識の高揚に努め、新たに感染症対策に取り組み、安全な暮らしづくりを進めます。
 また、生活習慣病予防や健康づくりの支援、医療環境の確保、各種福祉施策や社会保障の適正実施など、安心しておだやかに暮らせるまちづくりを進めます。

安全を守るまちづくり

 具体的には、「安全を守るまちづくり」として、国、県と連携を密にし、円山川緊急治水対策事業の促進を図るとともに、引続き稲葉川土地区画整理事業に取り組みます。
 また、防災・減災力の向上のため、3月中に策定予定である市全域の住宅・建築物を対象とする耐震改修促進計画に基づき、簡易耐震診断推進事業を促進するとともに、小・中学校施設については、学校施設整備計画に基づき、順次耐震補強等の工事を行います。
 さらに、継続的に緊急防災林整備事業、急傾斜地崩壊防止対策事業、治山事業、消火栓整備事業などを進めます。
 地域防災力の向上に向けては、引続き台風23号メモリアル事業等を実施し、消防団と自主防災組織合同の水防訓練や自主防災組織の活動支援を継続します。
 消防では、救急救命士・認定救急救命士を計画的に養成するとともに、消防・救急体制の充実を図ります。
 安全な暮らしを支える取組みとしては、手口が巧妙化している消費者被害を防止するため、くらしの相談室の体制を強化するとともに、まちづくり防犯グループの育成や防犯灯の設置補助を行います。
 また、新型インフルエンザ対策として、国・県の対策を踏まえた行動計画を策定するとともに、感染防止用物資の備蓄を始めます。

安心しておだやかに暮らせるまちづくり

 「安心しておだやかに暮らせるまちづくり」としては、生活習慣病などの早期発見・早期治療につなげるため、すこやか市民ドックや健康相談、栄養改善指導などを実施します。
 また、健康的な生活習慣の定着を図るため、健康づくり講演会の開催や歩キングの普及啓発などを行います。
 さらに、平成19年に大流行した麻しん(はしか)を平成24年度までに排除するため、麻しんの予防接種を実施するとともに、日本脳炎については副作用の可能性の低い新ワクチンの開発見込みを受け、予防接種の積極的勧奨を再開します。
 地域医療対策としては、医療の適正な受診を啓発する小児救急セミナーや目の愛護デー講演会を開催し、地域医療を守る意識の高揚に努めるとともに、本年度に引続き診療所の医療用備品の充実を図ります。
 母子保健事業としては、妊婦健康診査の公費助成を現行の5回分から出産までの14回分への拡充を引続き実施します。また、特定不妊治療への助成を継続します。
 総合健康ゾーン整備事業については、平成22年4月の供用開始を目指し、建設工事を進めます。
 高齢者に対しては、日常生活の援助を行う軽度生活援助、人工透析患者等の通院を支援する外出支援サービス、バリアフリー化や手すり設置など安全な住宅改造への助成などを行います。
 また、高齢者職業相談室での情報提供や豊岡市シルバー人材センター事業への支援などにより高齢者の就業機会確保対策を進めるとともに、老人クラブ活動への支援、生きがい活動支援通所事業などを実施します。
 障害者の支援では、自立と社会参加の促進に向けて、介護・訓練等給付事業、自立支援医療給付事業、地域生活支援事業、社会参加促進事業などを実施します。
 介護保険については、第4期介護保険事業計画に基づき、介護予防の推進を図るとともに、介護サービス利用者の支援、介護保険基盤の安定化など円滑な運営に努めます。
 在住外国人に対しては、コミュニケーション支援のため、国際交流協会の協力を得て、日本語教室の開催や受講者の日常生活相談など多文化共生事業を進めます。
 第2次霊園整備については、平成23年度の墓地分譲を目指し、引続き埋蔵文化財調査と一部残っている用地の買収を進め、平成21年度中の関連工事着手を目指します。

人と自然が共生するまち

 第2に、「人と自然が共生するまちづくり」について申しあげます。
 コウノトリをシンボルとして、コウノトリも住める豊かな環境を創造するとともに、環境経済戦略を推進します。
 また、循環型のまちづくりや、環境美化事業の推進、快適で美しいまちづくりを進めます。

人と自然が響き合うまちづくり

 具体的には、「人と自然が響き合うまちづくり」として、コウノトリ生息地保全対策事業を進めるとともに、ハチゴロウの戸島湿地を核とした円山川下流域を中心とするエリアを対象に、ラムサール条約への湿地登録を目指した取組みを加速します。
 また、コウノトリ野生復帰推進事業を中心とする取組みを広く国内外に向けて効果的に情報発信する仕組みづくりに着手します。
 さらに、平成22年の開催を予定している「コウノトリ未来・国際かいぎ」の準備のため、関係機関との連絡調整、準備委員会の設立などを行います。
 加えて、環境経済戦略の推進のため、産学連携の取組みや事業者の先駆的な環境経済型事業に対し補助を行うとともに、知の集積・交流の推進のため、大学生等の学術研究活動支援や研究フィールドの提供など、大学との連携を強めます。

循環型のまちづくり

 「循環型のまちづくり」については、ペレットストーブの公共施設への整備、菜の花プロジェクトなどバイオマスタウン事業をさらに推進します。
 また、豊岡市地球温暖化防止対策実行計画に基づき、公用車のエコドライブの推進や公共施設の節電など、二酸化炭素の排出削減に努めます。
 さらに、ごみや環境問題に関する意識向上を図るため、引続き家庭用生ごみ処理機の購入補助、資源ごみ集団回収の補助などを行うとともに、ごみの減量・分別・適正排出やレジ袋削減の啓発を強化します。

快適で美しいまちづくり

 「快適で美しいまちづくり」については、より良い環境創造に向けた意識の高揚を図るため、クリーン・グリーン作戦を推進します。
 また、安全で良質な水道水の安定供給のため、水道施設の整備を進めます。

持続可能な「力」を高めるまち

 第3に、「持続可能な『力』を高めるまちづくり」について申しあげます。
何よりも地域経済の活性化が不可欠です。そこで、農林水産業、商工業、観光・サービス業など産業全般にわたる振興策を再構築し、地域経済を元気にするまちづくりを進めます。
 また、住環境や道路網の整備、公共交通の確保・充実、魅力ある景観形成や地域情報化の推進などにより、賑わいと魅力あるまちづくりを進めます。

地域経済を元気にするまちづくり

 具体的には、「地域経済を元気にするまちづくり」として、観光では、兵庫県大型観光交流キャンペーンに合わせ、豊岡の魅力を全国に発信するとともに、交通2次アクセスの充実や名探偵コナンミステリーツアーの実施等により、観光客の増加を目指します。
 また、神鍋高原で計画されているウォークイベントや竹野浜で計画されている「ウェルカム真夏のファンタジー」等のイベントを支援します。
 さらに、名刺型誘客促進CDの作成など効果的な観光PRに努めるとともに、体験型環境教育旅行誘致を促進するなど観光の推進に努めます。
 山陰海岸ジオパークについては、世界ジオパークネットワーク加盟に向けた取組みを強力に推進します。
 農業では、コウノトリと共生する農村環境整備事業や特産物振興対策事業、畜産振興事業を実施するとともに、「コウノトリの舞」ブランドの認証制度の普及・拡大を図ります。
 また、新田井堰用排水路や蓼川幹線用水路等の基盤整備促進事業を実施し、農業の効率化に向けた取組みを進めます。
 さらに、農村資源を保全する農地・水・環境保全向上対策事業や、認定農業者、集落営農組織の育成支援に取り組みます。有害鳥獣対策については、従来の有害鳥獣駆除対策事業に加え、鳥獣被害防止緊急対策事業に取り組みます。
 林業では、平成21年度に建築する資母地区公民館を先例とし、建築材に市産木材を活用するための仕組みを構築します。
 水産業では、並型魚礁設置事業により水産資源の維持増大に努めるとともに、魚礁漁場調査を実施し、既設魚礁の有効活用を図ります。
 また、燃油高騰対策として兵庫県信用漁業協同組合連合会が行う貸付に対し利子補給を行うとともに、外国人漁業研修生の受入れなどを実施し、水産業の振興を図ります。
 商工業では、空き店舗対策として出店者への家賃補助を行うとともに、中小企業融資の預託金の増額、利子補給など中小企業金融対策の拡充を図ります。
 また、人材の確保と育成、若者の定住促進のため、市内企業への就職などを条件に5名程度の但馬技術大学校生の授業料を補助する制度を創設します。
 さらに、企業誘致については、設備投資の意向などをアンケート調査により把握し、その結果に基づき企業訪問を行うなど効果的な情報収集に努め、早期の企業立地を目指します。
 特産業及び伝統工芸品については、豊岡かばん・杞柳細工・城崎麦わら細工・出石焼・但馬ちりめんなどの一層の振興を図ります。
 中長期的観点から策定作業を進めている経済成長戦略については、産業連関表の作成や企業ヒアリング・アンケートなどの結果を基に各産業の現状分析を行うとともに、関係経済団体の参画も得て、経済政策の方向性と重点的に取り組む戦略プロジェクトを検討します。

賑わいと魅力を創るまちづくり

 「賑わいと魅力を創るまちづくり」としては、平成23年度完成を目指して、JR豊岡駅前広場整備事業を進めます。
 また、北近畿豊岡自動車道予定ルート周辺地域を中心に、一筆ごとの所有者、境界など基本的な情報を整備する地籍調査事業を推進します。
 道路網の整備では、北近畿豊岡自動車道、鳥取豊岡宮津自動車道などの高規格道路、国道426号豊岡バイパスについて、早期整備を国・県に対し強力に要望してまいります。
 また、総合健康ゾーンのアクセス道路となる市道立野大磯線、主要幹線である大開一日市線等の道路整備事業を進めるとともに、本年度補正予算で上乗せ的に予算化したところですが、実質的に平成21年度から23年度までの3年間を目処として生活道路排水路等整備緊急対策事業に取り組みます。
 橋梁では、長寿命化修繕計画策定のための点検の結果、損傷が発見された中山橋の整備を継続します。城崎大橋架替事業については、引続き用地買収、物件補償の促進に努めます。
 鉄道対策では、余部橋梁架替事業への支援や山陰本線・播但線高速化に向けた取組み、KTR但馬三江駅トイレ整備事業を進めるとともに、鉄道利用促進策として、引続きJR・KTRともに企画列車の旅「市民号」への助成を行います。
 バス交通対策では、市営バス「イナカー」の利用促進を図るとともに、市街地循環バス「コバス」の運行を継続するなど、市民生活に必要なバス路線の運行維持に努めます。
航空対策としては、東京直行便の早期実現を目指し、ターゲット70(ナナマル)を中心としたコウノトリ但馬空港利用促進を鋭意実施するとともに、国、運行事業者への要望を続けます。
 都市計画関係では、豊岡・城崎の用途地域の見直し、新たに日高に指定することについての検討を行います。
 地域情報化については、地域間の情報通信格差を是正するため、ブロードバンド基盤整備を促進するとともに、但東町坂津地区に携帯電話の移動通信用鉄塔施設を整備します。また、テレビ地上波デジタル化を促進するため、20箇所の自主共聴施設組合に施設の改修費用の一部を補助します。

未来を拓く人を育むまち

 第4に、「未来を拓く人を育むまちづくり」について申しあげます。
 安心して子どもを産み、育て、子どもたちが心身ともに健やかに成長できるまちづくりを進めるため、市民・事業者・行政が一体となって子育て支援事業の充実強化を図るとともに、教育環境整備にも取り組みます。
 また、心豊かな人材育成を図り、郷土愛を育むまちづくりを進めます。

健やかで心豊かな子どもを育むまちづくり

 具体的には、「健やかで心豊かな子どもを育むまちづくり」として、次世代育成支援対策地域行動計画に基づき、総合的な子育て支援及び少子化対策を進めます。
 まず、新たに県で造成された「安心こども基金」を活用し、但東子育てセンターの移転整備、規模の大きい八条及び日高放課後児童クラブの分割整備などを実施します。
 また、校園庭の芝生化に取り組むとともに、コウノトリ子育て支援メッセージ事業の推進により、子どもと子育て家庭の支援を図ります。
 幼保対策事業については、8月頃を目処に本市における将来の幼稚園・保育所のあり方についての計画を策定し、次世代育成支援対策地域行動計画については、後期計画を策定します。
 交流については、外国の異文化や歴史を学び、国際感覚や言語を身につけ、広い視野を有する人材を育成するため、韓国・モンゴル・アメリカへの小中学生を中心とした訪問団の派遣・受入事業などを継続します。

人生を楽しみお互いを支え合うまち

 第5に、「人生を楽しみお互いを支え合うまちづくり」について申しあげます。
 豊かな自然の中で、歴史・伝統や香り高い優れた芸術・文化に触れることにより、お互いを尊重しつつ、誰もが日々の暮らしを楽しむことのできるまちづくりを進めます。
 また、生涯学習や交流の拠点づくりなどで、最も身近なコミュニティである集落機能の活性化を図り、お互いを支え合う自立したまちづくりを促進するとともに、市民のふれあいや、スポーツ・レクリエーションに親しむことのできる環境づくりを進めます。

日々人生を楽しむまちづくり

 具体的には、「日々人生を楽しむまちづくり」として、永楽館において、再び歌舞伎公演を実施します。
 地区公民館については、資母地区公民館の建設工事を実施するとともに、県が進める県民交流広場事業を取り入れ、中竹野地区公民館等の整備・充実を図ります。
 また、生涯スポーツの振興を図るため、夏に蘇武岳で開催される全国高等学校総合体育大会登山大会に積極的に関わります。

お互いを支え合うまちづくり

 「お互いを支え合うまちづくり」として、今後の大きな地域課題である集落機能の維持・活性化に向けて小規模集落維持活性化対策を実施します。
 また、過疎・辺地対策の実施、地域の活性化やコミュニティ活動の促進を図る団体への支援として地域力再生事業を継続します。

市政の運営

 第6に、「市政の運営」について申しあげます。
市町合併後、それぞれのまちの固有の自然・歴史・伝統・文化を尊重し、特色あるまちづくりを進めてきました。
 この姿勢をより推進し、地域の特性や資源、長年培われてきたまちづくりの仕組みを活かし、かつ、市全体が輝きを増すよう、地域の主体性や独自性を連携させ、特色ある地域づくりを図ります。
 また、兵庫県大型観光交流キャンペーンを効果的に活用し、賑わいの創出に努めます。

特色ある地域の成長と連携

 具体的には、「特色ある地域の成長と連携」として、豊岡地域では、玄武洞公園の整備、総合健康ゾーン推進事業などを実施するとともに、コウノトリ野生復帰などの取組みを国内外に情報発信し、地域の活性化を推進します。
 また、豊岡かばんの地域ブランドの確立に向けた取組みを支援するとともに、空き店舗での鞄展示・販売事業に対して補助を行います。

 城崎地域では、城崎温泉と市内各地の歴史・伝統・文化などの観光拠点を有機的に連携させ、多彩な周遊ルートの形成で滞在型観光をさらに推進します。
 また、4月にオープン予定のハチゴロウの戸島湿地を最大限に活用して、城崎の観光の魅力をアップします。

 竹野地域では、スノーケル体験など、海・川・山を活かしたツーリズムにより参加体験型・滞在型の観光を進め、各種団体が連携して取り組む「たけのスタイル」の確立を積極的に支援します。
 また、竹野浜海水浴場の新たな魅力を創出し、夏季観光客の誘客を促進するため、「ウェルカム真夏のファンタジー」を支援するとともに、竹野北前館の改修を進め、新たな観光ニーズに対応できる施設として整備します。
 さらに、自然体験活動の拠点として子どもの野生復帰大作戦などを実施するとともに、「仲田光成記念豊岡竹野全国かな書展」を開催します。

 日高地域では、神鍋高原のスポーツ施設や宿泊施設を活用して、レベルの高い各種スポーツ大会や合宿の誘致を促進し、四季を通じたスポーツのメッカ・観光スポットとして振興を図ります。
 神鍋高原の四季型観光戦略としては、春・秋・冬に実施しているウォークイベントに加え、新たに計画されている夏の神鍋ノルディックウォークを支援します。
 また、郷土を代表する冒険家植村直己の功績を顕彰し、その精神を継承する「植村直己冒険賞」や、子どもたちの生きる力を育む事業に取り組み、地域スポーツ活動も促進します。

 出石地域では、永楽館などによりまちづくりの活性化を図るとともに、重要伝統的建造物群保存地区における保存事業の取組みを進めます。
 また、日本で唯一栽培されている酒米フクノハナによる農業活性化を促進するほか、出石総合支所の空きスペースを活用し、図書館出石分館としての整備に取り組みます。

 但東地域では、シルク温泉「やまびこ」とたんたん温泉「福寿の湯」を活用するとともに、農業体験ができる農家民宿、地域住民と行政が一体となったチューリップまつりなどの交流イベントや恵まれた自然と連携したグリーンツーリズムなどにより、交流人の増加を図ります。
 さらに、コミュニティ拠点として資母地区公民館を建設するとともに、「東井義雄賞いのちの言葉募集事業」の開催等により、人々に生きる勇気と希望を与える取組みを推進します。

 このような6つの地域の豊富な資源を活かすとともに、市域の連携を図り、特色ある地域づくりとまちの活性化をさらに推進し、各地域の人材発掘などに努め、市民の皆様と一体になったまちづくりを進めます。

参画と協働のまちづくり

 「参画と協働のまちづくり」については、指針として策定したガイドラインを活用し、様々な分野で市民と行政の協働を進めます。
 また、「男女共同参画プラン」に基づき、市が設置する審議会・委員会等については女性委員の積極的登用を図るとともに、女性チャレンジ事業により子育て後の女性のスキルアップを目指します。

新しい時代にふさわしい行政経営

 「新しい時代にふさわしい行政経営」については、効率的、効果的な組織体制とするため、地域経済対策等様々な課題に柔軟に対応できる体制への見直し、総合支所の事務事業の見直しや急がれる課題への体制を充実します。
 また、財政構造の肥満体型を是正するため、徹底した行政改革の推進を図るとともに、併せて、第2次行政行革大綱等を策定します。
 さらに、定員適正化計画に基づいて職員数の着実な削減を図る一方で、職員の意識、資質の向上のため、国や他市に職員を派遣するとともに、研修事業の実施や自己研鑽の支援を行います。
 新庁舎については、昨年12月に策定した基本構想に基づき、基本設計と実施設計に着手するなど、着実に事業を進めてまいります。

主要項目

 続いて、市政に関する主な項目の詳細についてご説明申しあげます。

 まず、円山川緊急治水対策事業についてです。
引続き国において事業の推進が図られています。河道掘削については、新たに桃島、赤石、日置地区において工事が行われます。
 無堤地の解消に向けて、いよいよ中郷地区で工事が始まります。また、一日市から小田井地区までの間の堤防強化については、現在、軟弱地盤改良工事が進められています。いずれも平成22年3月に事業が完了する予定です。
 内水対策については、八代排水機場の排水ポンプの製作が発注され、平成23年3月の完成を目指して工事が進められており、六方川、鎌谷川の防水堤工事は平成22年3月の完成に向けて工事が進められています。
 KTR円山川橋梁架替え工事については、平成23年3月の完成を目指して、現在、橋脚工事が進められ、鳥居橋架替工事については、平成22年3月の完成を目指して、右岸橋台工事と上部工の製作が進められているところです。

 次に、救急体制の整備について申しあげます。
 救急業務高度化推進計画に基づき、本年度補正対応した出石分署の高規格救急自動車の更新等により、装備の刷新を図ります。
 また、救急救命士及び認定救急救命士を計画的に養成し、病院前救護の体制の充実を図ります。救急救命士については、平成27年度を目標達成年度とし、除隊を考慮して段階的に計13人を、認定救急救命士については、平成23年度を目標達成年度として同様に計16人を養成することとしています。

 次に、総合健康ゾーン整備運営事業について申しあげます。
新設する健康増進施設については、現在、詳細設計を進めています。間もなく建築確認申請手続きを行う予定であり、建築工事の着手については、6月ごろになる見込みです。造成工事等については、4月から着手する予定としています。
 市が改修整備する健康福祉施設については、約7億円の事業費を見込んでいますが、地元業者へ配慮した発注を行うこととしており、契約締結議案については次期定例議会に提出したいと考えています。
 また、特定保健指導業務など具体的な運営内容については、現在、医師・理学療法士をアドバイザーに、保健師を中心とした市職員でワーキンググループを設置し、検討を行っているところです。これらの内容がまとまり次第、運営事業者と具体的な協議を進め、9月定例議会を目処に施設の設置及び管理に関する条例並びに指定管理者の指定に関する議案を提出する予定としています。

 次に、「豊岡市老人福祉計画・第4期介護保険事業計画」の策定について申しあげます。
この計画は、平成21年度から23年度の3年間を計画期間とし、老人福祉事業の量及び量の確保のための方策、介護保険サービス見込量、介護給付費及び保険料等について定めるものです。
 策定に当たっては、「豊岡市老人福祉計画・第4期介護保険予防計画策定委員会」で審議いただき、2月に委員会より計画素案の報告を受けました。
 市としても、委員会の報告を尊重し、計画を策定したいと考えています。
 関連して、介護保険事業の運営に必要な第1号被保険者、すなわち65歳以上の方に係る保険料について、計画期間におけるサービス必要量、介護報酬改定による影響額、国から交付される介護従事者処遇改善臨時特例交付金、介護給付費準備基金繰入金等を総合的に勘案し、現行の月額基準額3,500円を3,840円に改定することとし、今期議会に関連条例の改正案を提出しています。

 次に、第2次霊園整備事業について申しあげます。
 各種調査を行いつつ、精力的に用地買収に努めてきました。この度、全体面積の約9割の用地について仮契約を締結することができましたので、用地取得に関する議案を今期議会に提出しています。
 なお、未買収の用地についても、できるだけ早期に買収できるよう取り組んでまいります。
 平成21年度は、埋蔵文化財調査を10月末ごろまで継続するとともに、できれば、砂防河川の付替工事に着手したいと考えています。平成22年度には敷地造成に取りかかり、平成23年9月を目処に供用開始を予定しているところです。

 次に、コウノトリの野生復帰について申しあげます。
 自然界で増えていくコウノトリに対し、湿地を中心としたエサ場の確保が急務となっています。そのため、コウノトリ基金を活用して、新たにビオトープ水田の設置管理に取り組みます。
 市内全域に小学校区ごとにビオトープ水田が設置され、コウノトリはエサ場として利用し、子どもたちは生きもの調査で泥んこになり、さまざまな人たちが関わりながら地域の生物多様性の核として機能している。そうした姿を目標とし、ハチゴロウの戸島湿地や国が加陽堤外田で計画している大規模湿地に加え、それらをつなぐ中小規模の湿地を創出します。
 平成21年度には、小学校区単位でモデル地区3カ所を設定することとしています。
 ハチゴロウの戸島湿地では、2月下旬に円山川漁業協同組合の協力を得て一時避難させていた魚類の放流を行ってきました。工事は軟弱地盤の影響で遅れていますが、兵庫県大型観光交流キャンペーンが始まることから、4月2日には施設をオープンさせるべく、準備を進めているところです。
 完成すれば、ラムサール条約の湿地登録に向けて大きなステップを踏み出すことになります。
今後、関係機関・団体と緊密な連携を図り、広く市民の理解を深めるとともに、登録エリアの調整や登録条件の整理を進め、平成22年に名古屋市で開催される生物多様性条約第10回締約国会議、平成24年にルーマニアで開催される第11回ラムサール条約締約国会議等効果的なタイミングにおける登録を目指します。
 また、豊岡の取組みを国内外に発信し、国際的な連携を深めながら知の集積・交流を進めていくため、平成22年度に県と共同で「第4回コウノトリ未来・国際かいぎ」を開催することとし、その準備を進めてまいります。

 次に、広域ごみ・汚泥処理施設整備について申しあげます。
 北但行政事務組合では、現在、生活環境影響調査や敷地造成基本設計等が進められています。
 また、土地関係者の方々に対しては、現在の状況などをご理解いただくため、2月に土地関係者説明会が開催され、具体的な事業説明等がなされました。
 平成21年度は、組合において敷地造成実施設計および進入道路詳細設計等が計画されており、併せて一部用地買収に着手される予定です。
 市としても、組合と一体となり、全力で事業を推進してまいります。

 次に、市役所自身の地球温暖化防止対策について申しあげます。
 市役所の事務および事業に関し、自らが率先して地球温暖化防止対策の推進を図るため、2月に実行計画を策定しました。
 今後、平成21年度から25年度の5年間、温室効果ガスの削減に向けて取り組み、平成19年度に対して、平成25年度までに市役所の温室効果ガスの大部分を占める二酸化炭素の排出量を8.8パーセント削減することを目標としています。
 市役所内部にエコリーダー等を設けて推進し、毎年1回実行計画に基づく排出量を公表する予定です。

 次に、バイオマスタウン推進事業について申しあげます。
 ナタネの栽培については、平成21年度は市内4地域で2ヘクタールの実証ほを委託します。昨年種を撒いたナタネは本年度と同様に市内の学校給食センターにおいて天ぷら油として使用し、使用済み天ぷら油はBDFに精製し、同センター配送車や農業用機械の燃料として使用することとしています。
 木質バイオマスについては、平成19年度以降現在までに、小学校、公共施設に合計38台のペレットストーブを設置し、さらにハチゴロウの戸島湿地にも設置する予定です。平成21年度も引続き小・中学校と公共施設への設置を進めます。
 また、本年度に実施した「木質バイオマス利活用事業化可能性調査事業」の結果を受け、市内の間伐材等の木質バイオマス資源をペレット等に加工する製造設備と、利用施設の整備を具体的に進めることとしています。
 製造設備については、北但東部森林組合が事業主体となり、4月以降に実施設計を策定します。また、利用施設としては、ペレットストーブの設置とともに年間を通じてペレットの需要を確保するためのペレットボイラーを温泉施設の熱源ボイラーとして整備することとしています。
 平成23年度には市内で製造されたペレットを市内の利用施設で使用する、木質バイオマスの「地産地消型事業」として、スタートさせたいと考えています。

 次に、山陰海岸ジオパークについて申しあげます。
 昨年12月8日、日本ジオパーク委員会において、山陰海岸が「日本ジオパーク」に認定されました。これを弾みとし、世界ジオパークネットワークへの加盟に向け、さらに取組みを強化するため、山陰海岸ジオパーク推進協議会において専門部会の設置や事務局の充実など推進体制の拡大が図られています。本市においても、専門知識を持つ嘱託職員を採用したところです。
 今後、6月には世界ジオパークの認定を受けるために再申請がなされる見込みですが、本市としても、推進協議会との連携を密にし、認定に向けて取り組んでまいります。

 次に、兵庫県大型観光交流キャンペーンについて申しあげます。
 いよいよ4月から本番を迎えます。昨年10月からプレキャンペーンを実施し周知を図っているところですが、3月は重点期間として、県の推進協議会を中心に全国キャンペーンを実施するなど本番に向けて取組みを強化しているところです。
 本市においても、2次交通アクセスとして周遊バスや観光タクシーの実施、ラッピングバスの運行等を実施します。また、多くの誘客と観光地としての知名度アップにつながる「名探偵コナンミステリーツアー」が4月29日より始まることとなっています。
 今後も多種多様な観光素材を活かし、再び訪れたい観光地づくりを推進してまいります。

 次に、米の海外販路開拓と学校給食について申しあげます。
 米の消費拡大に係る新たな市場を開拓するため、海外において県が実施する輸出促進対策事業を利用し、コウノトリ育む農法によって栽培された米などのPRを行います。これにより、「コウノトリ育むお米」などの評価向上と香港等への海外輸出を図り、本市農業の活性化を図ります。
 また、学校給食は現在週4日地元産米を使った米飯としていますが、平成21年度から週5日とも米飯とします。
 なお、この機会に、コウノトリ育むお米の使用回数を、従来の2カ月に3回から週1回に増やします。
 これにより、米の使用量は年間約26トン、水田面積では、コウノトリ育む農法換算で約7ヘクタール増加し、コウノトリの生息環境の拡大につながります。

 次に、緊急雇用対策について申しあげます。
 2つの事業を実施します。
 1つは、1年以上の安定的な雇用機会の創出を図る「ふるさと雇用再生基金事業」です。人と野生動物の棲み分けを図るためのバッファゾーン、緩衝地帯の整備を2カ年にわたり実施します。
 2つ目は、6カ月未満のつなぎ就業の機会提供を図る「緊急雇用就業機会創出基金事業」です。市が直接雇用する3事業と民間企業に委託する4事業を実施します。兵庫県大型観光交流キャンペーン期間中の主要な観光施設等の美化などにより、平成21年度には46人の新規雇用を見込んでいます。

 次に、生活道路排水路等整備緊急対策事業について申しあげます。
 この事業は、生活環境の保全のため区が維持管理されている生活道路、生活排水路等の整備をするもので、当面平成23年度までを予定しています。実質的に初年度となる平成21年度は、2月の臨時議会でお認めいただいた2千万円と合わせ、計5千万円の事業を実施することとしています。
 今後は、区から要望のあった箇所の中から重要性、緊急性を考慮しつつ、区・関係者の理解、協力が得られた所から順次整備を進めてまいります。

 次に、校園庭の芝生化について申しあげます。
 春に植栽した芝生の苗が一(ひと)夏の内に緑の絨毯に生まれ変わるという、鳥取方式と呼ばれる、低コストの芝生化方式を採用し、芝生化を進めることとしました。
 具体的な効果として、子どもの外遊びが増えることによる心身の発育向上、地域開放による学校と地域のきずなの強化、気温上昇や土砂流出の抑制による環境の改善などを期待しています。
 平成21年度は、まずモデル事業として小学校2校、幼稚園5園で実施し、これで得たノウハウを活かしながらさらに推進し、将来的には全ての小学校・幼稚園・保育所の芝生化を目指します。

 次に、組織の見直しについて申しあげます。
 効率的、効果的な組織という観点から組織改正を行います。
 主な内容としては、経済成長戦略の策定など地域経済の活力・まちの元気を生み出す施策を総合的かつ戦略的に推進するため、商工観光部を経済部に名称変更し、新たに、部に経済振興課を設置します。
 また、北近畿豊岡自動車道事業の本格化に伴い、地籍調査推進室を地籍調査課へ、また、少子化対策、次世代育成、幼稚園・保育園の再編業務を推進するため、こども企画室をこども企画課へ変更し、体制の強化を図ります。

 次に、情報発信について申しあげます。
 いくら魅力的なまちを創り上げたとしても、知られなければ、外から見て存在しないのと同じです。そこで、モデル事業として「コウノトリ」及び「企業誘致」における情報発信戦略を検討することとしています。
 将来的には、モデル事業を各分野に拡大し、全市的な情報発信戦略を進めたいと考えています。

 次に、行政改革について申しあげます。
 市では、平成18年に行政改革大綱及び実施計画を策定しました。計画当初は、平成19年度から26年度までの8年間で約84億2千万円の行革効果を見込んでいましたが、その後さらに高金利借入金の繰上償還で8億4千万円、人件費の削減で5億8千万円などの上積みを行い、総額100億6千万円の行革効果を見込んでいます。
 現在、計画を上回るペースで歳出の削減が進んでいます。しかし、なお、類似団体に比べ歳出規模が大きく肥満体型となっており、さらなる歳出削減を行い財政の健全化を図る必要があります。
 現在の行政改革大綱と実施計画は平成21年度までのものであり、次期の大綱と計画を策定しなければなりません。第2次行革の期間は、平成22年度から25年度の4年間とし、平成21年秋を目途として策定することとしています。
 歳出を性質別に見ると人件費、物件費、補助費等が特に大きく、これを抑制する必要があること、政策決定を迅速かつ的確に行うために行政経営手法の改革を行う必要があること、などに視点を置いて策定を進めます。

 次に、経済成長戦略策定について申しあげます。
 本年度と平成21年度の2カ年をかけて、持続可能な地域経済を形成するため、本市経済の現状と課題を明らかにした上で、経済成長戦略の策定に取り組んでいます。
 現在は、経済指標である各種統計データを整理し、年度別推移等を把握した上で、各産業の動向と課題等を整理するとともに、企業等に対して行った各種アンケート調査を基に、分析作業を行っています。
 また、平成12年表の産業連関表の作成作業をほぼ終え、本市の経済循環構造の分析を行っているところです。なお、今後、平成17年表の産業連関表も作成することとしています。
 これらを踏まえて、平成21年度には策定検討委員会を設置し、戦略の方向性と重点的に取り組む戦略プロジェクトを11月末を目途に策定します。

 次に、新庁舎建設について申しあげます。
 昨年12月24日に新庁舎建設基本構想を策定するとともに、建設位置を現在地と決定しました。
 今後、3月中には基本構想をより具体化させた「新庁舎建設基本計画」を策定したいと考えています。併せて、平成21年度の基本設計に向けて、課題や方向性の整理、仕様書作成等の作業も行っているところです。
 現本庁舎については、豊岡の固有の自然・歴史・伝統・文化を大切にするまちづくりの理念に立って、活用の方策を探ることとしています。活用の可能性について早急に学識者や専門家の意見を参考に調査等を行った上で、耐震性、耐久性、経済性も踏まえて総合的に判断し、その是非について結論を出していきたいと考えています。

 次に、簡易水道事業の法適化等について申しあげます。
 簡易水道事業に地方公営企業法を適用するかどうかは地方公共団体の判断に任されていますが、経理内容の明確化・透明性の向上を図る等の観点から、4月から法の全部適用を行うこととしました。
 また、簡易水道を上水道と合わせて一つの会計で経営することにより、一層の経営健全化、効率化を図ってまいります。

 次に、竹野北前館の改修について申しあげます。
 改修に当たっては、施設の安全性の確保、魅力ある機能の創出、効率的な施設管理の促進、環境負荷の低減、新たな観光ニ-ズへの対応を基本方針とし、海のエリアにおける観光振興及び地域活性化の拠点とすることを目指しています。
 現在、改修工事の実施設計を行っており、4月早々工事に着手し、7月にはリニュ-アルオ-プンする予定です。
 この改修で、ランニングコストの削減、温泉・レストランの新たな魅力創出、バリアフリー化による利便性の向上などによる経営改善を図るとともに、「たけのスタイル」の拠点施設としても大いに寄与させたいと考えています。

 次に、道の駅「神鍋高原」周辺施設あり方の検討について申しあげます。
 昨年11月に設置した「道の駅『神鍋高原』周辺施設あり方検討委員会」で鋭意検討していただき、過日答申を受けました。
 答申の骨子は、3点あります。
 まず、施設の基本的な方向については、道の駅「神鍋高原」、かんなべ湯の森「ゆとろぎ」、農林漁業体験実習館「レストラン『マロニエ』」は、地域交流の核となる施設であるので、不採算部門を単に切り離すのではなく、一体性を強めることにより採算性を確保し、神鍋観光振興及び地域振興のため有効に活用すること。
 2点目は、施設のあり方については、観光振興の拠点施設として、将来にわたって安定した役割を果たすため、所有形態としては、公共施設として市の財産とすることがふさわしいこと。
 3点目は、経営については、営利を目的としながら地域住民との連携を図るためには、収益の確保と公共性を実現できる組織が運営すること。
というものです。
 なお、道の駅「神鍋高原」の改修については、現在、設計等準備を進めています。改修により、国道482号から背を向けていたレストランを含め、施設全体への来客者のスムースな誘導が可能になるとともに、売店の拡大及び売店とレストランの一体化が図られ、経営改善が進むものと考えています。
 また、農林漁業体験実習館の指定管理については、3月末に期限を迎えることから、検討委員会の答申に沿い、指定管理者選定委員会の決定を経て、引続き株式会社日高振興公社を指定管理者とするよう今期議会に関係議案を提出しています。

 次に、競輪訴訟について申しあげます。
 平成13年度末に、本市を含む20市が競輪事業から撤退したことに伴って争われていた4件の損害賠償請求訴訟において、昨年末までに3訴訟で関係20市の勝訴判決が確定していました。残る1件の訴訟についても、去る2月12日に関係20市の勝訴が確定し、これにより、長年争われてきた競輪訴訟は、すべて被告市側の勝訴で終了しました。

 次に、生活支援定額給付金等の給付について申しあげます。
 本日、じばさん内に「豊岡市定額給付金・子育て応援特別手当実施本部」を設置し、給付のための具体的事務に取りかかりました。近日中に各世帯に給付申請書を送付し、関連法案の成立を待って3月26日には第1回給付金の振込みを行う予定としています。
 膨大な事務作業になりますが、少しでも多くの世帯にできるだけ早く給付できるよう万全を期してまいります。

平成20年度補正予算

 最後に、平成20年度一般会計補正予算第6号について申しあげます。
 今回の補正では、3,959万7千円を減額しています。減額の主なものは、入札残、事業費の確定に伴うもののほか、3月末までの支出予定の精査による不用額等です。一方、普通交付税の本年度の交付額を勘案し、新庁舎建設時の財源に充てるため庁舎建設基金へ2億円の積立てを計上しています。
 繰越明許費では、年度内にその支払いを終わらないもの24件、総額8億1,889万8千円を計上し、債務負担行為の補正では、2件の追加と3件の廃止および限度額の変更をしています。
 なお、2月の臨時議会で議決をいただきました補正予算第5号に計上した事業の中にも年度内に完了が難しいものがあります。これらの事業については、年度内ぎりぎりまで執行額の精査を行った上で、会期中に繰越明許費補正に限った補正予算を提出したいと考えていますので、ご了承賜りますようお願い申しあげます。
 本年度の今後の財政収支見通しですが、地方債や特別交付税・地方譲与税など、現時点では確定していないものが多くあり、これらが確定した段階でさらに補正の必要が生じることとなります。
 したがって、その際には、財政事情を勘案する中で、所要の専決補正をしたいと考えていますので、合わせてご了承賜りますようお願い申しあげます。

 以上をもちまして、私の総括説明を終え、各議案の詳細については担当部長から説明いたしますので、よろしくご審議いただき、適切なるご決定を賜りますようお願い申しあげます。
 ありがとうございました。

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