令和6年第3回豊岡市議会(定例会)市長総括説明(2024年8月30日)

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ページ番号1030914  更新日 令和6年8月30日

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 おはようございます。

 令和6年第3回豊岡市議会定例会の開会に当たり、議員各位のご健勝をお喜び申しあげますとともに、日頃のご精励に対し深く敬意を表します。
 去る8月28日に、JAたじまで令和6年産米の出荷式が行われました。待ちに待った新米の出荷が始まり、早ければ来週以降に、店頭での新米の販売が始まると伺っています。

 テレビや新聞での「米不足」を伝える報道、また、市民の皆さまからも「お米が買えない」といった声を一部でいただいておりますが、主力品種であるコシヒカリも、例年より少し早く収穫が始まっていますので、米不足の状況は順次回復していくものと考えています。

 まず、台風10号に対する備えについてです。
 台風10号は九州地方に上陸していますが、依然として進路が定まらず、速度が遅いため、暴風や大雨が長引く恐れがあります。
 市では、昨夜、防災行政無線で、台風10号への備えについての市長メッセージとして、市民の皆さまに呼びかけを行いました。
 今後も、情報収集に努め、市民の皆さまに適時適切な情報提供を行ってまいります。

 次に、水路土砂収集・運搬業務における業務代金の未払い等、不適切な事務についてお詫び申しあげます。 
 2023年度および2024年度の当該業務において、受託事業者の業務が施行済にもかかわらず、業務代金の一部、163万9千円が支払われていないことが判明いたしました。
 当該業務について予算超過が想定される中で、適切な事務手続きを怠り、契約額を超える業務代金が未払いになっているもので、職員の法令遵守意識の欠如、業務の管理体制および相談・連絡体制の不全が原因と考えています。
 去る8月26日に、未払い代金の支払いを終えたところです。今後はより一層、法令遵守意識の徹底および事務処理手順の見直しをはかり、再発防止に取り組んでまいります。

 次に、南海トラフ地震関連情報に対する対応について申しあげます。
 去る8月8日、午後4時43分頃に日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、本市も震度2の揺れを観測いたしました。
 南海トラフ地震の想定震源域において、大規模地震の発生可能性が平常時に比べて相対的に高まっているとして、同日午後7時15分に南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が、気象庁から発表されました。
 この発表に伴い市では、地域防災計画に基づく対応として、1週間ほどは日頃の地震への備えを再確認し、地震に注意しながら通常生活を送ることなど4つの注意事項について、防災行政無線で4回、市ホームページ、SNS等で市民の皆さまに呼びかけを行いました。
 地震発生から約1週間となる8月15日午後5時をもって、南海トラフ地震臨時情報発表に伴う、政府の「特別な注意の呼びかけ」は終了いたしましたが、今後、大規模地震発生の可能性がなくなったということではありませんので、日頃からの地震への備えについて、引き続き市民の皆さまに注意喚起を進めてまいります。

 次に、北近畿豊岡自動車道等の整備について申しあげます。
 去る7月31日に国土交通省から、但馬空港インターチェンジから豊岡出石インターチェンジの2キロメートルが、9月23日に開通するとの発表がありました。豊岡出石インターチェンジに接続する県道但馬空港線および豊岡出石インター線につきましても、同日に開通となります。
 いよいよ豊岡の市街地に高規格道路が延伸される日を迎えることとなります。これによりまして、公立豊岡病院但馬救急救命センターへのアクセスが一段と向上し、地域の方々の安全・安心な暮らしに欠かせない「命の道」として、さらに効果を発揮するものと期待しています。
 国・県をはじめ、工事関係者、地域住民の皆さまに心から感謝申しあげます。
 北近畿豊岡自動車道の残りの区間および山陰近畿自動車道の「竹野道路」「城崎道路」につきましては、今後も、早期整備に向け国・県で事業が推進されます。
 本市としましても早期の全線開通に向けて、引き続き、事業促進を図る取組みに全力を挙げてまいります。

 さて、今議会に私から提出いたします案件は、報告事項3件、事件決議5件、条例5件、予算11件、決算11件の合計35件です。会期中に事件決議3件、条例1件を追加提案する予定としていますので、あらかじめご了承賜りたいと存じます。

 それでは、当面する市政の諸課題および提出議案の主なものについて、基本構想の「市民の暮らしを支える施策の体系」に沿ってご説明申しあげます。
 なお、本日、議決を賜りたいと考えている第61号議案に係る事項については、別途ご説明いたします。

安全に安心して暮らせるまち

 第1に「安全に安心して暮らせるまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、市民津波避難アンケート結果の研究成果報告についてです。
 本年2月に港地区、城崎地域および竹野町竹野地区の全世帯を対象に行った同アンケートは、約半数にあたる1,528世帯から回答がありました。
 結果につきましては、兵庫県立大学に津波避難行動の分析・検証作業を委託し、去る8月21日、研究成果報告書を提出いただきました。
 報告書では、津波ハザードマップの再配布などを通じて、市民の皆さまに津波への注意喚起を行うことや、地域での津波避難訓練などを通じて、安全な場所へ避難できるよう理解を促進すること、などが提言されています。
 今後は、本提言をもとに、津波避難対策等をより一層推進してまいります。

 次に、特殊詐欺被害防止のための自動録音機能付電話機等購入補助について申しあげます。
 本市では、県補助金を活用し、高齢者の特殊詐欺被害を防止するため、65歳以上の方が、市内の販売店で自動録音機能付電話機等を購入した場合の費用を補助しておりますが、市内の特殊詐欺被害状況は、7月末時点で被害件数8件、被害額は約1,200万円となっております。
 件数金額ともに昨年を上回る傾向にありますので、特殊詐欺による被害防止対策をさらに強化するため、当該補助金を増額したいと考えており、必要な補正予算を今議会に提出しています。

 次に、新型コロナウイルスワクチンの定期接種について申しあげます。
 今年度から、季節性インフルエンザと同じ扱いのB類疾病の定期接種となり、65歳以上の高齢者と一定の基礎疾患を有する60歳から64歳までの方が対象となります。
 接種の時期は、10月1日から来年の2月28日までの期間を予定しており、接種の回数は1回、接種場所は原則市内の協力医療機関で、接種費用の自己負担は3,400円としています。ただし、市民税非課税世帯や生活保護世帯の接種費用は、無料としています。
 なお、今回の接種からは、法律上の接種義務は無く、市として接種の勧奨は行わないため、接種を希望される場合は、ご自身で協力医療機関に予約をしていただくこととなります。

 次に、帯状疱疹予防接種の状況について申しあげます。
 県の補助制度が創設されたことを受け、本市においても今年度から接種費用の一部を補助しています。
 本市における当初の接種見込者数は、県が見込んでいた接種率1.1%を根拠に、475人としておりましたが、8月23日現在で1,616人、約3.7%の申請者数となっており、想定を上回る方からの補助申請がありました。
 そのため、年度末の接種率を12.7%、約5,500人と見込み、必要な補正予算を今議会に提出しています。

 次に、豊岡市地域包括支援センターの運営について申しあげます。
 本市が豊岡市社会福祉協議会に委託している豊岡市地域包括支援センター業務のうち、港地区を除く豊岡圏域については、2025年度以降、他の委託先を検討するため、サウンディング型市場調査を実施いたしましたが、参加がありませんでした。
 このため、市では、事業を遅滞なく進めるため、当分の間、市の直営とし、人員については保健師3名、社会福祉士2名、主任介護支援専門員2名、介護支援専門員7名、事務補助員1名の合計15名体制とすることといたします。
 正規職員につきましては、8月1日から8月19日の間、主任介護支援専門員、介護支援専門員を各2名募集し、それぞれ1名と7名の応募がありました。
 また、会計年度任用職員につきましては、介護支援専門員5名と事務補助員1名の合計6名を募集し、対応することとしています。
 運営については、今後も市として最適な方法を引き続き検討してまいります。

 次に、手話言語条例の制定について申しあげます。
 本市では、これまでから、地域行事等への手話通訳者の派遣や手話奉仕員養成講座の開催等、手話言語や聴覚障害への理解を広げてきました。
 市民一人ひとりが手話は言語であることを認識し、聴覚障害への理解促進と手話言語の一層の普及啓発に取組むため、手話言語条例を制定したいと考えております。
 今後、10月を目途に手話言語条例案のパブリックコメントを実施することとし、条例案を3月議会定例会に提出したいと考えていますので、ご理解賜りますようお願いいたします。

 次に、豊岡市国民健康保険条例の改正について申しあげます。
 本年12月2日の健康保険証の廃止に伴い、国民健康保険条例の被保険者証に関する規定について、当該廃止日までに所要の改正を行う必要があります。しかしながら、国から、関係する条例参考例の発出が遅れたため、本日までに条例改正案の提出準備が整いませんでした。
 準備が整い次第、今議会に追加提出させていただきたいと考えていますので、事情、ご賢察のうえご了承を賜りますようお願いいたします。

 次に、福祉医療費助成制度の条例化の検討について申しあげます。
 本市の福祉医療費助成である「高齢期移行助成事業」「重度障害者医療費助成事業」「乳幼児等医療費助成事業」「母子家庭等医療費助成事業」「高齢重度障害者医療費助成事業」「こども医療費助成事業」の6事業については、現在「豊岡市福祉医療費の助成に関する規則」および「こども医療費の助成に関する規則」の2つの規則で運用しています。
 これら事業を条例で運用していないのは、県内で本市のみであり、特に、子どもに対する医療費助成につきましては、金銭信託の運用利息を財源とした時限的な制度設計であったため、事業の継続性が明確ではありませんでした。
 本市としましては、市の政策意思を明らかにし、より安定した制度とするため、条例化を進めたいと考えています。なお、関係条例につきましては、12月議会定例会に提出したいと考えていますので、ご理解賜りますようお願いいたします。

人と自然が共生するまち

 第2に「人と自然が共生するまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、コウノトリの郷公園の再生についてです。
 コウノトリの郷公園では、コロナ禍により減少した来園者、特に観光を目的とした方々の来園が十分に回復しておりません。
 そのため、2025年の大阪・関西万博やコウノトリの放鳥20周年を契機として、同公園の活性化と誘客を進めてまいりたいと考えており、市としましては、コウノトリ文化館やコウノトリ本舗の普及啓発機能を強化し、展示のリニューアルなどを行うことといたします。
 また、同公園駐車場のトイレについては、365日、24時間利用していただけるよう、これらに必要な補正予算を今議会に提出しています。

 次に、大規模太陽光発電施設の出力制御のオンライン化について申しあげます。
 本市が所有する大規模太陽光発電施設は、現在、山宮地場ソーラー、竹貫地場ソーラーおよび但馬空港地場ソーラーの3箇所あります。
 こうした高圧の施設では、発電量が消費量を上回る場合、出力制御を行うことが法律により義務付けられています。
 本年3月31日に初めて出力制御を行いましたが、以後も出力制御を必要とされ、その都度、職員が現地に赴き手動で発電停止と運転の切替え操作を行ってきました。
 この出力制御をオンライン化
することにより、職員の業務が省かれ、定量とされていた出力制御量も抑えられ、売電収入の的確な確保につながるため、山宮と竹貫2箇所のオンライン化に必要な補正予算を、今議会に提出しています。

持続可能な「力」を高めるまち

 第3に「持続可能な「力」を高めるまち」に関連する内容について申しあげます。 

 まず、山陰海岸ユネスコ世界ジオパークの再認定審査についてです。
 前回、2022年に実施された審査で、2年間の「条件付き再認定」となったことを受け、去る7月6日から5日間にわたり、再認定審査が実施されました。
 玄武洞公園では、審査員に対して、前回審査における指摘事項への対応状況等について説明を行いました。
 審査を終えた審査員からは、前回の指摘事項への対応は大きく進捗していると評価を受けるとともに、今後のジオパーク活動において更なる改善を期待している、とのコメントをいただきました。
 審査結果は9月下旬以降に発表される見込みでありますが、審査員からいただいた内容を踏まえ、引き続き、ジオパーク活動を推進してまいります。

 次に、豊岡演劇祭について申しあげます。
 豊岡演劇祭2024は、9月6日から23日までを会期として、但馬各地と、今年は要請を受けて市政70周年を迎えた宝塚市で開催されます。国内外から67の団体・アーティストが参加し、演劇公演、大道芸等のパフォーマンスなど幅広いラインナップが予定されています。
 チケットは7月19日から但馬地域および宝塚市で先行発売を行った後、7月22日から全国発売されており、売れ行きは順調とのことです。
 また、今年も江原駅前イベント広場と市役所本庁舎前市民広場において、フェスティバルナイトマーケットが開催されます。
 多くの市民の皆さまがさまざまな形で参加し、出演者も来訪者も一緒に楽しんでいただける演劇祭になることを期待しています。

 次に、神鍋応援クーポンについて申しあげます。
 昨シーズンの雪不足により、経済的に大きな影響を受けた神鍋エリアの観光需要を喚起するため、6月1日から同エリアに宿泊された方を対象に、1人1泊につき、飲食店や物産店等で使用できる1,000円の「神鍋応援クーポン」を配布いたしました。
 8月23日現在の配布枚数は、発行枚数7,000枚すべて配布済で、クーポン券の換金によって把握している利用枚数は3,292枚となっています。主に物販等で利用されています。クーポン券の利用期限は12月末日となっていますので、期限内に利用されるよう周知してまいります。

 次に、クマ目撃マップの作成について申しあげます。
 今年度は、有害鳥獣の中でも人に危害を及ぼす危険性のあるクマの目撃が増えており、市民の皆さまから寄せられたクマの目撃件数は、7月末で89件、昨年同期比で約2.4倍増加しています。
 7月上旬には、但馬管内でクマによる人身事故が発生しており、これを受けて、防災行政無線で緊急の注意喚起を行ったところです。
 クマの出没が増える秋に向けて、更なる注意喚起を図るため、市ホームページでクマの目撃情報を知らせる「クマ目撃マップ」を新たに作成し、本日8月30日から運用を開始いたしました。地図上に目撃場所をピンで表示し、目撃された年月日や痕跡状況なども掲載しています。
 市民の皆さまが安心して生活できるよう、今後も引き続き、有害鳥獣対策に取り組んでまいります。

 次に、コウノトリ豊岡産業用地の応募状況について申しあげます。
 当用地は、北近畿豊岡自動車道 豊岡出石インターチェンジの供用開始に合わせて用地の売買契約が締結できるよう、去る5月31日から7月26日まで、立地事業者の公募を行いました。
 その結果、2者から応募があり、3区画のうち2区画の用地をそれぞれに分譲することを決定いたしました。
 今後、確定測量の結果、兵庫県から追加取得することとなった用地の所有権移転等の手続きが完了次第、速やかに土地売買に係る仮契約を締結し、その後、財産処分に係る議案を今議会に追加提出する予定としています。
 なお、今回応募の無かった1区画につきましては、現在未活用となっています出石中川産業用地と併せて、本年度中に再公募を行うよう準備を進めているところです。

 次に、住宅耐震改修促進事業の追加および拡充について申しあげます。
 本市の住宅耐震化率は74%で、本年1月に発生した能登半島地震の被災地である能登半島地方と同様に耐震化率が低く、本市においても同規模の地震に見舞われた場合、甚大な被害が想定されます。
 そのため、耐震化率の向上が急務となっており、市民の皆さまの安全・安心と命を守るため、早期に補助メニューを追加・拡充して、耐震改修工事の需要を喚起していきたいと考えており、必要な補正予算を今議会に提出しています。

 次に、城崎温泉交通環境改善事業について申しあげます。
 城崎温泉街では「安全・安心なそぞろ歩きができる城崎温泉」を実現し、地域の魅力とその価値を高めるため、「城崎温泉交通環境改善協議会」を設立し、さまざまな取組みを進めてこられました。
 2023年度には、市民の方々による取組みが実を結び、県道豊岡竹野線の桃島バイパスが事業化されたところです。
 桃島バイパスの完成を見据えた将来の城崎温泉のあり方について、温泉街での社会実験の実施を視野に入れながら、地元の皆さまや関係機関との検討に必要な現在の交通状況を調査するため、補正予算を今議会に計上しています。

未来を拓く人を育むまち

 第4に「未来を拓く人を育むまち」に関連する内容について申し上げます。

 まず、こども広場の利用状況についてです。
 こども広場は、2022年3月27日のオープン以降、指定管理者においてさまざまな工夫をしながら施設の運営が行われています。
 本年5月には、利用者の増加や満足度向上の取組みの一つとして、新たにボールプールが導入され、本年度7月末までの利用者数は、14,387人、前年同期比で15.8%増加しました。9月末頃には、オープンしてからの入場者数が、節目となる10万人に到達する見込みとなり、到達の折には、記念イベントの開催が企画されています。
 今後も、天候を気にせず思いきり遊べる場所として親しまれ、多くの皆さまにご利用いただきたいと考えています。

 次に、小中学校適正規模・適正配置計画の進捗状況について申しあげます。
 (仮称)竹野学園の建築工事につきましては、一般競争入札の開札を9月6日に予定しており、契約候補者が決まり次第、契約に係る議案を今議会に追加提出する予定としています。
 小坂小学校と小野小学校の統合につきましては、去る6月3日に小野小学校区の関係者から、小坂小学校との統合を進めるべきとする合意書が提出されました。これを受けて、第1回統合準備委員会を開催し、2026年4月の統合に向け、通学方法やPTA間の調整等、具体的な協議を進めています。
 但東地域における施設一体型小中一貫校の開設につきましては、去る7月3日に但東地域の住民を対象とした説明会を開催し、74名の参加がありました。現在、説明会で出された意見やアンケート結果をもとに、各地区の代表等と今後の進め方についての協議・調整を進めているところです。
 豊岡小学校の分散進学解消につきましては、去る7月30日に豊岡小学校PTAから、豊岡小学校の分散進学の解消を求める要望書が提出されました。今後、教育委員会会議において、要望書の取扱いについて諮ることになっています。

 次に、小学校水泳授業における民間施設等の利活用について申しあげます。
 近年、猛暑や急激な天候の変化に伴う児童の健康面への懸念等から、水泳授業が計画どおり行えないケースが増えています。また、水泳指導やプールの維持管理にかかる教職員の負担や、今後予想される老朽化による大規模改修などに要するコストが大きな課題となっています。
 そのため、今年度、8校をモデル校として、民間施設等学校外の屋内プールで水泳授業を試行しています。児童からは、温水プール、温水シャワー等環境の良さから「気持ちよく水泳の授業ができた」専門のコーチの指導により「クロールが泳げるようになった」等、来年も民間施設等での授業を希望する声を多く聞いています。また、教員からも「指導の質が格段にあがった」「教員の負担軽減にも繋がっている」と、好評を得ています。
 一方、プール施設への移動手段の確保等課題もあることから、今後、さらに検証を重ね、来年度の実施体制について検討を進めてまいります。

 次に、中学校体育館への空調整備について申しあげます。
 災害時における避難所としての良好な生活環境の確保と、平時における生徒の教育活動での熱中症リスクを低減するため、中学校の体育館に空調を整備いたしました。今後改修予定の竹野中学校を除く全校で設置を完了し、7月から稼働しています。
 冷風が届くことに加えて湿度が下がるため、生徒、教職員をはじめ利用者からは「涼しく快適になった」という声が届いています。
 今後は、体育館の使用状況等のデータを分析し、効果を検証することとしています。

 次に、児童生徒へのクマ鈴の配付について申しあげます。
 市内でのクマの痕跡・目撃情報が、先ほど申しあげたとおり、著しく増加しています。
 クマ対策として特に大切なのは「熊との遭遇を避けること」であると言われています。
 とりわけ、クマ鈴を使用することが、クマとの鉢合わせを未然に防止するのに一定の効果があるとされています。そのため、クマ鈴の使用を希望する小中学校の児童生徒や、学校によっては全児童・生徒に貸与できるよう、必要数を購入することといたしました。
 各学校へクマ鈴を配付するにあたり、必要な補正予算を今議会に提出しています。

人生を楽しみお互いを支え合うまち

 第5に「人生を楽しみお互いを支え合うまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、新文化会館整備事業についてです。
 入札時期を含め、開館に向けた具体的な事業スケジュールや発注方式の検討等を主な目的としたサウンディング型市場調査を、6月27日、28日に実施いたしました。
 個別の対話には、建設業3者、施設運営管理業1者に参加をいただき、昨今の物価高騰や働き方改革の影響を考慮する必要があることや、建設需要の高まりから技術者の確保が難しくなっていることなど、事業を取り巻く現状についてご意見をいただいたところです。
 今年度、あらたに建設単価を再徴収するとともに、サウンディング調査の結果を踏まえ、2023年度の入札結果における市場価格との乖離や今後の物価上昇等を考慮して全体事業費を試算いたしました。
 その結果、2023年2月に試算した全体事業費65億円に対して、約40%近く全体事業費は高騰しているものと見込んでいます。
 このような全体事業費の動向や本市の財政状況等を勘案すれば、現在計画している施設の規模・機能のまま、新文化会館の整備を進めることについては、慎重にならざるを得ません。
 しかしながら、本市の都市機能として文化会館は必要であることから、あらゆる可能性を排除することなく、検討を進めてまいります。

 次に、永楽館歌舞伎について申しあげます。
 来たる11月4日から8日間の日程で永楽館歌舞伎公演を開催いたします。8月25日には、あべのハルカス近鉄本店での豊岡フェアに片岡愛之助さんにお越しいただき、豊岡の魅力と永楽館歌舞伎のPRをしていただきました。
 公演チケットは、9月1日に出石永楽館で販売を開始し、9月2日以降は、コンビニエンスストアや松竹株式会社の窓口での販売も開始いたします。
 また、歌舞伎公演に先立ち、11月3日には第52回出石お城まつりに併せて、5年ぶりに出演者によるお練り・ステージあいさつが行われます。期間中、多くの皆さまにご観劇いただき、永楽館歌舞伎の魅力を体験していただきたいと考えています。

 次に、日本・モンゴル民族博物館の今後の利活用方針について申しあげます。
 但東地域は人口減少と高齢化が急速に進んでおり、地域を持続していくための対策を、早急に講じていく必要があります。
 そこで、但東地域の住民の意向やニーズを把握するとともに、地域づくりの推進にあたって、同施設を活用することの可能性を検討するため、但東地域の全世帯を対象とするアンケート調査および住民等を参加者とするワークショップを実施したいと考えています。
 これに伴って、必要な経費に係る債務負担行為を含む補正予算を今議会に提出しています。

 次に、豊岡総合スポーツセンター陸上競技場の第4種公認更新について申しあげます。
 本競技場は、豊岡市体育施設等個別施設計画において「市の拠点施設として大会機能を確保する必要があるとともに、市内の他の施設のサービス受入れを行うこと」と位置付けています。
 また、但馬地域唯一の日本陸上競技連盟・第4種公認競技場であり、5年間の公認期間が2025年9月23日をもって満了となることから、公認更新に向けて、所要の施設整備を行う必要があります。
 ルール改正への対応や、経年劣化による広範囲の改修工事を行う予定であり、施工に際しては、各種競技会・記録会等の施設使用予定を考慮しながら進めることとしています。
 公認期間満了までに遅滞なく施設整備を終えられるよう、公認条件を満たすための改修等、必要な補正予算を今議会に提出しています。

市政の運営

 第6に「市政の運営」に関連する内容について申しあげます。

 まず、市長とおしゃべり「出張市長室」についてです。
 これまでから、広聴の一環として、区長・町内会長を対象に春と秋に実施してきた市政懇談会は、活発な意見交換となりにくいとの声もあり、懇談会のあり方を検討してまいりました。
 この結果、秋の市政懇談会については、新たに市民の皆さまとの共創に向けて、市長とふれあいトークをより発展させる形に見直し、少人数型の対話の場「出張市長室」として開催いたします。
 各振興局に開設する臨時の市長室または団体等の活動場所で、地域の皆さまとテーマを設けず自由に意見交換することによって、めざすまちの姿を共有し「主人公は市民」の市政推進につなげてまいります。

 次に、旧静修小学校の貸付について申しあげます。
 2023年3月末で閉校となりました旧静修小学校については、本年1月から4月まで公募型プロポーザルにより利活用事業者を募集していたところ、1者から貸付契約の希望があり、5月中旬に審査を行った結果、契約候補者とすることに決定いたしました。
 本件については、地域の活性化に資する跡地活用を促進するため、建物は無償で貸し付ける条件で利活用者を募集しており、契約を締結するにあたり議会の議決をいただく必要がありますので、無償貸付に係る議案を今議会に提出しています。

 次に、長期財政見通しについて申しあげます。
 先日配布させていただきました長期財政見通しは、前年度の決算額を基本に、一般財源ベースで2033年度までの10年間を見通しています。
 昨年8月に策定した前回の見通しと比較して、歳入では、市税は減収となったものの、普通交付税と臨時財政対策債の合計額は増収となりました。
 歳出では、公債費などが減額となりましたが、人件費や社会福祉費などの扶助費が増額となったため、年平均での赤字額は、5.7億円から6.4億円へと7千万円増加しています。
 長期財政見通しでは、赤字には基金を取り崩して充てることとしています。基金残高が大きく減少していくことは前回の見通しと変わらず、依然厳しい財政状況を示すものとなっています。
 人口減少時代においても持続可能な行財政運営を進めるため、既存施策の見直しも含め抜本的な検討を進めてまいります。

予算、決算

 続いて、令和6年度一般会計補正予算第4号について申しあげます。

 予算全体を見直し、今後の執行見込額を精査した上で、過不足が生じる経費や今年度の人事異動による人件費の整理、さらに「帯状疱疹予防接種補助事業」「新型コロナウイルスワクチン定期接種事業」「豊岡総合スポーツセンター陸上競技場施設改修」に係る経費など緊急やむを得ないものを計上しています。
 歳入歳出予算の補正総額は8億6,891万8千円の追加となり、これに必要な財源は繰越金等で措置しています。 

 なお、前年度決算の確定に伴う決算剰余金の処理のため、市債管理基金へ5億7千万円を積み立てます。

 次に、前年度決算の認定に関連し、その概要を申しあげます。
 一般会計の総額で歳入は約494億円、歳出は約479億円となり2022年度の決算と比較して、歳入は約30億円、歳出は約31億円の減額となりました。
 その内訳の概況ですが、歳入では、市税収入がほぼ横ばいで、県支出金、繰入金、ふるさと納税等の寄附金などが増額となった一方、国庫支出金、諸収入、市債などが減額となっています。

 歳出では、新型コロナウイルス・物価高騰対策としての、子育て世帯への家計応援給付金、20パーセントプレミアム付商品券換金業務、家計応援商品券換金業務などが事業終了により減額となった一方、省エネ家電買換事業費補助金、中小企業者省エネ設備等導入支援事業費などの物価高騰対策、日高地区コミュニティセンター補修工事費、豊岡総合体育館整備工事費などが増額となっています。

 一般会計の最終的な実質収支については、11億2,379万7千円の黒字決算となりました。2022年度の実質収支額との差引きである単年度収支額は、1億94万6千円の黒字となり、年度中の財政調整基金への積立金や取崩し額など黒字・赤字要素を加味した実質単年度収支は、4,570万円の赤字となっています。
 これは、2022年度の決算剰余金の2分の1以上に当たる5億2千万円を、財政調整基金ではなく市債管理基金に積み立てたことなどが要因であり、後年度を見据えた財政運営は、概ね適切にできたものと考えています。

 経常収支比率については、93.8パーセントと2022年度から0.7ポイント悪化しています。
 地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく健全化判断比率については、今議会に監査委員の意見を付して報告しています。実質公債費比率は、14.1パーセントと2022年度と比較し0.2ポイントの改善となり、地方債発行の許可団体を判断する18パーセントを下回っていますが、依然として高い水準となっています。
 将来負担比率は、27.2パーセントと17.5ポイント改善し、いずれも早期健全化基準を下回っています。

 このように財政指標については国の基準を下回っていますが、いまだ地方債の現在高は高い水準にあります。
 下水道事業などの公営企業や公立豊岡病院組合などに対する一般会計の負担についても、今後、引き続き高い水準で推移することが見込まれ、厳しい状況が続くものと考えています。したがって、企業会計や一部事務組合を含めた公債費負担の適正化を図ることが最重要課題であると認識しています。
 加えて、税収入の確保、未利用地の売却、滞納対策の徹底や受益者負担の適正化等、財源の一層の確保に努めるとともに、経常的経費の抑制、公共施設マネジメントやDXの推進を図る必要があると考えています。

 以上が前年度決算の概要です。詳細については、お手元に決算書および関係資料をお届けしていますので、ご清覧賜りますようお願い申しあげます。
 なお、来年度の当初予算の編成については、来春早々に改選期を迎えることとなりますが、継続的な事業予算は引き続き計上することとし、政策的な判断が必要な新規施策等については、慎重に取り扱っていきたいと考えています。

 以上をもちまして、私の総括説明を終え、各議案の詳細については担当部長等から説明いたしますので、よろしくご審議いただき、適切なるご決定を賜りますようお願い申しあげます。

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