平成25年第1回豊岡市議会(定例会)市長総括説明

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 3月1日、第1回豊岡市議会定例会の議案提出に当たり、中貝市長が、施政方針と、当面する市政の諸課題、提出議案の主なものについての説明(市長総括説明)を行いました。

 おはようございます。
 平成25年第1回豊岡市議会定例会の開会にあたり、議員各位のご健勝をお喜び申しあげますとともに、日頃のご精励に対し、深く敬意を表します。
 今議会は、平成25年度の当初予算を始め、諸案についてご審議いただく、極めて重要な定例会です。
 本日、私から提出いたします案件は、報告事項2件、事件決議14件、条例9件、予算26件の合計51件です。
 なお、会期中に事件決議1件、人事案件1件、予算1件を追加提出する予定としておりますので、あらかじめご了承賜りたいと存じます。
 このたび、豊岡市がフジサンケイグループ主催の第22回地球環境大賞の審査委員特別賞を受賞することになりました。
 この賞は、同グループが「産業の発展と地球環境との共生」を目指し、産業界を対象とする顕彰制度として世界自然保護基金(WWF)ジャパンの特別協力を得て創設したものです。現在は、環境活動に熱心な自治体も対象になっています。
 授賞式は、秋篠宮同妃両殿下ご臨席の下、4月22日に行われる予定です。
 豊岡市の環境経済戦略が高く評価されたもので、豊岡エコバレー実現に向けて大きな弾みとなるものと喜んでいます。
 2月18日からフランスなどで販売開始された「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」の改訂第3版のフランス語版で、城崎温泉が「近くにいれば寄り道をして訪れるべき場所」を意味する二つ星で掲載されました。
 さらに、気比の浜、竹野浜、出石の辰鼓楼、永楽館、家老屋敷、酒蔵なども掲載され、コラムでは「コウノトリ野生復帰の取組み」が紹介されています。
 グリーンガイドは、観光ガイドブックとして1世紀もの歴史を持ち、フランスのみならず世界各地に影響力のあるガイドブックとして知られています。外国人観光客の増加に弾みがつくことを期待しています。将来的には、三つ星の「わざわざ旅行する価値がある」と評価されるよう、地元とともに取組みを進めていきたいと考えています。
 改築中の六方川排水機場については、3月26日に六方川防災組合主催で竣工式が行われる運びとなりました。
 現在の排水機場は、竣工以来55年が経過し、施設やポンプ等が老朽化したため、平成20年度から県が国の六方排水機場敷地内において改築工事を進めてきたものです。計画排水能力は毎秒18立方メートルで、現排水機場と同じではありますが、最新鋭のポンプが整備され、周辺地区の床上浸水被害の解消が期待されるところです。
 さて、私に与えられた任期も残り2カ月となりました。
 この4年間、何よりもまず、私たちを絶えず脅かしている四つの危機、すなわち、(1)災害の危機、(2)地域経済衰退の危機、(3)財政悪化の危機、(4)コミュニティ崩壊の危機に対処し、備えを強化する取組みを進めてきました。
 同時に、「小さな世界都市」の実現を目指し、議会のご指導も得ながら、職員と一丸となり、市民の皆様と力を合わせて、様々な努力を重ねてきました。
 幸い、コウノトリの野生復帰を通じて豊岡は世界の中で輝き始め、さらに山陰海岸ジオパークの世界認定、円山川下流域と周辺水田のラムサール条約登録などによって、豊岡は着実に「小さな世界都市」への歩みを進めてきました。
 豊岡には困難な課題が横たわっている半面、大きな希望と目標があります。
 私に与えられた任期はまもなく終了しますが、引続きご支持を得て、市民の皆様の先頭に立ち、市民の皆様と泣き笑いを共にしながら力を合わせ、果敢に、大胆に、危機に立ち向かいつつ、「小さな世界都市」の実現を図りたいと考えています。
 合併特例消滅に伴う財政の危機については、対処するための門限がはっきりとしており、合併を主導した者の責任として、次の4年で乗り切るめどを必ずつけてまいります。
 併せて、高い自治の気概と優れた自治能力を持つまち、歩いて暮らす健康なまち、命への共感に満ちたまちを創造してまいります。
 また、スリムで、意欲に溢れ、生産性の高い行政組織を育ててまいります。
 議員各位のご理解を賜りたいと存じます。
 ここで、新年度予算について申しあげます。
 選挙直前ではありますが、市政の継続性とスピードを重視する観点から、骨格予算ではなく、本格予算としています。
 豊岡市として新年度予算に込めた最大のねらいは、「危機に立ち向かい、『小さな世界都市』に向けて、果敢に、大胆に、挑戦を続ける」です。
 私たちは、依然として大きな四つの危機に直面しています。その危機はむしろ高まりながら近づきつつあると言えます。
 一つ目は、災害の危機です。幸い治水対策は着実に進みつつありますが、人間の努力を超える自然の脅威は、必ずやってきます。また、堤防が高くなり、強化されることは、逆にひとたび決壊した場合は被害が更に大きくなる可能性を持っています。大正14年の北但大震災のような地震災害に対する備えもしっかりやっていかなければなりません。自助、共助、公助の組合せで、市全体の災害対応能力を高めてまいります。
 二つ目は、地域経済衰退の危機です。人口減少によって市の経済は右肩下がりとなっています。下方圧力が今後更に強まります。豊岡エコバレーと大交流の実現を柱に、経済成長戦略を更に進めてまいります。
 三つ目は、財政悪化の危機です。平成28年度以降、合併特例は漸減し、平成32年度をもって完全になくなります。その間、市の財政は、歳入の方で、急傾斜地を転がり落ちていくような事態が予測されます。備えをしっかりと進めます。
 四つ目は、コミュニティ崩壊の危機です。過疎・少子・高齢化が進み、集落の崩壊が始まっています。小学校区単位でのコミュニティの強化を目指し、新しいコミュニティのあり方を探ってまいります。
 「小さな世界都市」の実現では、(1)豊岡固有の自然、歴史、伝統、文化に根ざしたまちづくりを進める、(2)環境都市「豊岡エコバレー」を実現する、(3)「小さな世界都市」市民を育てる、(4)情報発信戦略を展開する、(5)交流基盤の整備を促進する、の五つの柱を同時に進めてまいります。「いのちへの共感」と「歩いて暮らす」をまちづくりの根底に据えながら、「小さな世界都市」の実現にまい進してまいります。

平成25年度予算

 次に、平成25年度予算の概要について申しあげます。
 国が策定する平成25年度の地方財政計画において、税収入については成長率を見込んで1.1パーセントの増とされている一方、社会保障関係経費が大幅な自然増となることから、引続き大幅な財源不足が生じるものとされています。
 このような厳しい状況の中、本市の平成25年度予算の歳入については、平成24年度当初予算と比較して、たばこ税、個人市民税、入湯税等の増額を見込み、市税全体で1億4,709万6千円の増額としています。また、地方交付税については、起債償還への措置額の増により、普通交付税を3億円の増額としています。市債については、新庁舎建設等の大型事業の進捗により33億5,110万円の減額となっています。自主財源は歳入全体の31.2パーセントで、平成24年度と比較して1.0ポイント改善しているものの、依然として脆弱な財政構造となっています。
 歳出については、「小さな世界都市」の実現を目指して、五つの柱に重点的な予算付けを行い、一般会計では総額457億1,112万9千円、平成24年度当初予算対比7.2パーセントの減の予算としています。3月補正予算で追加し平成25年度への繰越しとなる、国の補正予算等により追加した事業を加えると、実質的には472億1,423万9千円、4.1パーセントの減となります。
 予算全体としては、一般会計のほか八つの特別会計の予算総額187億7,764万2千円及び三つの企業会計の予算総額127億3,332万円を合わせ、総額772億2,209万1千円、平成24年度当初予算対比3.8パーセントの減となっています。
 なお、国の補正予算等により追加した事業を加えると、実質的には総額789億4,620万1千円、1.7パーセントの減となります。
 とりわけ、投資的経費は60億400万円で、新庁舎建設推進事業費や但馬空港周辺整備事業費等の大幅減により、平成24年度予算と比べ、39.5パーセント、39億1,700万円の減額となっています。
 平成25年度の予算を産業連関表に基づき経済波及効果を試算しますと、人件費等を除く最終需要額は475億円で、1.47倍の698億円の効果を生むものとなります。雇用についても、緊急雇用就業機会創出事業の雇用者も含めて4,313人の雇用効果があるものと試算しています。
 平成25年度も厳しい経済雇用情勢に適切に対応しつつ、行政改革を着実に実行するとともに、歳出の徹底した見直しによる抑制と重点化を進めます。
 また、歳入面でも自主財源について積極的に確保を図るなど中長期的な視点に立ち、効率的で持続可能な財政運営に努めてまいります。
 続いて、前倒し的に平成24年度補正予算で予算化し、平成25年度に繰越して実施する事業を含め、平成25年度に取り組む主な施策等について、総合計画の体系に沿ってご説明申しあげます。
 なお、教育行政の方針に基づく施策の展開については、教育長から別途ご説明申しあげます。

安全に安心して暮らせるまち

 第1に、「安全に安心して暮らせるまち」についてです。
 防災・減災力の向上、消防・救急体制の充実を図るとともに、交通安全・防犯意識の高揚に努め、安全な暮らしづくりを進めます。
 また、生活習慣病予防や健康づくりの支援、医療環境の確保、各種福祉施策や社会保障の適正実施等、安心しておだやかに暮らせるまちづくりを進めます。

安全を守るまちづくり

 具体的には、「安全を守るまちづくり」として、国、県と連携を密にし、円山川緊急治水対策事業の促進を図るとともに、引続き稲葉(いなんば)川土地区画整理事業に取り組みます。また、流下能力確保のため、新たに久田谷(くただに)川の浚渫を行います。
 日高町竹貫(たかぬき)地区の旧分譲宅地は、宅地事業を廃止しますが、土地の一部が造成工事に着手後放置されたままの状態のため、雨水排水処理等の工事を実施します。
 また、合併前に整備した異なる四つの防災行政無線システムの統合操作システムを構築するとともに、今年度から構築中の土砂災害危険度判定システムについてはシミュレーションによる検証を行います。
 さらに、新たに市指定避難所である地区集会施設に対する耐震化整備補助金を創設するとともに、引続き住宅耐震改修を促進します。
 学校施設については、平成27年度の耐震化完了を目指し新田小学校ほか3校の補強改修実施設計を進めるとともに、平成24年度補正予算で八条小学校ほか4校の耐震補強・改修工事を行います。
 また、日高地域の旧蚕業技術センター跡地に防災公園を整備します。
 市の戸籍正本データと管轄法務局の戸籍副本データの被災による同時消滅を防止するため、法務省の管理センターへのデータ送信に係る戸籍システムの改修を行います。
 地域防災力の向上に向けて、引続き消防ポンプ自動車などの更新、資機材整備への補助を行うとともに、自主防災組織の実態調査や防災ワークショップ、出前講座を行います。
 新庁舎においては、災害対策本部等で活用する防災システムを構築します。
 消防では、老朽化が著しい豊岡消防署城崎分署の新庁舎建設工事に着手します。また、引続き救急救命士等を計画的に養成するとともに、消防救急デジタル無線整備の実施設計を行います。
 安全な暮らしを支えるため、消費生活相談員の育成及びレベルアップを図ります。

安心しておだやかに暮らせるまちづくり

 「安心しておだやかに暮らせるまちづくり」として、新たに健康ワンポイント情報を発信します。健康ポイント制度や健康づくり推進モデル事業を継続し、歩キング活動の促進を図ります。スマートウエルネスシティ総合特区による健康クラウド整備を行います。
 但馬の産科を守り、ハイリスクの妊娠、胎児、新生児に対応する周産期医療センターを豊岡病院に整備するための負担金を拠出します。
 未熟児が生後速やかに適切な処置を受けるために、新たに未熟児養育医療費助成を行うとともに、妊娠・子育て中の親を対象に子育て育脳セミナーを開催します。
 肝炎ウイルス検査の受診勧奨をするため、新たに検査の無料クーポンを節目年齢者に発行します。
 高齢者に対しては、引続き日常生活の援助を行う軽度生活援助、バリアフリー化や手すり設置等安全な住宅改造への助成を行います。
 認知症対策として、認知症地域支援推進員を配置し、認知症サポート医巡回相談などによる医療と介護の連携強化や、認知症に関する知識の普及・啓発、地域における支援体制の構築を図ります。
 また、新たに、ひとり暮らし高齢者等に、「かかりつけ医」「持病」「緊急連絡先」等の情報を記入した用紙を入れる救急情報キットを配布し、急病などの緊急時に、救急隊がその医療情報を確認することで、より迅速な救急活動につなげます。
 公共交通機関を利用することが困難な高齢者や人工透析患者等の通院などを支援するため、外出支援サービス助成事業を実施します。
 障害者の支援では、障害者相談支援事業所の充実を図るとともに、自立と社会参加の促進に向けて、引続き自立支援給付、地域生活支援事業などを実施します。障害者虐待防止センターによる障害者の虐待防止やその早期発見、関係機関等との協力体制の強化を図ります。
 また、視覚障害者のコミュニケーション支援として、声の広報のCD化を継続し、聴覚障害者支援として、引続き手話通訳者、要約筆記者派遣事業を実施し、障害者等の社会参加を促進します。
 社会問題化している若者の「ひきこもり」に対応するため、当事者やその家族の相談窓口を明確にするとともに、より効率的な支援を行うため、関係機関が相互に連携し、包括的な支援を行うことができる仕組みづくりを進めます。
 介護保険については、第5期介護保険事業計画に基づき、介護予防の推進を図るとともに、介護サービス利用者の支援、介護保険基盤の安定化など円滑な運営に努めます。
 在住外国人に対しては、コミュニケーション支援のための日本語教室の開催や日常生活相談などにより、多文化共生を進めます。

人と自然が共生するまち

 第2に、「人と自然が共生するまち」について申しあげます。
 コウノトリ野生復帰をシンボルとして、コウノトリも住める豊かな環境を創造するとともに、環境経済戦略を推進します。
 また、循環型のまちづくりや、環境美化事業の推進、快適で美しいまちづくりを進めます。

人と自然が響き合うまちづくり

 具体的には、「人と自然が響き合うまちづくり」として、コウノトリ生息地保全対策事業を進めます。生息地保全管理のための作業員を新たに配置し、整備を進めてきた市内湿地ネットワークの機能向上を図ります。
 国土交通省による自然再生事業として整備が進められている「加陽湿地」については、市は閉鎖型湿地周辺の管理に関わっていきます。この湿地を中心に、将来の中郷遊水地構想を含めた新たな拠点の夢を描くべく「加陽湿地拠点整備・管理計画」を策定します。
 加陽湿地は、コウノトリの生息を支える重要なポイントです。平成27年開催予定のラムサール条約締約国会議・COP12(コップ・トゥエルヴ)において、加陽湿地を含めた登録エリア拡大を目指します。
 また、コウノトリ野生復帰の検証事業に着手します。豊岡でコウノトリ野生復帰を核に進められてきた多岐にわたる取組みを、総合的に評価・検証し、「ひょうご豊岡モデル」としてまとめ、今後の事業展開に活かすとともに、国内外の自然再生事業の進展に貢献します。
 環境都市「豊岡エコバレー」の実現に向けて、東北大学大学院との共同研究事業として、昔の生活の知恵から未来の豊かな暮らしをデザインするヒントを見つけ出し、そこから「豊岡らしさ」を活かした「豊岡型ライフスタイル」を創造、実行するべく調査・研究を進めます。

循環型のまちづくり

 「循環型のまちづくり」については、引続き公共施設へのペレットストーブ、ペレットボイラーの設置を進めるとともに、個人についてもペレットストーブに加えて、新たに薪ストーブ導入に係る費用の助成を行うなど、バイオマスタウン事業を推進します。
 また、太陽光発電システム導入補助を継続するとともに、環境都市「豊岡エコバレー」のシンボルとして第2期山宮大規模太陽光発電所を整備します。日高町堀の市遊休地を民間へ貸し付け、太陽光発電事業の促進を図ります。
 さらに、新エネルギー導入の検討を進めるとともに、豊岡エコポイント制度を推進し、市民、事業者の環境活動を促進します。
 北但ごみ処理施設については、北但行政事務組合と一体となって進捗を図ります。
 ごみ量増加の原因となっている直接搬入ごみのうち、事業系ごみを対象に市内事業所を訪問し、ごみ減量及び資源化推進を呼びかけるキャンペーンを実施します。

快適で美しいまちづくり

 「快適で美しいまちづくり」については、安全で良質な水道水の安定供給のため、耐用年数を経過した老朽管や設備の更新を行うほか、引続き城崎及び港地区の水道施設整備、竹野町宇日の配水池改築工事を進めます。下水道施設については、効率化に向け統廃合に取り組むとともに、公共下水道の広域集中監視装置の設置工事に着手します。

持続可能な「力」を高めるまち

 第3に、「持続可能な『力』を高めるまち」について申しあげます。
 経済成長戦略を中心として農林水産業、商工業、観光・サービス業など産業全般にわたる振興策を推進し、地域経済を元気にするまちづくりを進めます。
 また、住環境や道路網の整備、公共交通の確保・充実、魅力ある景観形成や地域情報化の推進などにより、賑わいと魅力あるまちづくりを進めます。

地域経済を元気にするまちづくり

 具体的には、「地域経済を元気にするまちづくり」として、外国人観光客の誘客を促進するため、外国人観光客をターゲットとしたフリーペーパーへの広告掲載、メディアの招聘、モニターツアーの実施を行うとともに、海外のガイドブックへの広告掲載等により豊岡の知名度アップを図ります。
 また、豊岡を扱った「ことりっぷダイジェスト版」を作成し、主要なサービスエリア等への掲出を行うとともに、首都圏からのツアーバスへの補助に加えて、中京圏の主要マーケットでもフリーペーパーなどを活用して情報発信を行います。
 志賀直哉来訪100周年、山陰海岸国立公園指定50周年を記念して、誘客促進につなげる取組みを進めます。
 山陰海岸ジオパークについては、引続き玄武洞や竹野海岸等へのガイドの配置、ジオサイトの保全を行います。また、玄武洞公園の落石防止等に係る安全対策工事や休憩棟内等の展示整備、神鍋溶岩流遊歩道の整備等を行い、ジオパークの積極的なPR、魅力の向上及び利便性の確保に努めます。
 農業では、新たに「豊岡農業スクール」を開設し、就農意欲の高い若者に生産技術力、経営管理能力及び環境創造型農業等を習得していただき、将来の独立自営就農又は雇用就農につなげます。また、青年の就農意欲の喚起と就農後の定着を図るため、青年就農給付金等の支援を行います。
 「コウノトリ育むお米」は、供給が需要に追いつかない状況となっているため、関係者と協力し耕作面積の拡大を図ります。
 コウノトリ育む農法の普及拡大のため、市内の水稲栽培農家全戸を対象にした意向調査を行い、同農法に対する意識や課題を掌握するとともに、新たに5集落を対象にコウノトリ育む農法集落まるごと事業やコウノトリ大豆の普及拡大の支援を行います。また、水利の確保が同農法の普及の課題となっているため、六方地区の冬期及び早期湛水量の調査・検討を行います。
 農産物のブランド化を促進するため、引続き有機JAS取得補助を行うとともに、農地集約により農業の競争力と体質強化を図るため、国の農地集積協力金制度を推進します。
 特産物振興では、黒大豆に加えて、新たに朝倉さんしょの生産に対する助成を行います。
 地域農業を担う経営体や生産基盤となる農地の確保にあたり地域農業マスタープランを作成した組織に対し、新たにプラン作成支援費を交付します。
 米の需給調整を推進するため、規模拡大を目指す担い手農家の需給調整米の取組みに対し、新たに助成金を交付します。
 農業基盤整備として、大門地区の水路、蓼川堰の改修を進めるとともに、激特事業の河川掘削残土の仮置き場に利用されていた下鶴井地区のほ場の再整備に向け、地形図の作成を行います。
 農業用施設の安全確保と長寿命化を図るため幹線農道の橋梁、トンネルの調査・点検、ゲート等の修繕を実施します。
 有害鳥獣対策については、引続き有害鳥獣駆除対策事業や有害鳥獣防護柵等設置事業などに取り組みます。
 畜産業では、希少系統となっている城崎系但馬牛の認知度向上のため、パンフレットやのぼり旗等によるPRを推進します。また、繁殖和牛農家が一時的休暇を取得する際のヘルパー利用について、新たに補助制度を設けます。
 林業では、市行造林事業や森林管理100パーセント作戦推進事業、混交林整備事業、松くい虫防除事業、緊急防災林整備事業を継続します。また、新たに地域住民自らが実施する森林、里山林整備に対する補助を行うとともに、ヤマビルの拡散抑止のために防除薬剤の配布を行います。
 水産業では、竹野地区漁港の漁港施設の改修及び藻場造成、田結漁港の浚渫及び漂着ごみの撤去を行うとともに、「津居山かに」のブランド化に向けタグの支援を継続します。
 商工業では、豊岡駅通りを中心とした中心市街地活性化基本計画に基づき、宵田商店街活性化事業、南庁舎別館利活用事業等により市街地の活性化を図るとともに、起業サポート奨励金制度を推進します。
 企業誘致では、関西圏の産業展への出展、企業情報の収集等を行うとともに、新たに企業誘致適地調査やホームページのデザイン刷新を実施します。
 経済成長を推進するため、ものづくり企業等への支援、労働力確保支援、食の都づくり、環境経済事業拡大、産官学連携などに取り組みます。

賑わいと魅力を創るまちづくり

 「賑わいと魅力を創るまちづくり」としては、北近畿豊岡自動車道に関係する高屋等16地区で地籍調査を行います。
 日高地域のJR江原駅を中心とする市街地及びその周辺部については、現在、都市計画法に基づく手続きを進めており、今議会に「豊岡市特定用途制限地域における建築物等の制限に関する条例」案を提出し、今年4月に用途地域及び特定用途制限地域の指定を行いたいと考えています。
 住環境の整備では、住宅マスタープランにより用途廃止した元薬師1号住宅を取り壊し、有効活用を図るため用地測量を実施します。また、「豊岡エコバレー」の実現を目指し、豊岡版エコハウスの普及促進に努めます。
 道路網では、市道阿金谷轟(あこんだにとどろき)線等の道路整備を進めるとともに、柳東条(やなぎとうじょう)線等の舗装修繕などを進めます。
 また、良好な河川環境維持のため、地区等が河川浚渫を行う場合に補助する普通河川浚渫補助制度を継続します。
 さらに、雪害対策事業として、中山虫生(むしゅう)線等の消雪ノズル交換、歩道用小型ロータリー除雪車の更新、坊岡区内線の消雪設備整備を行うとともに、区の除雪機購入に係る補助を継続します。
 橋梁では、長寿命化修繕計画に基づき、著しい損傷を受けている杵ケ滝(きねがたき)橋等の補修を行います。
 鉄道対策では、山陰本線・播但線高速化に向けた取組みを進めます。また、鉄道利用促進策として、北近畿タンゴ鉄道の企画列車の旅「市民号」への助成を行うとともに、豊岡駅を温かく親しみやすい駅にするための取組みを実施します。
 JR江原駅の東西を結ぶ「We(ウイー)ぷらざ」については、劣化が進んでいる広場の部分改修を行うとともに、JR江原駅東西駐車場の補修を行います。
 バス交通対策では、イナカー及びコバスの運行を継続し、市民生活に必要なバス路線の運行維持に努めます。地域主体の公共交通であるチクタクについては、3地区での運行を継続するとともに、「チクタクひぼこ」において予約システムを継続運用します。
 航空対策では、ターゲット70(ななまる)を中心としたコウノトリ但馬空港利用促進を継続するとともに、東京直行便の実現に向けて、国、運航事業者へ要望を続けます。
 都市計画関係では、豊岡中心地区及び城崎地区の地区構想の策定を行います。
 魅力ある景観の形成については、屋外広告物条例を制定するとともに、景観計画に基づく施策を実施します。
 また、都市公園長寿命化計画を策定するとともに、東山公園の繁茂した樹木の伐採及び展望台の修繕、神武山公園の旧水道タンクの撤去及び跡地の公園整備を行います。

活力を生むまちづくり

 「活力を生むまちづくり」としては、空き家バンク制度、田舎暮らし体験施設、過疎地域や辺地集落等にある空き家バンク登録物件の改修費用補助制度を継続します。モデル事業として、地区単位で空家情報を調査して集約し、それを活用する但東町資母地区の住民の活動に対して新たに助成をします。
 さらに、若者の定住促進及び公共交通利用促進の観点から、高校生の通学バスの定期代の一部を補助する制度を継続します。

未来を拓く人を育むまち

 第4に、「未来を拓く人を育むまち」について申しあげます。
 安心して子どもを産み、育て、子どもたちが心身ともに健やかに成長できるまちづくりを進めるため、市民・事業者・行政が一体となって子育て支援事業の充実強化を図るとともに、教育環境整備に取り組みます。
 また、心豊かな人材育成を図り、郷土愛を育むまちづくりを進めます。

健やかで心豊かな子どもを育むまちづくり

 具体的には、「健やかで心豊かな子どもを育むまちづくり」として、総合的な子育て支援及び少子化対策を進めます。
 幼保対策については、保育料や通園の補助や少人数教育・保育を解消するための交流保育を実施します。育児に対する不安感や孤立感解消等のため、乳幼児健診時に子育て相談に応じ、その後の支援につなげます。
 学校施設については、長寿命化でコスト低減を図るとともに、計画的に老朽化対策を講じるため、既存施設の老朽度調査を行います。
 校園庭の芝生化については、1幼稚園、4小学校、1中学校で実施します。完成後の幼稚園・小学校の芝生化率は、80パーセントとなります。
 交流については、韓国・モンゴル・アメリカへの小中学生を中心とした訪問団の派遣・受入事業などを継続します。
 安心安全な給食の提供のため、今年9月の供用開始に向け、豊岡学校給食センター炊飯施設の増設、出石学校給食センターの建設、日高給食センターのアレルギー専用調理室の増築を進めます。

人生を楽しみお互いを支え合うまち

 第5に、「人生を楽しみお互いを支え合うまち」について申しあげます。
 様々な学習の機会と場が提供され、歴史・伝統や香り高い優れた芸術・文化に触れることにより、お互いを尊重しつつ、誰もが日々の暮らしを楽しむことのできるまちづくりを進めます。
 また、生涯学習や交流の拠点づくりなどで、住民主体のコミュニティ活動を推進し、地域力の向上を図り、お互いを支え合う自立したまちづくりを促進します。

日々人生を楽しむまちづくり

 具体的には、「日々人生を楽しむまちづくり」として、出石永楽館において、引続き歌舞伎や狂言の公演を実施します。
 文化財保護としては、旧中和(なかわ)家住宅の活用に向けた保存修理を行います。また、歴史的価値が高く、国史跡にも指定されている但馬国分寺跡を活用するため、用地取得等を行います。
 また、生涯スポーツの充実を図るため、老朽化が著しい港西小学校の夜間照明設備の全面改修を行います。

お互いを支え合うまちづくり

 「お互いを支え合うまちづくり」として、小規模化により活力が低下しつつある集落の維持・活性化を図るため、小規模集落活性化事業を継続します。
 また、過疎地域戦略プロジェクトの実施、地域の活性化やコミュニティ活動の促進を図る団体への支援として地域力再生事業を継続します。

市政の運営

 第6に、「市政の運営」について申しあげます。
 それぞれのまちの固有の自然・歴史・伝統・文化を尊重し、特色あるまちづくりを進めます。

特色ある地域の成長と連携

 具体的には、「特色ある地域の成長と連携」として、豊岡地域では、玄武洞公園を活用したジオパークの拠点整備、コウノトリ野生復帰などの取組みを更に強く国内外に情報発信し、地域の活性化を推進します。
 城崎地域では、過疎地域戦略として、「奇跡の温泉街“きのさき”の新たな挑戦」をキャッチフレーズに、城崎総合まちづくり計画の推進、外国人向け観光ガイドブックの作成、無電柱化事業等の推進を図ります。
 また、「日本一浴衣の似合うまち 城崎温泉」として、「ミスゆかたコンテスト」を首都圏等で強力に情報発信していきます。

 竹野地域では、スノーケル体験など、海・川・山を活かしたツーリズムにより参加体験型・滞在型の観光を進めるとともに、過疎地域戦略として「たけのスタイルの推進」をキャッチフレーズに、ジオコンシェルジュ育成、竹野ジオエリア拠点施設整備などを行います。
 また、引続き「三原谷の川の風まつり」や「竹野浜オープンウォータースイミング大会」などを支援します。
 日高地域では、神鍋高原に日本女子ソフトボール1部リーグなど各種スポーツ大会や合宿を誘致し、スポーツのメッカ・観光スポットとして振興を図ります。
 神鍋高原の知名度を全国に高め、誘客を促進するため、ウオークイベント「兵庫・神鍋高原ジオウオーキング」を開催するとともに、日本トレッキング協会のコース認定を目指し取組みを進めます。
 また、道の駅「神鍋高原」の隣接地に、来春の開設を目途に新神鍋高原温泉施設を整備するとともに、閉館となる「かんなべ湯の森ゆとろぎ」を有効活用する事業提案を募集し、地域の活性化につなげていきます。
 出石地域では、出石永楽館を活用して文化の向上と地域の活性化を図り、日本の伝統芸能の素晴らしさと永楽館の魅力を発信します。
 伝統的建造物群保存地区保存事業を進めるとともに、史跡山名氏城跡整備計画の精査、出石城石垣の現状調査に着手し、観光振興を図ります。伊藤清永美術館では、ピカソを始めとする世界の巨匠の展覧会など、年間を通して特別展などの展覧会を開催し、市民が絵画を楽しめる場を提供します。
 また、奥山地区地域再生拠点等プロジェクトとして、田舎暮らし体験拠点施設の整備を行います。
 但東地域では、花をテーマとした但東花公園を中心として、農業体験ができる農家民宿、地域住民と行政が一体となったチューリップまつりなどの交流イベント、恵まれた自然と連携したグリーンツーリズムなどにより、交流人の増加を図ります。
 また、過疎地域戦略として「たんとう“きずな”プロジェクト」をキャッチフレーズに、集落支援員の設置、アドバイザーの派遣、地域組織運営支援など、集落対策事業の推進を図ります。観光については、情報発信機能を高めるため、観光協会の組織・事務局体制の強化を支援します。
 さらに、いのちの教育推進事業に取り組み、東井教育の普及を図ります。
 このような六つの地域の豊富な資源を活かすとともに、地域の連携を図り、特色ある地域づくりとまちの活性化を更に推進し、市民の皆様と一体になったまちづくりを進めます。

参画と協働のまちづくり

 「参画と協働のまちづくり」については、市民と市の信頼関係によるまちづくりを進めるため、市議会の様子を今年9月議会からインターネットライブ中継で公開するためのシステムを整備します。
 また、対話と共感の市政を推進するため、市の広報紙「広報とよおか」及び市ホームページに関するアンケート調査を実施します。
 地域ごとの課題を地域内で解決できる新たな組織や活動拠点のあり方等について検討するため、市民による検討委員会を設置し、「新しいコミュニティのあり方実施計画」を策定します。
 男女共同参画では、モデル地区を設定して啓発を行うとともに企業向けセミナー等を開催します。

新しい時代にふさわしい行政経営

 「新しい時代にふさわしい行政経営」については、効率的、効果的な組織体制とするため、総合支所を支所とし、所管事務の変更や部署の統廃合等を行います。
 また、来年度末をもって第2次行政改革大綱推進期間が終了するため、来年度に第3次行政改革大綱を策定します。財政体質の改善を図るため、引続き行政改革を徹底的に推進します。
 さらに、定員適正化計画に基づいて職員数の着実な削減を図るとともに、職員の資質向上のため、引続き総務省消防庁、環境省及び東邦物産に職員を派遣します。
 新庁舎については、今年8月の開庁に向けて、建築工事、電気設備工事及び機械設備工事の7月25日の完成を目指します。
 また、平成26年度に開催予定の但馬の祭典20周年記念事業「夢たじま2014」に向けた取組みを進めます。

主要項目

 続いて、主な項目の詳細についてご説明申しあげます。
 まず、水害時における市民の安全確保推進事業についてです。
 来年度からの3カ年事業で取り組みます。
 近年、風水害時にあらかじめ指定された避難所へ避難する、いわゆる水平避難の途中で被災する事例が多発しています。水平避難は、多くの場合悪天時の屋外移動であることから一定のリスクを伴います。そのため、画一的に水平避難を推し進めるだけでなく、自宅の2階以上に避難する垂直避難も選択肢として考えるなど、状況に応じた避難対策が必要です。
 安全な避難行動をとるためには、(1)安全な場所、(2)安全な経路、(3)安全なタイミングの3原則の徹底が求められます。これらを体系的に市民に示すことが市民の安全確保の促進につながります。
 このため、NPO法人環境防災総合政策研究機構と連携し、市民の避難行動の実態を把握しながら、よりリアリティのある避難情報の発令基準を設けるとともに、市民の避難判断を支援する手引書等を作成し、安全な避難行動を促進します。
 3カ年事業の初年度である来年度は、地域に関わる機関、組織を中心とした(仮称)市民安全確保推進会議を設け、安全確保行動マスタープランを策定します。
 次に、平成25年度の災害時職員配備体制について申しあげます。
 総合支所2課体制を支所1課体制に組織変更することに伴い、災害時の職員配備体制を見直します。
 災害時の総合支所への職員派遣は、現在、旧町出身者を優先した個人単位で行っています。しかし、派遣元である本庁とのつながりを欠き、全市的な災害対応の妨げとなっているため、来年度からは、本庁各部において事前にチーム編成をし、チーム単位で職員を派遣することにします。
 チーム派遣により、(1)部単位での訓練が可能になり、災害対応がより組織化される、(2)チームの一員として職員の自覚が高まる、(3)職員は派遣先でも帰庁後でも同一の防災業務に当ることができるなどの効果が期待できます。
 また、地域本部の災害対応は、応急活動が必要な初期段階に限ることとし、避難勧告、避難指示については、引続き支所長が行います。平時の備えや被災後の災害復旧は、本庁各部が一括で対応します。これにより、組織が縮小された支所の負担を減らし、速やかな災害対応を行います。
 現在、各総合支所の防災体制は、地域本部、地域工務部、地域避難部、地域救護部、地域調査衛生部の5部に、地域消防部を加えた6部体制です。災害対応の効率を考えて、この内の地域避難部と地域救護部を統合して地域避難救護部とします。
 職員数の計画的削減により、防災対応に当たる職員は支所・本庁ともに年々減少しますが、効率的な組織運営により最大限の効果を発揮したいと考えています。
 次に、(仮称)朝来医療センター整備について申しあげます。
 公立豊岡病院組合では、今年度、基本構想・基本計画に基づき、建設予定地を選定し、用地取得に向けて地権者との協議を進めています。今後、地権者の施工同意が得られ次第、設計業務に入ると伺っています。市も組合構成員として組合及び朝来市と連携し、整備を促進してまいります。
 次に、婚活事業への支援について申しあげます。
 豊岡市社会福祉協議会は結婚相談員による結婚相談を行っています。しかし、男性登録者に比べて女性登録者が少ないなど、結婚相談事業として成立しにくい状況となっているため、更に踏み込んだ新たな婚活事業を支援します。
 主な予定事業としては、(1)独身男女を結びつける(仮称)世話焼き結婚相談員の選任・配置、(2)結婚相談事業の登録者を増やすための市内企業等への働きかけ、(3)恋愛塾や婚活イベントの開催などです。
 事業期間は、当面来年度から平成27年度までの3年間を予定しています。
 次に、生物多様性地域戦略の策定について申しあげます。
 現在、まちづくりにおける生物多様性保全の基本方針と今後の具体行動を定めるべく、「生物多様性地域戦略」の策定作業を進めています。
 平成23年11月に、専門家、有識者、国県行政関係者、高校生代表6名などを含む検討委員会を組織して戦略の検討を進め、今月末には委員会による検討案がまとまります。市はその提案を受け、今年の夏頃を目途に戦略を策定します。
 次に、北但ごみ処理施設整備事業について申しあげます。
 北但行政事務組合では、設計、建設、運営を一体的に入札に付するDBO方式で施設の整備・運営を行うこととし、1月31日に入札公告を行いました。
 今月に入札参加表明の受付、6月に提案書の受付を行い、8月上旬に落札者を決定し、10月の組合議会に契約案件を提出する予定です。
 なお、施設整備及び施設設計施工監理業務に係る市負担分を、債務負担行為として平成25年度当初予算に計上しています。
 また、用地については、全体面積36.6ヘクタール中、相続手続き等を進めているものも含めて35.9ヘクタール、98.1パーセントが取得または合意済となっており、ほぼ終了したものと考えています。今後とも平成28年度の稼動に向けて全力で取り組んでまいります。
 次に、大規模太陽光発電事業について申しあげます。
 環境都市「豊岡エコバレー」のシンボルとして、再生可能エネルギーの地産地消とエネルギー利用の多様化を促進するため、昨年12月に第1期山宮地場ソーラーを竣工しました。
 第2期事業として旧山宮スキー場跡地に227.01キロワット、旧山宮グラウンド駐車場跡地に91.77キロワット、計318.78キロワットを設置し、第1期・第2期を合わせ、「山宮地場ソーラー」をメガソーラー発電所として運用開始したいと考えています。
 第1期と同様に株式会社カネカとの契約に係る議案を今議会に提出しています。
 また、12月定例市議会においてご了解をいただき、株式会社カネカと土地貸付契約を締結した日高町堀の市遊休地については、0.5メガワット程度の太陽光発電施設を設置するとして、現在、開発に向けての各種手続きが進められています。今年6月を目途に工事着手される予定です。
 なお、宅地事業廃止の準備を進めている日高町竹貫地区の旧分譲宅地についても、手続きの終了後、市が事業主体となって、0.5メガワット程度の太陽光発電施設を設置したいと考えています。
 次に、騒音・悪臭の規制区域及び規制基準の見直しについて申しあげます。
 騒音規制法、振動規制法及び悪臭防止法が平成24年4月1日に改正され、規制区域と規制基準の設定権限が知事から市長に移譲されました。
 その後今日まで、合併前の市町の考え方に基づき知事が設定したものを適用していましたが、設定の考え方が統一されていないため、このたび統一的に見直しを行うこととしました。
 騒音の規制区域については、都市計画法の用途地域の指定がある地域は、用途地域の種類別に第1種区域から第4種区域に設定し、用途地域の指定がない地域については、第2種区域に設定します。ただし、企業振興の観点から用途地域の指定がない地域の内、日高、出石の一部区域を第3種区域とします。
 悪臭の規制区域については、都市計画の工業地域・工業専用地域及び農振地域整備計画の農用地区域を順応地域とし、それ以外を一般地域として設定します。
 騒音、振動及び悪臭の規制基準については、いずれも県内で統一された考え方で設定されているため、変更しないこととします。
 規制に適合させるために新たな投資が必要な企業が出てきた場合には、利子補給制度を導入したいと考えています。
 現在、騒音・悪臭の規制区域及び規制基準の見直し案について、パブリックコメントを実施しています。広く意見を聴取した後、検討を行い、今年4月1日から適用する予定です。
 次に、地方公営企業会計制度の見直しと経営改善について申しあげます。
 平成23年に、地方公営企業の経営の自由度を高め、企業会計制度との整合性を図るため、46年ぶりに地方公営企業会計制度の大幅な見直しが行われました。
 資本制度の見直しについては、平成24年4月1日からの適用であるため、平成23年度決算分から該当する案件について、既に議会の議決をいただいています。
 会計基準については、現行の企業会計原則の考え方を最大限取り入れるとともに、地方公営企業の特性等を勘案した改正となっています。平成26年度予算・決算から適用されるため、平成25年度予算でシステム改修費及び導入支援業務委託料を計上しています。
 この見直しにより、損益構造や資産状況、公営企業の負担範囲等が明らかになり、各会計における経営状況等の把握がしやすくなります。
 また、上下水道事業の経営については、専門的な知識と経験を有する公認会計士集団から助言及び支援を受けながら、経営分析や評価、中長期経営計画の策定を行うなど、効果的な経営改善を進めます。
 次に、経済成長戦略の推進について申しあげます。
 引続き、環境都市「豊岡エコバレー」と「大交流」の実現の二つを柱に取組みを進めます。
 豊岡エコバレーの実現に向けては、企業の技術革新、環境経済型企業の集積を推進し、さらに、地産地消や環境創造型農業、コウノトリツーリズムの推進、自然エネルギーの利用促進などにより、環境と経済が共鳴する仕組みを磨き、広げ、環境と経済を共に発展させていきます。
 さらに、コウノトリ野生復帰をキーワードに知の集積・交流、国内外の連携を推進します。
 大交流の実現に向けては、大交流アクションプランに基づき、目標達成に向けて全力を挙げます。
 アクションプランについては、昨年10月に関係課からなる庁内会議を設置し、目標設定、実施手段、効果確認方法等の検討を行うとともに、地域資源の再点検を行ってきました。2月からは、実効性の高いプランとなるよう主に市内旅館業を中心とした民間メンバーにも加わっていただき、今春を目途に策定作業を進めています。
 内容としては、平成31年度における市内宿泊客の目標数を170万人とし、観光のほかにも教育旅行やスポーツ合宿、コンベンションなど多岐にわたる旅行目的で宿泊客数を増やすための個別計画を盛り込みます。個別計画の作成にあたっては、各観光協会の代表者で構成する会議で更に検討を加え、その実効性の担保に努めていきます。
 また、人口減少に伴う国内マーケットの収縮を見込み、外国人の誘客にも積極的に取り組んでまいります。
 次に、平成25年度総務省「若手企業人地域交流プログラム」の実施について申しあげます。
 若手企業人地域交流プログラムは、大都市圏の企業に勤務する若手職員が、定住自立圏構想に取り組む市町村に一定期間派遣され、地域独自の魅力や価値の向上につながる業務に従事し、地域の活性化と地方と大都市圏との長期的なネットワークの形成を図る取組みです。
 来年度、市はこのプログラムを活用し、楽天トラベル株式会社と株式会社日立製作所から1名ずつ社員の派遣を受けます。派遣期間は1年間で、主に大交流における海外戦略の展開への従事を予定しています。
 次に、NOMOベースボールクラブについて申しあげます。
 今年1月7日、NOMOベースボールクラブが本拠地を本市に移しました。2月末には、選手27名とスタッフ3名の総勢30名のチームとして体制が整いました。
 選手は城崎温泉の18の旅館で働いています。1月10日から但馬ドームでの練習が始まり、今月以降は、こうのとりスタジアム、植村直己記念球場、出石球場でも練習が行われる予定です。
 地域貢献活動として、小中学生を対象とした野球教室、講演会等のスポーツイベント、少年野球大会の開催や市内の催し物への積極的な参加も予定されています。また、選手が試合で着用するユニフォームの右肩には、コウノトリのマークとローマ字の「TOYOOKA」の文字が刺繍されており、移動用のラッピングバスでの情報発信とあいまって、豊岡の広告塔となっていただけるものと期待しています。
 地元を挙げて支援するために但馬後援会が組織されますので、議員各位におかれてもぜひご入会いただき、積極的なご支援をお願いいたします。
 次に、NHK大河ドラマを活用したPR事業について申しあげます。
 大河ドラマ「八重の桜」に出石藩出身の川崎尚之助が登場しています。13万部発行のNHK番組情報誌「NHKステラ」の4月号に、「川崎尚之助のふるさと出石紀行」3ページと漫画で出石を紹介する1ページを掲載します。漫画は、本市在住の人気漫画家・ひうらさとるさんにご協力いただき、大河ドラマ視聴者だけでなく、若い女性層にもまちの魅力をアピールします。さらに、この4ページに番組情報などを加えたステラ特別編集版全8ページを2万部発行し、誘客促進を図ります。
 また、会津若松市との交流事業として、本市から会津若松市に講師を派遣して川崎尚之助や出石について紹介する講演会を催すとともに、会津若松市から本市に講師を招いて講演会を開催したいと考えています。
 次に、農業共済事業に係る事業の見直しについて申しあげます。
 農家数の減少により、共済事業を運営するための財源確保が極めて厳しく、来年度から県農業共済組合連合会の助成金が大幅に縮減又は廃止されます。これを受け、共済加入者への粗品配布による事業奨励や損害防止事業などを、全面的に見直します。
 各農会には去る2月の農会長会議で周知を図ったところですが、引続き共済事業の健全な運営と持続性ある事業展開に一層の努力をしていきたいと考えています。
 次に、「カバン・アルチザン・スクエア事業」について申しあげます。
 宵田商店街の空き店舗を活用する「カバン・アルチザン・スクエア事業」は、事業主体の豊岡まちづくり株式会社において、事業用地等の取得が終わり、建物改修整備に係る実施設計に着手されたところです。ショップは来年1月頃、鞄職人育成スクールは来年春の開設を目指して事業が進められています。
 現在、ショップの商品構成やスクールのカリキュラムなどの詳細について、鞄事業者などと一体となって作業が進められています。
 本事業の建物改修整備費や備品費、運営費については、豊岡まちづくり株式会社の資金や市の補助金、豊岡鞄協会の協力金が充てられるほか、豊岡商工会議所からの支援も予定されています。また、社団法人日本皮革産業連合会に対する資金援助の要請や、経済産業省の補助事業の活用に向けた準備が進められています。
 当初、ショップのオープンについては今年秋を予定していましたが、経済産業省の建物改修整備費等に関する補助金の交付決定後に事業着手するため、来年1月に変更されました。
 なお、今議会に、事業主体である豊岡まちづくり株式会社が行う、建物の改修等に係る費用補助に関する予算を提出しています。
 次に、(仮称)まちなかステーション整備事業について申しあげます。
 平成9年に市土地開発公社が先行取得した市街地東部活性化用地は、現在、いちご駐車場として利用されています。市はこの用地を、来訪者を中心市街地に引き込む市街地東部の玄関口創出のために買戻し、来訪者向けのインフォメーションの提供やイベントにも利用できる多目的広場「(仮称)まちなかステーション」として整備したいと考えています。
 なお、今議会に土地購入費及び整備工事費、詳細設計費等に係る予算を提出しています。
 次に、北近畿タンゴ鉄道に対する支援について申しあげます。
 北近畿タンゴ鉄道については、(1)地域住民の暮らしを支える社会基盤としての観点、(2)多様な交通ネットワークの維持という防災上の観点、(3)山陰海岸ジオパークを支える交流基盤としての観点から、鉄道事業者の自助努力を前提として、他の沿線市町と協調しながら必要な支援を行ってきました。
 しかし、沿線人口の減少、道路網整備などの影響により、年々経常収支は悪化し、今年度の経常損益は過去最悪の約8億7千万円になる見通しです。
 これまで北近畿タンゴ鉄道に対しては、赤字補てんという形で支援してきました。しかし、この方式では、経営に対するインセンティブが働かず、会社関係者の危機意識の欠如にもつながり、また、自治体の責任のあり方も不明確でした。
 このため、沿線自治体で新しい支援の枠組みを検討し、今年度から、自治体の責任を明確化するとともに、鉄道の安全、安心、快適な運行を維持確保することを目的として、線路・電路・車両など基盤部分の維持経費を沿線関係自治体が直接北近畿タンゴ鉄道に補助する方式に改めることとなりました。
 また、国の大型補正に伴い老朽化対策事業などが追加され、沿線市町が国に随伴する形で補助することになりました。
 なお、昨年9月に、デザイン車両導入などの集客・増客対策費及び安全運行確保のため設備整備費について、抜本的な経営改善の取組みを執行条件として予算化しました。今般、経営改善の取組みの方向性が見えてきましたので、北近畿タンゴ鉄道からの請求に応じて予算執行したいと考えています。
 さらに抜本的対策として、今後、上下分離、すなわち、下部のインフラの管理と上部の運行・運営を行う組織の分離については、京都府を中心に検討を進めてまいります。
 次に、神鍋線上限200円バス社会実験について申しあげます。
 社会実験の結果については、年間利用者目標12万1,000人に対し、利用者数は9万2,405人、達成率にして76.4パーセントにとどまりました。
 運賃収入は1,309万2千円で、評価対象である平成22年度と比較して431万5千円の減収となりました。
 利用者は実験前との比較で1.4倍程度に増加しているものの、目標に届かず、市の負担は増加するという厳しい結果となりました。
 しかし一方で、(1)実験前は月平均1.5人の利用しかなかった高校生の定期利用が平均14.6人と大幅に増加していること、(2)バスに頼らざるを得ない高齢者等の外出を促す効果が認められること、(3)一部の地区や団体、沿線施設等が利用促進に取り組まれるなど地域力の向上につながる動きも芽生えていることなど、一定の成果も認められます。
 また、地域・事業者からの実験継続に関する強い要望もあります。
 このため、社会実験を今年4月から1年間延長して取り組みたいと考えています。
 次に、過疎地域戦略プロジェクトについて申しあげます。
 平成22年度末に取りまとめた過疎地域戦略プロジェクトは、平成27年度までの年次計画に基づき推進しています。市は、各地域が想いを描き、自ら考え自ら実行する事業を支援することを基本にしています。
 城崎地域においては、訪日外国人旅行者の誘致対策や環境整備などを中心に事業展開されており、PRや観光案内、情報提供機能を強化し、また観光客の獲得や来訪者の利便性の向上を図る取組みが進んでいます。
 竹野地域においては、ジオツーリズムの推進や子ども農山漁村体験の体制整備などを中心に事業展開されており、カヌー体験、ジオガイドによる案内を始め体験型のメニューが構築され、観光客の獲得を目指す取組みが進んでいます。
 但東地域においては、集落対策の事業内容が再考され、これからの時代を乗り切るための地域づくりの形を構築することを大きなプロジェクトと位置づけ、地域づくりの議論が始まりました。島根大学の作野准教授の助言を得ながら、各地域が自立する体制、仕組みを模索しています。
 市としては、過疎地域戦略プロジェクトに係る計画に基づき、地域の方々の、それぞれの地域の将来につながる仕組みづくりに向けた自発的な活動を今後も支援していきます。
 次に、「幼稚園・保育所のあり方計画」の事業進捗状況について申しあげます。
 港認定こども園については、現在、外構工事が終了し、本体工事を行っていますが、年度内の完成が困難な状況から、工期を今年6月末まで延長することにしました。
 なお、今議会に、工期延長に伴う整備事業予算の繰越及び港認定こども園等の位置変更に係る条例改正案を提出しています。
 また、東保育園の民営化に伴う運営法人の募集については、三つの法人から応募がありました。
 「私立認可保育所の設置・運営法人選定委員会」において、保育所運営に対する理念や保育サービス内容、資金計画などについて審査した結果、アートチャイルドケア株式会社が最も相応しいとの結論に達し、市としても委員会の結論を是として、同様の決定を行うこととしました。
 なお、土地については、他の社会福祉法人の場合と同様、無償貸付を行うことにします。
 (仮称)みえ認定こども園については、平成26年度の幼保連携型認定こども園の開園に向け、関係者と協議を進めてきましたが、合意には至らず平成26年度からの開園は困難となりました。平成27年度の開園に向け、関係者との協議を継続し、理解と協力を求めたいと考えています。
 また、「幼稚園・保育所のあり方計画」とは別に、学校法人近畿大学弘徳学園が、平成26年度から認定こども園を開設することになりました。
 当該認定こども園は、本市に不足している幼稚園教諭と保育士を養成する目的も有しているため、安心こども基金による補助の適用に加えて、補助基準の事業者負担分の4分の1の3分の2に相当する額を、補助基準額以外の部分の補助として市が独自に補助することとしています。
 さらに、「幼稚園・保育所のあり方計画」で現状維持の私立保育園は、老朽化した園舎の耐震改修・保育室の増築・大規模修繕等を進めるため、県安心子ども基金の保育所緊急整備事業を活用して県補助基準額の4分の3を補助します。

 次に、夢への挑戦応援事業(夢先生)について申しあげます。
 「小さな世界都市」を目指す豊岡を担う子どもを地域で育てるため、「ふるさとを知る」「世界に夢を馳せる」「夢に向かって挑戦する」の3つのテーマに沿って、様々な体験活動を中心とした取組みを今年度から進めています。
 来年度は、子どもたちの夢の実現を応援する新たな取組みとして、とりあえず3カ年事業として市内小学5年生の全児童を対象に、日本サッカー協会の協力を得て「夢への挑戦応援事業(夢先生)」を実施します。
 サッカー選手を始め、様々な種目の一流選手・OB・OGが、「夢先生」として小学校の教壇に立ち、「フェアプレー精神」「夢を持つことの大切さ」「仲間と協力することの大切さ」をこどもたちに伝えるため、「夢授業」を行います。
 次に、(仮称)城崎国際アートセンターについて申しあげます。
 今般、日本を代表する劇作家・演出家である平田オリザさんらの協力を得て、城崎温泉アートセンター化構想の基本計画がまとまり、県から移譲を受けた城崎大会議館を、豊岡・城崎の持つ魅力を最大限に生かした芸術文化創造の拠点施設「(仮称)城崎国際アートセンター」として再生することとしました。平成26年4月のオープンを目指し、実施設計、整備工事を進めます。
 当施設は、最大千人収容のホールと宿泊施設を有しています。この施設ボリュームを最大限に活用して、国内外から各種の芸術創作を行う芸術家を一定期間受け入れ、滞在しながら作品制作を行うアーティスト・イン・レジデンス機能を中心とした芸術文化の創造拠点として整備します。特に舞台芸術の分野では、日本を代表する拠点となるものと関係者から大きな期待が寄せられています。まちの新たな付加価値を生み出し、イメージアップと地域活性化が図られるものと考えています。
 次に、豊岡市スポーツ推進計画の策定について申しあげます。
 豊岡市スポーツ推進計画は、昨年度から策定委員として市民の方々に参画していただき、市民アンケート等を実施しながら、策定作業を進めてきました。
 先月、計画案の市民説明会の開催やパブリックコメントの実施を終え、今月末に計画の策定が完了する予定です。
 「する」「観る」「支える」をキーワードに、運動やスポーツを幅広く捉え、だれもが、いつでも、どこでも、いつまでも、身体を動かす機会に触れられ、楽しむことのできる環境整備の実現を、参画と協働により図ることとしています。
 次に、地区集会施設整備補助について申しあげます。
 市が避難所として指定している地区集会施設の中には、昭和56年の耐震基準改正前の建物があります。
 そこで、新たに耐震化整備補助金を創設し、地区集会施設の耐震化整備に対して支援を行います。
 対象は、昭和56年5月31日以前に建築された市指定避難所の地区集会施設のうち、耐震診断の評点が1.0未満のものです。耐震診断費用、評点1.0以上の耐震設計費用及び耐震化工事費用を補助します。
 補助率は対象経費の3分の2以内で、上限額は200万円です。補助対象期間は、来年度から平成29年度までの5年間です。
 また、従来からある地区集会施設整備補助金については、現行制度では事業費400万円以上が対象で、小規模改修は対象外のため、対象事業費の引き下げを求める要望が上がっていました。そこで、改修に限り事業費の下限額を400万円から200万円に引き下げ、利用しやすくします。
 なお、補助金額の上限は従来どおり500万円で、先ほど申しあげました耐震化の助成制度を併用する場合も、両方の制度を合わせて500万円を上限としています。
 これらの制度改正により、より一層、安全・安心な地域コミュニティの維持・向上が図られるものと期待しています。
 次に、新庁舎建設事業について申しあげます。
 工期延長に伴う追加費用が発生しないということについて、建築JVに続き、回答保留となっていた電気JV、機械JVの了承も得られ、設計監理業者も含めて昨年12月下旬に工期延長願いを受理しました。これを受け、正式に今年7月25日を工期とする変更契約の締結を行い、市と業者一体となって完成に向けて取り組んでいます。
 また、建築工事の工期延長に伴い、太陽光発電設備工事についても、今議会で繰越しの承認をいただいた後、工期延長の変更契約を締結したいと考えています。
 工事の進捗状況については、現本庁舎は、新設エレベーターの設置工事に着手し、内装工事や外装工事を順次進めています。外装工事が終れば、外部の足場が解体され、いよいよリニューアルした現本庁舎が姿を見せます。また、新庁舎は、高層部の躯体工事が完成し、東側低層部の躯体工事を再開しました。
 新庁舎完成後、8月に健康福祉部及び上下水道部を除く全ての本庁部署を段階的に新庁舎へ移転します。安全性を考えると情報機器の設置や動作確認に3日間が必要と想定されるため、臨時閉庁の可能性も視野に入れながら、今後の詰めを行ってまいります。
 初回の移転後、開庁記念式典を行います。また、全ての工事が終了する来春以降に、市民の皆様と一緒にグランドオープンをお祝いしたいと考えています。
 開庁記念式典からグランドオープンまでの間は、新庁舎や現本庁舎を活用し、市が所有する豊岡市出身者の美術・芸術作品を季節ごとに展示する「豊岡市美術館」を開催し、市民の皆様に新しくなった庁舎と作品の両方を楽しんでいただきたいと考えています。
 次に、平成25年度の市の組織体制について申しあげます。
 第2次行政改革大綱における「効率的・効果的な組織の再編」に基づき、本庁方式へ本格的に移行するため、総合支所を支所とするとともに、地域支援機能の強化を目指した組織の構築を図ります。
 さらに、持続可能な地域経済と行政経営の確立を目指し、果敢に挑戦し続ける組織へ改編します。
 その主な内容としては、総合支所を支所として部から課に変え、政策調整部に位置づけます。
 支所体制については、12月定例市議会において、1課2係とした上で、地域防災体制の維持の必要性から、課長級を3名配置すると説明しました。しかし、更に検討を行った結果、現段階では、二つの係に対して3名の課長級を配置すると、命令系統に混乱が生じる可能性があるとの判断に至りました。そこで、暫定的な措置として、来年度は、区長会・防災・消防団など地域と密接にかかわる業務を担当する「総務係」、地域固有の業務を担当する「地域振興係」、住民異動や税証明・税申告、保健福祉等の窓口業務を担当する「市民福祉係」の3係を設置することとします。
 今後、引続き組織の見直しを行う必要があると考えています。
 また、本庁の体制としては、「政策調整部 政策調整課」に「地域政策・定住促進係」を設置し、定住促進事業、過疎対策事業を推進するとともに、地域コミュニティの再構築を進めます。
 「経済部」は「環境経済部」に、「経済課」は環境と経済のまちづくりを実践する組織として「環境経済課」に名称変更し、「エコバレー推進係」を地域戦略推進課から移管します。
 大交流アクションプランの強力な推進と、観光振興に係る組織基盤の強化を図るため、「観光課」を「大交流課」に名称変更するとともに、「大交流推進係」を地域戦略推進課から移管し、「政策調整部 地域戦略推進課」は廃止します。
 そのほか、様々な行政課題に柔軟に取り組む効率的な組織とするため、係の統合を行います。
 次に、事務事業評価から政策評価への転換について申しあげます。
 個々の事務事業の事後評価から事前の作戦評価への転換を図ります。
 本市では、平成20年度から事務事業評価を導入し、個々の事務事業の見直しを行ってきました。しかし、その成果に限界が見えてきたことから、更に効果的な手法の導入が必要となってきました。
 そこで、来年度から、政策評価の手法に基づく改善・改革に取り組みます。政策評価では、目指す姿・目的を実現するため様々な作戦を考えるとともに、その作戦の立案段階を最も重視し、その有効性、効率性を徹底的に検証するものです。
 もちろん、作戦の実施途中や実施後においても評価を行い、より良い作戦へ改良が頻繁に、かつ、迅速に行える体制を構築します。目標達成に最少の経費で最も有効に機能すると考えられる作戦を考え、それに経営資源を投入することで、行政における生産性の向上を目指します。

平成24年度補正予算

 最後に、平成24年度一般会計補正予算について申しあげます。
 まず、補正予算第5号です。過日、国会において「日本経済再生に向けた緊急経済対策」として編成された平成24年度補正予算が成立しました。このうち本市に関連する事業については、予算成立後速やかに事業実施し、少しでも早く地域の振興、需要創出効果を発現させる必要があると考えています。このため、平成25年度に予定していた国庫補助事業の前倒しを中心に、一般会計15億9,391万円と上・下水道を合わせた3会計で総額18億1,225万8千円を、他とは別の補正予算案として取りまとめ、提出しています。
 これらの補正予算に計上している事業については、効果を早期に発揮させるため、できるだけ早い発注に努めます。他の補正予算案とは別にご審議いただき、ご決定賜りたいと思いますので、よろしくお願い申しあげます。
 次に、補正予算第6号です。2億490万6千円の減額の主なものは、入札残、事業費の確定に伴うもののほか、3月末までの支出予定の精査による不用額等です。また、財源留保していた普通交付税を全額計上することとし、今後の財政状況の見通しの中で、市債管理基金に5億円を積み立てることとしています。
 繰越明許費の補正では、年度内にその支払いを終わらないもの16件、8億8,881万6千円の追加と1件の変更を計上し、債務負担行為の補正では、1件の追加と8件の限度額等の変更をしています。
 平成24年度の今後の財政収支見通しについては、地方債や特別交付税・地方譲与税など、現時点では確定していないものが多くあり、これらが確定した段階で更に補正の必要が生じることとなります。
 したがって、その際には、財政事情を勘案する中で、所要の専決補正をしたいと考えていますので、併せてご了承賜りますようお願い申しあげます。
 以上をもちまして、私の総括説明を終え、各議案の詳細については担当部長から説明いたしますので、よろしくご審議いただき、適切なるご決定を賜りますようお願い申しあげます。
 ありがとうございました。

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