平成24年第2回豊岡市議会(定例会)市長総括説明

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 6月1日、第2回豊岡市議会定例会の議案提出に当たり、中貝市長が当面する市政の諸課題、提出議案の主なものについての説明(市長総括説明)を行いました。

 おはようございます。
 平成24年第2回豊岡市議会定例会の開会に当たり、議員各位のご健勝をお喜び申しあげますとともに、日頃のご精励に対し、深く敬意を表します。

 また、このたび永年にわたり自治の伸展にご尽力いただいたご功績により、兵庫県功労者表彰をお受けになりました岡 満夫(おか みつお)議員、並びに、永年にわたり市政の伸展にご尽力いただいたご功績により、全国市議会議長会から表彰をお受けになりました森田健治(もりた けんじ)議長、村岡峰男(むらおか みねお)議員、伊藤 仁(いとう ひとし)議員、芝地邦彦(しばち くにひこ)議員、広川善徳(ひろかわ よしのり)議員に対しまして、心からお祝い申しあげます。
 今後さらなるご活躍を祈念申しあげます。

 交通死亡事故多発非常事態宣言の発令について申しあげます。
 交通死亡事故が4月30日から5月21日までの22日間で4件発生し、4名の方の命が失われました。
 このような事態を打開するため、5月22日に「交通死亡事故多発非常事態宣言」を発令しました。市民や事業者の皆様に交通ルールの順守を周知啓発するほか、警察署などの関係機関と連携し、交通死亡事故防止に取り組んでいきます。

 次に、NOMOベースボールクラブの誘致について申しあげます。
 NOMOベースボールクラブは、プロ野球や社会人野球を夢見る若者にチャンスを与えようと、平成15年に元メジャーリーガー野茂英雄氏が設立された社会人野球チームです。設立以来、大阪府堺市に本拠地がありましたが、練習場の確保が困難になったため、新たな本拠地を探しておられました。そこで本市で誘致活動を行った結果、来季から豊岡市内に本拠地を移し新たなスタートを切ることとされ、昨日、野茂氏を始め関係者と共同で記者発表を行いました。練習は市内の4球場で行い、選手のアルバイト先と生活の拠点は城崎温泉で確保する計画です。
 野茂氏は平成20年に現役を引退されましたが、現在も大きな尊敬を集めている方であり、豊岡へのチームの移転は豊岡の知名度アップに大いに役立つものと考えています。あわせて、チーム関係者による市内小中学生等への技術指導や市内の催し物への参加等、地域への貢献を大いに期待しているところです。
 チームの受け入れに当たり、球場におけるバッティングケージ等若干の設備の充実や野球教室の開催経費などが必要になりますが、9月定例議会以降での予算化を予定していますので、ぜひご理解をお願いします。

 さて、今議会に私から提出いたします案件は、報告事項7件、事件決議8件、条例10件、予算3件の合計28件です。
 なお、会期中に人事案件1件、事件決議3件の計4件を追加提出する予定としておりますので、あらかじめご了承賜りたいと存じます。

 それでは、当面する市政の諸課題及び提出議案の主なものについてご説明申しあげます。

安全に安心して暮らせるまち

 第1に、「安全に安心して暮らせるまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、円山川緊急治水対策事業の進捗状況についてです。
 八代排水機場は間もなく完成し、6月16日に竣工式が行われます。
 奈佐小橋下流から結和(ゆうわ)橋付近までのパラペット1期工事は、来年度完成を目途に進められています。また、戸島地区堤防工事も今年度用地買収がなされ、順次着手されると聞いています。
 日高地域の向日置(むかいひおき)、多々野谷(たたのや)などの中・上流部の無堤防地区の解消と中郷地区遊水地の整備については、今年度策定予定の国の河川整備計画に位置づけられ、順次事業に取り組まれると聞いております。
 今後とも安全・安心の確保に向けて、国や県と一層連携を図ってまいります。

 次に、除雪機緊急整備事業補助金の創設について申しあげます。
 市道の除雪については、幹線道路や通学路を中心に除雪路線を定めて行っています。この路線以外については、地域内の助け合いによって対応されていますが、特に雪の多い地区においては、除雪機の購入費用など多くの支出が必要で、市による支援が求められていました。
 このため、今年度から、自主防災資機材整備事業の補助対象に除雪機を追加しました。しかし、他の資機材と比べ金額が突出してバランスを欠き、また補助金額も十分とは言えないことなどから、除雪機購入補助を独立させた新たな制度を創設することにし、今議会に補正予算を提出しています。この制度は、区が除雪機を購入する際に、除雪機1台につき150万円を限度に、補助対象額の3分の2を補助するものです。なお、「東日本大震災からの復興に関し地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源の確保に係る地方税の臨時特例に関する法律」に合わせ、補助対象期間は4年間としています。

 次に、東日本大震災により発生した災害廃棄物受け入れの検討について申しあげます。
 岩手県及び宮城県の災害廃棄物は1,679万トンと推定されており、そのうち 1,432万トン、85.3パーセントについては地元処理が可能なものの、残り247万トン、14.7パーセントについて、広域処理の要請が国から都道府県に対してありました。環境省では、(1)岩手県及び宮城県の、放射性セシウム濃度が不検出又は低い災害廃棄物について広域処理を要請する、(2)岩手県及び宮城県沿岸部の空間放射線量の測定結果は、日本の他の地域に比べて決して高くないことも確認されている、としています。
 なお、福島県内の災害廃棄物の処理については、国が行うこととされています。
 国の要請を受け、本年4月に兵庫県から県内各市町に対して、岩手県及び宮城県内の可燃ごみについて処理の協力要請がありました。
 県から示された受け入れの目安は、放射性セシウムの濃度に関し、災害廃棄物1キログラム当たり100ベクレル、埋立処分の目安は、焼却処理後の焼却灰1キログラム当たり2,000ベクレルです。それらを上回ることが確認された場合は受け入れを行わないこととされています。
 災害廃棄物の1キログラム当たり100ベクレルという目安については、一般食品の安全基準と同じ数字です。同濃度のセシウム137が食品に含まれると仮定して、身長165センチメートルの人の適正な食物摂取量とされる1,800キロカロリー、1.596キログラムの食品を1年間毎日摂取し続けた場合の人体への影響は、年間で0.757ミリシーベルトと計算されています。これは国際放射線防護委員会 ICRPの勧告による、一般公衆の、自然放射線と医療放射線を除く年間線量限度1ミリシーベルトを十分下回ります。ちなみに、同濃度の食品を1キログラムだけ食べた場合の線量は、0.0013ミリシーベルトとされています。
 次に、焼却灰の1キログラム当たり2,000ベクレルという目安については、灰の全てが同濃度であるとして、最も線量を受ける埋立作業者が、埋立場所に3メートル灰を埋め立てた上で、1日6時間、年間250日、作業を行った場合の人体への影響は、年間で0.86ミリシーベルトと計算されています。これも一般公衆の年間線量限度1ミリシーベルトを十分下回ります。
 なお、飛灰に含まれる放射性セシウムはバグフィルターで99.9パーセント以上が捕獲されるため、大気放出による環境への影響はほぼないことが分かっており、焼却炉周辺居住者の人体への影響も極めて小さいとされています。その影響は、焼却されるごみが全て1キログラム当たり100ベクレルの濃度で、焼却能力1日当たり450トンの焼却炉が1年中フル稼動したと仮定して、1年間に最大で0.00012ミリシーベルトと計算されています。これも1ミリシーベルトを大きく下回ります。ちなみに本市の施設の焼却能力は、1日当たり140トンです。
 以上のことを前提に、県から示された受け入れの目安は、作業員や市民の安全上、問題は全くないものと考えています。
 本市は、平成16年の台風23号災害において、約3万6千トンの災害廃棄物が発生し、そのうちの3万1千784トン、全体の88.2パーセントを他市町や民間事業者で引き受けていただいた経験を持っています。処理には7カ月を要しました。私たちは、災害廃棄物の大変さをよく知っています。
 以上のことを踏まえ、県の要請に対し、(1)清掃センターの地元の合意が得られること、(2)本市の受入可能量は1日当たり10トンと小さく、また、施設の構造上、廃棄物の搬入は4トン車以下に限られるため、東北から直接4トン車で搬入することは非現実的であるところから、県等が仮置場を設置し、そこから搬入する広域処理体制を整えること、(3)焼却灰の処分がひょうご環境創造協会等で行えること、の3点を条件に挙げ、処理余力である1日当たり10トンの受け入れについて検討の用意がある旨を、5月11日付けで県に回答しました。
 なお、これに先立って、5月9日に清掃センターの地元区民を対象とした説明会を開催し、市の考え方を説明した上で、その内容で県へ回答することについて理解を求めました。
 今後、地元合意を除く2つの条件について県等の方針が明確になった時点で、改めて受け入れや処理、安全管理の具体的方法を地元区に説明し、合意をいただけるよう誠意をもって対応していきたいと考えています。
 あわせて、市民の皆様への説明をしっかりと行い、理解をいただくよう努めてまいります。
次に、災害時指定避難所の見直しについて申しあげます。
 現在、市では、災害時の避難所を244カ所指定しています。しかし、この中には堤防の決壊があった場合に浸水の可能性のある建物、あるいは土砂災害が発生した場合に被害を受ける可能性のある建物が含まれています。このため、これらを精査し、危険性が高い施設は、避難所の指定を解除するとともに、各地区の指定避難所の割り振りを見直すことにしました。
 その結果、指定避難所の数は、風水害が191カ所、地震が216カ所となりました。地区によっては、指定避難所が現在よりも遠くなる場合がありますが、安全性を最優先した結果ですので、ご理解いただきますようお願いいたします。
 市は、今後とも適切に避難情報を発令するよう全力を尽くします。しかし、市民の皆様の災害時の状況はそれぞれ異なります。例えば、最終的に自宅の2階以上の、山から最も遠い場所にとどまるのと、避難所へ避難するのとではどちらが助かる確率が高いのかなどを判断するのは、市民の皆様自身です。市民の皆様の判断能力を高めていただくため、引続き防災啓発に努めてまいります。

 次に、豊岡市暴力団排除条例の制定について申しあげます。
 全国で暴力団を排除しようとする動きが広まり、県でも昨年、暴力団排除条例が施行されました。市においては、暴力団排除活動の費用を助成するための暴力団対策基金の設置に関し、防犯協会等により寄附金の募集活動が行われるなど、暴力団を排除する市民意識の高揚が図られています。
 そこで、暴力団を排除する市の姿勢をより一層明確に示し、安全で安心な市民生活を確保するため、今議会に豊岡市暴力団排除条例案を提出しています。
 なお、今後、本条例の施行に併せ、所管の豊岡南・北両警察署と暴力団に係る相互の連絡協議体制を確立するための合意書を取り交わし、暴力団排除の推進に努めてまいりたいと考えています。

 次に、「歩いて暮らすまちづくり条例」の健康づくり推進モデル地区の選定について申しあげます。
 健康づくり推進モデル事業は、健康づくりの取組みを地域を挙げて継続的に行う区を募集し、その活動を支援するとともに、必要なデータを収集・分析し、その成果を全市的な健康づくりに役立てようとするものです。
 このたびモデル地区を募集したところ、西花園区、下陰区、竹野町桑野本区及び日高町岩中区の4区から応募があり、審査の結果、この4区をモデル地区に選定しました。
 今後、運動教室や歩キングの事業計画について各区と調整を行った上で、8月から事業を展開します。事業の効果については、アンケートや血液検査、歩数等の検証をした後、市民の皆様に随時公表してまいります。

 次に、豊岡市国民健康保険税条例の一部改正について申しあげます。
 豊岡市国民健康保険運営協議会において審議いただき、去る5月11日に「平成24年度豊岡市国民健康保険事業運営の基本方針について」の答申を受けました。この答申の趣旨を尊重し、豊岡市国民健康保険税条例の一部改正案を今議会に提出しています。
 被保険者一人当たりの医療費の伸びは、昨年度と比較して2.9パーセントの増を見込んでいます。
 しかし、税額の決定に当たっては、医療費の増加と現在の経済情勢を考慮し、前年度繰越金の半額に当たる2億5,894万6千円に加え、国民健康保険財政調整基金から2億円を税の軽減に充てることとしました。その結果、被保険者一人当たりの国保税額は、基礎課税分、後期高齢者支援金分、介護分を合わせて9万7,023円で、昨年度と比較して1.32パーセントの伸びとなります。

 ところで、国民健康保険の医療費について、保険者を市町村とする仕組みは維持しつつも、費用は都道府県単位で共同負担する仕組みを導入する国民健康保険法の改正が成立し、去る4月6日に公布されました。
 現在、1件の医療費が30万円を超える場合、その超過分を県内の市町が共同で負担していますが、改正法では平成27年度から全ての医療費を対象に共同で負担することとなります。その結果、医療費の低い市町は負担が増え、高い市町は負担が減ることになります。
本市は、長年、一人当たりの医療費が県下で最下位クラスにあり、この点で大きな不利益をこうむる可能性があります。
 また、健康施策や医療費の適正化対策を市民挙げて行って医療費の抑制に成果があったとしても、その努力が意味を成さなくなる可能性があります。新制度は、健康施策を積極的に展開する市町村の意欲をそぐ危険性を持ったものと言わざるをえません。
 そこで、その不具合を是正ないし緩和する措置をとるよう、県に対し強く申し入れているところです。

人と自然が共生するまち

 第2に、「人と自然が共生するまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、ラムサール条約湿地登録についてです。
 去る5月10日に開催された国の中央環境審議会において、「円山川下流域・周辺水田」が、新たにラムサール条約の登録に向かう国内湿地9カ所のうちの一つとして報告されました。今後、外務省による条約事務局への正式通報を経て、7月6日から13日までルーマニアで開催されるラムサール条約第11回締約国会議、いわゆるCOP(コップ)11(イレブン)において認定証が交付される予定です。豊岡の国際的知名度のアップにも大いに役立つものと期待しています。
 関連して、7月22日から29日までを「ラムサールWEEK(ウイーク)」と題して、ミュージカルやNHK環境イベントなど、地域の自然や文化を見つめる啓発事業を展開していく予定にしています。

 次に、大規模太陽光発電事業について申しあげます。
 環境都市「豊岡エコバレー」のシンボルとして、再生可能エネルギーの地産地消を進めるとともに、エネルギー利用の多様化を促進するため、メガソーラー発電事業に取り組むこととしています。このたび、株式会社カネカから技術提案及び見積書の提出を受け、大規模太陽光発電事業の業務委託契約を締結することとしました。
 同社からは、自然条件等地域特性を考慮した対策を行うことや、モニタリングシステムを導入し、遠隔監視を行うことによりメンテナンスコストの低減とともに、発電ロスの改善に取り組むなどの提案をいただきました。また、市内業者と協力して業務を進める考えであることも伺っています。
 再生可能エネルギーの買取価格、買取期間等については、国の調達価格等策定委員会が審議し、太陽光発電は、買取価格1キロワットアワー当たり税込み42円、買取期間は20年間という委員会案が示されました。
 売電収入については、豊岡エコポイント事業など市の環境施策の財源に充てることとしています。
 7月には工事着手したいと考えており、今議会に同社との契約に係る議案を提出しています。

 次に、豊岡エコポイントについて申しあげます。
 環境都市「豊岡エコバレー」の実現に向け、環境を意識した行動を全市的な運動へと展開させるための動機付けとして、豊岡エコポイント制度をこの7月18日から実施します。事業期間は当面平成26年度までの3年間を予定しています。
 このエコポイントには、市民エコポイントと企業エコポイントの二つがあります。
 まず、市民エコポイントは、市民が太陽光発電システム、ペレットストーブなどの省エネ、創エネ設備を設置したり、電気代節約など環境に良い行動をした場合に、エコポイント券を付与します。エコポイント券10枚で1回、環境に優しい賞品が当たる抽選会に参加できます。賞品については市内企業からの協賛も募る予定にしています。
次に、企業エコポイントは、市内事業者が、環境保全活動やe通勤など環境に良い活動を推進する取組み等をした場合や、市内の工務店等がエコハウスを施工する場合に、エコポイントを付与します。
 なお、取得した企業エコポイントについては、事業所が来年度以降に省エネ、創エネ改修等をする際、エコバレー協力金として支給することにしています。

 次に、北但ごみ処理施設整備事業について申しあげます。
 北但行政事務組合が、昨年10月に県収用委員会に申請していた土地収用について、去る3月26日に裁決がなされました。それを受けて組合で補償金の払い渡し等の手続きが進められ、5月10日に全ての収用物件の所有権が組合に移りました。
 事業認可区域8.8ヘクタールの用地取得を完了しましたので、昨年11月に契約された進入道路・敷地造成工事については、今年度下半期には未発注エリアを追加して変更契約することとなります。
 なお、北但ごみ処理施設に関し、県を被告として提起されている「都市計画法に基づく事業認可取消請求事件」については、事業主体である組合は訴訟結果により権利を害される第三者として、構成市町である豊岡市、香美町及び新温泉町は都市計画決定を行った行政庁として、それぞれ去る3月30日に神戸地裁に訴訟参加申立書を提出しました。近々には許可されると伺っていますので、今後、県や組合、構成町とも十分に協議、連携して本訴訟に的確に対応してまいります。

 次に、騒音・振動・悪臭の規制区域及び規制基準の見直しについて申しあげます。
 騒音規制法、振動規制法及び悪臭防止法が本年4月1日に一部改正され、騒音・振動・悪臭の規制区域及び規制基準の設定権限が、県知事から市長に移譲されました。
 現在の規制区域及び規制基準は、合併前の市町の考え方に基づき県知事が設定したもので、設定基準が統一されていないため見直しを行う必要があります。
 しかし、騒音・悪臭については、事業所等に与える影響が大きいことから、課題を整理した上で見直し作業を進めることとし、今回は振動規制のみの見直しを行います。
 振動規制については、第1種区域と第2種区域があり、都市計画の用途地域の指定がある地域は、用途地域の種類別に応じて区域を設定します。また、都市計画の用途地域の指定がない地域は、住民の生活環境を保全する観点から、第2種区域と比べ5デシベル基準が厳しくなる第1種区域に設定します。
 今回の見直しで、規制基準の緩い第2種区域は、豊岡及び城崎地域の商業地域、近隣商業地域、工業専用地域、工業地域及び準工業地域で、それ以外の地域は第1種区域となります。

 次に、豊岡第2清掃センター早期安定化対策事業について申しあげます。
 豊岡第2清掃センターは、平成12年10月31日で埋め立てを終了した最終処分場ですが、浸出水の水素イオン濃度1項目のみが廃棄物処理法等に基づく施設廃止基準を満たしていないため、閉鎖して11年6カ月経過した現在も、浸出水を適正に処理した上で大浜川に放流しています。
 今後も、浸出水の水質が基準に適合するまでの間、この水処理を継続していく必要がありますが、老朽化した施設の運転、維持管理に多額の経費が必要となります。
 これまでに最終処分場の現状調査及び分析を行ったところ、埋立地内部の保有水水位が高いため、主な埋立物である焼却灰に含まれるアルカリ成分が保有水に溶出して、浸出水が高アルカリ化していることが判明しました。
 そのため、昨年度に、水質の安定化を早期に図ることを目的に「豊岡第2清掃センター早期安定化対策工に係る実施設計」を行いました。
 今年度は、この実施設計に基づき、最終処分場の埋立地内部に集水井戸とサイホン管を組み合わせた集排水設備を設置して、内部保有水の水位の低下を図り、浸出水の高アルカリ化を抑制します。一日も早く排水基準に適合した水質に改善した上で、法令に基づく施設の廃止手続きを行っていきたいと考えています。

持続可能な「力」を高めるまち

 第3に、「持続可能な「力」を高めるまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、神鍋地域の活性化についてです。
 神鍋地域では、スキー客の減少や少子高齢化などによる観光産業や農業等の後継者不足から、地域活力の衰退が懸念されています。
 日高町観光協会では、地域の企業・団体個々の取組みを見直し、自然資源や施設を活かした大交流による地域活性化を図るため、「神鍋地域活性化計画」の策定を計画されています。市としては、当地域の取組みを支援するため、今議会に関連の補正予算を提出しています。

 次に、中心市街地活性化事業について申しあげます。
 現在、豊岡まちづくり株式会社や豊岡鞄協会、豊岡商工会議所、市などが、宵田商店街の空き店舗を活用する「カバン・アルチザン・スクエア事業」の検討を行っています。これは、かばんのセレクトショップやパーツショップ、かばん職人育成スクール事業の展開を通じて中心市街地の活性化を図ろうとするものです。現在、豊岡まちづくり株式会社を事業主体にする方向で検討を進めていますが、事業の実施に当たり、市もその初期投資について必要な支援を行いたいと考えています。
 南庁舎別館については、建物の文化的な価値を最大限活かしながら、中心市街地の新たな賑わいの場を創出するための検討をしており、早期に整備構想をまとめたいと考えています。
 また、宵田商店街の「いちご駐車場」については、「カバン・アルチザン・スクエア事業」を踏まえながら、整備構想をとりまとめたいと考えています。
 なお、9月定例議会にこれらの関連予算を提出する予定にしています。

 次に、北近畿豊岡自動車道について申しあげます。
 まず、北近畿豊岡自動車道建設事業の進捗についてです。
 同自動車道の和田山八鹿道路は、本年11月に供用開始される予定です。
 八鹿日高道路と日高豊岡南道路については、去る5月26日に起工式が行われました。
 八鹿氷ノ山インターチェンジから(仮称)豊岡南インターチェンジまでの用地取得については、地権者の方々のご協力により土地売買契約が進められています。今年度は、残った用地及び家屋補償等について個別交渉を進め、用地が取得できた地区から随時工事着手すると国土交通省から伺っています。
 市としましても、早期に道路建設工事に着手できるよう、用地取得に全面的に協力するとともに、今後も但馬各市町や県と一体となり当自動車道の必要性を国に強く訴え、全線の早期完成を目指してまいります。

 次に、北近畿豊岡自動車道の延伸に伴う誘客促進の取組みについてです。
 本年11月の八鹿までの供用開始を、「より身近な豊岡」をアピールする絶好の機会と捉え、フリーペーパー「遊悠(ゆうゆう)ウエスト」に豊岡自動車道の延伸情報と豊岡の魅力的な観光情報を掲載し、誘客の拡大を図りたいと考えています。「遊悠(ゆうゆう)ウエスト」は発行部数100万部の人気のフリーペーパーで、NEXCO(ネクスコ)西日本管内の主要なサービスエリア・パーキングエリア177カ所や西日本地域の道の駅など計約800カ所に設置されています。
 10月20日から12月19日まで設置される11月号への掲載を考えています。

 次に、魅力ある景観形成の取組みについて申しあげます。
 昨年より、学識者や関係団体、市民の代表等で組織する景観計画検討委員会及び作業部会を設置し、景観法に基づく景観計画について検討を重ねました。本年3月末に景観計画の素案を作成したのち、5月に各地域で計画案の説明会を開催するとともに意見の募集を行いました。今後、市民や事業者の皆様、都市計画審議会からいただいた意見を参考に修正を加え、7月末までに計画の策定を終える予定としています。
 また、豊かな自然とまちが調和した豊岡固有の景観の保全・育成・創造により、市の魅力と活力を高め、豊岡らしい景観を次世代に継承するため、豊岡市景観条例案を今議会に提出しています。

未来を拓く人を育むまち

 第4に、「未来を拓く人を育むまち」に関連する内容について申しあげます。
 港地域の認定こども園の位置決定についてです。
 同園については、昨年11月に港地域の代表者からなる「港地区認定こども園検討委員会」を設置し、5回の会議を経て、本年4月23日に検討委員会としての位置決定がなされました。
 そこで、この検討委員会の決定事項を尊重し、教育面・行政面から検討を行い、認定こども園を港東幼稚園に設置することとしました。
 今後は、来年度の開園に向け、地域や保護者に説明するとともに施設整備を行ってまいります。
 なお、今議会に当該幼稚園の施設改修に係る補正予算を提出しています。

市政の運営

 第5に、「市政の運営」に関連する内容について申しあげます。

 まず、城崎温泉総合まちづくり計画策定事業についてです。
 城崎温泉地区のまちづくりは、各種団体が様々な事業を行っていますが、近年団体の規模の縮小化が進み事業実施が困難な状況となっています。
 そこで、「城崎このさき100年会議」が中心となり、総合的、専門的にまちづくりを行う法人格を有する組織を立ち上げ、「(仮称)城崎温泉タウンマネジメント委員会」を設置して、まちづくり計画を策定し、地区の活性化を図ります。
 市は、この計画策定経費の一部を補助するため、今議会に補正予算を提出しています。

 次に、新庁舎建設事業について申しあげます。
 去る5月17日に発生した、現本庁舎3階解体工事における人身事故については、皆様方に大変ご心配をお掛けいたしました。けがをされた作業員の方は、命には別状ないものの、重傷により長期加療を要する状況とのことであります。心よりお見舞い申しあげますとともに、一日も早いご回復をお祈り申しあげます。
 現場では、豊岡南警察署及び但馬労働基準監督署による調査が行われ、但馬労働基準監督署から交付された指導書により、事故防止策を講じて工事を進めています。
 今後、二度とこのようなことが起きないように工事関係者及び監理者には、安全対策に万全を尽くすよう指示しております。
 現本庁舎は、4月末で曳家工事が完了し、新しい免震基礎の上に建っています。今後は、1階及び2階の補強・補修工事、3階部分の解体・復元工事及び外壁の補修工事を行っていきます。また、新庁舎は、いよいよ7階建ての躯体工事に入ります。
 工事の進捗については、庁舎建設敷地内で自然由来による鉛が検出され、関係機関等との協議に時間を要したことなどのため、計画より遅れています。
 昨年の工事着手以来、できる限り遅れを取り戻すよう施工方法や手順等を検討し、工事を進めてきました。しかし、土壌汚染対策法の規定に基づく指定基準値を超えた土壌の処分にかなりの制約があり、思うような工事の進捗が図れず、現時点で約4カ月の工事の遅れが生じています。
 5月末で土壌の搬出作業が終わり、本格的な躯体工事が始まるため工程の見通しが立てやすくなりました。しかし、今後のスケジュールを考えると、契約期限である来年3月25日の完成は厳しい状況となっています。
 具体的な完成時期については、現在工事の遅れを極力圧縮すべく関係者で検討が行われており、今後、追加費用の要否と併せ、関係者と調整のうえ見極めていきたいと考えています。

 次に、指定管理者制度について申しあげます。
 第2次行政改革大綱により、社会体育施設については、来年度末までに指定管理者制度へ移行できるかどうかの検討を求められています。それを受けて、植村直己記念スポーツ公園、出石総合スポーツセンター、出石B(ビー)&(アンド)G(ジー)海洋センター及び出石多目的屋内運動場をその移行対象とすることにし、今議会に関係条例の改正案と債務負担行為の設定に係る補正予算を提出しています。
 また、城崎地域には城崎温泉駅前駐車場、城崎鴻の湯駐車場及び城崎木屋町駐車場の3カ所の市営駐車場があります。現在、これらの駐車場の機器の故障や除雪等については総合支所の職員が即時に対応していますが、第2次行政改革大綱に基づく組織の見直しによりそれが困難となるため、来年4月から指定管理者制度に移行させることとし、今議会に関係条例の改正案を提出しています。

 次に、使用料の見直しについて申しあげます。
 現在、市及び市教育委員会が後援した団体に対し、当該団体が公共施設を利用する場合、冷暖房費を含めて3割減免を行っています。しかし、後援自体が支援であり、本来、後援と使用料減免とは直接につながるものではないこと、また、冷暖房費についても実費徴収であるため減免に適さないものであるところから、来年度に予定している公共施設の使用料の全体的な見直し作業に先行して、減免等の取り扱いについて検討を進めていきたいと考えています。

 次に、定住自立圏構想における圏域形成方針の策定について申しあげます。
 定住自立圏構想については、圏域の形成を但馬区域における取組みと豊岡市区域の取組みを合わせて進めているところですが、旧1市5町での取組みを定めた豊岡市区域について、圏域形成方針の策定案を先行して提出します。
 豊岡市区域における圏域の形成方針としては、後期基本計画に記載した項目を基本に取組みを進めてまいります。
 また、会期中に他市町の状況を踏まえながら、但馬区域における定住自立圏の形成協定案を、市町ごとに提出させていただきます。
 その後、形成方針の策定と併せて協定の調印式を行い、民間団体の代表者などによる検討を経て、具体的な事業を定めた5年間の計画書である「定住自立圏共生ビジョン」を9月末までに策定したいと考えています。

 次に、東日本大震災被災地支援について申しあげます。
 東日本大震災による被災地の復興には息の長い支援が必要であることから、豊岡としての支援を継続的に行いたいと考えています。
 行政のみならず、広く市民、団体にも呼びかけて、それぞれができることを持ち寄り、まずは3年程度の、行政と市民・団体が一体となった豊岡の「被災地支援計画」として取りまとめ、「私たちは忘れない」という被災地へのメッセージにしたいと考えています。
 行政としては、まず、「被災地へ行く支援」として、市民のボランティア活動への援助を行います。また、「被災地に送る支援」として、盆、正月前などの節目にメッセージを添えて豊岡の産品を届けます。経費については、市民の皆様にも支援金の協力を依頼するととともに、市内業者や生産者団体などにも協力を依頼します。さらに、「被災地から買う支援」として、経済復興を支援するため、被災地の産物を市内の業者の店頭やイベントなどで扱ってもらえるよう協力を依頼します。
 あわせて、現地のニーズ等を的確に把握するため被災地に職員を派遣し、関係機関、団体等とのつながりを強化し、適切な支援の実施につなげます。
 これまでに職員の派遣などをしてきた宮城県南三陸町を中心に支援を行いたいと考えています。

 次に、いのちへの共感に満ちたまちづくりに関連した事業について申しあげます。
 昨年9月定例議会にご提案しました「いのちへの共感に満ちたまちづくり条例」につきましては、慎重にご審議いただいておりますことに感謝申しあげます。
 いのちへの共感については、抽象的な言葉で伝えるよりも、具体的な取組みを通して、市民や地域、学校、事業者と行政が力を合わせてまちづくりを進めるべきものと考えています。
 当初予算の中で、いのちへの共感に満ちたまちづくり事業として、新規事業や事業の拡大をあげましたが、加えて、豊岡でいのちへの共感の取組みを実践している子どもたちや、まちづくりの実践家、豊岡に魅せられた人たちと語り合い、いのちへの共感とは何か、これからの豊岡のまちづくりにどのように活かすかを考える事業を展開します。
 まず、不妊治療について、経済的負担を軽減するために1年度当たりの助成上限額を10万円から20万円に引き上げます。
 また、世界的に活動を展開しておられるイラストレーター・グラフィックデザイナーの黒田征太郎氏を招き、いのちについて考える取組みを実践している子どもたちとの座談会やライブペインティングなどの事業を実施することとし、今議会にそれらに関する補正予算を提出しています。
 条例制定につきましては、議員各位のご理解を賜りますよう重ねてお願い申しあげます。

 次に、平成24年夏期節電対策について申しあげます。
 東日本大震災や関西電力管内の原子力発電所運転停止などにより、今夏の電力供給の悪化とその長期化が懸念されています。市では、豊岡市地球温暖化防止対策実行計画のさらなる推進と強化、節電意識の継続及び電力料金の軽減とCO2削減量の拡大を図るため、夏期ピーク時の使用量を意識しながら、日々の電力使用量抑制に取り組みます。
 節電目標は、事務所使用分を平成22年度比15パーセント減とします。
 実施内容としては、事務室照明の半減、冷房設定温度の従来の28℃から29℃への引上げ等昨年の取組みに加え、今年度の新たな取組みとして、照明器具を従来の蛍光管から省電力管へ交換します。蛍光管の交換本数は約2,000本を予定し、これにより年間電気量を竹野総合支所が使用する半年分に相当する約 10万8,000キロワットアワー、また電気代約220万円の削減を見込んでいます。

予算、決算

 続いて、平成23年度一般会計専決補正予算及び決算見込みについて申しあげます。

 まず、平成23年度一般会計専決補正予算第11号についてです。
 地方譲与税・各種交付金・特別交付税等が確定したところ、予算額を上回る歳入額となりました。今後の財政見通しを踏まえた上で、財政調整基金へ5億3千万円を積立てることとし、去る3月30日に専決処分しましたので、今回、報告案件として提出しています。
 平成23年度の決算については、市税収入が予算額に対して3億円を超える増収となる見込みであることや、国庫支出金等の歳入増、歳出経費の不用額などにより、実質収支では約10億円の黒字となる見込みです。平成22年度の実質収支額との差引きである単年度収支も、約3億円の黒字となります。
 また、年度中の基金への積立金や取崩し額、繰上償還額など黒字・赤字要素を加味した実質単年度収支は約23億円となります。財政指標から分析すると、財政運営は概ね適切にできたものと考えています。

 次に、平成24年度一般会計補正予算について申しあげます。
 一般会計補正予算第1号については、緊急やむを得ないもののみ補正することとし、豊岡エコポイントや来年度から指定管理者制度を導入する施設の管理者を公募するための債務負担行為、東日本大震災支援経費や特定不妊治療助成の拡充、いのちへの共感に満ちたまちづくりの推進、城崎温泉総合まちづくり計画及び神鍋地域活性化計画の策定、北近畿豊岡自動車道の延伸に伴う誘客促進宣伝などを含めた総額で2億9,336万4千円を計上し、それに必要な財源は地方交付税等で措置します。
 財政運営については、引続き一層の財源の確保と経費の節減合理化に努め、中長期的な視点に立った節度ある運営に十分留意し、財政体質の健全化に努めてまいります。
 以上をもちまして、私の総括説明を終え、各議案の詳細については、担当部長から説明いたしますので、よろしくご審議いただき、適切なるご決定を賜りますようお願い申しあげます。
ありがとうございました。

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