平成26年第3回豊岡市議会(定例会)市長総括説明

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 8月29日、第3回豊岡市議会定例会の議案提出に当たり、中貝市長が、施政方針と、当面する市政の諸課題、提出議案の主なものについての説明(市長総括説明)を行いました。

 おはようございます。
平成26年第3回豊岡市議会定例会の開会に当たり、議員各位のご健勝をお喜び申しあげますとともに、日頃のご精励に対し深く敬意を表します。
 まず、市教育委員会事務局における事務処理の誤りについて申しあげます。
 議員の皆様にはすでに文書等でその内容をご報告し、また市民の皆様にはマスコミ等を通じて、教育委員会事務局から陳謝申しあげたところですが、今議会で改めてご報告し、おわびを申しあげます。
 教育委員会事務局は、平成21年度から平成26年度の間のスクールバスの運行および通学バスの臨時運行に係る委託契約等の締結に当たり、権限ある上司の決裁を得ることなく、または契約書を作成することなく事務を進めるなど、誤った事務処理を行っていたことが判明しました。
 また、小・中学校の児童・生徒に対する健康診断の検査業務においても同様に、権限ある上司の決裁を得ることなく誤った事務処理を行っていました。
 さらに、調査を進めた結果、教育活動のために臨時的に市が借り上げたバスの借上料等の未払いと二重払いがあることも判明しました。
 これらの事務処理誤りは、担当者に法令遵守の認識が欠如していたこと、基本的な確認作業を怠ったこと、決裁権者が自らの決裁業務のチェックをしていなかったことに起因するものです。
 教育委員会事務局では、速やかに関係者に陳謝するとともに、未契約分について、法的に適正な契約状態になるよう、追認という形で契約を締結しているところです。また、未払い、二重払いについても、支払い、返戻の事務処理を進めています。今後は、担当者だけでなく上司も情報を共有して事務の進行管理ができる体制を構築することとし、あわせて、昨日付けで関係職員の処分を厳正に行ったところです。
 議会および市民の皆様、ならびに関係各位に深くおわびを申しあげます。
 次に、豪雨災害の被災地支援について申しあげます。
 各地で災害が頻発しています。今月16日からの豪雨では、丹波市、福知山市が甚大な被害を受けました。また、20日の豪雨では、広島市で大規模な土砂災害が発生し、多くの方が亡くなっています。犠牲になられた方々のご冥福をお祈り申しあげるとともに、被災された方々に対し心よりお見舞いを申しあげます。
 本市は、豪雨災害で被災された福知山市と丹波市の支援を行っています。
 丹波市には、被災日翌日の18日に給水支援のため4トン給水車と2人の職員を派遣しました。また、20日には災害廃棄物処理のアドバイスのため経験者を2人派遣しました。9月1日からは家屋被害調査のため毎日2人の職員を派遣します。
 福知山市へは、今年2月に締結した災害時応援協定に基づき、8月19日から24日までの6日間、ダンプ4台、バックホウ2台と共に毎日10人の職員を派遣し、大型ごみ等の収集運搬を行いました。また、8月20日から29日までは、家屋被害調査のため毎日2人の職員を派遣しています。
 今後とも、各地の災害について、適切な支援を行ってまいります。
 また、8月22日には全国各地で激甚災害が頻発している現状に鑑み、大水害経験市町村長で構成する水害サミット実行委員会の発起人である三条市、見附市、福井市の市長と連名で、委員会がまとめた「災害時にトップがなすべきこと」11か条を全国の市区町村長に送付しました。
 本市としても、引き続き災害に対する万全の備えをしてまいりたいと考えています。
 次に、「市民と市長の座談会」について申しあげます。
 対話と共感の市政を推進するため、「市民と市長の座談会」を4月から7月にかけて地区公民館単位に29会場で実施しました。
 1,187人の市民の皆様に参加いただき、165人の方からの発言、183人の方からの意見・提言用紙の提出がありました。
豊岡全体を回らせていただく中で、市民の皆様にどんな願いや課題、悩みがあるのかが、体に染み込んでまいりました。いただいた意見等については、市政にしっかりと反映させてまいりたいと考えています。
このような機会を頻繁に設けることは物理的に困難ですが、市民の皆様の話に耳を傾けるという姿勢は今後とも貫いてまいりたいと思っています。
さて、今議会に私から提出する案件は、報告事項8件、事件決議8件、条例14件、予算8件、決算4件の合計42件です。
なお、会期中に人事案件2件を追加提出する予定としていますので、あらかじめご了承賜りたいと存じます。
 それでは、当面する市政の諸課題および提出議案の主なものについてご説明申しあげます。

安全に安心して暮らせるまち

第1に、「安全に安心して暮らせるまち」に関連する内容について申しあげます。
 まず、台風23号10周年メモリアル事業についてです。
 平成16年の台風23号水害から10年目を迎えます。あの災害のことを改めて思い出し、次の備えをするためにメモリアル事業を実施しています。
 6月8日の「合同水防訓練」、7月18日からの「防災・減災啓発パネル展示キャラバン」に続き、10月19日に市民プラザで、市・国・県の共催で「防災の集い」を開催します。
 集いは2部構成で、第1部では台風23号をモチーフとした演劇を行います。これは、市民の被災し立ち上がる姿を手記として寄せていただき、それを基に構成しています。第2部では講演とパネルディスカッションを行います。パネルディスカッションには被災された市民の方に出演していただき、神戸新聞社社会部デスクの辻本一好(つじもとかずよし)氏をコーディネーターに、貴重な被災体験を後世にしっかりと伝えてまいりたいと考えています。
 また、同会場で当時の被災状況や復興の様子を撮影した写真展も開催します。
 次に、防犯灯および道路照明のLED化について申しあげます。
 市が管理している防犯灯および道路照明は1,622基あります。新設や球替えの際にLED照明に更新していますが、現在LED化ができているのは全体の3.6パーセントです。
 そこで、温室効果ガスの排出量を削減するとともに、電気代等のコスト低減を図るため、一部の特殊デザイン照明を除き一斉にLED照明を導入したいと考えています。
 現在、リース方式による導入に必要な調査と計画の策定を進めています。この計画に基づいて、来年1月から導入工事に入り、平成27年度から10年間のリース契約を行います。
 10年間のリース料は約6,400万円で、LED化による10年間の電気代の削減額は約6,800万円と見込んでいます。
 次に、高橋診療所医師の招聘(しょうへい)について申しあげます。
 但東の市立高橋診療所の医師募集をしていたところ、関東の医療法人が強い意欲を示し、今年5月16日に基本協定を締結し、民営による診療所の開設に向けて準備を進めてまいりました。
 ところが、6月末に当医療法人から高橋診療所での開業は困難であるとの申し入れがありました。問題となった点の解決に向けて交渉を重ねてきましたが、双方の見解の相違を埋めることはできず、医療法人側の開業に対する意欲も失せたため、やむなく基本協定を白紙に戻すこととしました。
 議会の皆様をはじめ、地元の方にも大変喜んでいただいていた中で、このような残念な結果となったことを深くお詫び申しあげます。
 高橋診療所の後任医師については、引き続き招聘に向けて努力してまいります。
 次に、豊岡地域包括支援センターの民間委託について申しあげます。
 現在直営の豊岡地域包括支援センターは、平成27年4月1日を目途に民間事業者に委託することとしており、市内で1年以上居宅介護支援事業を運営している事業者を対象に、今年4月1日から5月16日までの期間において委託事業者の公募を行いました。応募事業者は豊岡市社会福祉協議会の1者だけで、地域包括支援センター運営協議会での適格性の審査を経て、豊岡市社会福祉協議会を委託先に決定しました。委託期間は、平成27年4月1日から平成30年3月31日までの3年間です。
 なお、市内の地域包括支援センター全体を管理・指導する統括業務は、引き続き市が行います。
 次に、民間老人福祉施設助成事業について申しあげます。
 本事業は、民間事業者が老人福祉関係の施設を整備する際の工事費や開設のために必要な設備、備品の購入費等に対して、国の補助金を市を経由して交付する事業です。
 このたび、特定非営利活動法人銀ちゃんの家から、今年度にボランティア等が担い手となる高齢者の生活支援の拠点である地域支え合いセンターと、比較的元気な一人暮らし高齢者等が共同生活を行う高齢者グループリビングの整備を行うため、当該補助金を活用したいとの申し出がありました。
 これらの施設および事業は、生活支援サービスの充実や地域包括ケアシステム構築のために積極的に推進していく必要があるものであり、国の補助も内定しているところから、今議会にこの助成に係る補正予算を提出しています。

人と自然が共生するまち

 第2に、「人と自然が共生するまち」に関連する内容について申しあげます。
 まず、コウノトリ野生復帰の推進についてです。
 去る7月19日・20日の両日にわたり、第5回コウノトリ未来・国際かいぎを開催しました。
 今回は、テーマを「未来へ!野生復帰のすすめ」とし、昨年度から取り組んできた「コウノトリ野生復帰検証事業」の検証結果を一つの柱に、野生復帰の未来と地域づくりの未来について議論を深める機会としました。
 かいぎには、秋篠宮殿下、眞子(まこ)内親王殿下をお迎えするとともに、コウノトリ野生復帰の取組みが広がる国内各地域から、またドイツや今年3月に豊岡生まれのコウノトリが越境した韓国からも研究者や住民の方々に参加いただき、国内外の関係者が手を携えてこの取組みを成し遂げていこうという流れが生まれました。
 また、コウノトリだけではなく、さまざまな種の野生復帰に取り組む地域から若者たちが参集し、自分たちのまちの将来像について議論したことも特徴的でした。
 検証事業の報告書では、これまでの野生復帰の取組みのポイントが「ひょうご豊岡モデル」として整理されました。取組みを拡大させてきた原動力として「ふるさとで生きる決意」「共感の連鎖」「科学との連携」といったキーワードが挙げられ、地方の「成熟戦略」として他の地域においても参考になるものと評価されています。あわせて、現時点における課題や今後に向けた提言等も示されています。
 今回のかいぎを一つの区切りに、野生復帰の取組みを豊岡の中で更に深めていくとともに、他地域とのネットワークを強化させ、国内外での自然共生の取組みの進展に貢献していくなど、新たなステップに向けてスタートを切りたいと考えています。
 次に、北但ごみ処理施設整備事業について申しあげます。
 今年6月末の完成を目指して進めてきた進入道路・敷地造成工事については、軟弱地盤対策、切土斜面崩壊対策等に時間を要し、4カ月の遅れが生じていました。
 さらに、想定していなかった残土が発生したため、敷地造成の地盤高を変更する必要が生じました。このような状況から、工期内での完成が困難となり、先般工期限を今年12月25日に変更したところです。
 関連して施設建設工事において、着手は計画より2カ月遅れることとなりましたが、昨日28日に安全祈願祭が行われ、いよいよ9月から土木建築工事に着手します。
 また、クリーンセンターのごみピットの躯体工事やリサイクルセンターの掘削工事が冬季となるため約2カ月の工事の遅延が見込まれ、合わせて約4カ月の遅れが生じることで、平成28年3月末完成は困難な状況となっています。
 今後の対応として、施設整備の工期には5カ月間の試運転期間が含まれており、施工方法の工夫によっては、平成28年4月から試運転を兼ねたごみの全量受入れが可能です。北但行政事務組合では、構成市町の既存施設の状況、事業全体の費用等を含めて総合的に検討を行った上で、ごみの全量受け入れや施設の完成引き渡し、運営開始の時期等について決定することとしています。

持続可能な「力」を高めるまち

 第3に、「持続可能な「力」を高めるまち」に関連する内容について申しあげます。
 まず、海外戦略の推進についてです。
 7月初めに自治体国際化協会パリ事務所の仲介により、フランス都市連合のフォーラムに招かれ、環境都市「豊岡エコバレー」の戦略についてプレゼンをしました。
 会議には、フランス各地の自治体の首長のほか、フランス外務省の幹部などが参加されており、高い評価をいただきました。この会議を通し、豊岡の取組みは世界でも通用することを改めて確信したところです。
 また、日本に興味を持つ外国人が、魅力的に感じる本市の観光資源を把握するため、WEB(ウェブ)戦略として、海外との認識のギャップに関する調査を実施しました。20歳以上のフランス・香港在住者で訪日旅行に興味のある方などを対象に、旅行情報の入手先や予約方法、本市の観光資源の認知度や興味度等を調査しました。
今後、この調査結果を基に英語版のホームページを作成し、12月ごろに実施するPR広告調査の結果を踏まえ、ホームページのコンテンツ等を改善していく予定にしています。
 11月には、イギリスのロンドンで開催される世界最大規模の国際旅行見本市(WTM)に出展し、職員を派遣します。
 昨年の出展では、各国のメディア関係者や旅行代理店との情報交換を通し、ゴールデンルートの京都などからJRで簡単に行ける城崎温泉が、魅力的な立ち寄り先になり得ることが確認できました。そして、実際に城崎温泉に取材に来た海外メディアもありました。
 今年度は、城崎温泉をはじめ市内の観光関連事業者も一緒に出展し、共同でプロモーションを実施する予定にしています。
 また、フランスのコルマールで開催される旅行博SITV にも出展します。日本はこの旅行博の名誉招待国であり、ここで重点的にPRが行われることやWTMと日程が連続していることから、本市も出展することにしました。
 次に、豊岡市ブランド認知度調査について申しあげます。
 人口減少時代に入り、定住人口の増加が難しくなる中、交流人口拡大をめぐる地域間競争はますます激しくなっています。この競争に勝ち抜くためには、経験や勘で事業を実施するのではなく、データを根拠とする科学的なアプローチにより戦略的に事業を展開していく必要があります。
 そこで6月に、市内の六つの地域における代表的な観光素材を取り上げ、京阪神在住の方を対象に「豊岡市ブランド認知度調査」を実施しました。調査はインターネット上で行い、1週間で2,211のサンプルを回収しました。
 この調査により、市内の代表的な観光地の「認知度」「興味度」、また、情報収集をどれくらいの人がしているか、訪問した人がどれくらいいて、どれくらいが再訪問したいと思っているかなどのデータを得ました。
 今後、このデータを基に、それぞれの観光地の「競合」「強み」「ターゲット」などを分析し、観光協会など地元の方々と議論しながら、戦略的に事業を展開してまいりたいと考えています。
 次に、アンテナショップについて申しあげます。
 東京・有楽町のアンテナショップ「コウノトリの恵み豊岡」は、開設から3年が経過しました。
 3年目の昨年7月から今年6月までの総売上高は3,691万円で、2年目の2,738万円と比較して35パーセント増加しています。
 購入者数も、3年目は4万4,421人で、2年目の3万2,002人よりも39パーセント増加しています。
 これらの要因としては、店舗そのものの認知度の向上に加え、「赤米」「ホタルイカ」「豊岡ぶどう」など旬の産品の特別販売日の設定、「ちくわパン」「わかめパン」「五穀ラスク」などの曜日限定販売により固定客が付いてきたことなどが考えられます。
 また、かに道楽の首都圏店舗5店では、昨年に引き続きアンテナショップ商品の販売や、パンフレット等の配布、ポスターの掲示を行うなど、日和山観光株式会社の関連会社全体で首都圏での情報発信の役割も担っていただいています。
 開設から3年間は、安定経営を第一に取り組んでまいりましたが、次の3年間は「豊岡市のブランドイメージを売り出す情報発信拠点」と位置づけ、首都圏における持続的、効果的な情報発信に力を注いでまいります。
 次に、玄武洞公園の整備について申しあげます。
 玄武洞公園は、平成14年度に策定した「玄武洞公園整備基本構想」に基づき、玄武洞公園整備検討会のアドバイスを受けながら、景観保全や園路・休憩棟の整備をはじめ、落石防止対策、山腹崩落対策等の安全確保、環境保全に取り組んでまいりました。
 県が整備予定の玄武洞公園前の県道のかさ上げに合わせて、園路内のスロープ設置、身体障害者用のトイレや駐車場の整備、景色を楽しめるスペースの設置などを行うため、玄武洞公園整備基本計画および基本設計を策定したいと考えています。
 次に、全但バス神鍋高原線「上限200円バス」活性化運行について申しあげます。
 第2期社会実験の利用者数は11万1,260人で、目標乗車人員の12万1千人には達しませんでした。
 しかし、市の財政負担としては、昨年1年間で運賃収入が184万円の減収となった一方で、沿線小中学生の通学費補助の支出は299万4千円減額となり、市全体で115万4千円の軽減が図られました。
 また、この社会実験では、地元・運行事業者・市の三者で行った戸別訪問などを通して、神鍋地域の皆様が地域課題を共有し、解決しようとする新たな取組みが生まれるなど、地域の活性化にも大きな効果がありました。
 このような結果を評価し、新たなステージである「活性化運行」へと移行したいと考えています。運行期限は設けず、今後3年間の利用実績を踏まえて、運賃や便数などの運行条件を見直すこととしています。
 次に、コウノトリ但馬空港の利用促進について申しあげます。
 平成23年度以降、11月から2月までの冬季ダイヤの午後便が、夏季ダイヤより2時間程度繰り上げられました。それにより低下した利便性を向上させるため、市は、県や但馬空港推進協議会などと連携し、冬季も夏季同様の運行をするよう運航会社に要望してまいりました。
 その結果、今年の11月以降の冬季ダイヤについては、夏季同様のダイヤで運航されることに決定しました。
 これを受け、市は利用促進の取組みを一層加速させてまいります。
 また、県は、空港を取り巻く環境の変化を踏まえ、地域代表者、有識者等で構成する「コウノトリ但馬空港利活用検討会議」を8月26日に設置し、初会合を開きました。今年度に5回程度開催し、東京直行便の可能性、空港施設の多面的利用などについて検討を行い、具体的な方策をまとめます。本市も委員として参加し積極的に意見してまいります。
 次に、全国町並みゼミ豊岡大会のプレゼミ開催について申しあげます。
 全国町並みゼミは、歴史的な集落や町並みで、歴史を活かしたまちづくりに取り組んでいる全国の地元団体と、その活動を支援する個人によって構成される特定非営利法人「全国町並み保存連盟」が毎年行っている事業です。
 今年4月6日に、地元団体等が中心となって豊岡大会実行委員会を設立し、開催準備を進めています。 
 来年の豊岡大会に先立ち、9月27日に実行委員会主催により「昭和の豊岡を歩く」と題してプレゼミ大会が市役所で開催されます。また、「豊岡中心市街地の写真展」や「クラッシックカーの展示」も同時開催されます。市は、市民の景観に対する意識の向上と、市民協働の景観づくりの推進が図られることから、後援団体として支援します。
 このプレゼミ大会を契機に、市民への啓発活動として開催してきた「景観フォーラム」を、行政主導から市民、事業者主導へと引き継ぎ、来年の本大会へつなげてまいりたいと考えています。

未来を拓く人を育むまち

 第4に、「未来を拓く人を育むまち」に関連する内容について申しあげます。
 まず、「子ども・子育て支援新制度」についてです。
 平成24年8月に成立した「子ども・子育て関連3法」に基づき、来年4月から「子ども・子育て支援新制度」が実施されます。
 この新制度では、急速な少子化、核家族化の進行や地域のつながりの希薄化、女性の社会進出など、子どもの育ちや子育てをめぐる環境の変化に対応し、子どもが健やかに成長し、子育てをしやすい社会の実現を目指しています。
 市では、地域の子育て支援を計画的に推進するため、平成27年度から平成31年度までの5年間を計画期間とする「子ども・子育て支援事業計画」を今年度中に策定すべく、「豊岡市子ども・子育て会議」を設置して作業を進めています。
 新制度の実施に当たっては、これまでの私立保育所運営費および私立幼稚園私学助成費に代わり、新たに創設される施設型給付・地域保育型給付制度と、地域子ども・子育て支援事業として位置づけられた放課後児童健全育成事業を適正に運営する必要があります。そのため、今議会に各施設や事業の設備及び運営に関する基準等を定める四つの条例案を提出しています。
 次に、いじめ防止対策について申しあげます。
 昨年施行された「いじめ防止対策推進法」により、各市町には学校の設置者として、いじめの防止等のために必要な措置を講じる責務が定められました。
 これを受け、市は「豊岡市いじめ防止基本方針」に基づき、いじめの防止等の対策を行うため、教育委員会の附属機関として、常設の「豊岡市いじめ防止対策委員会」を設置したいと考えています。加えて、重大事態発生時には、そのいじめの事実関係を調査する第三者機関として、公平性・中立性を確保した「豊岡市いじめ調査委員会」を設置します。
 今議会に、これらの委員会設置に係る条例案を提出しています。
 また、児童生徒の心の状況を客観的につかむため、昨年度から実施している心理検査(Q―Uテスト)を継続し、いじめの早期発見、早期対応に努めてまいります。

人生を楽しみお互いを支え合うまち

 第5に、「人生を楽しみお互いを支え合うまち」に関連する内容について申しあげます。
 まず、西気地区公民館の整備についてです。
 市は、地元との協議を経て、旧西気小学校の特別教室棟を活用して西気地区公民館を整備する計画を立て、昨年度に実施設計を行いました。
 地元では、公民館の整備と並行して、公民館を核とし、普通教室棟を含む旧校舎全体を地域活性化の拠点とすべく検討を重ねてこられました。
 普通教室棟は、建築基準法上、学校以外の用途に活用する場合は、耐震化等の相当の改修をしないといけない施設となっています。しかし、そのことが地元に十分伝わらず、理解されないまま地元での検討が進み、最近になり、地元から普通教室棟を利用して土曜チャレンジ学習事業に取り組みたいとの提案がなされました。市は改めて、現状のままでは利用できない旨を説明し、建物利用の制約について地元側の理解を得ました。
 このことを受けて、地元から、このままでは地域活性化の拠点としての展開が困難であるため、旧校舎全体の活用策もにらんだ上で公民館整備計画を見直してほしいとの要望が出されました。
 市は、普通教室棟利用の制約について結果として地元の十分な理解がないまま検討が進んでいたこと、また、小学校が廃校となった西気地区の将来への不安と旧小学校跡地を活用した活性化策への地元の期待が大きいことに配慮して、公民館整備計画自体を再検討することとし、改めて地元との協議・調整を進めてまいります。
 次に、子どもたちが豊岡で世界と出会う音楽祭について申しあげます。
 小さな世界都市・豊岡の未来を支える人材を育成する取組みの一つとして、11月10日から6日間「子どもたちが豊岡で世界と出会う音楽祭」を開催します。
 この音楽祭は、世界的な音楽芸術と触れ合う機会を通じて、豊岡に居ながら世界とつながることができる、そんな豊岡のまちを誇りに思う子どもを育くむとともに、「音楽があふれるまち」をつくることを目指しています。
 ヴァイオリンなどの弦楽器修復の第一人者である、朝来市出身の中澤宗幸(なかざわむねゆき)氏の協力により実施します。フランツ・リスト国際ピアノコンクールやベートーベン国際ピアノコンクール等で優勝したヘンリ・シーグフリードソン氏などの海外の著名な演奏家のほか、バッハ国際コンクールで優勝した岡本誠司(せいじ)氏などの、今まさに世界で活躍し、最も注目されている日本の若手ヴァイオリニストを招きます。
 子どもたちのためのミニコンサート、中学2年生を対象とした講演とコンサート、市内の演奏家の皆様にも参画いただく本格的なホールコンサート、学校訪問コンサート、街角コンサートなど盛りだくさんな内容を予定しています。
 次に、城崎国際アートセンターについて申しあげます。
 6月の「日本劇作家大会2014豊岡大会」後、アーティストの滞在制作は本格化し、海外のアーティストにも続々とお越しいただいています。
 来年度の滞在制作アーティストについても、募集の結果、海外からの7件を含む15件の応募があるなど好スタートを切っています。
 しかし、施設がフル稼働する中で、30年が経過した受変電設備、排煙窓、給排水設備などの不具合が表面化し、早急に改修する必要が生じてきました。
 施設の機能強化と将来の維持管理費の軽減を図るため、給排水管の改修、トイレの洋式化、ランニングコスト縮減のための館内照明のLED化などに係る補正予算を今議会に提出しています。
 財源については、維持補修分は、財政調整基金に保管していた、県から城崎大会議館の移譲の際に交付された移譲交付金を充当し、機能強化分は、がんばる地域交付金や有利な地方債を活用することとしています。

市政の運営

 第6に、「市政の運営」に関連する内容について申しあげます。
 まず、コウノトリ豊岡寄付金についてです。
 平成20年度税制改正において、「ふるさと納税」制度が導入され、本市では、「コウノトリ豊岡寄付金」という名称で寄付を募集してまいりました。
 この「ふるさと納税」をより一層推進するため、次の三つの取組みを行います。一つ目は、インターネットを活用した全国への積極的なPR。二つ目は、市の特産品等の特典の追加。三つ目は、寄付者の利便性の向上を図るためのクレジットカード決済による寄付方法の導入です。
 これらの取組みに当たっては、民間事業者のノウハウを最大限活用するため、一部業務の委託を行いたいと考えています。新たな取組みの下での寄付の受付開始は、年末または年明けを予定しています。
 この取組み強化により、自主財源を確保するとともに、市内経済の活性化や本市のさらなるPRにつなげたいと考えています。
 次に、新市誕生10周年記念・市民公募事業について申しあげます。
 来年度、新豊岡市が誕生して10周年を迎えます。これに合わせ、市民の皆様が考え、実施する10周年にふさわしいイベントを募集したいと考えています。
 募集するイベントは、市民の皆様や市内の団体が主催し、広く市民の皆様が参加できるものです。市は、応募があったイベントを審査した後、会場費、企画演出費などの一部を補助します。
 今年中にイベントを募集して決定するため、今議会に債務負担行為の補正予算を提出しています。
 次に、豊岡市名誉市民条例について申しあげます。
 今年の5月に各分野の委員7人で構成する豊岡市名誉市民条例案検討委員会を設置し、条例案の検討を行いました。その検討結果を踏まえ、公共の福祉の増進または文化の興隆に寄与し、その功績が卓絶な方に対して、名誉市民の称号を贈り、その栄誉を顕彰したいと考え、今議会に条例案を提出しています。

予算、決算

 次に、平成26年度一般会計補正予算について申しあげます。
 まず、一般会計専決補正予算第3号についてです。
 この補正予算は、今月9日から10日にかけて接近した台風11号の災害対策経費と、今月15日からの集中豪雨に係る被災地支援経費を追加するものです。今月18日に専決処分しましたので、今回、報告案件として提出しています。
 次に、一般会計補正予算第4号について申しあげます。
 予算全体を見直し、今後の執行見込額を精査する中で、過不足が生じる経費や今年度の人事異動による人件費の整理など、緊急やむを得ないものを計上しています。
 歳入歳出予算の補正総額は8億9,866万7千円の追加となり、これに必要な財源は地方交付税、繰越金等で措置しています。
 なお、平成25年度の決算確定に伴う決算剰余金の処理のため、財政調整基金へ4億6千万円を積み立てます。
 次に、平成25年度の決算の認定に関連し、その概要を申しあげます。
 一般会計の総額では、新庁舎等の建設事業費の大幅な増額とそれに伴う市債発行により、平成24度に引き続き決算額が、歳入歳出共、500億円を超える大きな規模となりました。
 歳入面では、市税収入が固定資産税は減収となったものの、個人市民税や法人市民税等の増収により全体としては増額となりました。一方、歳出では、社会保障関係費の自然増や高い水準で推移している公債費に加え、一部事務組合への負担金が増嵩するなど厳しい状況が続きました。
 しかし、財源の確保や経費の節減に努め、「豊岡エコバレー」と「大交流」による「小さな世界都市」の実現に向け、また、(1)災害、(2)経済、(3)財政、(4)コミュニティという四つの危機に備え、果敢に、大胆に、挑戦する施策を展開し、地域経済の活性化に積極的に取り組んできました。
 その結果、一般会計の最終的な実質収支については、9億734万1千円の黒字決算となりました。平成24年度の実質収支額との差引きである単年度収支も、2億4,473万3千円の黒字となり、おおむね適切な財政運営ができたものと考えています。
 なお、経常収支比率については、85.7%と前年度から2.2ポイント減少しています。地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく健全化判断比率については、今議会に監査委員の意見を付して報告しています。実質公債費比率は15.5%と前年度と比較し1.4ポイントの減少となり、地方債発行の許可団体を判断する18パーセントを引き続き下回りました。将来負担比率も120.5%と11.1ポイントの減少となっており、いずれも早期健全化基準を下回っています。
 このように財政指標については改善が見られますが、いまだ地方債の現在高が非常に高い水準にあります。下水道事業などの公営企業や一部事務組合に対する一般会計の負担についても、今後、引き続き高い水準で推移することが見込まれ、厳しい状況が続くものと考えています。したがって、企業会計や一部事務組合を含めた公債費負担の適正化を図ることが最重要課題であると認識しています。
 加えて、税収入の確保、未利用地の売却、滞納対策の徹底や受益者負担の適正化等財源の一層の確保に努める必要があります。
 また、歳出面では、経常的経費の抑制など、一層の削減を図らなければならないと考えているところです。
 以上が決算の概要です。詳細については、お手元に決算書および関係資料をお届けしていますので、ご清覧賜りますようお願い申しあげます。
 以上をもちまして、私の総括説明を終え、各議案の詳細については担当部長から説明いたしますので、よろしくご審議いただき、適切なるご決定を賜りますようお願い申しあげます。
 ありがとうございました。

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