平成25年第3回豊岡市議会(定例会)市長総括説明

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 5月31日、第3回豊岡市議会定例会の議案提出に当たり、中貝市長が、施政方針と、当面する市政の諸課題、提出議案の主なものについての説明(市長総括説明)を行いました。

 おはようございます。
 平成25年第3回豊岡市議会定例会の開会に当たり、議員各位のご健勝をお喜び申しあげますとともに、日頃のご精励に対し、深く敬意を表します。

 また、このたび永年にわたり自治の伸展にご尽力いただいたご功績により、兵庫県功労者表彰をお受けになりました木谷としまさ議員、並びに、永年にわたり市政の伸展にご尽力いただいたご功績により、全国市議会議長会から表彰をお受けになりました青山けん議員、岡谷くにひと議員に対しまして、心からお祝い申しあげます。
 今後さらなるご活躍を祈念申しあげます。

 多くの市民の皆様のご支持を得て、引き続き市政を担当させていただくことになりました。市民の皆様のご期待に背くことがないよう、全力で駆け抜けてまいります。
 まず、私の所信を明らかにさせていただきます。

 何よりもまず、四つの危機に果敢に、大胆に立ち向います。
 一つ目は災害の危機です。治水対策は着実に進みつつあります。しかし、人間の努力を超える自然の脅威は、必ずやってきます。地震災害に対する備えもしっかりやっていかなければなりません。自助、共助、公助の組合せで、市全体の災害対応能力を高めてまいります。
 二つ目は地域経済衰退の危機です。環境都市「豊岡エコバレー」と大交流の実現を柱に、経済成長戦略を更に進めてまいります。
 三つ目は財政悪化の危機です。平成28年度以降、合併特例は徐々に減らされ、平成33年度には完全になくなります。市の財政は、歳入面で、急傾斜を転がるような事態が予測されます。備えをしっかりと進めてまいります。
 四つ目はコミュニティ崩壊の危機です。人口減少、高齢化、少子化が進み、弱まりつつある地域力をどのように補い、強めていくのか。健康政策をしっかりと進める一方、小学校区単位でのコミュニティの強化を目指し、新しいコミュニティのあり方を探ってまいります。

 他方で、豊岡には希望と可能性があります。
 「いのちへの共感」と「歩いて暮らす」をまちづくりの根底に据えながら、次の五つのことを柱に、「小さな世界都市」の実現を図ってまいります。
 一つ目に、受け継いできた大切なものを守り、育て、引き継ぐというまちづくりを更に進めます。
 二つ目に、環境都市「豊岡エコバレー」を実現します。
 コウノトリの野生復帰をシンボルとした豊岡のまちづくりは、国内外から高い評価を受けています。引き続き、環境経済戦略を推し進め、環境と経済が共鳴するまちの実現を図ります。
 三つ目に、「小さな世界都市」の市民を育てます。子どもたちです。
 (1)なによりもまず、豊岡のことをよく知っている、(2)だから豊岡が大好きだ、(3)だから豊岡の一員としての役割をちゃんと果たす。こんなふうに深く地域に根ざしながら、(4)想像の翼、空想の翼、意識の翼、行動の翼は世界へ羽ばたいていく。それが小さな世界都市の市民です。そのような子どもたちを育てていきたいと思います。そして実は、豊岡の中に「世界」がある。そのようなまちを創り上げてまいります。
 四つ目に、情報発信戦略を展開します。
 大交流の観点からは、まちは知られなければ存在しないのと一緒です。情報発信を戦略的に、そして徹底して進めます。
 五つ目に、交流基盤の整備を促進します。
 人々に豊岡に来ていただくための道路、鉄道、空路などの交通基盤を整える必要があります。近隣市町と協力し、国や県等に積極的に働きかけてまいります。
 あわせて、高い自治の気概と優れた自治能力を持つまち、歩いて暮らす健康なまち、命への共感に満ちたまちを創造してまいります。
 また、スリムで、意欲に溢れ、生産性の高い行政組織を育ててまいります。
未来への責任を果たすため、市民の皆様と心をひとつにし、力を合わせて、一歩ずつ、一歩ずつ、着実に「小さな世界都市」の実現を図ってまいります。

 さて、今議会に私から提出いたします案件は、報告事項7件、事件決議9件、条例10件、予算4件の合計30件です。
 なお、会期中に人事案件4件、条例3件の合計7件を追加提出する予定としておりますので、あらかじめご了承賜りたいと存じます。

 それでは、当面する市政の諸課題及び提出議案の主なものについてご説明申しあげます。

安全に安心して暮らせるまち

 第1に、「安全に安心して暮らせるまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、新庁舎における防災システムの構築についてです。
 現在、災害対策本部では、各地の現場情報を主に電話で把握して、それを本部内に設置した紙の地図や模造紙に掲示しています。そのため、本部員への情報提供の遅れや、表示の欠落等、不具合の発生が懸念されていました。
 そこで、新庁舎の整備に併せ、災害対策本部の情報処理機能を強化し、スムーズな情報収集と情報共有、避難情報の発令、市民への情報提供などを適宜、適切に行うことができるよう防災システムを整備します。
 具体的には、(1)兵庫県フェニックス防災システム、河川監視カメラ、主要河川の水位などの情報を本部のモニターに表示する、(2)各地の現場情報を電子化して地図上に集約し、本部及び地域本部のモニターに表示する、(3)インターネットを活用し、通行止めや避難所開設の情報などを地図上で公開する、などです。
 また、現在の防災行政無線は、合併前の異なるシステムをそのまま引き継いでいるため、市全域に情報を流すには、本庁、城崎支所、日高支所、出石支所の4箇所から放送を行わなければなりません。

 そこで、防災行政無線の操作卓を統合し、本庁からの一斉放送を可能にします。これに伴い、全国瞬時警報システム(Jジェイ-ALERTアラート)の緊急情報についても、今まで放送できなかった日高地域、出石地域がカバーされ、市全域での対応が可能となります。

 次に、「健康づくり推進モデル事業の成果の中間報告」について申しあげます。
 健康づくり推進モデル事業は、市民の健康づくり活動や地域の結びつきを高める先駆的な取組みを行う集落を3年間支援し、その成果の公表を通して健康づくり活動の他集落への拡大を図り、歩いて暮らすまちづくりを推進しようとするものです。
 昨年8月から4集落で運動教室等の事業を展開しています。参加者の皆様には、体組成測定、血液検査、アンケート等にご協力いただき、体の基礎的データや地域の結びつきに関する現状把握を進めてきました。
 このうち運動教室については、開始3カ月間の体組成測定、血液検査の結果、BMI(体格指数)の適正化や、インスリン抵抗性の有意な改善が見られ、糖尿病予防に効果があることなどがはっきりと示されました。
 また、参加者からは、姿勢が良くなった、歩くのが楽になった、顔見知りが増えた、などの声が寄せられました。さらに、口コミにより各集落での運動教室参加者が増えるなど、健康づくりの輪が広がっています。
 今後は、モデル事業期間の中で、更に地域コミュニティや医療費への効果などについても検証し、逐次結果を公表してまいります。

 次に、「風しん予防接種緊急補助事業」について申しあげます。
 関西及び首都圏を中心に風しんが流行し、県内でも患者数が増加していることから、このたび県は、妊婦への感染拡大防止を図り、子どもの先天性風しん症候群の発生を予防するため、風しんの予防接種に係る助成制度を創設するとの方針を明らかにしました。
 事態の緊急性に鑑み、県の予算化はまだされていませんが、市は風しん予防接種緊急補助事業として、6月1日から来年3月末までの接種分に対し助成を実施することとしました。助成額は定額5千円とし、市と県が2分の1ずつ負担する枠組みにしています。
 助成費用は当面予備費により対応することとし、9月定例議会に関連の補正予算を提出する予定としています。

 次に、但馬こうのとり周産期医療センターの整備について申しあげます。
 このたび、公立豊岡病院組合で進められていた周産期医療センターの基本設計がまとまり、センターの概要とスケジュールが示されました。
 センターは、豊岡病院の敷地内に別棟で、産婦人科病床、分娩室、外来診察室等を増やすとともに、新生児外来、GCU(回復治療室)を新設するなど、分娩機能と周産期医療体制を充実する設計となっています。
 さらに、産婦人科外来を女性専用ゾーンとし、自然光の入る陣痛室を設けるなど、患者の快適な環境にも配慮されています。
 今後、詳細な実施設計を行い、来年度内の供用開始を目途に、年内には建設工事に着手する予定になっています。
 市としても、但馬の他の市町と共に但馬の周産期医療の充実に向けて尽力していきたいと考えています。

 次に、軽・中度難聴児補聴器購入費等助成事業について申しあげます。
 乳幼児期や学齢期は、言語の発達やコミュニケーション能力を取得するための重要な時期です。この時期に聴覚に障害のある子どもに、早期の補聴器装着が行われない場合、言語障害など新たな障害を引き起こしやすいといわれています。
 現在、身体障害者手帳の交付対象とならない軽・中度難聴児は、障害者総合支援法に基づく補装具費支給制度の対象外となっています。
 このような状況を踏まえ、18歳未満の軽・中度難聴児の、言語の習得・教育等における健全な発達の支援を目的に、補聴器の購入費用に対する助成制度を創設します。
 助成額は定額とし、市と県が2分の1ずつ負担します。今議会に関連の補正予算を提出しています。

 次に、豊岡市国民健康保険税条例の一部改正について申しあげます。
 豊岡市国民健康保険運営協議会において審議いただき、去る5月10日に「平成25年度豊岡市国民健康保険事業運営の基本方針について」の答申を受けました。この答申の趣旨を尊重し、豊岡市国民健康保険税条例の一部改正案を今議会に提出しています。
 被保険者一人当たりの医療費の伸びは、昨年度と比較して2.7パーセントの増を見込んでいます。
 しかし、税額の決定に当たっては、医療費の増加と現下の経済情勢を考慮し、被保険者の負担が昨年度並となるよう、昨年度繰越金の半額の2億5,600万円と、国民健康保険財政調整基金の1億8千万円を税の軽減に充てることとしました。その結果、被保険者一人当たりの平均国保税額は、基礎課税分、後期高齢者支援金分、介護分を合わせて9万4,229円、昨年度と比較して0.07パーセントの増に抑えています。なお、モデル世帯の試算では、昨年と同じ所得の場合、昨年度に比べ減額となっています。

 次に、こども医療費助成事業の拡充について申しあげます。
 県制度の改正を受け、子育て世帯への支援の充実を図るため、通院医療費の助成対象について、現行の小学4年生から小学6年生までを、中学3年生までに拡大します。
 また、昨年7月から実施している、小学4年生から中学3年生までの入院医療費の無料化について、申請に基づき市が助成金を給付する現金給付から、医療機関での受給者証の提示により助成給付する現物給付に変更します。
 この改正は、今年7月1日から実施することとしています。

人と自然が共生するまち

 第2に、「人と自然が共生するまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、コウノトリ野生復帰事業についてです。
 昨年7月に本市の「円山川下流域・周辺水田」が、ラムサール条約湿地に登録されました。その一つの効果として、今年3月にNPOコウノトリ湿地ネットが、海外ファンド事業「ラムサール・ダノンエビアンプログラム」の採択を受けました。これは、ミネラルウォーター「エビアン」で知られている、フランスの食品会社ダノンが基金を拠出し、ラムサール条約事務局と連携して地球規模で水資源保護に取り組むものです。ヨーロッパからの資金4万2千ユーロ(約500万円)を活用し、2年間にわたって湿地や里山再生のノウハウを磨くことになっています。

 韓国では、韓国教員大学コウノトリ復元センターで飼育されていたコウノトリを野生復帰させる場所として、いえさんぐんが選ばれ、現在放鳥に向けた準備が進められています。去る5月28日、29日に、その禮山郡の郡守をはじめ関係部署の職員など12人の視察団が本市に来訪され、豊岡の取組みを視察されました。市と禮山郡は、両都市間で、コウノトリの野生復帰に関する情報等の交流を行っていくことについての合意書を取り交わしました。
 県立コウノトリの郷公園からは、これまでに6羽のコウノトリが韓国側に譲渡されており、その中からペアもでき、18羽が育っています。今後、豊岡から送られたコウノトリの子孫が韓国の空を舞い、あるいは両国間をコウノトリが行き来するようになることも決して夢ではないと期待しています。

 次に、大規模太陽光発電事業について申しあげます。
 環境都市「豊岡エコバレー」のシンボルとして、再生可能エネルギーの地産地消を進めるとともに、エネルギー利用の多様化を促進するため、メガソーラー発電事業に取り組み、第1期として山宮地場ソーラーを昨年12月に竣工しました。
 発電量は、竣工から2カ月間は、積雪の影響から想定の65パーセントにとどまりましたが、5月30日までの5カ月半では、104.6パーセントまでに増加しました。これは、3月から5月がいずれも想定の120パーセント以上の発電量となったことが要因です。今後の発電量に大いに期待しているところです。
 山宮地場ソーラーの第2期事業については、6月上旬に着手し、8月上旬に駐車場増設部分の発電を開始し、9月末に旧スキー場分の発電も開始する予定にしています。
 また、株式会社カネカと土地貸付契約を締結した日高町堀の市遊休地については、カネカにおいて7月を目途に工事着手され、12月に発電が開始される予定です。
 さらに、環境都市「豊岡エコバレー」の取組みを広くPRするため、但馬空港に、地場産の太陽光パネルを設置します。空港敷地内での太陽光発電事業について、県と協議を進めてまいりましたが、このたび、但馬空港西側広場の一部を無償で借り受けることとなりました。事業面積は約1.9ヘクタール、発電規模は0.7メガワット程度を予定しています。
 空港や市の施策のPRを行い、空港運営及び利用促進にも役立てていきたいと考えています。
 事業手法としては、太陽光発電設備設置、保守管理等を含めた包括的施設リース方式を採用し、売電収入で経費を賄うこととしています。
 売電価格の有利な期間内に事業化したいと考え、今議会に債務負担行為及び関連の補正予算を提出しています。議決後、詳細の協議を進め、8月には工事着手したいと考えています。

持続可能な「力」を高めるまち

 第3に、「持続可能な「力」を高めるまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、海外戦略の推進についてです。
 将来的に減少が見込まれる国内観光需要を補完し、地域経済の活性化を図るために、外国人観光客の誘客(インバウンド事業)の推進に積極的に取り組んでいきたいと考えています。
 海外からの観光需要を獲得するためには、市場ニーズや趣向を的確に踏まえ、ターゲットとする市場を選定し、豊岡ならではの高品質で競争力のある観光資源を提供する戦略的な取組みが必要です。
 具体的には、外国人によるモニターツアーやアンケート調査によるニーズ分析、課題の整理を進めるとともに、欧州最大の旅行博「WTM in London」への出展やフランス政府の公式機関「アンスティチュ・フランセ東京」での講演など、本国及び在日のヨーロッパ人に訴求するためのプロモーションを展開してまいります。
 また、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンに城崎温泉などが掲載されたことを受け、ミシュラン側と協議した結果、全但バスの特急バスにミシュラン・グリーンガイドをイメージしたデザインのラッピングを施し、大阪・城崎温泉間で「(仮称)ミシュラン・グリーンガイド・ライナー」が運行されることになりました。
 今後、官民が一体となってインバウンド事業を効果的に進めていくために、観光協会など民間の観光に携わる方々と十分議論した上で、情報やビジョンを共有していきたいと考えています。

 次に、夏に向けての情報発信戦略について申しあげます。
 情報発信の拠点である東京で、豊岡市を発信するイベント「豊岡エキシビション」を8月2日から9月5日まで開催します。第5回目となる今年は、現在首都圏集客力ランキング首位の商業施設「渋谷ヒカリエ」を会場とし、イベント自体にもニュース性を持たせるとともに、より発信力の高いメディアに豊岡を強力に売り込みたいと考えています。
 大きく三つの内容を考えています。
 一つ目は、渋谷ヒカリエ8階のガラス張りのイベントスペース「アイーーーマ」を借り上げ、6日間限定の市長室を設けます。ただし、私の在室は2日間を予定しています。これを話題に、発信力の高いメディアを招いて、その様子を広く公開し、豊岡を強力に売り込んでいきたいと考えています。

 二つ目は、豊岡定食の販売です。豊岡の食材を使った定食を開発し、同8階フロアーにある人気レストラン「dディー4ヨン7ナナ食堂」において、8月2日から9月5日まで販売します。期間中は、メニューブック内に「豊岡定食」と豊岡の食材を紹介する説明書を挟み込み、平日約400人、土日約500人の来店者に豊岡をアピールします。
 三つ目は、同フロアーにある「d47デザイントラベルストアー」において、8月19日から9月1日までの間、豊岡産の商品を販売します。こちらも、平日約3,500人、土日約5千人が来店する人気ショップです。

 また、海外からの観光客を増やしていくために、国、県、城崎温泉観光協会、JR西日本と共同で、「名探偵コナン 城崎温泉ミステリーツアー」を実施します。これは、台湾・韓国からの観光客を対象にした、アジアでも人気のあるアニメキャラクター「名探偵コナン」を起用したツアーです。実施期間は、7月1日から来年2月28日までです。専用のレールパス及びツアーキットを手に、城崎温泉に設定されたチェックポイントを巡り、ヒントを手がかりにアニメの世界観で謎解きをしながら、観光を楽しんでもらうという企画です。
 これらの事業を通して、多くの方に豊岡市を知っていただくとともに、国内外からの宿泊客の増加を目指していきたいと考えています。

 次に、東京・有楽町に平成23年7月にオープンしたアンテナショップ「コウノトリの恵み豊岡」の売上実績について申しあげます。
 まず、売上状況は、2年目となる昨年7月から今年4月までの総売上高は、2,248万円で、1カ月当たりの売上高は224万円となっています。オープン1年目の1カ月当たりの売上高は170万円でしたので、32パーセントアップしています。
 来客数も伸びています。2年目の昨年7月から今年4月までの来客数は2万 5,548人でした。1年目の同期間は1万9,174人でしたので、33パーセントのアップです。
 今年4月から毎週木曜日に豊岡の和菓子と旬の野菜を販売したり、軟骨イカ天バーガーや、イカ墨クッキーなどの新商品を取り入れるなど、新たな取組みも始めています。今後も、店舗を活用したイベントなどを積極的に行い、さらなる売上アップを目指します。
 なお、アンテナショップ運営事業者の日和山観光株式会社のネットワークを活用し、「かに道楽」全店舗に「川崎尚之助の故郷・出石」をPRするポスターを貼らせていただいています。今後も、アンテナショップを核とした情報発信に努めてまいります。

次に、豊岡農業スクールの開校について申しあげます。
 市の農業の振興において、新規就農者及び農業後継者の確保、育成は喫緊の課題であり、明日の農業の担い手を継続的に養成するため、「豊岡農業スクール」を4月に開校しました。
 研修生3人を募集した結果、2人を研修生として決定し、4月24日の入校式後、派遣研修を行っています。残る1人については、6月上旬に追加募集を行う予定にしています。
 研修生は、就農に必要な農業生産技術と経営管理能力を身につけるため、市内の認定農業者である法人組織に1年間派遣されて実務研修を受けます。また、農業経営、農地法、有機農業などの知識を習得するため、2カ月に1回の割合で座学研修も受講します。
 新規就農者の確保を図り、農業が持続可能な産業となるよう、関係機関と連携を図りながら事業を推進してまいります。

 次に、北近畿豊岡自動車道建設事業の進捗状況について申しあげます。
 去る4月8日に国から、(仮称)豊岡北から(仮称)豊岡南までの間について、都市計画決定に向けた環境影響評価の手続きを開始する旨の発表がありました。
 今後、環境影響評価の概要書、準備書及び評価書が作成され、都市計画が決定された後、事業化がなされる予定です。
 これを受け、市も市内道路網における将来交通量の推移を予測し、幹線道路整備方針や都市計画道路見直し方針の検討を行うことにしています。

 次に、神鍋線上限200円バス社会実験について申しあげます。
 平成23年10月から1年間実施した社会実験の結果を受けて、更に1年間社会実験を実施することとし、今年4月1日から再スタートしました。
 それに先立ち、3月29日に「神鍋線乗って守ろう市民運動推進協議会」総会が、総勢150人の参加の下で開催されました。地元代表者と運行事業者である全但バスから、12万1千人の目標達成に向けて強い決意表明がなされ、市、全但バス、地元の3者が、それぞれの役割と責任を果たすことを再確認する協定を締結しました。
 この役割と責任を果たすべく最初の取組みとして、4月22日から30日の間、地元役員32人、市職員35人、全但バス職員43人の延べ110人で、清滝・西気地区の760戸を各戸訪問し、地域の方々に対し社会実験の意義や神鍋線の重要性を直接訴えました。
 今年4月の利用実績は、利用数7,530人、達成率75.7パーセントで、昨年同月と比べて利用者数が14.6パーセント、達成率が9.6パーセント向上しました。
 5月28日に私も参加して街頭キャンペーンを行ったところですが、この社会実験が成功するよう、今後も市としての責任と役割を果たしてまいります。

未来を拓く人を育むまち

 第4に、「未来を拓く人を育むまち」に関連する内容について申しあげます。

 夢への挑戦応援事業(夢の教室)についてです。
 市では、子どもたちの夢の実現を応援する新たな取組みとして、今年度から市内の小学5年生全児童を対象に、「夢への挑戦応援事業(夢の教室)」を実施しています。
 これは、サッカーをはじめ、いろいろな種目の選手、OB、OGが、「夢先生」として小学校の教壇に立ち、「フェアプレー精神」や「夢を持つことの大切さ」、「仲間と協力することの大切さ」を子どもたちに伝える「夢の教室」を開催するものです。

 市は、4月26日に日本サッカー協会と県内では初めてとなる相互協力協定を締結しました。当日は、中筋小学校に元サッカー日本代表の永島あきひろ氏を夢先生として迎え、第1回「夢の教室」を実施しました。

 その後、トランポリンでアテネオリンピックなどに出場した廣田はるか氏や、横浜マリノスに所属しJリーグの黎明期を支えた水沼たか氏、元女子サッカー日本代表の川上直子氏などが、順次市内の各校を訪れて夢の教室を開催しています。6月中旬までに市内全校での開催を終える予定です。当面3年間は事業を継続したいと考えています。

人生を楽しみお互いを支え合うまち

 第5に、「人生を楽しみお互いを支え合うまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、南極事業についてです。
 市職員が、416日間に及ぶ第53次南極地域観測隊の任務を終え、去る3月20日に帰国しました。
 郷土の冒険家植村直己の冒険心を引き継ぎ、夢を抱き、挑戦する心を育むとともに、世界と切り離して考えることのできない地球環境問題を、多角的視野で捉えることのできる人づくりを目指して、南極事業を実施します。
 具体的には、市内の全小・中学生を対象にした出前授業、第54次南極地域観測隊員と衛星回線を介して行う南極授業ライブ2013、南極で共に活動した隊長と隊員を招いての南極講演会、写真による南極紹介展などを開催します。
 豊岡にいるからこそ世界につながる、夢を持つことチャレンジすることの大切さも併せて伝えながら、第2第3の隊員が現れることを期待しています。

 次に、(仮称)日本劇作家大会2014豊岡大会の誘致について申しあげます。
 日本劇作家大会とは、日本の劇作家・俳優・演出家・美術家・制作者などの幅広い演劇人のほか、映画・テレビなどのジャンルからもゲストを迎えて、シンポジウム・ワークショップ・講座・リーディング・パフォーマンスなどを行うイベントです。
 延べ200人を超える演劇人たちと、想定では延べ6千人を超える一般参加者の手で行われる舞台芸術文化の祭典です。
 来年4月に、(仮称)城崎国際アートセンターが開館します。当該施設は、国内外の芸術家が滞在しながら作品制作を行うアーティスト・イン・レジデンス機能を持つ芸術文化の創造拠点です。その存在を全国の関係者にアピールすることなどを目的に、全国的な劇作家等による大規模な大会を誘致したいと考えています。
 また、来年は但馬理想の都の祭典から20周年の節目に当たり、夢但馬2014として様々なイベントが実施されます。その一環としても誘致したいと考えています。

 豊岡市民プラザが、アートスクールや演劇などのさまざまな自主事業を展開する中で、平田オリザ氏や内藤ひろのり氏などの著名な劇作家との友好関係が深まってきたことが、今回の誘致活動のきっかけとなりました。
 コウノトリをシンボルとしたまちづくりに加え、今までにない”新たな文化・芸術創造のまち豊岡”や”「小さな世界都市」豊岡の芸術文化創造の国際的な拠点”として国内外に広く情報発信することにより、大交流を進めることができるものと考えています。
 今後は、正式な誘致に向けて日本劇作家協会、県等関係団体と調整・協議を行っていきたいと考えています。開催時期は、来年6月中旬を予定しています。

市政の運営

 第6に、「市政の運営」に関連する内容について申しあげます。

 まず、志賀直哉城崎温泉来訪100周年記念事業についてです。
 城崎温泉には、古くから多くの文人墨客が訪れています。志賀直哉は療養を目的に城崎温泉の三木屋旅館に逗留しました。
 この逗留期間中の出来事を執筆した「城の崎にて」は、高校の国語の教科書に掲載され、城崎温泉の名前が全国に知れわたりました。
 今年は、志賀直哉が城崎温泉に来訪してから100周年となることから、志賀直哉を偲び、功績に感謝し、あわせて地域の活性化を図ること目的に、地元関係団体で構成する実行委員会が組織され、100周年記念事業が実施されることとなりました。
 具体的には、女優紺野美沙子氏による記念フォーラムや、同志社女子大学によるゼミ、資料展の開催、逗留部屋の公開、散策会の開催のほか、誘客のための環境整備として散歩道が整備されます。
 あわせて、城崎温泉オリジナルブック『城の崎にて』が作成されるとともに、各種団体のホームページや各種メディアを通じて情報発信が行われます。
 市としても、実行委員会の活動を支援するため、これらの事業に対して補助を行うこととしています。

 次に、神鍋地域活性化計画について申しあげます。
 神鍋地域では、スキー人口の減少や少子高齢化などによる観光産業や農業等の後継者不足から、地域活力の衰退が懸念されています。
 日高町観光協会は、地域の閉塞感を打破し、元気な地域を再生させるため、今年3月に「次世代のために、今できること」をまとめた「神鍋地域活性化計画」を策定されました。
 計画は、(1)地域組織の強化と構築、(2)地域資源を活かした観光客の集客、(3)新たな産業・文化の創造と豊かな地域づくりの施策等で構成されています。
 計画の期間は、今年度から平成34年度までの10年間で、市は、当地域の取組みを引き続き支援してまいります。

 次に、給与減額支給措置について申しあげます。
 国家公務員の給与については、臨時特例法により、昨年4月から来年3月末までの2年間、給与減額支給措置が行われています。
 これは、国の厳しい財政状況及び東日本大震災に対処する必要性から、一層の歳出削減が不可欠であり、特例措置として実施されているものです。
 また、地方交付税についても、改正地方交付税法が今年4月1日から施行され、地方自治体が7月からの給与の減額を実施することを前提に、基準財政需要額が算定されます。そのため、本市の地方交付税は減額となり、間接的に市民生活への影響が生じることになります。
 今回の国の措置は、本来地方の財源である地方交付税の制度をないがしろにする、地方自治に対する大変な侵害であり、減額条例の提案は、本市自治にとって屈辱の出来事であると考えています。しかし、地方交付税を盾に、いわば市民を人質にとられているようなものであり、市民への影響を小さくするためには、やむなく、本市においても、今年7月から来年3月末までの9カ月間、給与の減額を実施せざるをえないと判断しました。
 現在、職員労働組合と交渉を重ねていますが、妥結し次第、特別職の給料減額も含めた関係条例の一部改正案を今議会に提出したいと考えています。

 次に、地域の元気臨時交付金について申しあげます。
 国の平成24年度補正予算において、「地域経済活性化・雇用創出臨時交付金」、いわゆる「地域の元気臨時交付金」が計上されました。
 この交付金は、今年1月に閣議決定された「日本経済再生に向けた緊急経済対策」で追加された公共投資の地方負担が多大なため、地方の資金調達に配慮し、経済対策の迅速かつ円滑な実施を図ることを目的に創設されたものです。その使途は、建設公債の対象となる国庫補助事業のほか、地方単独事業の財源としても充当できるものとなっています。
 市への交付額は、まだ明確に示されていませんが、現時点では3億5千万円程度になるものと試算しています。経済対策の趣旨を踏まえ、今年度に積極的に投資単独事業を追加計上し、その財源として充当していきたいと考えています。
 具体的には、今議会に提出した補正予算案に、安全に安心して暮らせるまちづくりに向けた施策を中心とした6事業を計上し、当初予算の1事業も含めて、合計3億4,250万円の交付金を充当する予定にしてします。

 次に、現本庁舎について申しあげます。
 現本庁舎は、2階が議場になりますが、1階と3階は市民利用に供することから、その部分を公の施設として管理する必要があります。名称は、豊岡藩の藩校である「稽古堂」を引用した「豊岡稽古堂」とし、今議会に豊岡稽古堂の設置及び管理に関する条例案を提出しています。
 現本庁舎は、昭和2年の建築以来、様々な多くの人々が集い、市の施策に係る議論を行い、豊岡の歴史を作ってきた建物です。「稽古」とは古に学ぶ、という意味であり、豊岡の歴史を受け継いでいくものとして、ふさわしい名前であると考えています。
 施設の利用については、施設内の見学や休憩等の一時的な使用は無料とし、展覧会等で占用する場合は使用料を徴収することにしています。
 閉館日は、水曜日及び年末年始とします。市民の利便性を高めるため、市民プラザ及び市民会館の閉館日の火曜日と重ならないようにしています。開館時間は、使用申込がない場合は午前8時30分から午後5時15分まで、使用申込がある場合は午前8時30分から使用申込時間までとし、午後10時を限度とします。
 多くの方に利用していただき、市民の交流や文化の向上、併せて中心市街地の活性化に繋がることを期待しています。

 次に、新庁舎の利用について申しあげます。
 来庁者が庁舎内へ自由に出入りできる時間は、午前8時30分から午後5時 15分までとします。その時間内であれば、執務室や会議室等の一部施設を除き、庁舎内は自由に見学していただくことができます。
 また、東側ウイングの2階に食堂を設けます。運営は出石精和園にお願いすることとしています。営業時間は午前8時30分から午後5時30分までを予定し、来庁者の方にもたくさん利用していただきたいと考えています。
 来年の春までは外構工事のため、出入口や駐車場についてご不便をおかけいたしますが、ご理解をお願いいたします。
 外構工事完了後の駐車場については、庁舎北側の駐車場を来庁者用とし、東庁舎別館跡地に整備する駐車場を議員の皆様や報道機関、本庁以外から来庁する職員用にする予定です。
 駐車料金については、従来からの料金体系を基本に検討し、これまで同様周辺商店等との連携のためサービス券の導入も検討しています。
 職員については、ICカードを使用して、出退勤の記録や勤務時間外の執務室への入室を行うことになります。これにより入室者の管理を行い、セキュリティの強化とタイムカードの廃止によるペーパーレス化を図ります。

 次に、新庁舎建設事業について申しあげます。
 7月25日の完成まで、あと2カ月を切りました。外部の足場が解体され、リニューアルした現本庁舎と新庁舎の外観が、私たちの目の前に姿を見せました。内装工事が順次進み、現本庁舎の電気設備機器の取り付け作業や、新庁舎の北側出入口のスロープの工事に着手します。
 8月には、健康福祉部及び上下水道部を除く33の本庁部署を移転します。職員448人分の備品や公文書などを移転する必要があるため、対象部署を2グループに分け、8月の第2週と第3週の週末を利用して移転します。
 今回、情報サーバー本体の移転もあり、安全性を考えると機器の設置や動作確認に3日間が必要と想定されるため、8月12日、月曜日は新庁舎での本庁業務を休業します。各支所での業務は通常どおり行い、住民票の発行等、市民の皆様にできる限り不都合が生じないよう努めてまいります。
 8月13日に新庁舎での業務を開始するとともに、開庁式等の式典の開催を予定しています。

予算、決算

 続いて、平成24年度一般会計専決補正予算及び決算見込みについて申しあげます。

 まず、平成24年度一般会計専決補正予算第8号についてです。
 地方譲与税、各種交付金、特別交付税等が確定したところ、予算額を上回る歳入額となりました。今後の財政見通しを踏まえた上で、財政調整基金へ6億5千万円を積立てることとして、去る3月29日に専決処分しましたので、今回、報告案件として提出しています。

 平成24年度の決算については、昨日までの状況を踏まえて見通すと、市税収入が予算額に対して1億円を超える増収となる見込みであることや、使用料・手数料等の歳入増、歳出経費の不用額などにより、実質収支では約7億円の黒字となる見込みです。平成23年度の実質収支額との差引きである単年度収支は、平成23年度の実質収支額が10億円を超える黒字であったこともあり、平成24年度は差引き約4億円のマイナスとなります。
 また、年度中の基金への積立金や取崩し額、繰上償還額など黒字・赤字要素を加味した実質単年度収支は約9億円となります。財政指標から分析すると、財政運営はおおむね適切にできたものと考えています。

 次に、平成25年度宅地事業特別会計補正予算について申しあげます。
 宅地事業特別会計補正予算第1号については、平成24年度宅地事業特別会計が赤字決算となることから、今年度予算から繰り上げ充用を行うものです。例年、専決処分をさせていただいておりましたが、今議会が出納整理期間内の開会となりましたので、本日、補正予算を提出し、即日でのご審議をお願い申しあげます。

 次に、平成25年度一般会計補正予算について申しあげます。
 一般会計補正予算第1号については、緊急やむを得ないもののみ補正することとし、但馬空港大規模太陽光発電事業の包括的施設リースや(仮称)東保育園の運営費補助、指定管理者制度を導入する施設の管理者を公募するための債務負担行為と、インバウンド事業や環境経済事業を展開するための経費、こども医療費助成制度の拡充、国庫補助事業の採択に伴う建設事業費の追加や地域の元気臨時交付金を活用する事業費などに、3月定例議会で当初予算の議案訂正をさせていただいた際に、一時的に計上した財政調整基金繰入金及び予備費の増額分の減額を含め、総額で1億937万4千円を計上しています。それに必要な財源は、地方交付税等で措置します。
 財政運営については、引き続き一層の財源の確保と経費の節減合理化に努め、中長期的な視点に立った節度ある運営に十分留意し、財政体質の健全化に努めてまいります。

 以上をもちまして、私の総括説明を終え、各議案の詳細については担当部長から説明いたしますので、よろしくご審議いただき、適切なるご決定を賜りますようお願い申しあげます。
ありがとうございました。

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