平成25年第6回豊岡市議会(定例会)市長総括説明

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 11月29日、第6回豊岡市議会定例会の議案提出に当たり、中貝市長が、施政方針と、当面する市政の諸課題、提出議案の主なものについての説明(市長総括説明)を行いました。

 おはようございます。
 平成25年第6回豊岡市議会定例会の開会に当たり、議員各位のご健勝をお喜び申しあげますとともに、日頃のご精励に対し、深く敬意を表します。

 今月15日、大水害経験市町村長で構成する水害サミット実行委員会の幹事として、三条市長、見附市長と共に、総務省に対し合併市町村への地方交付税措置に関する要望を行ってきました。
 例えば本市では、合併特例の終了によって、平成33年度と平成24年度の比較で地方交付税が約32億円減少することが見込まれています。その緩和の要望です。
 合併市町の多くは、市町村域が大幅に拡大する一方、職員を大幅に減らす等の行革を進めてきました。他方で、近年水害、地震、津波等の大災害が頻発し、災害対策拠点としての支所の役割は、以前にも増してその重要性が認識されるようになっています。危機管理上、支所機能の維持は不可欠です。
 しかし、地方交付税の算定においては、支所設置に要する費用は一部しか措置されていないのが実態です。
 そこで、合併特例終了に伴う地方交付税の一本算定に当たって、支所設置に要する費用を適切に算定されるよう要望しました。あわせて、地区公民館は、合併によって地域と行政の距離が大きくなったことへの対応として、また災害時における共助の拠点として不可欠であり、合併自治体への交付税に算入すべきであること等の要望も行いました。
 総務省からは、同様の方向で検討しているとの回答がありました。
 今後も、事態の推移に応じ、国に対し適切に働き掛けを行ってまいります。また、地方交付税算定の見直し状況も注視しながら、第3次行政改革大綱の作成を進めてまいります。

 国道426号豊岡バイパスが、12月1日に供用開始されます。
豊岡バイパスは、事業主体である県により平成14年度から整備が進められ、平成17年と平成22年に部分供用され、このたびJR山陰本線アンダー区間の第3工区の完成により、全線開通となります。
 これにより、豊岡病院へのアクセスの向上や市街地内の慢性的な交通渋滞の緩和が期待されるとともに、計画中の北近畿豊岡自動車道(仮称)豊岡インターチェンジへのアクセス機能が確保できます。

 さて、今議会に私から提出する案件は、報告事項1件、事件決議31件、条例14件、予算8件の合計54件です。
 なお、会期中に報告事項1件、人事案件3件、事件決議1件の計5件を追加提出する予定としておりますので、あらかじめご了承賜りたいと存じます。
 それでは、当面する市政の諸課題及び提出議案の主なものについてご説明申しあげます。

安全に安心して暮らせるまち

 第1に、「安全に安心して暮らせるまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、兵庫衛星通信ネットワーク設備の更新についてです。
 兵庫衛星通信ネットワークは、国、県と各市町間における災害時の通信手段として、県が事業主体となって平成4年度に整備し、平成5年度から運用しています。
 本市では、本庁、各支所及び消防本部に設備を設置しています。しかし、設備の老朽化が進行し、通信設備としての信頼性の低下が懸念されています。
 そこで、耐用年数を過ぎたアナログ設備一式を県内一斉にデジタル化して更新することとなりました。
 県が、今年度中に実施設計の入札を行い、来年度に実施設計及び更新工事を行います。
 費用は、市町の本庁及び消防組織に設置している設備1基ずつについては、実施設計費の全額を県が負担し、更新工事費は県、市町がそれぞれ2分の1を負担しますが、それ以外の設備については、市町が全額を負担する仕組みです。
 本市の災害時の通信手段については、通常は有線のフェニックス防災システムを使用していますが、兵庫衛星通信ネットワークは、万一フェニックス防災システムの通信回線が遮断された場合の国、県、市町間の予備の通信手段として今後も不可欠です。
 他方で、緊急地震速報や国民保護に関する情報等一刻を争う情報については、Jアラート及びそれと連動する防災行政無線で支所の判断を経由せず自動的に市民に伝達がなされ、また、その他の情報については、衛星携帯電話で本庁・支所間の通信が可能なため、兵庫衛星通信ネットワークについては、本庁及び消防本部設置分のみ更新することとします。
 今議会に、県に支払う負担金に係る補正予算を提出しています。

 次に、第2あすなろ苑利活用事業者候補の選定について申しあげます。
市が特定非営利活動法人豊岡市手をつなぐ育成会に無償で貸し付けている第2あすなろ苑は、来年3月31日を期限として市に返還されます。
 返還後も、引き続き障害福祉サービスを提供する施設として利活用すべく、市内で障害者(児)通所施設を運営する事業者を対象に、児童発達支援、放課後等デイサービス及び短期入所の全てを必須とすることを条件に公募を行いました。
 その結果、2事業者の応募があり、今月8日に第2あすなろ苑利活用事業者選定審査会における審査を経て、「特定非営利活動法人セルフサポートいずし」を利活用事業者候補として決定しました。事業開始は、来年5月1日を予定しています。
 なお、土地、建物の貸付料については無償とし、今議会に、市有財産の無償貸付に係る議案を提出しています。

 次に、ドクターカー運行動静システムの導入について申しあげます。
 ドクターカーは、豊岡病院から医師と看護師を乗せて出動し、医療機関に向けて患者を搬送中の救急車とドッキングして早期の医療介入を行うことを目的に、費用を但馬の3市2町が負担し、豊岡病院組合が実施しています。
 ドッキングポイントは、豊岡市消防本部管内で60カ所あります。消防本部指令室では、出動時に想定していたドッキングポイントを、刻々と変化する車両位置や交通状況に対応させながら、最短時間で合流できるよう変更の指示や誘導を行っています。
 救急車の位置は、消防車両動態システムにより消防本部指令室からリアルタイムで把握することができます。しかし、ドクターカーの位置は、同乗する医師の目視による無線連絡によるため、夜間や土地勘のない医師が同乗した場合には、正確な位置把握が困難です。
 この問題を解消するため、豊岡病院は来年1月からドクターカー運行動静システムを導入します。
 市は、当システムの閲覧アカウントを取得し、インターネットを通じてパソコンで位置情報を閲覧します。これにより消防本部指令室からドクターカーの位置情報を高い精度で把握することができるため、最適なドッキングポイントへの誘導が可能となり、救急患者への医療介入をより早めることが期待されます。
 今議会に、当システムの運用に係る補正予算を提出しています。

人と自然が共生するまち

 第2に、「人と自然が共生するまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、北但ごみ処理施設整備事業についてです。
 北但行政事務組合では、北但ごみ処理施設整備・運営事業の事業者に決定したタクマグループに対し、提案内容及び事業費の確認を行い、9月20日に基本契約、建設工事請負契約及び運営業務委託契約の仮契約を締結し、10月10日に組合議会10月定例会で契約締結議案の議決を得ました。契約金額は、税込み181億2,405万1円で、事前公表した入札予定価格の85パーセントの額です。
 新施設では、ごみ焼却による熱エネルギーを発電に利用します。予想発電量は一般家庭約4,800世帯分の消費電力に相当するもので、山宮地場ソーラーの発電量の約19倍に相当します。
 現在進行中の進入道路・敷地造成工事については、今年5月上旬から8月上旬までの3カ月間にわたり、地質の学識者が指摘する箇所の動態観測、地下水位観測、ボーリングによる土質調査と解析を行ってきました。その結果、地すべりが発生する地質ではありませんが、工事中の斜面崩壊対策が必要なことが判明しました。これに伴い、斜面崩壊対策や軟弱土の土質改良等の工事を追加することとし、今議会に提出する補正予算で、進入道路・敷地造成工事負担分に係る債務負担行為の追加をしています。
 軟弱地盤、斜面崩壊等への対策のため、進入道路・敷地造成工事の来年6月30日完成は難しい状況となっていますが、施設建設企業と工程調整を行いながら、施設建設の工期である平成28年3月31日の完成を目指して事業を進めてまいります。

 次に、大規模太陽光発電事業について申しあげます。
 去る10月17日に、第2期山宮地場ソーラーが竣工し、第1期分と合わせてメガソーラーとして発電を始めました。
 第1期が発電を開始してから今月15日で11カ月になります。この間の発電量は、第2期分も合わせて69万4,906キロワットアワーで、想定量62万588キロワットアワーの112パーセント、売電収入は約2,900万円です。あと1カ月を残して、発電量は既に年間想定量69万1,638キロワットアワーを上回り、好調に推移しています。
 コウノトリ但馬空港地場ソーラーは、包括的施設リース方式を採用し、10月7日に安全祈願祭を行い、今月9日に工事着手しました。来年3月の竣工を目途に整備を進めています。
 竹貫地区旧分譲宅地の大規模太陽光発電事業については、有利な売電価格での事業展開を図るため、年度内に設備認定等の申請を行う必要から、今議会に提出する補正予算で債務負担行為の追加をしています。敷地は市の土地開発基金が管理する土地であり、売電収入の一部を地代相当額として基金に支払い、積み立てます。
 また、国から、固定価格買取制度により売電事業を行う場合は、特別会計を設置するようにとの通知がありました。これを受け、来年度から特別会計を設置することとし、来年の3月定例議会に、豊岡市特別会計設置条例の一部改正案及び平成26年度豊岡市太陽光発電事業特別会計予算案を提出したいと考えています。

 次に、太陽光発電システム導入補助事業の交付条件変更について申しあげます。
 市では地球温暖化防止対策の一環として、平成14年度から家庭用太陽光発電システムの設置に対して補助金を交付しています。これによる総発電規模は、今年10月末で2,340キロワットとなっています。
 今年度は、基本単価を1キロワット当たり3万円とし、市内事業者の施工には1万円を、また市内産パネルの施工にも1万円をそれぞれ上乗せして交付しています。
 これを来年度からは、環境経済の域内循環を一層進めるため、補助対象を市内事業者の施工に限定します。また、太陽光発電システムの設置価格が下がっていることから補助単価を見直し、市内事業者施工の基本単価を1キロワット当たり3万円とし、市内産パネルを使用した場合には1万円を上乗せします。
 補助を切れ目なく行うため、今議会に提出する補正予算で来年度補助金に係る債務負担行為の追加をしています。

 次に、上下水道料金等の消費税転嫁について申しあげます。
 来年4月1日から消費税が5パーセントから8パーセントへ引き上げられます。
 これによる3パーセント相当額は、平成24年度決算数値を基に算出すると、水道料金で約5千万円、下水道使用料で約4,400万円となります。この増税分を上下水道料金等に上乗せしなければ、実質収入の減少を招き、来年度はもとより、それ以降の経営状況にも影響を及ぼすこととなるため、消費税の転嫁を行うこととします。
 これによる一般家庭への影響額を試算しますと、口径13ミリメートル、使用水量20立方メートルの家庭では、水道料金が税込み2,562円から2,635円に73円増額、下水道使用料が税込み2,887円から2,970円に83円増額となります。
今議会に関係条例の改正案を提出しています。

持続可能な「力」を高めるまち

 第3に、「持続可能な「力」を高めるまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、外国人観光客の誘客推進についてです。
 城崎温泉を中心に外国人観光客が増加しています。
 昨年、城崎温泉に宿泊された外国人は4,732人で、前年と比較して4倍強の伸びとなっています。さらに今年は、1月から9月までで既に6,218人を記録し、着実な伸びを示しています。他方、人口減少下においては、国内旅行市場は今後大きな成長が見込めないところから、外国人観光客の誘客に更に積極的に取り組んでまいりたいと考えています。

 今月4日から7日まで、イギリスのロンドンで開催された、世界最大規模の国際旅行博WTM(World(ワールド) Travel(トラベル) Market(マーケット))に、東京、大阪、京都、沖縄と共に出展しました。
 豊岡のデスクに来訪した、各国のメディア関係者や旅行代理店との情報交換から、東京・京都・大阪を巡る、いわゆるゴールデンルートにはない日本の魅力を体験したいというニーズがあり、JRで行ける城崎温泉を中心とした但馬地域は魅力的なオプションであることが確認できました。
 また、一緒に出展した日本政府観光局(JNTO)、京都、大阪、JTBなどにも、ゴールデンルートのオプションとしてPRした結果、来年2月に京都を訪問する海外取材陣に豊岡まで足を延ばしていただくことになりました。インバウンドの代表地である京都・大阪にとって、魅力のある温泉・海・山を提供できる豊岡は補完関係にあり、多くの需要が期待できます。
 今後、(1)京阪神を起点とした外国人向けの但馬への旅行ルートの造成、(2)豊岡の海外向けホームページの充実、(3)京阪神のインバウンド旅行関係者との連携、(4)JNTO海外事務所や自治体国際化協会、県パリ事務所等との連携などによって、豊岡への外国人観光客は確実に増えていくものと考えています。

 12月13日に、フランス政府の文化分野の公式機関であるアンスティチュ・フランセ東京(旧東京日仏学院)において、主に在日フランス人を対象に「ミシュラン・グリーンガイドと共に日本を発見 小さな世界都市 豊岡」と題したプロモーションを実施します。日本ミシュランとの共同事業です。
 城崎温泉をはじめ豊岡を紹介するほか、豊岡の食材を利用した料理を提供するカクテルパーティーなどを行います。豊岡の魅力を参加者に直に感じていただき、参加者から口(くち)コミで広く波及していくことを期待しています。

 次に、コウノトリ育む農法について申しあげます。
 平成15年度から始まったコウノトリ育む農法は、今年で11年目を迎え、栽培面積も約270ヘクタールと順調に推移してきました。「コウノトリ育むお米」の販売店舗も、イトーヨーカドーやサンエーを中心に500店舗を突破し、全国の多くの消費者に買い支えられています。
 コウノトリ育む農法のさらなる普及拡大につなげるため、今年6月から7月にかけて市内の水稲栽培農家2,384人を対象にアンケート調査を実施し、1,253人、約53パーセントの方から回答をいただきました。
 調査結果では、コウノトリ育む農法の認知度は約75パーセントと一定の認知を得ており、取り組む生産者も徐々に増えています。一方、(1)早期湛水や冬期湛水で田んぼの水が染み出るなど近隣圃場に迷惑が掛かるため、個人の意思だけではなかなか取り組めない、(2)雑草の抑制対策等の手間がかかるため取り組まない、と考えている生産者も多くいます。
 そこで今後は、個人よりも集落単位での取組みを促すことによって育む農法を推進してまいります。特に、地域農業の中心的役割を担う大規模農家、法人、営農組合等をターゲットに、周囲の小規模農家を巻き込んだ取組みを推進します。
 また、雑草対策等の省力化を図る技術革新の導入も検討し、さらなる普及拡大に努めてまいります。

 次に、旧市役所南庁舎別館の地盤改良工事について申しあげます。
 旧南庁舎別館は、来年4月からお菓子を中心テーマとした交流施設として活用するため、現在改修工事を進めています。
 耐震診断の際に行った地盤調査の結果、最大200分の1程度の建物の傾きに加え、地震発生時の液状化現象の可能性が指摘されました。
 旧南庁舎別館は国登録有形文化財に登録されており、市街地の「近代化遺産」として重要な建物です。また、施設の耐震機能の向上は建物の長期的な利活用だけでなく、地震災害時に利用可能な公共施設として市民の安全確保にもつながるため、地盤改良工事を行うこととします。
 施工方法は、建物周囲の地中部に薬液を注入して固めるとともに、建物の周りの土を固め、建物直下の地盤が動かないようにします。工事は建物改修工事と併せて行います。完成予定は当初の計画どおり来年3月末で、交流施設の4月開業には支障はありません。
 今議会に、地盤改良工事に係る補正予算を提出しています。

 次に、企業誘致優遇措置の拡充について申しあげます。
 企業誘致については、新規立地のみならず、既存企業の増設も推進しています。国内工場の新設については依然厳しい状況が継続しているため、既存企業の事業拡大の推進が重要となってきています。
 また、企業の雇用形態の多様化により、正規従業員の雇用確保も難しい状況にあります。
 そこで、企業の機械設備への投資と雇用の拡大を促進するため、常用従業員を1人以上新規雇用し、5千万円以上の償却資産を取得した場合に、初年度の固定資産税のうち償却資産に係る賦課額に相当する額を、奨励金として交付する制度を新設します。
 今議会に、優遇措置を拡充するための条例改正案を提出しています。

 次に、エコプロダクツ2013への出展について申しあげます。
 市は、環境経済事業の推進策の一つとして、今年1月に市内全金融機関、豊岡商工会議所、豊岡市商工会と「豊岡市環境経済インキュベーションパートナーシップ」を設立しました。
 これまでに環境経済事業認定を受けた12社と事業計画、支援策等を協議した結果、うち10社が取引先拡大を課題として挙げています。
 そこで、日本最大級の環境展示会であるエコプロダクツに豊岡市ブースを設け、その中で市内企業6社による環境経済事業の展示と説明を行うことによって、取引先の拡大につなげていきたいと考えています。
 今年は、12月12日から14日までの3日間、東京ビッグサイトで開催され、約18万人の来場者が見込まれています。
 共同出展する株式会社カネカと一体で、コウノトリをあしらった豊岡市らしいブースを作り、環境経済事業を分かりやすく紹介することにより、取引先拡大を図ります。また、成功事例を作ることにより、市内事業者の環境経済事業への参入を促進してまいります。

 次に、宅地事業特別会計の運営について申しあげます。
 現在、宅地事業特別会計で販売を行っている分譲地は、竹野町御(おん)又(また)地区、出石町中川地区、但東町小谷(おだに)松ヶ坪(まつがつぼ)地区及び但東町相田(あいだ)土生ヶ丘(はぶがおか)地区の4カ所があり、17区画が売れ残っています。また、分譲宅地の販売価格は、分譲当初から値下げを行っておらず、時価より高めとなっています。
 そこで、販売促進を図るため、販売価格の値下げを実施したいと考えています。値下げに伴い発生する売却損については、一般会計から補填することとし、今議会に、一般会計繰入金等の補正予算を提出しています。
 今後は、新たな宅地造成事業を行う予定はなく、価格の値下げにより販売促進を図った上で、起債の償還が終了する来年度末を目途に特別会計を廃止する方針です。

 次に、コウノトリ但馬空港からの東京直行便の取組みについて申しあげます。
 東京直行便を実現するため、小型機も離発着可能な羽田空港政策コンテスト枠への応募について、各航空会社に打診をしてきました。しかし、現時点では共同提案できる運行事業者が見つからないため、今年9月4日国土交通省発表の募集については、残念ながら応募には至りませんでした。
 今後は、次回2年後の再募集に狙いを定め、開港以来の悲願である東京直行便の実現に向け、引き続き「ターゲット70(ナナマル)」の取組みを更に強化するとともに、県や但馬空港推進協議会と連携して運航会社との協議を継続してまいります。

 次に、北近畿タンゴ鉄道株式会社の運行会社募集について申しあげます。
 北近畿タンゴ鉄道は、開業以来24年が経過し、施設・車両の老朽化が進むとともに、人口減少やモータリゼーションの進展等により利用者が大幅に減少しています。そのため、赤字額が毎年増加し、自治体負担額も年々増加しているのが現状です。
 この状況から脱却するため、北近畿タンゴ鉄道株式会社では、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」に基づく「鉄道事業再構築(上下分離)」の実施を目指し、新たに運行会社となる民間事業者を10月31日から来年1月8日までの期間で募集しています。民間事業者のノウハウや資金を活用することにより、サービス向上、利用客の増加や運輸外収入による収益増、コスト削減を目指します。
 1月下旬には運行会社を決定し、来年度中に運営を開始する予定です。
 下部のインフラ管理と上部の運行運営については、分離して別々の組織が行います。下部の土地、線路、車両等のインフラについては、北近畿タンゴ鉄道株式会社が管理し、上部の輸送、施設管理等の運行運営については、今回募集している民間事業者が行います。
 沿線自治体としては、今までどおりインフラ整備への補助を行うとともに、新会社と協力してさらなる利用促進に努めてまいります。

 次に、全但バス神鍋線の上限200円バス社会実験について申しあげます。
 第2期の社会実験が開始されてから、10月末で7カ月が経過しました。この間の延べ利用者数は6万2,481人で、昨年同期の実績5万807人と比較すると、23パーセントの増となっています。中でも8月は単月目標に対し100.5パーセントを記録しました。第1期開始以降初めての単月目標の達成です。これは、高校生の通学定期利用の増加などに加え、地元区や老人会などを中心とした利用促進の取組みが功を奏したものと考えられます。
 昨年5月に清滝・西気地区を対象に実施したアンケートでは、「社会実験後、いまだに神鍋線を利用していない」と答えた方は77パーセントありましたが、今年7月のアンケートでは57パーセントで、20パーセント減少しています。
 しかし、目標利用人員の7万419人に対しては、88.7パーセントの達成率となっており、依然厳しい状況と言わざるを得ません。
 市では、この状況について広く共通認識を持ってもらうため、運行事業者と共に、地元関係者の協力を得ながら、沿線14地区を対象に地区訪問を実施しています。
これを受けて地元では、「地域が」「地域のために」「地域の発想で」具体的な目標を定めて、乗車運動を再加速させ始めています。
 社会実験も残り4カ月となりました。地元、運行事業者、市の三者がそれぞれの役割と責任をしっかり果たしながら、目標達成に向けて一丸となって取り組んでまいります。

 次に、但東町合橋地区におけるチクタクの運行について申しあげます。
 「チクタク」は、市営バス「イナカー」廃止地域など交通不便地域での移動手段を確保するため、市が事業主体となり、地元関係者で組織する運営協議会に委託して運行する、地域主体の公共交通です。
 今年6月、合橋地区振興対策協議会から、合橋地区として「チクタク」に取り組みたいとの申し出を受けました。これを受けて市では、9月定例議会で条例改正や運行経費の予算措置などを行いました。地元では、事務員やボランティア運転手などを確保するとともに、運営組織となる「チクタク合橋運営協議会」の設立がなされました。
 運行計画の策定、ボランティア運転手の講習など、運行に必要な準備はおおむね終わり、12月2日に運行が開始される予定です。

未来を拓く人を育むまち

 第4に、「未来を拓く人を育むまち」に関連する内容について申しあげます。

 森本中学校の統合についてです。
 市教育委員会では、竹野南地区区長会会長、森本中学校PTA会長からの、森本中学校統合に係る要望書の提出を受け、9月27日に森本中学校区の地域代表者、PTA、学校職員等による「豊岡市立森本中学校統合検討委員会」を立ち上げました。
 現在のところ、統合先候補を「竹野中学校」と「豊岡北中学校」の2校に絞り、現地視察を踏まえて比較検討しています。今年度中に統合先及び統合年月日を決定する予定で協議、調整を進めています。

市政の運営

 第5に、「市政の運営」に関連する内容について申しあげます。

 まず、地域おこし協力隊の導入についてです。
 人口減少や少子高齢化により地域力の低下が危惧される中、地域の維持・活性化を図るため、総務省の制度である、地域おこし協力隊を導入します。
 協力隊は、地域内の組織・団体等の自主的な活動や、地域が抱えるさまざまな課題の解決を図るための支援活動を行いながら、隊員自らの定住に向けた活動を行うものです。
 来年度、竹野浜自治会に協力隊員2人を導入することとし、空き家を活用した地域の活性化に向けた取組みを地域と共に行い、店舗や民宿の経営等、起業に向けた活動を通じて、地域への定住を目指します。来年1月に隊員の募集を行い、2月に選考し、4月から活動を行っていただく予定です。なお、財政支援として特別交付税の措置を受ける予定です。
 今後は、当該事業の効果や活動の有効性を検証し、他地域への導入を検討したいと考えています。また、隊員を複数人受け入れることで、隊員相互の連携による広域的な活動につなげ、さらには、市内における地域支援組織に発展させていきたいと考えています。

 次に、兵庫県立大学大学院への職員派遣について申しあげます。
 来年4月に、県立コウノトリの郷公園内に「兵庫県立大学大学院地域資源マネジメント研究科」が開設されます。
 コウノトリの野生復帰や山陰海岸ジオパークの取組みの推進など、本市が抱える地域課題に対応し、地域社会の活性化を実現するため、専門的な知識と能力を有する職員を育成し、公務の能率的運営に資することを目的として、本市の職員を原則年1人派遣したいと考えています。
 派遣期間は2年間で、研修派遣として位置付け、授業料など派遣にかかる経費は市が負担します。
 なお、帰任後は、研究内容に沿った業務を担当させる予定です。

 次に、使用料・手数料等の見直しについて申しあげます。
 市では、おおむね3年ごとに使用料・手数料の見直しを行ってきました。今年度は使用料236項目、手数料90項目、雑収入319項目、合計645項目について、受益者負担の適正化、公平性の観点から見直し作業を行いました。
 使用料については、平成22年度の見直し作業と同じく市営駐車場、文化会館等、その他貸館施設など11分野にグループ化し、原価計算結果を基に検討を行いました。
 多くの施設使用料で原価を賄えていない状況でしたが、前回見直し時から原価率に際立った変動がなかったことなどから、基本的に使用料の改定は行わないこととします。各施設とも更に利用率の向上、維持管理費の縮減に努めてまいります。
 手数料については、証明手数料を基本に発行に必要な経費を試算したところ、現行の手数料単価を若干上回る原価となりましたが、おおむね適正な水準にあるものと判断しました。
 しかし、消防証明5項目については、他の証明手数料よりも低く単価設定されていたため、来年度から現行200円を他の証明と同額の300円に改定することとします。
 雑収入については、おおむね適正な考え方で運用されているため、改定は行わないこととします。
 手数料の改定については、来年4月から施行することとし、今議会に関係条例の改正案を提出しています。

 次に、消費税率引上げによる市財政への影響について申しあげます。
 現在得ている情報では、基本的に地方自治体の負担増分は地方交付税及び地方消費税交付金等で措置されるものと見込まれます。したがって、市の財政収支に関しては、大きな影響はないものと考えています。
 なお、地方公共団体の一般会計については、消費税法により事業者として納付すべき消費税は生じないこととなっています。

 次に、事務用パソコンの更新について申しあげます。
 来年4月9日をもってパソコン基本ソフトウェアのWindows(ウインドウズ)XPとビジネス用ソフトウェアのoffice(オフィス)2003のサポートが終了します。
 本市職員が事務処理に使用しているパソコンにも、この基本ソフトウェアやビジネス用ソフトウェアを搭載したものがあるため、新しいパソコンへの更新を行い、セキュリティと事務処理効率の向上を図ります。
 今議会に、早急に更新すべきパソコン等に係る補正予算を提出しています。

 次に、新庁舎のグランドオープンについて申しあげます。
 現在、新庁舎の外構工事を実施中です。来春には全ての工事が完成しますので、グランドオープンのお祝いをしたいと考えています。
 式典は、菓子祭前日祭が催される来年4月19日に、新庁舎前の芝生広場を会場として開催します。前日祭にお越しの市民の方も一緒になって楽しんでいただけるよう、「春の美術館」の開催をはじめ、中庭を会場とした音楽会等のイベントを実施する予定です。
 今議会に、グランドオープンに係る補正予算を提出しています。

予算

 次に、平成25年度一般会計補正予算について申しあげます。
 まず、補正予算第4号です。9月に襲来した台風18号の災害復旧事業や、4月からの消費税率引上げを踏まえ年度内完了を図る事業は、予算成立後速やかに事業実施し、少しでも早く竣工を目指す必要があると考えています。このため、これらの事業費1億9,967万7千円を、他とは別の補正予算として取りまとめて提出しています。
 この補正予算に計上している事業については、できるだけ早い発注に努めます。他の補正予算とは別にご審議いただき、本日ご決定賜りたいと思いますので、よろしくお願い申しあげます。
 次に、補正予算第5号については、歳入歳出予算全体を見直し、今後の執行見込額を精査し、過不足が生じる経費などを中心に計上しています。
 主な内容ですが、債務負担行為の補正では、竹貫地場ソーラー事業、北但ごみ処理施設整備事業に係る北但行政事務組合負担金などの建設事業に関わるもののほか、工事等発注時期の年度内平準化や発注件数の少ない春先の受注機会の拡大などを目的としたゼロ市債、有償旅客運送運行管理業務など来年4月から直ちに実施する必要のある業務について、受託事業者や指定管理者をあらかじめ選定するための設定、消費税率引上げ等に伴う既決の指定管理料の追加や変更など、49件の追加、8件の限度額の変更をしています。
 歳出では、主なものとしては旧市役所南庁舎別館の地盤改良工事や清滝保育所の調理室増築工事の追加などで、事業の入札後の入札残や精算等による減額を合わせて、補正総額は109万1千円です。
 なお、ゼロ市債については一般会計で計7件、9,572万5千円、水道事業会計で1件、5,400万円の合計8件、1億4,972万5千円を計上しています。

 以上をもちまして、私の総括説明を終え、各議案の詳細については担当部長から説明いたしますので、よろしくご審議いただき、適切なるご決定を賜りますようお願い申しあげます。
 ありがとうございました。

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