令和6年第1回豊岡市議会(定例会)市長総括説明(2024年2月29日)

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ページ番号1028966  更新日 令和6年2月29日

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 おはようございます。

 令和6年第1回豊岡市議会定例会の開会に当たり、議員各位のご健勝をお喜び申しあげますとともに、日頃のご精励に対し深く敬意を表します。

 まず「価格高騰生活支援給付金」の支給誤りについて申しあげます。
 今年度実施しております住民税均等割非課税世帯を対象とした1世帯7万円の価格高騰生活支援給付金については、本日2月29日現在、対象世帯である8,131世帯のうち、約93パーセントの7,580世帯に支給が完了しております。しかしながら、そのうち3人の世帯主の方に総額21万円を誤って支給していたことが判明しました。原因は、支給対象世帯のデータ抽出作業に誤りがあったためです。該当者の方に対しましてはお詫び申しあげますとともに、給付金の返還をお願いしております。

 今回も人為的なミスによる事務処理誤りが発生したことについて、深くお詫び申しあげます。今後も、関係職員だけでなく、全職員に対してダブルチェックの徹底や業務フローの確認・見直しなどを指示し、再発防止に取り組んでまいりますので、何とぞご理解賜りますようお願い申しあげます。

 次に、能登半島地震への対応について申しあげます。
 能登半島地震の被災地では、今も多くの方が避難生活を余儀なくされております。
 本市は、特定の被災自治体に特定の支援自治体を割り当てる「カウンターパート方式」により石川県珠洲市(すずし)を支援しております。これまで、避難所運営支援や家屋被害調査のため、市職員を同市に派遣しました。そのほかにも、応急給水活動支援のため水道課職員を石川県穴水町(あなみずまち)に、消防・救急活動支援のため消防本部職員を石川県能登町(のとちょう)に派遣しました。今後も兵庫県等による調整に基づき、職員を派遣することとしております。

 また、被災された方に対し市営住宅の一時提供を実施したところ石川県から1世帯2人の方が入居されました。
 今後とも、被災地のニーズを適切に把握しながら、被災自治体や被災者に寄り添った支援を継続してまいります。
 なお、市では、1月1日の津波警報発表時の市民の避難行動を把握・検証し、津波避難対策の改善につなげるため、港地区、城崎地域および竹野地区の約3千世帯に3月15日を期限にアンケート調査を実施しているところです。

 次に、新型コロナワクチン接種および物価高騰対策に関する事項についてご報告申しあげます。

 新型コロナワクチン接種についてです。
 初回接種を完了した生後6カ月以上の方を対象とする秋開始接種については、現在、市内の協力医療機関で行う個別接種のみで対応しております。
 接種状況については、対象者61,460人のうち、2月26日現在の接種者は20,240人で、接種率は32.9パーセントとなっております。年齢別では、65歳以上の方は66.5パーセント、12歳から64歳の方は9.7パーセント、5歳から11歳の方は5.1パーセント、生後6カ月から4歳の方は12.3パーセントです。
 また、来年度以降のワクチン接種については、季節性インフルエンザと同様のB類疾病()の定期接種に位置付けられ、65歳以上の高齢者および一定の基礎疾患を有する60歳から64歳までの方が対象となります。基本的に毎年秋から冬にかけて市内の協力医療機関で1回接種できますが、接種に対する努力義務はありません。
 使用するワクチン、接種ができる期間、費用などの詳細については、現時点では未定であり、確定され次第、市広報などでお知らせしてまいります。
 なお、定期接種の対象者以外の方については、任意接種として自費で接種することができます。

 低所得世帯への生活支援給付金の給付についてです。
 国の「デフレ完全脱却のための総合経済対策」を踏まえ、低所得世帯への生活支援給付金として、住民税均等割のみ課税世帯へ1世帯あたり10万円、また住民税均等割非課税世帯および住民税均等割のみ課税世帯の18歳以下の児童1人当たり5万円を給付します。
 給付に必要な予算は、去る1月15日付で専決処分により予算化しており、4月上旬を目途に給付開始できるよう準備を進めております。

 中小企業者の省エネリフォーム支援補助金のエントリー受付状況についてです。
 去る1月9日から2月26日にかけてエントリーを受け付けたところ、66件、補助金ベースで約2,660万円の申込みがありました。
 受付総額が予算の範囲内でしたので、補助要件に該当するすべての申込者を採択することとして、3月上旬に採択結果を通知します。

 さて、今議会は、2024年度当初予算をはじめ、諸案についてご審議いただく極めて重要な定例会です。
 本日、私から提出いたします案件は、報告事項2件、事件決議7件、条例7件、予算19件の合計35件です。
 さらに、会期中に人事案件1件、予算2件の合計3件を追加提出する予定としておりますので、あらかじめご了承賜りたいと存じます。

2024年度 所信表明

 ここで、2024年度の本市のまちづくりと市政運営に当たる私の所信を述べさせていただきます。

 私たちは長い間新型コロナウィルス感染症に翻弄()された生活をしてきましたが、昨年5月8日に感染症法上の位置付けが5類感染症に移行され、政府による行動制限も解除されました。以後、感染症対策を気にしながらも、市民の皆さんの日常生活も徐々に平時に戻り、夏まつり、秋のさまざまな行事、年末の忘年会と一年の締めくくりを迎えることができました。
 しかし、年明け早々の1月1日、予想だにしていなかった能登半島地震の発生で、大変な恐怖と不安を感じさせられました。改めまして、被災に遭われ、亡くなられた多くの方々に心より哀悼の誠を捧げますとともに、未だ避難生活を余儀なくされています皆様に心よりお見舞い申しあげます。
 そして今、私たちの日常が、普段通りに営まれていることに感謝したいと思います。

 さて、私の願いは、一人でも多くの市民の方に「豊岡に住んでよかった」と感じていただけるまちにすることです。市長就任以来3年が経とうとしています。市長として初めて臨んだ2021年の6月定例会で、私は「『主人公は市民』という施政方針の下、市政の一部をリストラクチャリング(再構築)していく」と申しあげました。また、翌2022年の3月定例会では「本年をDX元年と位置付け、市行政の効率化と住民サービスの向上を目指す」と申しあげました。まだ道半ばですが、着実に動いているものと感じております。市役所自体も変わろうとしており、職員の意識にも徐々に変化が表れてきています。

 市政の再構築については、昨年10月に第5次行財政改革大綱を策定しました。2024年度以降は、従来の行政コスト削減を重視した行財政運営から、行政コストを削減しつつ、公共サービスの向上を図る行財政運営に転換します。これは「主人公は市民」の視点を念頭に、従来以上に市民の視点に立った公共サービスを提供しようとするものです。
 これを実現する手段の一つは、多様な市民との共創です。私は2022年度に若者会議を設置するなど、多様な市民の意見を聞くよう努めておりますが、2024年度には「自分ごと化会議」を新たに導入します。「自分ごと化会議」では、無作為抽出で選ばれた市民の皆さんに分かりやすく地域課題や現行の事業等を説明し、それらの改善策等を検討いただきます。
 また、多様な市民の意見をいかすためには、市職員の意識と行動の変容も必要です。そこで、全職員を対象とした職員研修を行うとともに「自分ごと化会議」への参加を働きかけます。
 さらに「住んでよかった」というまちづくりを自分ごとと意識し、「自ら行動し、地域課題を解決したい」という想いを持つ市民などを支援するために、多様な人々が集まるコミュニティづくり等を新たに実施します。
 人口減少、高齢化などにより地域課題が多様化し、公共サービスの担い手は確実に減少します。同大綱では、公共サービスの必要性や業務の進め方を再構築するとともに、市民との共創やデジタルの活用により、少ない経営資源で多様なサービスを提供する「小さくても大きな市役所」への移行を目指し、2028年度末までに「手続等のオンライン化率100パーセント」「一般事務職等定年退職者の2分の1不補充による正規職員24人削減」などの目標も設定しました。

 DXによる市民サービスの向上については、子育て関係を中心に行政手続きのオンライン化が進んでおります。2022年10月の放課後児童クラブ入所申込みを皮切りに、既に22の手続きをオンライン化しました。今後もオンライン申請を大幅に拡充してまいります。
 また、2024年度末には公共施設予約システムを導入し、使用料のオンライン決済や電子錠による施設利用も可能にする予定です。
 これら取組みの推進により、市民の皆さんは仕事などの合間にわざわざ市役所や各施設に出向く手間がなくなります。

 一方、DXによる市役所の効率化については、既に正規職員のほとんどが持ち運び可能なパソコンを持ち、市役所内部の会議はほぼペーパーレスになりつつあります。4月からは、オンラインで決裁し、決裁済文書等をデータで保管するシステムの運用を市役所内で開始し、更に業務を効率化します。職員には、業務の効率化により生み出した時間を使って、市民サービスの向上を考えるよう指示しております。

 以上申しあげた取り組みを確実に実行、推進し、今後も「主人公である市民」が幸せを感じられるまちづくりを全力で進めてまいります。

2024年度予算の概要

 続いて、2024年度予算の概要について申しあげます。

 新年度予算については、新文化会館整備工事の落札を見込んだ予算編成となっております。後ほど、入札不調に伴う補正予算等、今後の対応についてご説明させていただきますので、ご承知おきいただきますようお願い申しあげます。

 さて、市民の日々の暮らしを支えることを市政の基本としながら、新年度予算の打ち出しを「次への一歩・DXと共創のまちづくり~主人公は市民~」としております。

 一般会計では総額482億4,000万円、2023年度当初予算と比較して2.3パーセントの増としております。一般会計のほか、8つの特別会計の予算額207億5,654万4千円、および2つの企業会計の予算額155億1,714万8千円を合わせ、全会計の総額は845億1,369万2千円、2023年度当初予算と比較して0.6パーセントの増としております。

 一般会計の歳入についてです。国の2024年度地方財政計画において、市町村税収入は前年度と比較して0.3パーセントの減、地方交付税総額は1.7パーセントの増とされております。
 市税については、固定資産税は評価替えの年度に当たり、土地価格の下落、家屋の経年減価による減収、個人市民税は定額減税の影響による減収を想定し、市税収入は93億4,003万7千円としております。2023年度当初予算と比較して3億7,100万円、3.8パーセントの減を見込んでおります。

 地方交付税については、普通交付税は地方財政計画による地方交付税総額の増加見込みに対し、公債費に係る交付税算入の減額を加味し148億円、特別交付税は21億3,000万円とし、共に2023年度と同額を見込んでおります。

 地方譲与税および各種交付金は31億9,567万7千円で、4億3,930万6千円、15.9パーセントの増を見込んでおります。これは、定額減税による個人市民税の減収額を補てんする地方特例交付金の増額などによるものです。
 ふるさと納税は11億円で、2023年度と同額を見込んでおります。

 市債は37億9,140万円で、3億7,700万円、11パーセントの増を見込んでおり、(仮称)竹野学園整備事業などの実施によるものです。

 一般会計の歳出についてです。公共施設予約システムの導入や自分ごと化会議の開催などDXの推進と共創のまちづくりに向けた予算付けと、0歳から小学3年生までの医療費無料化の継続、医療的ケアおよび重症心身障害者施設整備補助金の創設、校内サポートルーム支援員の配置など福祉・子育て・教育支援を中心とした分野へ力を入れた予算付けを行いました。

 また、地方創生総合戦略を的確に進めるため、地方創生関連事業に7億4,979万7千円を予算計上しております。

 2024年度の予算編成においては、歳出に見合う一般財源を確保するため、財政調整基金から15億円を取り崩し、収支均衡を図っております。このような状態は、好調なふるさと納税と財政調整基金に依存した予算編成と言え、極めて不安定な状況です。

 今後ますます厳しくなる財政状況を見据え、税収入の確保や未利用地の売却等、財源の一層の確保に努めるとともに、DXの推進や第5次行財政改革、公共施設マネジメントにしっかりと取り組んでいく必要があると考えております。

主要事業(地方創生事業)

 次に、2024年度の主要事業のうち、地方創生事業について申しあげます。

 引き続き、第2期地方創生総合戦略に基づき、戦略的に取組みを進めます。
 2024年度は、44事業を実施します。事業の推進に当たっては、国や県の交付金、補助金を最大限活用するとともに、企業版ふるさと納税、ガバメントクラウドファンディングなどを積極的に活用したいと考えております。

 続いて、戦略体系に基づき、2024年度事業の主な内容についてご説明申しあげます。

 戦略の目的を達成するため、六つの主要手段を掲げております。

主要手段01 豊岡の暮らしの『豊かさ』が内外に知られている

 まず、一つ目の主要手段「豊岡の暮らしの『豊かさ』が内外に知られている」について申しあげます。

豊岡の良さが内外に伝わっている

 その具体的手段「豊岡の良さが内外に伝わっている」についてです。
 本市来訪者の最大マーケットである関西圏の中心大阪で、市の新たな魅力をPRし本市への誘客を図るとともに、特産品のPR・販売を行うため、8月にあべのハルカスで「ひょうご・豊岡フェア」を開催します。
 また、移住定住ポータルサイト「飛んでるローカル豊岡」による情報発信を引き続き行うとともに、移住者向けの民間サイトを積極的に活用し、移住者および関係人口の増加を図ります。
 さらに、企業版ふるさと納税の獲得に向けて、本市の特徴的な施策に共感していただけるよう、企業に対し私自ら積極的にアプローチするとともに、全庁的に取り組むことにより寄附金額の増加を目指してまいります。

豊岡を巣立った人たちが豊岡とつながっている

 次に、具体的手段「豊岡を巣立った人たちが豊岡とつながっている」についてです。

 UIターンを増やすため、市内企業の合同企業説明会を開催するとともに、潜在的に移住希望者が多い東京や大阪で、移住イベントや大学主催の就活イベントなどに出展します。
 また、市内出身の若者たちが高校卒業後も豊岡へ関心を寄せ、つながりを持ち続けてもらうため、今年1月の「はたちを祝う会」で立ち上げたグループLINEを活用して市の情報を継続して配信します。

移住・定住を検討する人に情報が提供されている

 次に、具体的手段「移住・定住を検討する人に情報が提供されている」についてです。

 本市へ移住を検討している方の移住を促進するため、市ワンストップ窓口により、移住希望者への情報提供やマッチングを行うとともに、夜間および休日の移住相談や現地案内等にかかる業務についても、民間の移住相談窓口により的確に対応します。

主要手段02 多様なライフスタイル・働き方および多彩な事業活動が実践されている

 二つ目の主要手段「多様なライフスタイル・働き方および多彩な事業活動が実践されている」について申しあげます。

働きがいがあり、働きやすい場が増えている

 その具体的手段「働きがいがあり、働きやすい場が増えている」についてです。

 IT関連企業を誘致するため、地方進出を検討している企業とのオンラインによるマッチングイベントに引き続き参加します。
 また、市内にIT関連の事業所を開設する事業者に対して、開設等に係る経費の一部を補助します。

 農業については、低コスト機器と水田センサーを組み合わせて、コウノトリ育む農法における水管理の省力化等を引き続き目指します。

新たな事業や仕事にチャレンジする人が増えている

 次に、具体的手段「新たな事業や仕事にチャレンジする人が増えている」についてです。

 ビジネスに関する総合相談窓口である「IPPO TOYOOKA(いっぽとよおか)」において、起業を望む方や成長を目指そうとする市内事業者を引き続き支援します。

 農業については、豊岡農業スクールにより新規就農者を育成するとともに、農業用機械等の導入補助金など、新規就農者の経営開始への支援を行います。

 また、地域おこし協力隊については、2014年度の制度導入以来、96人に委嘱し、現在38人の隊員が活動中です。任期を終えた方のうち、起業等により40人の方が本市に定住しておられます。本制度を引き続き活用し、地域の課題解決や活性化を図るとともに、隊員の市内での起業等を支援します。

 さらに、若者がまちの未来を考えるきっかけをつくるため、新たにふるさと財団の地域再生マネージャー事業補助金を活用し、外部専門家からアドバイスを受け、若者の居場所づくりや若者交流イベントを実施します。

豊岡の強みをいかして稼ぐ力が高まっている

  次に、具体的手段「豊岡の強みをいかして稼ぐ力が高まっている」についてです。

 鞄産業において、東京ビッグサイトで開催されるインターナショナルギフトショーへの出展およびSDGs関連商品の開発等、兵庫県鞄工業組合が行う事業に対して補助を行います。

市民が多様な人々を受け入れている

 次に、具体的手段「市民が多様な人々を受け入れている」についてです。

 4月からパートナーシップ制度を導入して、同性カップル等パートナーシップ関係にある方が、本市の行政サービスを利用できるようにします。

 なお、行政サービスの利用にあたっては「兵庫県パートナーシップ制度」の受理証明書を活用することとし、市営住宅の入居申込みや身体障害者等に対する軽自動車税の減免手続きなどができるようにいたします。
 また、アドバイザーを招へいし、庁内委員会を設置して、性的マイノリティなど新たな人権課題の研究を行い、ジェンダーギャップ解消や多文化共生等と一体的に多様性の推進を図るための方針策定に取り組みます。

 さらに、外国人市民に対する新たな取組みとしては、生活のために必要な日本語を学ぶ機会を増やすため、転入者等を対象にした無料の初級日本語教室を開設します。

主要手段03 いきいきと暮らす女性が増えている

 三つ目の主要手段「いきいきと暮らす女性が増えている」について申しあげます。

性別に関わらず地域での協働が進んでいる
性別に関わらず夫婦が家庭内で支えあっている

 その具体的手段「性別に関わらず地域での協働が進んでいる」および「性別に関わらず夫婦が家庭内で支えあっている」についてです。

 だれもが性別、慣習などにとらわれず、社会の一員として同じ重みを持ち、社会、職場などで活躍できるよう、まち全体のジェンダーギャップの解消を引き続き目指します。

 2024年度は、ジェンダーなど多様性をテーマにしたオリジナル絵本の完成発表会の開催をはじめ、「豊岡流ラク家事育児コミュニケーションシート」の活用や市民向けの意識啓発動画制作に取り組みます。
 また、女性を対象とした人材育成プログラムである「豊岡みらいチャレンジ塾」を引き続き開催します。
 さらに、一時的な子どもの預かりや保育所等への送迎など、多様な子育てニーズに応えるため、会員同士が相互援助を行うファミリーサポートセンター事業に引き続き取り組み、子育てを応援します。

ありたい姿に向かっていきいきと働ける機会が増えている

 次に、具体的手段「ありたい姿に向かっていきいきと働ける機会が増えている」についてです。

 ワークイノベーションを推進し、女性も働きやすく、働きがいを感じることのできる事業所の増加を図ります。
 また、ワークイノベーション推進会議の会員事業所を中心に、優良事例発表、意見交換、情報共有などの機会を設け、各事業所が抱える課題の解決を図ります。
 さらに、女性管理職や育児世代の従業員向けのセミナーを開催します。

 子育て中の女性の就労促進についてです。
 働きたい女性を対象としてデジタルマーケティングおよびプログラミング人材の育成を図るとともに就労先の確保や起業支援に取り組みます。
 また、アイティ4階の「WACCU TOYOOKA(ワックトヨオカ)」において、就職相談、起業相談、キャリア相談等の窓口を引き続き開設するほか、関連するセミナーを開催します。

主要手段04 豊岡で人々が世界と出会っている

 四つ目の主要手段「豊岡で人々が世界と出会っている」について申しあげます。

世界中から人々が来訪し、豊岡を楽しんでいる

 その具体的手段「世界中から人々が来訪し、豊岡を楽しんでいる」についてです。

 2023年に入り、過去最高だった2019年を上回る勢いで来訪されているインバウンドの誘客や市内周遊をさらに進めるため、引き続き、一般社団法人豊岡観光イノベーションに民間企業で培った専門的な知識や経験を有した人材を配置します。
 また、大阪・関西万博が開催される2025年に向けて、万博出展国の関係者を対象にモニターツアーを実施し、インバウンドの誘客に向けた準備を進めます。

 豊岡演劇祭については、2024年度も実行委員会主催で開催します。今年に入り、豊岡演劇祭実行委員会は、「関西財界セミナー賞」の特別賞、総務省の「ふるさとづくり大賞」の団体表彰を受賞しました。来年度もより多くの市民の方々がさまざまな形で参加し、さらに皆さんに楽しんでいただける演劇祭になることを期待しております。

 また、引き続き、但東地域では、地域の方々による神楽作品の創作と公演を、玄武洞公園ではライトアップを実施します。

メイドイン豊岡が世界に広がっている

 次に、具体的手段「メイドイン豊岡が世界に広がっている」についてです。

 コウノトリ育む農法で栽培されたお米の特徴や価値について、海外の消費者に向け、インターネットによる情報発信を引き続き行います。

国内外から優れた人材が集まり、豊岡の魅力を高めている
世界の人々と対等に向き合う人材が増えている

 次に、具体的手段「国内外から優れた人材が集まり、豊岡の魅力を高めている」および「世界の人々と対等に向き合う人材が増えている」についてです。

 おんぷの祭典や城崎国際アートセンターにおけるアーティスト・イン・レジデンスを引き続き実施し、市民の皆さんが優れた文化芸術に触れる機会を作ります。
 また、永楽館歌舞伎も実施します。2024年度も地域一体となった事業等が企画され、地域全体の盛り上がりにつながる公演になることを期待しております。

 芸術文化観光専門職大学との連携についてです。
 4月に全学年が揃い完成年度を迎える専門職大学と連携・協働し地域課題を解決するため、子どもの居場所づくりのための意識調査や多文化共生推進事業、健康機能を付加した体験ブランド「ネオカルTOYOOKA」の事業拡大などに取り組みます。
 また、専門職大学の学生の就労支援の一つとして、本市への定着を目指し、市内企業や起業しておられる方たちとの交流会を実施します。

主要手段05 子どもたちのふるさとへの愛着が育まれている

 五つ目の主要手段「子どもたちのふるさとへの愛着が育まれている」について申しあげます。

子どもたちが豊岡のことをよく知っている
子どもたちがさまざまなコミュニティの中で役割を果たしている
子どもたちがさまざまな人とコミュニケーションを楽しんでいる

 その具体的手段「子どもたちが豊岡のことをよく知っている」、「子どもたちがさまざまなコミュニティの中で役割を果たしている」および「子どもたちがさまざまな人とコミュニケーションを楽しんでいる」についてです。

 この内容については、子どもたちの教育に関することですので、後ほど教育長から述べさせていただきます。

 なお、ふるさと教育に関しては、2024年度も今年度と同様に、私が中学校に出向き、子どもたちに豊岡市のことなどについて直接語りかけたいと考えております。

主要手段06 結婚したいと思う人が結婚できている

 六つ目の主要手段「結婚したいと思う人が結婚できている」について申しあげます。

若者が集い、交流する場が増えている
多種多様な出会いの機会が充実している
交際・結婚に向けた独身者へのきめ細かな支援体制が充実している

 その具体的手段「若者が集い、交流する場が増えている」、「多種多様な出会いの機会が充実している」および「交際・結婚に向けた独身者へのきめ細かな支援体制が充実している」についてです。

 結婚支援事業については、これまでの取組みを継続実施するとともに、事業の見直しやデジタル活用を図るため、国の地域プロジェクトマネージャー制度を活用して、新たに専門的な人材を任用し、持続可能な結婚支援体制の検討を進めます。

主要事業(地方創生事業以外)

 次に、地方創生事業以外の2024年度の主要事業、および諸般の報告事項等について、基本構想の「市民の暮らしを支える施策の体系」に沿ってご説明申しあげます。

なお、教育行政の方針と施策の展開については、教育長から別途ご説明申しあげます。

安全に安心して暮らせるまち

  第1に「安全に安心して暮らせるまち」についてです。

  防災・減災力の向上、消防・救急体制の充実を図るとともに、防犯意識の醸成に努め、安全な暮らしづくりを進めます。
 また、生活習慣病予防や健康づくりの支援などにより、安心しておだやかに暮らせるまちづくりを進めます。

 

安全を守るまちづくり

 具体的には「安全を守るまちづくり」として、消防団員の夏季活動時の身体的負担を軽減するため新たに夏用の活動服を貸与します。
 また、消防本部の消防・防災力の向上、効果的な消防活動を行うため、ドローンを導入し、操縦者を育成します。
 さらに、水防法改正により公共下水道等で雨水対策事業を実施する全ての地方公共団体に対し、内水浸水想定区域図の作成と公表が義務化されました。そのため、本市においても対象となる区域について2024年度に作成し、2025年度にホームページ等で公表します。

安心しておだやかに暮らせるまちづくり

 「安心しておだやかに暮らせるまちづくり」としては、健康づくりでは、県が市町の帯状疱疹予防接種助成事業に対する補助制度を創設したことを受け、本市においても補助制度を創設し、接種費用の負担を軽減します。

 高齢者福祉については「一人暮らし高齢者等安心・見守り活動」や「ふれあいいきいきサロン」に対する補助を引き続き行います。

 介護については、介護職員の確保と定着を図るため、市内に住所を有し、市内の介護事業所に勤務する正規職員を対象に、介護資格取得のための研修費用等を助成します。

 また、2024年度から3カ年を計画期間とする「老人福祉計画・第9期介護保険事業計画」については、今年度中に策定します。本計画に基づき、第1号被保険者に係る月額保険料基準額については、介護保険給付費準備基金を4億7,195万円取り崩すことにより据え置きとすることや、負担区分・所得等区分・負担割合の見直しを行うため今議会に関連条例の改正案を提出しております。
 なお、高齢者世帯で心身の障害・疾病等のため調理が困難な世帯に対して、市の委託業者が配食サービスを行う「食の自立支援事業」については、民間配食サービスが充実したこと、また「支え合い生活支援サービス事業」を実施している地区では、同様の配食サービスを提供していることから、1年間の調整期間を経て、2025年3月末で廃止します。

 障害者福祉については、障害者の地域生活への移行や就労に向けた取組み、発達障害児の早期発見・早期支援に向けた取組みなどを引き続き実施します。

 2024年度から3カ年を計画期間とする「第7期障害福祉計画・第3期障害児福祉計画」については、今年度中に策定します。

 豊岡市立総合健康ゾーン健康増進施設「ウェルストーク豊岡」の第2期事業についてです。
 事業期間を2025年度から10年間とする第2期事業運営事業者の募集選定については、4月中旬に募集要項等の公表を行い、9月に選定委員会を開催し、優先交渉権者の決定を行うこととしております。
 また、老朽化に伴う改修工事や設備機器の更新を2025年度に行うため、2024年度に実施設計業務を行うこととしております。

 公立豊岡病院新棟等整備にかかる病院組合負担金についてです。
  公立豊岡病院組合では、豊岡病院の救命救急センターを拡張するとともに病院機能を充実させるため、新棟等の整備事業が計画されています。2026年度の完成を目指し、2024年度に着手される予定であり、総事業費は約95億円とされております。
 また、本事業に関する本市の負担金総額については、地方公営企業繰出金に基づく分賦金が21億9,900万円、過疎債発行による負担金が3億7,900万円と見込まれております。

 医療的ケア児(者)および重症心身障害児(者)に対応した施設整備事業にかかる補助金の創設についてです。
 但馬地域には、医療的ケアを必要とされる方や重度の心身障害のある方が少なくとも130人以上おられ、その家族は日々24時間体制で介護を一手に担っておられることから、但馬地域の中心である本市において施設整備が必要となっています。私自身も施設整備は急務と考えております。また、豊岡市障害児福祉計画においても、医療的ケア児(者)を支援する通所・居宅事業所を確保することとしております。
 そのため、医療的ケア児(者)および重症心身障害児(者)に対応した施設整備補助金を2024年度に創設し、4月から公募開始したいと考えております。

 2024年度の国民健康保険税についてです。
 去る1月18日、国民健康保険運営協議会から「2024年度豊岡市国民健康保険事業運営の基本方針」について答申を受けました。この答申の趣旨を尊重し、国民健康保険税条例の改正に係る議案を今議会に提出しております。
 国民健康保険の県単位化に伴い、県内では「同一所得、同一保険料」に向けた保険料水準の統一化が進められております。そのため、2024年度の税率算定にあたっては、資産割を課さない算定方式に改めるとともに、県から示された標準税率を基本に国民健康保険財政調整基金を活用して算定することとしており、被保険者の税負担軽減や国保制度の中長期的な安定運営にも配慮しております。
 保険料水準統一までの同基金の残高予想に基づき、2024年度は5千万円取り崩し、国保税の上昇抑制に活用しております。その結果、例えば、夫婦2人で総所得金額が160万円の世帯では、年間の保険税額が対前年度比9.1パーセント増、13,800円増の16万6,100円となります。

 豊岡市社会福祉協議会に対する補助金の見直しについてです。
 市としましては、地域福祉推進のパートナーである社会福祉協議会の活動は良好な市民生活の維持に欠くことのできないものです。このため、市と社会福祉協議会が協働して推進する地域福祉事業に係る人件費について、2024年度、補助金の補助率を50パーセントから80パーセントに、予算額で約2,300万円を増額することにいたしました。

人と自然が共生するまち

 第2に「人と自然が共生するまち」について申しあげます。

 コウノトリをはじめ、多様な生物が住める豊かな環境を取り戻し、人と自然が響き合うまちづくりを進めるとともに、循環型のまちづくりを進めます。

人と自然が響き合うまちづくり

 具体的には「人と自然が響き合うまちづくり」として、脱炭素社会を  実現するため、市内での二酸化炭素排出量を2050年までに実質ゼロにすることを目指しております。2016年に策定した「豊岡市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」は策定から7年が経過し、この間に世界的な潮流が「低炭素」から「脱炭素」に大きく変わりましたので、今年度中に改定し、2030年度を目標年度にして「温室効果ガス削減目標」や「再生可能エネルギー導入目標」などを新たに定めるとともに、具体的施策に取り組むこととしております。

循環型のまちづくり

 「循環型のまちづくり」としては、太陽光発電システムの導入補助について、2024年度から住宅用、事業者用とも完全自家消費型の機器を新たに補助対象とします。

持続可能な「力」を高めるまち

 第3に「持続可能な『力』を高めるまち」について申しあげます。

 地域経済を元気にするまちづくりを進めます。
 また、住環境や道路網の整備、公共交通の確保などにより、賑わいと魅力あるまちづくりを進めるとともに、活力を生むまちづくりを推進します。

地域経済を元気にするまちづくり

 具体的には「地域経済を元気にするまちづくり」として、市内産業の発展促進などに取り組みます。

 農業については、学校給食用米を無農薬米に全量転換するオーガニックビレッジ宣言の実現に向けて、コウノトリ育む農法で「つきあかり」を無農薬栽培する農業者に10アール当たり2万円を助成する制度を創設し、作付面積および生産量の拡大を図ります。

 森林環境整備については、野生動物による農作物や森林植生等の被害を少しでも軽減するため、森林環境譲与税を活用して、緩衝帯となる森林整備を支援する市独自の補助制度を創設し、有害鳥獣による被害防止対策を推進します。

 産業振興については、県が整備する県道但馬空港線の沿線に整備を進めている産業用地について、2024年度に未整備区間の水道管布設工事を、また、2025年度にかけて水道減圧施設整備を行い、これらをもって整備事業が完了します。

 2024年秋に予定されている北近畿自動車道豊岡出石インターチェンジの供用開始に合わせた用地の売買契約を視野に、2024年度早期に分譲の公募を開始できるよう、現在募集要項等の検討を進めております。

 観光振興については、今年度中にとりまとめる予定である「観光地経営のあり方」について、検討委員会での議論を踏まえ、地域と連携した具体的な施策や必要な財源の検討を行います。

 また、ふるさと納税返礼品である「豊岡旅幸券(りょこうけん)」の更なるプロモーション、玄武洞公園におけるアーティスト等による特別公演の実施などに取り組み、誘客促進および観光消費額の増加を図ります。

 さらに、2024年度、再審査が予定されている山陰海岸ユネスコ世界ジオパークについても、協議会と連携しながら再認定に向けて取り組んでまいります。

 経済については、燃油・物価高騰などの影響を受けている市内中小企業の経営安定化を図るための支援業務や、豊岡鞄の販路拡大につながる認知度向上プロジェクト事業などに取り組みます。

賑わいと魅力を創るまちづくり

 「賑わいと魅力を創るまちづくり」としては、老朽化した危険空き家対策として、危険空家の除却を支援する補助金制度を新設します。そのまま放置すれば保安上危険となる恐れのある空家を対象に、除却に要する経費の一部を補助し、所有者自身による早期除却を促します。

 市道については、但東地域内での市道高龍寺本線の道路改良、竹野地域内での市道三原区内線第1号等の道路防災、日高地域内での市道神鍋山頂線等の側溝修繕、城崎地域内での市道二見森津線等の道路構造物の長寿命化などを進めます。

 橋梁については、出石地域内で上野橋の整備を進めるとともに、定期点検結果に基づく長寿命化修繕計画に沿って、五荘大橋等の補修工事を行います。

 公園については、市民体育館の廃止・解体に伴い、跡地も含めて中央公園を整備拡充します。

 高規格道路網の整備に伴う「道の駅」整備の検討状況についてです。
 2019年3月議会の市長総括説明におきまして「道の駅は、豊岡出石インターチェンジ以北での整備を検討する」と説明いたしました。その後、道路整備も進んできたことから、北近畿豊岡自動車道と山陰近畿自動車道の結節点となる(仮称)豊岡北ジャンクション・インターチェンジ周辺での道の駅整備の必要性について、機能や規模などの検討を進めてまいりました。
 しかしながら、道の駅を本線上に整備する「本線直結型」での整備が地形的に困難で、一般道沿線での整備となり十分な集客が見込みにくいこと、また、現時点で市が抱える地域課題の解決に積極的な役割を果たせないことから、(仮称)豊岡北ジャンクション・インターチェンジの供用開始に合わせた整備は行わないこととしました。
 ただし、北近畿豊岡自動車道などの供用後の交通状況や、観光需要の動向など社会情勢の変化により、今後、道の駅整備の再検討を行う必要はあるものと考えており、引き続き注視してまいりたいと考えております。

未来を拓く人を育むまち

 第4に、「未来を拓く人を育むまち」について申しあげます。

 子育て・教育環境の整備などにより、健やかで心豊かな子どもを育むまちづくりを進めます。

健やかで心豊かな子どもを育むまちづくり

 具体的には「健やかで心豊かな子どもを育むまちづくり」として、子どもや子育て家庭への切れ目のない支援を行い、市の子ども・子育て施策の方向性を示すため、2025年度から5年間を計画期間とする「こども計画」を2024年度中に策定します。

 幼児教育・保育および放課後児童のあり方計画の推進についてです。

 今年度末で日高幼稚園を閉園し、これに合わせ、4月に蓼川保育園は認定こども園に移行される予定です。

 また、4月から日高放課後児童クラブと日高第2放課後児童クラブを集約し、日高幼稚園舎を放課後児童クラブの専用施設とし、2024年度にはトイレ等の改修工事を行います。

 なお、福住小学校と寺坂小学校の統合に合わせ、併設する寺坂幼稚園および寺坂放課後児童クラブは、本年度末で廃止することとしております。

 小中学校適正規模・適正配置計画の推進についてです。

 福住小学校と寺坂小学校については、必要な協議や手続きが完了し、予定どおり4月に統合します。

 八代小学校の小規模特認校制度導入については、4月からの運用開始に向けて校区外からの入学希望者を募集しておりましたが、希望者はありませんでした。現在、児童獲得に向けたPR方法等の改善に向けて、地区と小学校により評価・検証が行われております。

 竹野地域で2025年度に開校を予定している義務教育学校については、開設準備委員会で選定された校名候補の中から定例教育委員会において、「(仮称)竹野学園」とする方針が決められました。開設準備委員会で一定の方向性が決まり次第、必要な条例改正案を議会に提出する予定です。また、施設整備については、2024年度から工事に着手します。

 そのほか「小野小学校と小坂小学校の統合」「豊岡小学校の分散進学解消」にかかる協議を引き続き進めます。

 小学校プールのあり方についてです。
 市内の小学校では、猛暑によりプール授業が実施できず、また、限られた教員数で子どもたちの安全確保等を行うことが大きな負担となっております。さらに、施設の維持管理や光熱水費等で大きなコストが生じているうえ、   今後、老朽化による施設の改修等で更なる費用負担が生じてきます。
 これらについては、他の自治体でも問題視されており、民間施設等のプールを活用することで、課題の解消にあたっている事例が増えてきています。
 本市においても、これまでの自校整備方式を改め、民間施設等のプール活用へ順次移行することを基本方針とし、2024年度は、モデル校で試行的に実施します。

 学校給食費の改定についてです。
 現在の給食費は、国の地方創生臨時交付金等を活用して、食材料費の物価上昇分を公費で負担しているところです。しかし、国の交付金については2024年度以降の継続は見込めず、これを市が負担し続けることは困難であることから、必要な食材料費を確保し給食の質や量、栄養バランスを保つため、学校給食費を改定します。
 なお、保護者負担の急激な増加を緩和するため、市が給食費の一部を負担しながら、2027年度まで4年かけて段階的に引き上げます。また、今後の給食費は物価変動に連動させて毎年度決定するよう改めます。

 校内サポートルームの設置と支援員の配置についてです。
 登校しづらい児童生徒の居場所を確保し、学校に居やすい環境を整えるとともに、個に応じた支援を拡充するため、市内全小中学校にサポートルームを設置し、全中学校と児童数の多い小学校4校に支援員を各1人配置します。

  オンライン学習通信環境の整備補助についてです。
 市立小中学校の児童生徒に1人1台貸与しているICT端末等を用いた、家庭でのオンライン学習を促進するため、就学援助受給世帯を対象に、新たな通信環境の整備に要する初期費用および通信料の一部を補助します。

 学習支援ソフトの試験導入についてです。
 教員の負担軽減、児童・生徒とのコミュニケーションの充実、保護者とのやり取りを効率的に行うために学習支援ソフトを市内全小中学校へ試験的導入し、本格導入に向けた検証を行います。

人生を楽しみお互いを支え合うまち

 第5に「人生を楽しみお互いを支え合うまち」について申しあげます。

 さまざまな学習の機会と場が提供され、歴史・伝統や優れた文化芸術に 触れることにより、お互いを尊重し、誰もが日々の暮らしを楽しみ、お互いを支え合うまちづくりを進めます。

日々人生を楽しむまちづくり

 具体的には「日々人生を楽しむまちづくり」として、スポーツ振興については、出石総合スポーツセンターテニスコートの人工芝張替えと照明のLED化を行います。

 新文化会館の整備については、去る12月1日に3回目の入札公告を行いました。しかし、入札参加申込みのあった事業者から入札執行予定日までに辞退の申し出がなされたため、不調となりました。
 現豊岡市民会館の老朽化状況等から判断して、着実に進めなければならない事業と考えており、改めて対応方法について検討を進めてまいります。
  なお、今年度内の工事契約ができなくなったため、現在先行して実施している土壌対策工事と管理運営計画策定に係る予算を除く、整備工事に係る本年度予算の減額補正および債務負担行為の廃止ならびに今議会で提案している2024年度当初予算に対して減額補正を一旦行う必要があります。これら予算の補正については、今議会の会期中に追加提案する予定としておりますので、何とぞご理解いただきますようお願い申しあげます。

お互いを支え合うまちづくり

 「お互いを支え合うまちづくり」としては、旧中竹野小学校を解体し、跡地の一部に中竹野地区コミュニティセンターを2025年度に建築すべく準備を進めます。併せて、隣接する中竹野ふるさと館の一室をコミュニティセンターとして使用するため再整備を行います。

 また、高橋地区コミュニティセンターの長寿命化改修工事を2024年度に行います。

市政の運営

 第6に「市政の運営」について申しあげます。

 それぞれの地域の固有の自然・歴史・伝統・文化を尊重し、特色あるまちづくりを進めます。

特色ある地域の成長と連携

 具体的には「特色ある地域の成長と連携」として、各地域の特徴をいかした事業推進により、地域の振興を図るとともに、人口減少の緩和を目指します。

 城崎振興局では「城崎温泉交流センター」通称さとの湯を「城崎文芸館」と「城崎麦わら細工伝承館」を集約した施設に建て替えるため基本計画を策定します。

 また、「城崎・港未来づくり補助事業」を新設し、城崎・港地域における地域課題の解決や将来を見据えた取組みに対して補助します。

 竹野振興局では、若者会議からの発案事業として、移住・定住希望者への空き家の確保と、今後増加する空き家について地域の問題意識を高めるため、区長や地域住民向けに説明会の開催や啓発資料を作成します。
 また、竹野地域の移住・定住者の増加を図るため、地域内で働いている若者を紹介する「竹野のお仕事図鑑」を作成し、ホームページや移住イベントなどで情報発信します。

 日高振興局では、道の駅「神鍋高原」の改修に向けて2024年度に実施設計業務に取り組み、2025年度に施設の脱炭素化も含めた長寿命化と売店や飲食施設等の機能強化を図り、2025年度中のリニューアルオープンを目指します。
 また、湯の原温泉オートキャプ場は民営化に向け、施設用地の境界設定や面積測量を行います。

 出石振興局では、有子山城築城450年と出石城築城420年を記念して、実行委員会が実施するシンポジウムや公開講座の開催経費に対して補助します。
 また、出石お城まつりの開催経費についても引き続き補助します。

 但東振興局では、但東シルク温泉やまびこの安定的な稼働・運営と利用者の利便性向上のため、長寿命化計画を策定します。
 また、地域コミュニティ組織の保有する「空き家情報」を移住定住ポータルサイト「飛んでるローカル」に掲載し、移住促進を図ります。

新しい時代にふさわしい行政経営

 「新しい時代にふさわしい行政経営」としては、職員の自律的なキャリア形成意識の醸成や市役所でのジェンダーギャップ解消を目指し、キャリアデザイン推進事業を継続します。
 また、職員を兵庫県立大学大学院、芸術文化観光専門職大学、デジタル庁などへ引き続き派遣します。
 さらに、現在、市役所DXの一環として取り組んでいる包括予算制度の導入などの経営改革を強化するとともに、職員が従来の慣習や前例などに捉われず挑戦・改革するような組織風土づくりを推進するため、総務省からの職員派遣を要請しています。

 地域DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進についてです。
 2020年度に一般財団法人トヨタ・モビリティ基金と共に「豊岡スマートコミュニティ推進機構」を設立し、データを活用した交通安全教室、福祉モビリティ等の地域DXに取り組んでまいりました。2024年度からは、トヨタ・モビリティ基金の関与は残しつつ、主として地域の官民連携により、従来の事業を基本的に継続します。

 また、新たに日本郵便株式会社や兵庫県と連携し「人口減少等社会情勢の変化と技術進歩に応じた中山間地の物流機能の維持」をテーマに、ドローン等を活用した配送高度化に取り組むこととし、関係者との調整を進めております。

 公共施設の包括管理業務委託の実施についてです。
 施設の保守点検・警備・清掃などの維持管理業務や日常の修繕業務について、複数施設の業務を集約し、一括して専門業者に委託する本業務につきましては、昨年9月に契約候補者を決定して以降、基本協定書を締結し、詳細な協議を行ってまいりました。
 現在、契約に向けて最終的な詰めの協議を行っている段階で、3月中には正式に業務委託契約を締結し、4月からの実施に向けて遺漏のないよう事務を進めてまいります。

 自治体情報システム標準化についてです。
 令和3年にいわゆる「標準化法」が制定され、住民記録システムをはじめとする20業務システムについては、国の基準を満たした「標準準拠システム」の利用と「ガバメントクラウド」への移行が求められています。
 この移行作業は2025年度までに行うこととされていますが、対象業務や関連する業務も含めると影響範囲は広く、システム移行や運用の見直しなど相当の期間を要する見込みです。また、全国の自治体が短期間で一斉に移行する一方でシステム業者の人手は限られているので、すべての自治体の期限内の移行を疑問視する声が上がっています。本市は委託先に対し、期限内の移行を強く要請しているところです。
 この費用については、現時点では不透明な部分がありますので、直ちに実施すべきもののみを当初予算に計上し、その他については補正予算に計上したいと考えております。

 ふるさと納税についてです。
 2月25日現在、寄附金額は12億8,287万円、昨年同期比7パーセント増で、既に昨年度の決算額を上回る寄附をいただいております。
 寄附金の使途の指定については、上位から順に、地方創生などの「小さな世界都市の実現を目指すまちづくり」に約3億6千万円、子育て支援などの「未来を拓く人を育むまちづくり」に3億3千万円、「コウノトリをシンボルとした人と自然が共生するまちづくり」に1億8千万円となっております。
 2024年度も、返礼品の拡充や効果的なPRに努め、更なる寄附金額の増加を目指してまいります。
 なお、企業からいただく企業版ふるさと納税については、2月25日現在で9企業から550万円の寄附をいただいております。

2023年度補正予算

 最後に、2023年度の一般会計補正予算について申しあげます。

 まず、補正予算第9号です。これは、国の物価高騰対策である低所得世帯への生活支援給付金の支給、能登半島地震被災地への対応やふるさと納税の返礼品等に要する経費など、5億9,453万9千円を追加するため、1月15日付けで専決処分したものです。
 繰越明許費の補正では、低所得世帯生活支援給付金支給事業および災害対策事業の追加、地方債の補正では、治山事業費の変更を行っております。

 次に、補正予算第10号です。9億8,882万5千円の減額となっています。
 減額の主なものは、入札残、事業費の確定に伴うもののほか、年度末までの支出予定の精査による不用額等の減額です。
 繰越明許費の補正では、城崎国際アートセンター管理費をはじめ、年度内にその支払いが終わらないもの27件の追加と2件の変更を行っております。
 債務負担行為の補正では、9件の限度額変更を行っております。
 地方債の補正では、1事業の追加、1事業の廃止、25事業の変更を行っております。
 なお、年度内の今後の財政収支見通しについては、地方債や特別交付税・地方譲与税など、現時点では額が確定していないものが多くあり、これらが確定した段階で更に補正の必要が生じることとなります。
 その際には、財政事情を勘案する中で、所要の専決補正を行いたいと考えておりますので、ご了承賜りますようお願い申しあげます。

 以上をもちまして、私の総括説明を終え、各議案の詳細については担当部長等から説明いたしますので、よろしくご審議いただき、適切なるご決定を賜りますようお願い申しあげます。

ありがとうございました。

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