平成25年第4回豊岡市議会(定例会)市長総括説明

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 8月30日、第4回豊岡市議会定例会の議案提出に当たり、中貝市長が、施政方針と、当面する市政の諸課題、提出議案の主なものについての説明(市長総括説明)を行いました。

 おはようございます。
 平成25年第4回豊岡市議会定例会の開会に当たり、議員各位のご健勝をお喜び申しあげますとともに、日頃のご精励に対し、深く敬意を表します。

 新しい議場での初議会です。
 北但大震災からの復興のシンボルとして建設された旧本庁舎が、見事にリニューアルされました。言論の府たる議会の拠点である、この真新しい議場で、議員の皆様と真摯に議論を交わし、市民の皆様の負託にしっかり応えてまいりたいと、決意を新たにしているところです。

 今月13日に新庁舎開庁式典を挙行し、新庁舎での業務がスタートしました。市役所庁舎は、市民の皆様の施設であり、市民の皆様の期待の場であります。この庁舎が市民の皆様の信頼の場となるよう職員と一丸となって努力してまいります。

 現在、豊岡エキシビションを「渋谷ヒカリエ」で開催中です。
 私は、27日から3日間参加しました。毎日テーマを変え、歌舞伎俳優の中村壱太郎(かずたろう)さん、雑誌「ソトコト」の編集長の指出一正(さしでかずまさ)さんなどと、2回のトークショーや豊岡の食材を使った交流会を行い、300人を超える方々に豊岡の取組みをPRしました。
 出張市長室には、俳優の柳生 博さん、劇作家の平田オリザさん、楽天トラベルの山本社長など22組・66人もの多くの方々に訪ねてきていただきました。加えて、1日当たり約100人の一般来訪者もありました。
 今月2日から9月5日まで1日30食限定で提供している「豊岡定食」は、大好評で毎日完売となっています。竹野のシロイカ、石もずく、コウノトリ育むお米、神鍋高原の野菜など、豊岡の豊かな食材を盛り込んでいます。また、豊岡鞄と木製ハンガーの販売も行い、多くの方々に豊岡産品を身近に感じていただきました。
 私が滞在したのは短期間でしたが、いずれの日も大変盛況で、会場にお越しいただいた首都圏の皆様、特に発信力のある雑誌などマスコミ系の方々に豊岡の魅力を十分伝えることができたものと確信しています。

 さて、今議会に私から提出する案件は、報告事項6件、事件決議10件、条例11件、予算10件、決算4件の合計41件です。
 なお、会期中に報告事項1件、人事案件5件を追加提出する予定としておりますので、あらかじめご了承賜りたいと存じます。
 それでは、当面する市政の諸課題及び提出議案の主なものについてご説明申しあげます。

安全に安心して暮らせるまち

 第1に、「安全に安心して暮らせるまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、豊岡防災公園の整備拡充についてです。
 今年5月に、防災倉庫を設置するとともに、災害時に負傷者の重傷度・緊急度を判断するトリアージポストのスペース、平常時には公用車駐車場として利用する豊岡防災公園を整備しました。
 しかし、緊急用災害資材置き場、災害用作業重機の駐車スペース、災害資材収納倉庫等が不足しているため、豊岡防災公園の北に隣接する民間用地を購入し、豊岡防災公園の充実整備を図りたいと考えています。当該用地の一部は、現在市が公用車の駐車場として借用しています。このたび、この用地の所有者から売却の申し出があったため、買収整備しようとするものです。
 今年度に用地の買収と倉庫棟の実施設計を行い、来年度に整備を完成させる予定です。

 次に、豊岡健康福祉センター利用計画について申しあげます。
 豊岡健康福祉センターは、平成22年度から、その一部を市の城南仮庁舎として使用してきました。このたび、その機能が新庁舎へ移転したため、空きスペ-スを有効に利用するべく、今後の利用計画を策定しました。
 市民福祉の増進及び健康づくりのために利用することを基本的な方針とし、生活相談室、ボランティアセンター、視覚・聴覚障害者室等を引き続き設置するとともに、現在1室しかない会議室の貸室を新たに1室増やします。
 福祉関係団体等の専用使用については、現在専用使用している団体は引き続き使用を認めるとともに、健康福祉センターの利用方針に基づき、新規に障害福祉サ-ビス事業者などの4団体の使用を認めることとしています。
 また、不登校対策及び特別支援教育事業を行っている「ふれあいセンター」については、現在の塩津町の建物が手狭であり、かつ老朽化しているため健康福祉センターへ移転します。
 健康福祉センターの建物は、旧耐震基準による建築であるため、耐震診断を行った上で、必要な耐震補強工事を行います。移転時期については、耐震補強工事の状況を勘案しながら決定したいと考えています。
 今議会に、部屋を分割する間仕切り設置、空調機器取り替え、耐震診断等に係る補正予算を提出しています。

 次に、第2あすなろ苑の利活用について申しあげます。
 現在、市が特定非営利活動法人豊岡市手をつなぐ育成会に無償で貸付けている第2あすなろ苑は、使用貸借期間が今年9月30日で満了となりますが、育成会から、移転先の施設整備が遅れるため期間を延長してほしい旨の申し出がありました。これを認め、使用貸借期間を来年3月31日まで延長することにしました。
 返還後の第2あすなろ苑の利活用については、市内の障害福祉サービス事業を営む2法人から、利用したい旨の要望書等が提出されています。
 市としては、引き続き障害福祉サービスを提供する施設、中でも、障害児に対するサービス事業所が不足しているため、児童発達支援、放課後等デイサービス及び短期入所のすべてを提供することができる事業者を、公募により選定したいと考えています。

人と自然が共生するまち

 第2に、「人と自然が共生するまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、北但ごみ処理施設整備事業についてです。
 北但行政事務組合は、北但ごみ処理施設整備・運営事業をDBO方式で実施することが適当であることを公表し、今年1月に、同事業の事業者選定を総合評価一般競争入札で行う公告を行いました。
 その後、入札参加者2者から提案書を受理し、今月5日開催の第6回事業者選定委員会において、総合評価値の高いタクマグループが優秀提案者として選定されました。
 タクマグループは、代表企業の株式会社タクマ、構成員の株式会社タクマテクノス西日本支社、協力企業の株本建設工業株式会社、株式会社川見建設、株式会社西山工務店で構成されています。
 この審査結果を踏まえ、北但行政事務組合は、タクマグループを落札者として決定しました。税抜きの落札金額は、予定価格203億800万円に対して、172億6,100万1円となりました。入札結果を受け、施設整備費に関して、市が設定する債務負担行為の限度額の変更を今議会に提出しています。
 北但行政事務組合では、10月の組合議会に契約案件を提出する予定です。

 次に、海岸漂着物地域対策推進事業について申しあげます。
 但馬海岸には国内や周辺国から大量の漂着物が押し寄せるとともに、河川からもごみが流出して漂着し、山陰海岸ジオパーク内の景観が損ねられ、環境悪化などが危惧されています。
 そのため、市は、今年度と来年度に県が実施する環境保全基金事業のうち、海岸漂着物地域対策推進事業に取り組み、人や車が立ち入れない海岸の漂着物を回収、処理することで、美しい海岸の創出を目指します。今年度は竹野及び港地域の海岸を実施する予定です。

 次に、大規模太陽光発電事業について申しあげます。
 「豊岡エコバレー・山宮地場ソーラー」は、今月15日で発電開始から8カ月が経過しました。この間の発電量は、想定量の110.2パーセントで、売電収入は約2千万円となります。
 山宮地場ソーラーの第2期事業は、工事準備期間が延びたことや電力会社からの電力取引メーターの納期遅延などにより、当初予定していた9月から10月中旬の売電開始に変更しなければならなくなりました。当初の履行期限を1カ月延長して10月末とし、できるだけ早い連系開始を目指したいと考えています。
 但馬空港西側広場における太陽光発電事業については、包括的施設リース方式を採用し、市内企業である但銀リース株式会社及び同栄商事株式会社、並びに株式会社カネカの3社と契約に向けた協議を進めています。協議が整い次第、本契約を経て9月には工事着手したいと考えています。
 また、株式会社カネカと土地貸付契約を締結した日高町堀の市遊休地については、当初の計画より工事着手が遅れていますが、12月に発電開始する予定に変更はないと聞いています。
 これらの発電事業は、再生可能エネルギーの地産地消や経済の域内循環に寄与するものと期待しています。

 次に、豊岡市生物多様性地域戦略について申しあげます。
 平成23年11月から検討委員会を組織し、検討を重ねてきた「豊岡市生物多様性地域戦略」がまとまりました。
 戦略の期間は15年間で、目標とする姿を「穏やかに響きあう いのちと地域」とし、5年ごとに短期戦略を立てて内容を見直すこととしています。
 コウノトリ野生復帰の取組みを通じて得られてきた、地域まるごとで生きものを支えるという姿勢を拡大し、「コミュニティの力で支える生物多様性保全」を戦略の基本方針としました。生きもののつながりは、地域の自然環境や文化環境と切っても切れない関係にあることから、生物多様性を守るには、地域の共同体に着目しなければならないという考え方に基づくものです。豊岡の実践に根差した、豊岡にふさわしい内容になったものと考えています。
 特徴的なのは、戦略を実践する際の地域の単位として「小学校区」に着目しているところです。小学校区は、誰もが口ずさむことのできる「校歌」を通じて、ふるさとのイメージを共有できる範囲です。身近な地域の中で、地区公民館やPTAなどのコミュニティのつながりを生かしながら、具体的な取組みを進めていくこととしています。

持続可能な「力」を高めるまち

 第3に、「持続可能な「力」を高めるまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、アンテナショップについてです。
 アンテナショップ「コウノトリの恵み豊岡」が2周年を迎えました。
オープン2年目の昨年7月から今年6月までの総売上高は2,738万円で、1年目の2,040万円と比較して34.2パーセントアップしました。
 来客数も2年目は3万2,002人で、1年目の2万4,297人と比較して31.7パーセントアップしています。
 売上、来客数ともに伸びてきたのは、事業者の努力により、店舗がより広く認知され固定客がついてきたことや、特別販売、曜日限定販売が功を奏したためだと考えています。
 また、アンテナショップ店舗に加え、運営主体の日和山観光株式会社の関係企業である「かに道楽」の首都圏店舗では、観光パンフレット、イベントチラシの配布や、観光ポスターの掲示をして、首都圏での情報発信の拠点としての役割も担っていただいているところです。
 今後も、運営主体の日和山観光株式会社と協議を重ねながら、豊岡の魅力を発信できる商品を増やすとともに、店舗を活用したイベントなどを積極的に行い、さらなる売上増や発信力アップに努めてまいります。
 ところで、日経リサーチ社の「地域ブランド戦略サーベイ2013」の結果では、2010年調査と比較して、本市の「理解度」は14.4パーセントから21.3パーセントに6.9ポイントアップし、「購入意向」も13.4パーセントから20.9パーセントに7.5ポイントアップしています。本市の情報発信戦略等の成果が徐々に現れてきたといえますが、絶対値としてはまだまだなので、さらなる努力をしてまいりたいと考えています。

 次に、ジオツアーバスの運行について申しあげます。
 ジオツーリズムの推進と観光客誘致などを目的に、市内で宿泊し市内ジオパーク関連施設2カ所以上を見学することなどを条件に、ジオツアーバス補助制度を平成23年度から実施しています。補助額はバス借上料の2分の1以内で、5万円が上限です。
 実績として、利用バス台数は、平成23年度が72台、平成24年度が82台で、13.9パーセントの増、延べ人数は、平成23年度が2,331人、平成24年度が2,860人で、22.7パーセントの増となっています。
 今年度は更に好調で、今月19日現在で、すでにバス66台の利用がありました。今後も九州圏からの教育旅行等での利用が多く見込まれ、当初予算に計上した120台分では不足すると予測されるため、30台分を追加して150台分とする補正予算を提出しています。
さらに、来春以降の、中京圏などの旅行代理店等による商品造成の誘発を狙い、今秋の営業活動を積極的に展開したいと考えています。そのため、補助単価を半額に見直した上で、今議会に300台分、750万円の債務負担行為に係る補正予算を提出しています。

 次に、豊岡農業スクールについて申しあげます。
 本市の明日の農業を担う農業者を育成する「豊岡農業スクール」が4月に開校し、5カ月が経過しました。
 研修生3人は、現在農業生産法人の下で研修を受けています。
 研修は耕運、田植えなどの実務研修が主ですが、これまで農業振興地域制度、農地の貸借制度、米の需給調整といった農業の基礎的知識の座学研修も行いました。今後は大規模農業や施設園芸の経営のほか、より専門的な環境創造型農業についての栽培技術能力を高める研修を予定しています。
 継続的な将来の担い手育成につなげるため、県立但馬農業高校や県立農業大学校に来年度の研修生募集の説明を行うとともに、関係機関と連携を図り、認定農業者に対して研修生受け入れの理解を求めながら事業を推進してまいります。

 次に、漁業用燃油高騰対策支援について申しあげます。
 急激な円安により、燃油価格の高騰が漁業経営に大きな打撃を与えつつあるため、国は、現行の基金制度「漁業経営セーフティーネット構築事業」について、去る7月1日から、燃油価格が1リットル当たり95円を超える分の漁業者と国との負担割合を、1対1から1対3に変更する方針を出しました。
 しかし、この制度は燃油価格が1リットル当たり80円を基準に構築されているため、急激な価格高騰については、この緊急対策だけでは充分でありません。
 そこで市は、特に11月以降のカニ漁に合わせて漁業者の負担軽減を図るため、基金制度の漁業者負担金について30パーセントを上限に支援することにします。

 次に、中心市街地活性化事業について申しあげます。
旧いちご駐車場を利用する(仮称)まちなかステーションについては、まちなかの回遊拠点となるよう、来訪者向けのインフォメーションの提供や地場産品を販売するショップを設置するとともに、イベントにも利用できる多目的スペースを整備します。
 アーケードを撤去し、大型バスの乗り入れを可能にするなど、国道を行き交う車をまちなかに引き込む、市街地東部の玄関口としての機能を持たせることとしています。10月に整備工事に着手し、来年2月のオープンを目指しています。
 今議会に「豊岡市立まちなかステーションの設置及び管理に関する条例」を提出しています。

 南庁舎別館の活用については、管理運営事業者の一般社団法人ノオトと協議しながら、今年7月に実施設計の作業を終え、現在、入札手続きを進めているところです。10月から改修工事に着手する予定です。
 今議会に「豊岡市立まちなか交流館の設置及び管理に関する条例」を提出しています。

 次に、鞄縫製者トレーニングセンターについて申しあげます。
 市内のかばんメーカーでは、ミシン等を使ってかばんを製造する縫製者の不足が続いています。この状態を放置すると、かばん産業の衰退、廃業等の発生が懸念されます。
 この状態を改善するため、鞄工業組合は共同で縫製者育成を行う方向性を決め、その実施方法等について市に支援の要請がありました。
 市としては、不足している縫製者を育成すれば、雇用拡大とかばん産業の生産力向上による地域経済活性化が期待できると判断し、支援の方針を決めました。そして、国との協議により国の緊急雇用創出事業を活用し、鞄縫製者の育成を市の委託事業として実施することにしました。
 鞄縫製者トレーニングセンターでは、失業者等を3カ月間雇用して縫製技術を教えます。受講者は1回当たり10人で、今年度は2回、計20人の縫製者を育成します。受講生は、研修終了後にかばんメーカーが採用する見込みです。今年度の予定費用は1,750万円で、全て国の予算を充てます。9月2日に開校される予定です。
 今後は、応募状況を見極めた上で、この事業の継続について検討するとともに、他の業種における同様の取組みを促進してまいりたいと考えています。

 次に、住宅新築資金等貸付償還金の滞納者に対する支払督促について申しあげます。
 住宅新築資金等貸付事業は、地域改善対策特定事業として昭和41年度に発足しました。しかし、平成13年度末の法律の失効に伴い廃止され、現在は、貸付金の償還業務だけを行っています。償還率が低く、未償還分の滞納整理が長年の懸案事項となっていました。
 今年度、借受人だけでなく連帯保証人や相続関係者に対する納付交渉など、これまで行っていない法的措置を視野に入れた積極的な納付交渉や、必要に応じて法的措置として支払督促を実施しました。その結果、今年度は、前年度実績139万円よりも120万円多い259万円の償還が見込まれています。
 今後も引き続き積極的な滞納整理に努めてまいりたいと考えています。

 次に、国道426号豊岡バイパスの開通について申しあげます。
 豊岡バイパスは、公立豊岡病院へのアクセス向上と、市街地内の慢性的な交通渋滞を緩和するため、県が事業主体となり、平成14年度に着手されました。平成17年と平成22年に部分供用され、このたび、残りのJR山陰本線のアンダー区間が11月末に完成予定と伺っています。
 豊岡バイパスの全線開通により、公立豊岡病院への患者等の搬送時間の短縮、また計画中の北近畿豊岡自動車道へのアクセスの向上が期待されます。

 次に、コウノトリ但馬空港の利用状況について申しあげます。
 今年4月から今月末までの利用状況は、対前年比9.0ポイント増の68.5パーセント程度が見込まれ、過去最高のペースで推移しています。また、伊丹経由の東京の乗継利用についても、対前年18.7ポイント増の4,938人を記録するなど、年間利用1万人に達するペースで推移しています。これらは、春のダイヤ改正により、利便性が回復したことに加え、これまでの利用促進の取組みが功を奏しているものと考えています。

 次に、コウノトリ但馬空港の下期ダイヤについて申しあげます。
 市では、今年度の下期ダイヤについて、利便性が低下しないよう、県や但馬空港推進協議会などと連携し、運航会社である日本エアコミューターや日本航空に対し要望活動を実施してまいりました。しかしながら、今月21日に日本エアコミューター株式会社から、今年12月から来年1月6日までのダイヤ改正について記者発表がなされ、年末年始の一部期間について若干の調整がなされたものの、利用率が大変厳しい結果となった昨年と同様のダイヤ改正がなされることが判明しました。
 市としましては、与えられた条件の中で、最大限の利用促進に努めるとともに、来年1月7日以降のダイヤについても、引き続き利便性が確保できるダイヤ改正となるよう交渉を続けてまいります。

 次に、全但バス神鍋線の上限200円バス社会実験について申しあげます。
 この4月から第2期の社会実験をスタートさせ、地元、バス会社と一体となって利用促進に努めてまいりました。
 その結果、4月から7月末までの4カ月間の利用者数は3万4,315人で、第1期の実験結果の2万9,954人と比較し、14.6パーセント増加しました。これは地元区や老人会などを中心とした利用促進の取組みや、高校生の通学定期利用の増加などによるものです。しかし、目標の4万444人に対しては84.8パーセントの達成率となっています。
 実験を成功させるためには、地元の皆様がこの社会実験を自分たちの問題として、より共通認識を深め、神鍋線を主体的に利用することで、地元の役割と責任を果たしていただく必要があります。特に、普段マイカーを利用されている方が、いかに休日の外出時などにバスを利用していただくかが実験成功の鍵となると考えています。
 市としても、今後も沿線住民の方々に利用していただくよう、引き続き訴え続けるとともに、地域資源やイベントを活用し、神鍋地域へ訪れる方への利用促進などにも取り組み、実験を成功させたいと考えています。

 次に、合橋地区のチクタク運行について申しあげます。
 「チクタク」は、市営バス「イナカー」廃止地域など、交通不便地域での移動手段を確保するため、地元関係者で組織する運営協議会が主体となって、市の支援を受けながら運行する地域主体の公共交通です。現在、出石町奥山地区の「チクタク奥山」、出石町小野地区の「チクタクひぼこ」、但東町資母地区の「チクタク資母」の3路線で運行しており、いずれの路線も多くの方に利用していただいています。
 昨年、但東町合橋地区から「チクタク」導入を視野に入れた交通実態調査アンケート実施の依頼があり、同地区の高校生以上を対象にアンケート調査を実施しました。その後、地元での協議が行われ、このたび、合橋地区振興対策協議会から「チクタク」に取り組む旨の申し出を受けました。市では、地元と共に運営組織の立ち上げや運行計画策定など、運行開始に必要な準備を進めています。今年冬の運行開始を目指しています。

 次に、椒地域ふるさと生きがいセンターの利活用について申しあげます。
椒地域ふるさと生きがいセンターは、地域の賑わいを創出するコミュニティ活動施設として、地域住民で組織する「椒商会」が栃餅の製造と手打ちそばの店舗として活用していました。しかし、平成19年に従業者の高齢化と後継者難により廃業し、椒地域振興協議会が施設の新たな利活用を検討してきました。
 今年3月に、旧大森小学校で若者の職業訓練を行っている労協センター事業団から施設利用の申し出があり、地元との調整の結果、6月から地域資源を活用した若者の就労支援事業に利用することにしました。
 具体的には、昨年10月から今年3月まで旧大森小学校で「新エネルギー・環境コース」の職業訓練を受けた卒業生が中心となって、森林資源を枯渇させない次世代に残す山づくり事業を行います。
 また、対人関係が苦手な人や、一般就労ではすぐに社会活動に参加することが難しい人に、耕作放棄地を活用した農作業や林産物の活用、養蜂、畜産ヘルパーなどの活動を集団で行うことにより、地域社会の活動に参加できるようにお手伝いする地域活動支援センター事業も併せて行います。
 今議会に、当事業関連の補正予算を提出しています。

未来を拓く人を育むまち

 第4に、「未来を拓く人を育むまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、豊岡市子ども・子育て会議の設置についてです。
 昨年8月に「子ども・子育て支援法」等が公布され、平成27年4月から子ども・子育て支援を総合的に推進する新制度に移行します。子どもを産み、育てやすい社会を目指して、(1)質の高い幼児教育・保育の総合的な提供、(2)保育の量的拡大とその確保方策、(3)地域の子ども・子育て支援事業を充実することとされています。
 新制度への移行に当たっては、保育等の子育て支援サービスのニーズとその提供体制の確保を内容とする、市の「子ども・子育て支援事業計画」を策定する必要があります。
 この計画の策定、並びに子育て支援に関する施策の総合的かつ計画的な推進、及び施策の実施状況等を調査審議する機関として、子育て当事者や児童福祉・子育て支援事業者等をもって構成する「豊岡市子ども・子育て会議」を設置します。今議会に同会議の設置に係る条例案を提出しています。

 次に、奈佐幼稚園跡地利用計画について申しあげます。
 幼保のあり方計画に基づき奈佐幼稚園と五荘幼稚園を統廃合し、今年4月に「五荘奈佐幼稚園」を開園しました。これに伴い今年3月31日をもって奈佐幼稚園を廃園としました。
昨年11月7日に奈佐地区区長会から、奈佐幼稚園跡地を市の管理の下で地域住民が利用できる施設とするよう要望書が提出されました。
 市では、奈佐幼稚園の跡地利用について、この要望も踏まえて検討した結果、(1)小学校と県道を挟んでいるため小学校施設としての活用は難しいこと、(2)地区公民館が隣接しており生涯学習施設が不足している状況ではないことから、当面、奈佐地区に5年間の期限を区切って無償貸与し、維持管理費は地元負担とすることで地域と協議を進めています。
園庭の危険な状態にある遊具等については、市で撤去することとし、今議会に補正予算を提出しています
 また、県警察本部では、老朽化している奈佐駐在所の移転候補地として奈佐幼稚園跡地が検討されていると聞いています。今後、計画が具体化すれば、県警本部と協議してまいりたいと考えています。

 次に、(仮称)西気・清滝認定こども園の整備について申しあげます。
 指定管理により公設民営で蓼川福祉会が運営する西気保育園・清滝保育園と市が運営する清滝幼稚園の3園を統合し、(仮称)西気・清滝認定こども園を開設すべく、蓼川福祉会及び地元との協議を続けてきました。その結果、このたび、平成27年4月から蓼川福祉会が認定こども園を設置運営することの理解が得られました。
 認定こども園として運営するためには、新たに幼稚園舎を現清滝保育園に隣接して整備するとともに、短時間児にも給食を提供するため、清滝保育園の調理室を増築する必要があります。清滝保育園と清滝幼稚園がいずれも市の施設であることから、必要な施設の整備は市が負担して行うこととします。
 幼稚園施設の整備手法については、昨年8月に公布された改正認定こども園法で新たに設けられた公私連携方式の特例を利用して、市が幼稚園施設を整備した上で、施設を無償貸与する方法と、もう一つは、蓼川福祉会が幼稚園施設を整備し、その経費を市が全額負担する方法の二つの選択肢があります。
 公私連携方式を基本としたいと考えていますが、関連する改正認定こども園法の施行日が、消費税の引き上げ時期と関連づけられているため、現時点では平成26年度に公私連携方式の特例を利用した整備が可能となるかどうかは不明という状況です。
最終的にどちらの方式を選択するかは、来年度の当初予算編成時をタイムリミットとして判断いたします。
 現清滝保育園の調理室の増築については、市において今年度中に実施することとし、今議会に実施設計費の補正予算を提出しています。工事費については12月定例議会に予算を提出する予定です。

 次に、森本中学校の統合について申しあげます。
 今月28日に、竹野南地区区長会会長、森本中学校PTA会長から市に、森本中学校の統合に関する要望書の提出がありました。
 要望の内容は、(1)統合検討委員会を立ち上げ、速やかに統合に向け進める、(2)統合検討委員会により、統合校及び統合年月日を早急に決定する、(3)統合後の森本中学校については、地域振興に結び付くように市主導で検討いただきたい、というものです。
 これを受け、今後、森本中学校の統合に向けて「(仮称)豊岡市立森本中学校統合検討委員会」を早急に設置し、調整、協議を進めてまいりたいと考えています。

人生を楽しみお互いを支え合うまち

 第5に、「人生を楽しみお互いを支え合うまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、豊岡市民会館のリニューアルについてです。
 昭和46年に開館した豊岡市民会館は、本市はもとより近隣市町からも来館され、地域文化の振興を図る拠点として大いに利用されてきました。
 この間、会館の施設設備については、利用者ニーズに応えるとともに、適切な保守管理を行うための改修等を実施してきましたが、より安全安心を確保し、快適で利用しやすい施設とするため、大規模なリニューアルを行います。
 整備の内容は、建物の耐震診断結果に基づく耐震補強工事、外壁補修、トイレ改修、会議室床面張替などのほか、ホール音響改善、楽屋改修などです。
 整備工事は、会館の利用状況を考慮し、今年11月下旬から来年6月末にかけて順次施工する予定で、今議会に工事請負契約締結の議案を提出しています。
 工事期間中は、市民をはじめ利用される皆様に大変ご不便をおかけすることとなりますが、格別のご理解をお願いいたします。

 次に、豊岡市民プラザ10周年記念事業について申しあげます。
 豊岡市民プラザは、平成16年4月にオープンし、今年度で10周年を迎えます。参画と協働のまちづくりの拠点施設として、さまざまな市民活動を支援してきました。
 この10周年を記念し、新作能『田道間守(たじまもり)非時(ときじく)』の制作・上演を行います。内容は、田道間守が、常世の国に不老不死の薬「非時香菓(ときじくのかくのこのみ)」を探しにいくロマンあふれる物語です。
 作品制作は、市民プラザで能のワークショップと本公演を開催して好評を博した京都観世流能楽師田茂井廣道(たもいひろみち)氏に依頼し、来年3月1日に京都観世流の一流の能楽師による公演を行いたいと考えています。
 来年4月にオープンする豊岡市立まちなか交流館「豊岡1925」との相乗効果も期待しているところです。

市政の運営

 第6に、「市政の運営」に関連する内容について申しあげます。

 まず、北但1市5町新市建設計画の変更についてです。
 新市建設計画は、合併前に北但合併協議会によって策定されたもので、その内容は、合併後に策定された市の総合計画に修正も加えた上で盛り込まれ、現在では市の諸施策は総合計画に基づいて展開されています。
 ただ、インフラ整備に合併特例債を活用するためには、新市建設計画に掲載され、計画期間内に事業を実施することが制度上の条件になっています。
 そこで、このたびの合併特例債の発行期限延長措置に伴い、新市建設計画の期間を現行の10年間から、平成32年度までの16年間に延長するとともに、期限延長後にも合併特例債を有効活用するため財政計画を変更します。
 合併特例債を活用する事業は、基本的に、合併算定替に伴う普通交付税の額が漸減を始める前年の平成27年度までの間に重点的に取り組むこととし、その後は、平成32年度まで事業費ベースで7億円から2億円に漸減しながら活用してまいりたいと考えています。

 次に、普通交付税の算定方法の見直し要請について申しあげます。
 今年5月に「豊岡市長期財政見通し」により、今後の市財政の見通しを明らかにしました。
 地方交付税については、平成28年度から始まる合併算定替の段階的縮減、国勢調査人口の減少により減収などが見込まれることから、平成31年度以降は歳入歳出差引が赤字となり、平成33年度には約17億円の赤字が見込まれます。
 ただし、長期財政見通しでは、平成28年度以降の投資的経費所要一般財源を毎年度5億円程度見込んでいますが、今後発生が見込まれる社会資本の大規模改築など、新たな行政ニーズへの対応に必要な財源は見込んでいません。
 特に本市においては、市町合併により面積が拡大したことから、旧市町域ごとに支所を設置し、消防署・消防団の配備や公民館等を配置して、災害への備えやコミュニティ維持に努めていますが、現在の交付税制度では、それらが的確に反映されていません。
 他の合併市町村とも連携しつつ、水害サミット実行委員会、県主催による勉強会など様々な機会をとらえ、国に対して交付税算定方法の見直しを要請し、財源確保に努めてまいりたいと考えています。

 次に、新庁舎、議場及び豊岡稽古堂の利活用促進事業について申しあげます。
 庁舎も議場も豊岡稽古堂も、本来は市民の皆様のものです。
 そこで、それらが市民の皆様にとってより親しみやすいものになるように、また新庁舎完成を共に祝う意味も込めて、市民の皆様から活用策を募集したいと考えています。
 具体的には、今年11月から来年6月までの8カ月間、月2回、合計16回程度のイベントを募集します。まちづくりに寄与するイベントや情報発信に役立つユニークなイベントなどについて、使用料を無料にし、また内容によっては経費の一部を上限5万円の範囲で助成しようとするものです。
 幸い、より開かれた議会を目指す取組みの一環として、議会の皆様にもご理解をいただきましたので、議場についても会議の運営などに支障のない範囲内で、市民の皆様から応募を受けたいと思います。

 次に、新庁舎建設事業について申しあげます。
 新庁舎建設工事の開始から完成、事務所移転終了までのおよそ2年5カ月の間、近隣住民の皆様には、大型車両の出入りなど、工事や業務の進行にご理解とご協力をいただきました。心から感謝申しあげます。
 9月からは、新庁舎周辺の外構工事が始まります。仮庁舎として使用していた北庁舎、南庁舎、東庁舎別館を解体し、新庁舎北側には駐車場と駐輪場、40トンの防火水槽を、新庁舎南側には芝生広場と100トンの防火水槽を、東庁舎別館跡地には駐車場と駐輪場を整備します。
 近隣住民の皆様には、工事車両の出入り等、工事の進行に引き続きご理解とご協力をいただきますようお願い申しあげます。

 次に、平成25年度一般会計補正予算について申しあげます。
 一般会計補正予算第2号については、予算全体を見直し、今後の執行見込額を精査する中で、過不足が生じる経費や今年度の人事異動による人件費の整理など、緊急やむを得ないものを計上しています。
 歳入歳出予算の補正総額は8億7,502万8千円の追加となり、これに必要な財源は市税、繰越金等で措置しています。
 なお、平成24年度の決算確定に伴う決算剰余金の処理などのため、財政調整基金へ6億2,400万円を積み立てます。

 次に、平成24年度の決算の認定に関連し、その概要を申しあげます。
 一般会計の総額では、新庁舎等の建設事業費の大幅な増額とそれに伴う市債発行により、歳入歳出とも、合併直後で旧市町の未収未払分を含んでいた平成17年度に次ぐ大きな規模となりました。
 歳入面では、市税収入が個人市民税は増収となったものの、固定資産税や法人市民税等の減収により全体としては減額となりました。一方、歳出では、社会保障関係費の自然増や高い水準で推移している公債費に加え、一部事務組合への負担金や特別会計への繰出金も増嵩するなど厳しい状況が続きました。
 そうした中で、財源の確保や経費の節減に努めるとともに、将来への備えを見据えた収支バランスに十分配慮しながら、「豊岡エコバレー」と「大交流」、それらを支える様々な取組みにより”小さな世界都市”の実現に向けて、果敢に、大胆に、挑戦する施策を展開し、地域経済の活性化に積極的に取り組んできました。
 その結果、一般会計の最終的な実質収支については、6億6,260万8千円の黒字決算となりました。平成23年度の実質収支額との差引きである単年度収支は、平成23年度の実質収支額が10億円を超える黒字であったこともあり、平成24年度は差引き4億302万1千円のマイナスとなりましたが、おおむね適切な財政運営ができたものと考えています。
 なお、経常収支比率については、87.9パーセントと前年度から0.5ポイントの上昇となっています。また、地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく健全化判断比率については、今議会に監査委員の意見を付して報告していますが、実質公債費比率が16.9パーセントと前年度と比較し1.4ポイントの減少となり、地方債発行の許可団体を判断する18パーセントを下回りました。また、将来負担比率も131.6パーセントと21.8ポイントの減少となっており、いずれも早期健全化基準を下回っています。
 このように財政指標については改善が見られますが、いまだ地方債の現在高が非常に高い水準にあります。下水道事業などの公営企業や一部事務組合に対する一般会計の負担についても、今後、引続いて高い水準で推移することが見込まれるため、厳しい状況が続くものと考えています。したがって、特別会計や一部事務組合を含めた公債費負担の適正化を図ることが最重要課題であると認識しています。
 加えて、税収入の確保、未利用地の売却、滞納対策の徹底や受益者負担の適正化等財源の一層の確保に努める必要があります。また、歳出面では、特に人件費や経常的経費について徹底した見直し、一層の削減を図らなければならないと考えているところです。
 以上が決算の概要です。詳細については、お手元に決算書及び関係資料をお届けしていますので、ご清覧賜りますようお願い申しあげます。

 以上をもちまして、私の総括説明を終え、各議案の詳細については担当部長から説明いたしますので、よろしくご審議いただき、適切なるご決定を賜りますようお願い申しあげます。
 ありがとうございました。

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