豊岡市民会館長寿命化調査の中間報告と今後の進め方について

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ページ番号1033899  更新日 令和7年7月28日

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豊岡市民会館長寿命化調査の中間報告

調査結果(中間報告)のまとめと市の考え方

 このたび豊岡市民会館(以下「市民会館」と表記します)長寿命化(老朽度など)調査の中間報告が受託業者からありました。報告のまとめは下部のとおりです。

  • 一部劣化が進行している箇所が認められたが、2013(平成25)年度の耐震化工事などにより修繕を実施した部分については目立った損傷は見受けられない
  • 各種調査(速報値)の一部では基準値などを満たしていない結果も出ているが、2017(平成29)年度の長寿命化調査と比較して大きな変化は認められない

 報告のまとめから下部のとおり、推察できます。

  • 経年に則した劣化状態(築年数相当)
  • 一定の構造的健全性は保たれている

 以上推察から、今後、市民会館を長く維持していくために必要な改修方法等について提示することが示されました。

 市としてはこれを受け、下部のとおり考えています。

市民会館は長寿命化改修を行えば「豊岡市公共施設等総合管理計画」の目安である80年程度の使用は可能

  調査の内容などについては下部のとおりです。
 

調査の概要

 市民会館の長寿命化(老朽度など)調査の概要は下部のとおりです。

  • 調査内容
    市民会館の建物の劣化度と構造躯体の健全性について調査・評価を行うとともに、目標とする使用年数まで維持するために必要な予防保全処置や改修方法を提示する
  • 調査日
    2025(令和7)年4月23日・24日、5月12日から16日(計7日間)
  • 調査項目
    圧縮強度試験、中性化深さ測定、塩化物含有量測定、含水率測定、はつり調査、非破壊鉄筋探査、建物外観目視観察(以上、7項目)

調査の方法・調査結果に対する所感

 各調査の方法と、受託業者から得た調査結果に対する所感は下部のとおりです。
 

調査項目 調査の方法 調査結果・所感
圧縮強度試験 JIS A 1107に準拠し、対象部位からコア供試体を採取し一軸圧縮試験を実施

ホール棟:採取された5本のコアの内3本は設計基準強度を上回る。残る2本はわずかに設計基準強度を下回る

会館棟:採取された5本のコア全てで設計基準強度を上回る
中性化深さ測定 コンクリートをはつり、フェノールフタレイン指示薬を塗布し、変色範囲から中性化深さを測定

共通:屋内外ともに、仕上げが無い箇所(打放し)では中性化の進行が認められる

塩化物含有量測定 採取したコンクリート粉末を化学分析することにより、塩化物含有量を算出 共通:基準値内である
含水率測定 採取試料の乾燥前後の重量差から含水率を算出(質量法)

ホール棟:概ね目安値内である

会館棟:目安値内である
はつり調査 限定的にコンクリートを除去し、鉄筋状態を視認、撮影、計測

ホール棟:経年に則した劣化状況であると推測される

会館棟:部分的に劣化が進行しているものと推測される
非破壊鉄筋探査 電磁誘導式などの鉄筋探査機器を用いて、コンクリート表面から鉄筋の位置等を測定

共通:建設当時の施工精度によるものと推察されるかぶりの厚さ不足を一部確認した

建物外観目視観察 2017(平成29)年度調査での指摘事項を中心に、専門技術者が建物周囲および内部を目視調査し、劣化部位を撮影、記録

共通:構造体に係る新たな損傷個所は確認されなかったが、屋内外の仕上げなどについては、経年に伴う劣化の進行や新たなクラックなどが発見された。不同沈下の変化量はわずかであった

文化会館整備の方向性と今後の進め方

新たな視点での検討

 5月の新市長就任以後、文化会館機能維持の方向性について、改めて協議を重ねてきました。
 まず、今まで検討していなかった新たな視点として、新築をする際において、市民会館に最低限の修繕(安全性確保など)を行い、新施設完成まで空白期間を生じさせないことが可能かどうかを検討しました。

 この場合、(1)設計・工事期間約2年 (2)事業費約16億円(全額一般財源) (3)使用期間3年から4年 となることをそれぞれ確認しました。

 その結果、次のことが明らかになりました。

  • 約2年の空白期間が生じることは避けられないこと
  • わずかな期間のための事業費が過大となること

方向性の検討

 その後の協議では、短期・長期のコスト比較はもとより、事業がさらに遅れることによって、市民会館の休館が長期にわたり、市民の文化芸術活動が停滞してしまうことが最も避けなければならない点であるとして、特に「(文化会館)機能停止の期間」について重点的に議論を進めました。
 そこで、文化会館機能が失われる期間を左右する要素として、次の3点を挙げ、それぞれ検討することとしました。

  • 事業期間
  • 事業内容・規模
  • 入札不調のリスク

事業期間などの比較

 方向性別に事業期間などをまとめると下部のとおりです。[2024(令和6)年11月公表資料を基に記載しています(一部修正)]
 

整備の方向性 概算当面所要額 想定事業期間 ホール席数 想定される課題など

リサイズA
(会館棟縮小)

約90.8億円

(うち工事費

約78.3億円)

約5年9カ月 791席

・事業規模が大きく、事業者の確保や工事費の上振れリスク大

リサイズB
(全体縮小)

約82.8億円

(うち工事費

約70.3億円)

約5年9カ月 約650席

・事業規模が大きく、事業者の確保や工事費の上振れリスク大

ホール機能のみ

約80.8億円

(うち工事費

約68.3億円)

約7年 791席

・会館棟機能を廃止するため、施設の性質変更により基本計画から策定を要する

・事業規模が大きく、事業者の確保や工事費の上振れリスク大

修繕
(長寿命化のみ)

約34.3億円

(うち工事費

約28.0億円)

約4年10カ月 1,118席
(現行どおり)

・機能向上を行わないため、現基本計画は破棄 (計画再策定は不要)

大規模改修
(長寿命化・機能向上)

約46.3億円

(うち工事費

約40.0億円)

約4年10カ月 約1,000席 ・事業規模と今後の使用年数のバランスに課題

入札不調のリスク

 現在、公共施設(文化施設、医療施設等)の入札において、不調となるケースが多く報道されています。
 公表されている主な不調の原因としては、資材や人件費の高騰、人手不足や職人の高齢化などが挙げられています。
 傾向として、規模が大きい案件ほど不調となるケースが目立つことから「売り手市場」の状況にあると言えると考えます。

方向性と今後の進め方

 「市民の文化芸術活動の停滞を防ぐためにどうすべきか」という視点を中心に事業期間などについて比較検討してきましたが、新築の場合、改修に比べて事業期間が長期にわたること、市場動向による入札不調などでそれがさらに延びるリスクがあること、またこれらが回避できる社会情勢にないと考えざるを得ない状況です。

 市としては、以上の状況とこれまでの議論を踏まえ、さらに事業が遅れることを避ける観点からも、市民会館を長寿命化および機能向上を図るものとして、現在の市場動向をはじめ、事業期間短縮のアイデアなどを探るサウンディング型市場調査およびヒアリングを順次実施します。最終的な整備の方向性については、議会のご意見をいただきながら決定をしていきたいと考えています。

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観光文化部 新文化会館整備推進室
〒668-8666 豊岡市中央町2番4号
電話:0796-21-9130 ファクス:0796-22-3872
問合せは専用フォームを利用してください。