2019「植村直己冒険賞」受賞者は岩本光弘さん!

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ページ番号1009349  更新日 令和4年12月16日

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2019「植村直己冒険賞」受賞者決定! 受賞者は岩本光弘さん!

全盲のハンディキャップを抱えながら太平洋横断

写真:受賞者 岩本光弘さん
受賞者 岩本光弘さん

 2020年2月12日、植村直己さんの母校の明治大学紫紺館(東京都千代田区)で、2019「植村直己冒険賞」受賞者発表の会見を行いました。今回は、2019年に日本人が挑んだ206件の冒険行の中から、目の不自由な人がヨットを操る「ブラインドセーリング」で無寄港太平洋横断に世界で初めて成功した岩本光弘(いわもとみつひろ)さんが受賞しました。
 東京での会見の様子は、植村直己さんの母校の府中小学校にも中継され、参加した6年生児童を代表して安井理雄(やすいりおん)君が、岩本さんにお祝いのメッセージを届けました。
 本賞の授賞式は、2020年6月6日(土曜日)に日高文化体育館で行います。冒険賞の授与の他、岩本さんの講演も行います。皆さん、ぜひ、お越しください。

【記者発表中継】明治大学紫紺館⇔府中小学校

写真:岩本さん
【記者発表会場】(左から)中貝宗治豊岡市長、受賞者の岩本光弘さん、選考委員の西木正明さん
写真:岩本さん中継
【府中小学校】喜びのコメントを話す岩本さんの映像を植村直己さんの母校である府中小学校に同時中継
写真:府中小学校
【府中小学校】6年生児童30人と地域の皆さんと一緒に岩本さんの喜びの声に耳を傾けました
府中小学校
【府中小学校】府中小学校6年生児童代表の安井理雄君がお祝いのメッセージを送りました

いつも前向きに、道を拓く

 生まれつき軽度の弱視であった岩本さんは、13歳で残存視力を失い始め、16歳で全盲になられました。多感な思春期に見えなくなる恐怖で、一時は絶望的な気持ちになったそうですが、「ネバーギブアップ」の精神で一歩前に進むことを選択しました。その後は進学や、さらには留学などさまざまなことにチャレンジしてきました。

ヨットを始めたきっかけとその魅力

 2002年当時、筑波大学附属盲学校で教員だった岩本さんは、自宅近所の千葉県稲毛マリーナのレンタルヨットの存在を知りました。中高時代ヨットをしていた妻に誘われ、小型のヨットを借りて海に出てみたのがヨットを始めたきっかけだそうです。その時は、心の準備も追い付かず「ひっくり返るのではないか」と楽しむどころではなかったそうです。しかし、そのマリーナに、障害者と健常者が共にヨットを楽しむコンセプトのクラブと出会い、初回のセーリング経験とは180度変わり、セーリングができる週末が待ち遠しくなるぐらい熱中するようになりました。

太平洋横断の夢

 2011年あるヨット専門誌に「太平洋を横断してみたい方を募集します!」の記事を音訳録音で知った岩本さんは、「これは私のために書かれた記事ではないか」と興奮しながら「太平洋横断」に向けての熱い思いを込めた応募メールを書きました。そのメールが関係者の目に留まり、岩本さんは「太平洋横断」に挑戦することになりました。

挑戦は何度でもできる

 最初の「太平洋横断」は2013年6月、福島県を出港するも6日後にヨットとクジラが衝突し失敗しました。「僕さえ夢を持たなければ…」、申し訳なさと恐怖心でしばらく海へは近付けなかったそうです。
 しかし、知人の紹介で知り合った米国人のダグラス・スミスさんからサポートの申し出があり「ネバーギブアップ」と言い続けてきた岩本さんは一念発起。2019年2月、再び「太平洋横断」の夢に再び挑戦することとなりました。

2019年2月25日米国サンディエゴを出港
2019年2月25日米国サンディエゴを出港(写真提供:比企啓之さん)
洋上にて
洋上にて(写真提供:ダグラス・スミスさん)
福島入港時、フォアデッキで係船ロープを準備する岩本さん
福島入港時、フォアデッキで係船ロープを準備する岩本さん(写真提供:株式会社舵社)

チャンスはつかめる

 「失敗したからといってリベンジしない理由にならない。夢に向かって、一歩を踏み出す」と、岩本さんは語ります。 そんな岩本さんに、これからもエールを送り続けていきたいと思います。

 

福島入港時
福島入港時 岩本さんと ダグラス・スミスさん(写真提供:株式会社舵社)

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