平成31年第1回豊岡市議会(定例会)市長総括説明

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ページ番号1007161  更新日 平成31年2月25日

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 平成31年2月22日、第1回豊岡市議会定例会の議案提出に当たり、中貝市長が、施政方針と、当面する市政の諸課題、提出議案の主なものについての説明(市長総括説明)を行いました。

 おはようございます。
 平成31年第1回豊岡市議会定例会の開会に当たり、議員各位のご健勝をお喜び申しあげますとともに、日頃のご精励に対し深く敬意を表します。

 今議会は、2019年度当初予算をはじめ、諸案についてご審議いただく極めて重要な定例会です。
 本日、私から提出いたします案件は、報告事項3件、事件決議8件、条例13件、予算22件の合計46件です。
 なお、会期中に人事案件1件を追加提出する予定としておりますので、あらかじめご了承賜りたいと存じます。

2019年度の本市のまちづくりと市政運営に当たる所信

 ここで、2019年度の本市のまちづくりと市政運営に当たる私の所信を述べさせていただきます。

 新年度予算案では、経常費の大幅な上昇等による財源不足に対応するため、多額の財政調整基金の取崩しを予定しています。市の財政は、今後急激に悪化する可能性があります。このため、行財政改革に徹底して取り組む必要があります。
 しかし、守るだけでは守ることはできません。私たちは、守りつつ攻めていかなければなりません。
 新年度も、地方創生‐人口減少対策‐に、市の未来に関わる最大の課題として「小さな世界都市‐Local & Global City‐の実現」を旗印に、総合的に、かつ、徹底して取り組んでまいります。
 その柱は「豊岡に暮らす価値の創造」です。
 とりわけ「多様性を受け入れ、支え合うリベラルなまち」の実現に当たり、現時点で最大の課題と考えられるジェンダーギャップの解消に、まちを挙げて取り組んでまいります。
 ジェンダーギャップは、人口減少に関わる問題であり、圧倒的な人手不足や生産性等経済に関わる問題であり、まちづくりの推進力等社会に関わる問題であり、そして何よりも、私たちの社会や組織、人間関係における公正さに関わる問題です。ワークイノベーション戦略、キャリアデザインアクションプランなどを着実に実行しながら、その解消を目指してまいります。
 また「演劇のまち・豊岡」の可能性を探ってまいります。世界から高い評価を受けている城崎国際アートセンターの存在、劇作家平田オリザ氏の移住と劇団「青年団」の移転、(仮称)国際観光芸術専門職大学の誘致等、条件は整いつつあります。しかも、豊岡の子どもたちは、演劇によるコミュニケーション教育を受けて育っていきます。単に劇団があり、アーティストがあふれ、演劇を楽しむことができるまちというに止まらず、まちのさまざまな場面に演劇が浸透する、深さを持った「演劇のまち」を目指します。
 人口減少との圧倒的に不利な闘いに勝ちぬくために、新年度も豊岡の突き抜けた価値の実現を目指し、全力で取り組んでまいります。

2019年度予算

 続いて、2019年度予算の概要について申しあげます。
 新年度予算の打ち出しを「『小さな世界都市‐Local & Global City‐』地方創生の深化」としています。
 一般会計では総額466億5,700万円、2018年度当初予算と比較して3パーセントの増としています。一般会計のほか、八つの特別会計の予算総額198億 7,263万4千円、および三つの企業会計の予算総額150億6,532万1千円を合わせ、総額815億9,495万5千円、2018年度当初予算と比較して1.8パーセントの増としています。
 一般会計の歳入についてです。国の2019年度地方財政計画は、市町村税収入は、前年度と比較して2.1パーセントの増、地方交付税総額は、1.1パーセントの増としています。
 本市の市税収入は、98億2,363万8千円で、2018年度当初予算と比較して514万1千円、0.1パーセントの増を見込んでいます。
 地方交付税については、普通交付税は149億円で、地方財政計画による地方交付税総額の増加見込みと2016年度から始まった合併算定替の段階的縮減などの影響も加味した上で、2億4千万円、1.6パーセントの増を見込んでいます。
 特別交付税は、ここ数年の決算状況等から、同額の20億円としています。
 地方譲与税および各種交付金は23億5,712万7千円で、約1億8千万円、8.2パーセントの増を見込んでいます。これは、森林環境譲与税の創設、環境性能割交付金の創設、幼児教育無償化に係る市負担分の財源としての子ども・子育て支援臨時交付金の創設などによるものです。
 市債は34億8,540万円で、3億7,330万円、9.7パーセントの減としています。そのうち地方財源の不足に対処するための臨時財政対策債は、地方財政計画を考慮し、2億6,910万円の減額としています。
 したがって、普通交付税に臨時財政対策債を加えた一般財源への影響額では、2,910万円の減額となります。
 なお、公立豊岡病院組合への負担金や社会保障経費等の増により、歳出に見合う一般財源の確保が困難であったため、財政調整基金から16億円を取り崩し、収支均衡を図っています。
 自主財源は、歳入全体の34.1パーセントと、2018年度当初予算と比較して0.1ポイントの増加ではありますが、依然として脆弱な財政構造が続いています。
 歳出については、市民の日々の暮らしを支え続けることを基本としつつ、基本構想に掲げる「小さな世界都市‐Local & Global City‐」を実現するため、市政経営方針に定める戦略的な事業に重点的な予算付けを行いました。
 また、地方創生総合戦略を的確に推進するため、地方創生関連事業76事業、6億8,373万4千円を予算計上しています。

2019年度に取り組む主な施策等

 続いて、2019年度に取り組む主な施策等について、基本構想の「市民の暮らしを支える施策の体系」に沿ってご説明申しあげます。
 なお、教育行政の方針と施策の展開については、教育長から別途ご説明申しあげます。

安全に安心して暮らせるまち

 第1に「安全に安心して暮らせるまち」についてです。
 防災・減災力の向上、消防体制の充実を図るとともに、防犯意識の醸成に努め、安全な暮らしづくりを進めます。
 また、生活習慣病予防や健康づくりの支援などにより、安心しておだやかに暮らせるまちづくりを進めます。

安全を守るまちづくり

 具体的には「安全を守るまちづくり」として、防災行政無線のデジタル化による再整備を進めます。親局・中継局・屋外拡声子局(おくがいかくせいこきょく)の整備を行い、2019年 7月から各家庭等へのデジタル戸別受信機の設置を開始したいと考えています。2020年12月頃に全戸への配布を完了し、完全にデジタル放送へ切り替えたいと考えています。
 消防体制については、豊岡消防署配備の救助工作車と資機材搬送車、但東駐在所配備の高規格救急自動車を更新します。
 さらに、消防団員の活動の安全性を高めるため、釘等を踏んだ場合でも貫通せず、重量物に圧迫された場合でもつま先を保護する長靴を配備します。
 安全な暮らしでは、地域団体への防犯カメラの設置補助を継続して行います。
 また、消費生活相談員の積極的な研修参加によるレベルアップや出前講座等での啓発を通して、消費生活センターの充実・強化を図ります。

安心しておだやかに暮らせるまちづくり

 「安心しておだやかに暮らせるまちづくり」としては「玄さん元気教室」の普及・拡大、歩キングの推進を図ります。
 高齢者福祉では、介護サービス基盤の整備や、高齢者施設を整備する民間事業者に対する整備費等の補助を引き続き行います。
 障害者福祉では、豊岡市障害者福祉計画に基づき、障害者の地域生活への移行や就労に向けた取組み等、障害者福祉の推進を着実に進めてまいります。

人と自然が共生するまち

 第2に「人と自然が共生するまち」について申しあげます。
 コウノトリも住める豊かな環境を取り戻し、人と自然が響き合うまちづくりを進めるとともに、環境経済戦略を推進します。
 また、循環型のまちづくりを進めます。

人と自然が響き合うまちづくり

 具体的には「人と自然が響き合うまちづくり」として、豊岡における生物多様性を保全するための普及・啓発や、科学的根拠に基づく、効率的な自然再生活動に取り組みます。

循環型のまちづくり

 「循環型のまちづくり」としては、太陽光発電システム設置への補助を継続します。

持続可能な「力」を高めるまち

 第3に「持続可能な『力』を高めるまち」について申しあげます。
地域経済を元気にするまちづくりを進めます。
 また、住環境や道路網の整備、公共交通の確保などにより、賑わいと魅力あるまちづくりを進めるとともに、活力を生むまちづくりを推進します。

地域経済を元気にするまちづくり

 具体的には「地域経済を元気にするまちづくり」として、観光誘客の促進や市内周遊拡大のための二次交通の充実、効果的な情報発信などに取り組みます。
 農業では、環境創造型農業を推進するため、コウノトリ育む農法の無農薬栽培に取り組む農業者等に、国の交付金に加えて、市の補助を実施します。
 農業の人手不足解消の一助となるよう、また、障害者に新たな就労の場として農業に従事していただけるよう「農福連携」の仕組みづくりに取り組みます。
 広域基幹農道の安全・安心な交通を確保するため、農道橋の耐震化事業に併せ、長寿命化のための補修事業を実施します。
 林業では、持続可能な森づくりを目指し、市行(しこう)造林事業による除間伐の保育業務、作業道の開設などを実施します。
 水産業では、田結漁港の防波堤の延伸工事を引き続き行います。2019年度で完成の予定です。
 工業振興では、北近畿豊岡自動車道に関連し、県が整備する県道但馬空港線の沿線土地を産業用地として整備します。2019年度は、調整池・流路工事などを実施します。

賑わいと魅力を創るまちづくり

 「賑わいと魅力を創るまちづくり」としては、市道八条線等の道路整備、市道田鶴野東部幹線(たづるのとうぶかんせん)等の大規模舗装修繕、市道森本御又(もりもとおんまた)線等の側溝修繕、市道正法寺坂津(しょうぼうじさかづ)線等の道路構造物長寿命化などを進めます。
 橋梁については、栃江橋等の整備を進めるとともに、定期点検結果に基づいた長寿命化修繕計画に沿って、補修設計、補修工事を行います。
 雪害対策では、冬季の道路通行を確保するため、老朽化している除雪ドーザの更新を行います。
 交通安全対策としては、市道中畑山(なかはたやま)線等の歩道修繕や道路区画線の整備、通学路のグリーンベルトの設置等により、歩行者にとって安全な道路空間を確保します。
 公共交通については、地域の実情や特性に応じた新しい交通モードを検討し、市民に必要な移動手段を確保するため、公共交通再編調査を引き続き実施します。

活力を生むまちづくり

 「活力を生むまちづくり」については、現在地域おこし協力隊として活動中の14人の隊員に加え、新たに10人の隊員を迎えられればと考えています。

未来を拓く人を育むまち

 第4に「未来を拓く人を育むまち」について申しあげます。
 子育て・教育環境の整備などにより、健やかで心豊かな子どもを育むまちづくりを進めます。

健やかで心豊かな子どもを育むまちづくり

 具体的には「豊岡市における幼児教育・保育及び放課後児童のあり方計画」を策定し、適切な幼児教育・保育を継続できるよう努めます。
 保育所待機児童の解消を図るため、小規模保育事業設置運営事業者の公募をさらに進めます。
 また、学校園への空調設備の整備のほか、吊り天井を有しない小・中学校の屋内運動場および武道場の非構造部材の落下防止対策を引き続き行い、施設の安全性を高めます。

人生を楽しみお互いを支え合うまち

 第5に「人生を楽しみお互いを支え合うまち」について申しあげます。
 さまざまな学習の機会と場が提供され、歴史・伝統や優れた文化芸術に触れることにより、お互いを尊重し、誰もが日々の暮らしを楽しみ、お互いを支え合うまちづくりを進めます。

日々人生を楽しむまちづくり

 具体的には「日々人生を楽しむまちづくり」として、3回目の日本冒険フォーラムを開催します。
 また、城崎ボートセンターの設備更新・改修を行うほか、神美台スポーツ公園のテニスコートなどの改修を行います。

お互いを支え合うまちづくり

 「お互いを支え合うまちづくり」としては、地域コミュニティ活動の支援等を行います。
 地域コミュニティ組織から「地域づくり計画の策定、法人格の取得、イベントの開催等に関して、専門的なアドバイスが欲しい」などの声が聞かれます。
 このため、これまでの財政支援、人的支援に加え、地域コミュニティ組織と行政の間に立ち、地域コミュニティ組織に近い立場で支援する「中間支援組織」の設立について検討を始めます。

 また、本市の在住外国人が今後さらに増加する可能性もあることから、現在豊岡で暮らしている外国人の生活・経済の状況について、神戸大学と共同して調査・研究を行います。

市政の運営

 第6に「市政の運営」について申しあげます。
 それぞれの地域の固有の自然・歴史・伝統・文化を尊重し、特色あるまちづくりを進めます。

特色ある地域の成長と連携

 具体的には「特色ある地域の成長と連携」として、各地域の特徴を生かした事業推進により、地域の振興を図るとともに、人口減少の緩和を目指します。

 城崎振興局では、大谿川沿いの柳・桜の健全な育成を図るため、剪定、植替え等を行います。また、表面の劣化が進行している太鼓橋を補修し、景観の保全を図ります。城崎文芸館については、空調設備等の改修を行います。

 竹野振興局では、竹野地域が「行ってみたい、住んでみたい、住み続けたい」まちとなることを目指し「海町マーケット」や「まち歩き散策」などさまざまな事業から成る川湊(かわみなと)再生プロジェクトに地元とともに取り組みます。

 日高振興局では、日高で暮らす若者の増加を目指し、劇団「青年団」との連携や、観光事業等の実施に取り組みます。第9回シアター・オリンピックスの視察や溶岩流を活用した地域振興事業を行います。また、日高地域の先輩に学ぶ授業も引き続き実施します。

 出石振興局では、まちの賑わいと活性化を目指し、出石焼の宣伝事業や観光イベントへの補助を実施します。
 また、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている出石の町並みを保存し、地域固有の価値を次世代に継承していく取組みを進めます。
 さらに、出石温泉館「乙女の湯」の修繕・改修を実施し、利用者の拡大を図ります。

 但東振興局では、移住促進住宅や空き家などの活用により、移住を促進するとともに、交流人口の拡大や受入家庭の副収入の向上を図るため、教育民泊の取組みを支援します。

参画と協働のまちづくり

 「参画と協働のまちづくり」については「市民と行政の協働推進指針」に基づき、福祉や子育て、環境などさまざまな分野で、市民、NPO、各種団体、企業などと行政が適切な役割分担と連携を図りながらまちづくりを進めます。

新しい時代にふさわしい行政経営

 次に「新しい時代にふさわしい行政経営」についてです。
 キャリアデザインアクションプランに基づき、研修体制を整備し、職員のさまざまなスキルの向上を図ります。
 また、引き続き日本政府観光局、兵庫県立大学大学院、日本航空株式会社への職員派遣を行うとともに、新たに中小企業庁への派遣を行うこととしています。

主要事業

地方創生事業

 次に、主要事業について申しあげます。
 まず、地方創生事業についてです。
 2019年度も、移住・定住促進と結婚支援・多子出産応援の二つの戦略体系を基本に据えつつ、取組みの内容を充実させます。
 特に、ジェンダーギャップの解消やワークイノベーション戦略の推進に係る取組みを加速させることとし、これらに係る国の地方創生推進交付金を申請しているところです。

 続いて、戦略体系図に基づき主な項目についてご説明申しあげます。
 「戦略目的A 暮らすなら豊岡と考え、定住する若者が増えている」と「戦略目的B 多くの子どもでにぎやかな家庭を持つ若者が増えている」の二つを達成したい状態として設定しています。

戦略目的A 暮らすなら豊岡と考え、定住する若者が増えている

 「戦略目的A」を達成するため四つの主要手段を掲げ、取組みを進めます。

主要手段A-01 豊岡の暮らしの『豊かさ』が内外に知られている

 まず、一つ目の主要手段「豊岡の暮らしの『豊かさ』が内外に知られている」、すなわち「情報発信」について申しあげます。

WEBやSNS等で豊岡の情報が共有されている

 その具体的手段「WEBやSNS等で豊岡の情報が共有されている」についてです。
 都市部に住む20代から40代と、市内高校生を含めた若年層をターゲットに、さまざまな媒体を通じて情報発信を行います。
 また、ミュージシャンに豊岡で楽曲を制作していただき、若者がなじみやすい音楽を通じて、豊岡の魅力を発信します。
 就職を機にUターンする人を増やすため、就活イベントなどを通じて学生等とのつながりを作り、豊岡で暮らす魅力とやりがいのある仕事、地元就職のメリットなどを伝えます。
 「ジョブナビ豊岡」などのWEBサイトは、移住やUターンを検討している方の興味を高めるために、アクセスの解析、サイトの改善等を行いながら、情報発信に努めます。

豊岡を巣立った人たちが豊岡とつながっている

 次に、具体的手段「豊岡を巣立った人たちが豊岡とつながっている」についてです。
 若者のUターンを進める事業として、合同企業説明会、企業研究会、市内外での相談会等を開催し、豊岡で働く魅力を発信します。

定住を検討する人に寄り添って、情報が提供されている

 次に、具体的手段「定住を検討する人に寄り添って、情報が提供されている」についてです。
 豊岡への移住希望者に対して、ワンストップ窓口での相談や現地案内を通じて、地域、住まい、仕事等のコーディネートやマッチングを行います。
 また、東京や大阪の移住フェアに出展し、豊岡への来訪や移住を促します。
 移住を検討している方には、市内に所在する宿泊施設を利用する際の宿泊費の一部を引き続き補助します。
 さらに、移住者等がまちの人たちと出会い、つながりが生まれるような交流拠点として、また移住者等の暮らしに関する相談の場として「まちのサードプレイス」を創出します。

主要手段A-02 人々が豊岡の『豊かな暮らし』を楽しんでいる

 二つ目の主要手段「人々が豊岡の『豊かな暮らし』を楽しんでいる」、すなわち「高付加価値化・成熟化」について申しあげます。

やりがいと安定した収入が得られる仕事が増えている

 その具体的手段「やりがいと安定した収入が得られる仕事が増えている」についてです。
 企業立地促進条例の改正案を今議会に提出しています。
 改正の1点目として、人手不足が続く現在の雇用情勢においても市内企業の設備投資を促進するため、工場等設置奨励金の交付条件である常用従業員の新規雇用者数を引き下げたいと考えています。
 改正の2点目として、策定したアーティスト・クリエーター移住等促進戦略を推進し、文化芸術の創造または提供をする事業者の本市への立地を促進するため、当該事業者を本条例による奨励金交付の対象に加えたいと考えています。
 また、革製鞄・革小物生産能力育成事業やIT企業誘致等の経済振興策にも引き続き取り組みます。
 農業では、コウノトリ育む農法の無農薬栽培の推進と、高付加価値品種「いのちの壱」のブランド化に向けた取組みを継続します。
 コウノトリ育む農法に関し、水管理の省力化を目指したスマート農業を引き続き推進します。
 コウノトリ育む農法以外では、田植え作業の省力化、低コスト化を図るため「鉄コーティング湛水直播(たんすいちょくは)」の実証実験を行います。

新たな事業や仕事にチャレンジする人が増えている

 次に、具体的手段「新たな事業や仕事にチャレンジする人が増えている」についてです。
 新規就農者の育成、園芸用ハウスや農業用機械等の整備への補助、都市部などから市内へ移住する新規就農者等への家賃補助などに引き続き取り組みます。
 また、コワーキングスペース「FLAP TOYOOKA(フラップ トヨオカ)」に、ビジネスに関する総合相談機能を新設し、起業を望む若者、女性や、地域の中小企業を支援します。

多様な生き方に応じた居場所と出番が増えている

 次に、具体的手段「多様な生き方に応じた居場所と出番が増えている」についてです。
 去る1月、豊岡市ワークイノベーション戦略を策定しました。
 この戦略では、目指す将来像を「ありたい姿に向かって、いきいきと働く女性が増えている」としています。働きやすさ、働きがいがアップした事業所を増やし、さらにそのことを積極的にPRして、他の事業所への波及を目指します。
 今後、ワークイノベーションの取組みを市民や事業者の皆さんにご理解いただくため、シンポジウム等を継続的に開催してまいります。また、経営者、人事担当者、管理職、女性従業員それぞれを対象としたワークショップ等も継続的に開催してまいります。

 市役所についても、去る1月、キャリアデザインアクションプランを策定しました。
 このプランが目指すゴールは、働きやすさと働きがいを感じる職員や性別役割分担意識にとらわれない職員が増えている状態です。計画期間は10年間と定めていますが、第1期となる5年間に、まずプランに記載された16のアクションに取り組んでまいります。

自然とのつながりを楽しむ人が増えている

 次に、具体的手段「自然とのつながりを楽しむ人が増えている」についてです。
 コウノトリ野生復帰の海外への情報発信の一環として、昨年に引き続き、イギリスでのバードフェアに出展します。
 また、ラン・レヴィ・ヤマモリ氏がコウノトリ野生復帰を題材にして製作されたドキュメンタリー映画「KOUNOTORI」の上映権を購入します。今後、海外プロモーションのほか、ふるさと教育やコウノトリ野生復帰の普及啓発映像として活用します。
 英国BBC等のテレビ番組に出演する作家であり、海外メディアでの発信力を持つデイビット・リンドー氏を豊岡にお招きします。豊岡のファンになっていただき、コウノトリに関する取組みを世界に発信していただければと考えています。
 国立台湾大学内に併設されている農業ミュージアムにおいて、コウノトリ野生復帰とコウノトリ育む農法に関する企画展示を2019年10月から半年程度にわたり実施する予定としています。
 そのほか、6回目となる「コウノトリ未来・国際かいぎ」を2020年度に開催したいと考えています。市と兵庫県との共催を想定しており、2019年度に実行委員会を組織し、準備を進めていく予定としています。

自分の時間を持ち、暮らしを楽しむ人が増えている

 次に、具体的手段「自分の時間を持ち、暮らしを楽しむ人が増えている」についてです。
 文化・芸術によるまちづくりの一環として「豊岡アートシーズン2019」の開催や姉妹都市である上田市との高校演劇による交流を実施します。

主要手段A-03 豊岡で人々が世界と出会っている

 三つ目の主要手段「豊岡で人々が世界と出会っている」、すなわち「ローカル&グローバル」について申しあげます。

世界中から人々が来訪し、豊岡を楽しんでいる

 その具体的手段「世界中から人々が来訪し、豊岡を楽しんでいる」についてです。
2018年の本市の外国人延べ宿泊者数は5万4,330人で、前年比6.9パーセントの増となりました。しかし、全国では前年比8.6パーセントの増であり、比較して1.7ポイント低い伸び率となっています。これは、本市の外国人延べ宿泊者数の8割を占める城崎地域で、東アジアからの宿泊客が大きく減少したことが要因です。
 地域別の内訳は、城崎地域が4万3,916人で2.6パーセントの減、次いで日高地域が4,980人で106.6パーセントの増、豊岡地域が4,225人で77.7パーセントの増となっています。
 目標である2020年の外国人宿泊者数10万人を達成するには、体験メニューの造成などにより、既存顧客の延泊化を図りつつ、新たな市場を開拓していく必要があります。
 このため、2019年度は、ドイツやオーストラリア向けのプロモーションを開始するとともに、豊岡観光イノベーションと連携し、台湾など東アジア市場への誘客活動を始めたいと考えています。

メイドイン豊岡が世界に広がっている

 次に、具体的手段「メイドイン豊岡が世界に広がっている」についてです。
 コウノトリ育むお米の海外販売を引き続き促進します。
 2019年度においても、ニューヨーク、香港、シドニーでの商談会出展等を実施します。

国内外から優れた人材が集まり、豊岡の魅力を高めている

 次に、具体的手段「国内外から優れた人材が集まり、豊岡の魅力を高めている」についてです。

 まず、専門職大学について申しあげます。
 現在、県においては、2019年10月の文部科学省への設置認可申請に向け、管理運営体制、カリキュラムの内容や入学者の選抜方法などさまざまな項目について検討がなされているところです。
 市では、この検討作業への協力を行うとともに、大学用地の取得や臨地実習の受入先調整、県との共催によるプレ事業の開催など、県等と連携しながら、専門職大学の開学に向けた取組みを進めてまいります。

 次に、アーティスト、クリエイターの移住等促進について申しあげます。
 平田オリザ氏主宰の劇団「青年団」の企画・運営会社である有限会社アゴラ企画が、日高町商店会連合会と共同で、劇団誘致による商店街活性化策の可能性調査を実施しました。その結果を踏まえ、アゴラ企画において、2019年度に中小企業庁の補助制度を活用し、劇場の整備が予定されています。国の補助が採択された場合には、県とともに市も随伴して補助したいと考えています。
 豊岡での生活、住まい、仕事等について、劇団員からの相談に応じ、情報を提供するなどの支援も行いたいと考えています。

 このような機をとらえ「演劇のまち・豊岡」の実現策の一環として、(仮称)豊岡国際演劇祭の開催準備を県等の関係機関と共に進めていきます。
 2019年9月に、本格的な開催に向けて課題等を洗い出すためのプレ事業の位置付けで、第ゼロ回として開催するとともに、2020年度以降のあり方について、民間の資金やノウハウの導入も視野に入れた構想の策定に取り組みます。

 また、スパーク運動療育を促進します。
 スパーク運動療育は、演劇やダンスを取り入れた運動遊びを通じて、発達障害児の発達支援を行うプログラムです。
 これまで、このプログラムを進めるスパーク協会に対し、豊岡での展開を打診してきました。幸い、市内の事業者が同協会の支援を得て、スパーク運動療育を取り入れた児童発達支援・放課後等デイサービス事業所を来たる4月に開設する運びとなりました。
 この事業者からは、劇団「青年団」の支援を得ながら進めていきたいとの意向をお聞きしています。
 療育分野においても、演劇的手法の効果が期待され、活用されるという新たな動きに協力していきたいと考えています。

 あわせて、演劇ワークショップによる学力向上対策の検討を行います。
 子どもの学力は、家庭の社会経済状況にかかわらず、幼少期の早い段階から忍耐力や協働性、相手との折り合いをつけるなどの「非認知能力」を高めることで一定程度向上する可能性があることが近年の研究で明らかになっています。
 また、非認知能力は、友だち間の体験的・協働的な学び合いや、演劇などの表現活動を行うことで効果が上がるとされています。
 このため、小学校1年生から3年生に対し、演劇的手法を用いたコミュニケーション教育を2019年度の2学期以降から試行的に実施することを検討しています。今後準備を進め、関連予算を来たる6月定例議会に提出したいと考えています。

 以上のような取組みや城崎国際アートセンターの活動、演劇によるコミュニケーション教育等を通じ、深さを持った「演劇のまち・豊岡」の実現を目指します。

主要手段A-04 子どもたちのふるさとへの愛着が育まれている

 四つ目の主要手段「子どもたちのふるさとへの愛着が育まれている」、すなわち「次世代育成」について申しあげます。

子どもたちが豊岡のことをよく知っている
子どもたちが豊岡で外国人とのコミュニケーションを楽しんでいる
子どもたちの想像の翼、行動の翼が世界に羽ばたいている

 その具体的手段「子どもたちが豊岡のことをよく知っている」「子どもたちが豊岡で外国人とのコミュニケーションを楽しんでいる」および「子どもたちの想像の翼、行動の翼が世界に羽ばたいている」についてです。
 豊岡市小中一貫教育「豊岡こうのとりプラン」を公立の全小中学校で展開し、ふるさと教育、英語教育、コミュニケーション教育の三つの柱で構成する「ローカル&グローバル学習」を進めます。
 小学校1年生を対象にした英語遊びサマースクールや、中学校3年生を対象にしたイングリッシュ・サマーキャンプを継続します。
 また、高校版ローカル&グローバル教育に取り組む高校生を対象に、カナダ・ビクトリア市が主催する語学研修への参加費用を引き続き補助します。

 

戦略目的B 多くの子どもでにぎやかな家庭を持つ若者が増えている

 次は「戦略目的B」についてです。この目的を達成するため「地域の世話やき」をキーワードに二つの主要手段を掲げ、取組みを進めます。

主要手段B-01 若い夫婦の数が増えている

 まず、一つ目の主要手段「若い夫婦の数が増えている」について申しあげます。

多種多様な出会いの機会が充実している

 その具体的手段「多種多様な出会いの機会が充実している」についてです。
 社会福祉協議会が実施する結婚相談所事業への補助や、民間団体が主催する婚活イベントへの補助を継続し、より多くの出会いの場を創出します。
 また、社会福祉協議会が実施していた婚活応援プロジェクト「はーとピー」事業を2019年度から市主催で実施します。

交際・結婚に向けた独身者へのきめ細かな支援体制が充実している

 次に、具体的手段「交際・結婚に向けた独身者へのきめ細かな支援体制が充実している」についてです。
 引き続き、ボランティア仲人「縁むすびさん」の登録を進め、若者のお見合いや交際を後押しします。

若者が集い、交流する場が増えている

 次に、具体的手段「若者が集い、交流する場が増えている」についてです。
 豊岡市やその周辺で若者が交流できる情報をSNSで手軽に得られる仕組みづくりを継続します。自然な出会いや恋愛のきっかけが数多く生まれるものと期待しています。

主要手段B-02 夫婦一組当たりの子どもの数が増えている

 二つ目の主要手段「夫婦一組当たりの子どもの数が増えている」について申しあげます。
 

育児への応援がある
仕事の両立への応援がある

 その具体的手段「育児への応援がある」「仕事の両立への応援がある」についてです。
 単発的な保育所への送迎や一時的な預かりなどのニーズに応える仕組みとして、豊岡市ファミリーサポートセンターを開設しています。有償ボランティアの形で会員同士が相互援助することにより、働きながら子育てがしやすい環境を整えます。
 また、妊娠から子育て期までの切れ目のない支援を行うため、子育て世代包括支援センターで、相談体制の強化と支援施策の充実を図ります。

まちを挙げた子育てへの応援がある

 次に、具体的手段「まちを挙げた子育てへの応援がある」についてです。
 旧市町単位に整備した「子育て広場」の活用を促進するため、子育て中の女性の団体が、広場を活用して一定のイベントを開催する際に経費の一部を補助する制度を設けます。また、各地域の「子育て広場芝生化実行委員会」に広場の維持管理に携わっていただき、まちの子育て応援の機運を高めます。
 さらに、地域のママと赤ちゃんの役割や活動の場を開拓するきっかけとして「NPO法人ママの働き方応援隊」の派遣の場を創出します。

地方創生以外の事業

次に、地方創生以外の事業について申しあげます。

災害復旧の進捗状況

 まず、2019年1月31日現在の災害復旧の進捗状況についてです。
 2017年の台風18号および21号により被災した農地、農業用施設、林道については、89箇所のうち80箇所で復旧工事が完了しており、残り9箇所についても年度内の完了に向け工事中です。道路や河川については、78箇所のうち63箇所で復旧工事が完了しており、残り15箇所についても年度内の完了に向け工事中です。
 2018年の7月豪雨および9月の台風24号により被災した農地、農業用施設、林道については、52箇所のうち4箇所が復旧工事の契約に至っているところです。民家裏で発生した5箇所の山腹崩壊の復旧工事は、治山事業で対応しています。
 道路や河川については、99箇所のうち20箇所が復旧工事の契約に至っているところです。民家裏山が崩れた小規模急傾斜地の土砂災害4箇所の復旧工事は、詳細設計中です。
 なお、これらに係る国や県の査定結果に伴う事業費の補正予算と、工期確保のための繰越明許費に係る補正予算を今議会に提出しています。

土砂災害特別警戒区域内の住宅等に対する助成制度の新設

 次に、土砂災害特別警戒区域内の住宅等に対する助成制度の新設について申しあげます。
 区域内に居住する方の生命および財産を保護するため、区域内にある住宅の除却や移転先での住宅の建設に係る費用等の一部を補助します。
 また、区域内にある住宅やホテル・旅館を土砂災害から守る防護壁の設置などに係る工事費用の一部を補助します。
 この補助は、国および県と共に行うものであり、2019年度から実施したいと考えています。

風しん抗体検査および予防接種事業

 次に、風しん抗体検査および予防接種事業について申しあげます。
 風しんの感染拡大を防止するため、定期予防接種の機会がなかった昭和37年4月2日生まれから昭和54年4月1日生まれまでの男性に対し、2019年度から 3年の間で、抗体検査および定期予防接種を実施します。

高齢者肺炎球菌予防接種に係る経過措置の継続

 次に、高齢者肺炎球菌予防接種に係る経過措置の継続について申しあげます。
 高齢者の肺炎球菌感染症を予防するため、2014年10月から65歳の方を対象とした定期予防接種を開始し、必要経費の4割強を公費で負担しています。
 65歳を超えている方についても、接種率の向上を図るため、70歳以降の5歳刻みの年齢において接種の機会を設ける経過措置を、2018年度まで実施してきました。
 しかし、65歳の方の国全体での接種率が、現時点でも4割程度と低いため、2019年度から2023年度までの5年間、経過措置を延長し、引き続き接種率の向上を図ることとなりました。
 今後、対象となる方へ周知を進めていきたいと考えています。

国民健康保険税の軽減判定誤り

 次に、国民健康保険税の軽減判定誤りについて申しあげます。
 国保税の軽減事務において、一部の後期高齢者に係る対象・非対象の判定に誤りがあり、10世帯への310,200円の追加課税と7世帯への229,600円の還付が発生しました。
 去る1月、該当の皆さまを職員が訪問し、説明とお詫びをしてご理解をいただいたところです。
 税への信頼を損ねる結果となってしまったことを深くお詫び申しあげると共に、今後このような事態が発生しないよう、事務処理方法やチェック体制の見直しを行います。
 なにとぞご理解をいただきますようお願いいたします。

子どもの貧困対策

 次に、子どもの貧困対策について申しあげます。
 豊岡市における子どもの貧困率等については、これまで把握ができていませんでした。そこで、国の調査である国民生活基礎調査を踏まえて、本市の市県民税課税用データを代用して相対的貧困率の算出を行ったところ、子どもの貧困率は12.7パーセントであり、豊岡市民全体の相対的貧困率は15.2パーセントであることが分かりました。これらは、数字の年度は異なりますが、全国に比べてやや低い数字となっています。他方で、ひとり親世帯の相対的貧困率は58.5パーセントと、全国よりも高い数字となっています。
 また、並行して行ってきた市民アンケート調査からは、いくつかの課題が浮かび上がってきています。
 これらを踏まえ、子どもの貧困対策として、(1)小学校低学年での演劇ワークショップによる非認知能力の向上を通じた学力向上策の検討、(2)課題を有する子どもを早期発見し、支援へとつなげる仕組みづくりの検討、(3)母子家庭など子育て世帯の親に対する就労相談支援機能の強化充実、(4)親や支援者を対象にした生活習慣づくりや子どもとの関わり方を学ぶ場づくりの検討などを進め、具体的な施策を講じていきたいと考えています。

家庭ごみの処理手数料の改定

 次に、家庭ごみの処理手数料の改定について申しあげます。
 家庭ごみの指定ごみ袋につきましては「燃やすごみ」および「燃やさないごみ」それぞれに、大・中・小の3種類の袋があります。現在、袋の容量1リットル当たりの単価に差が生じており、小袋が最も割高になっています。これを是正するため、指定ごみ袋の単価を改定し、容量単価の差をほぼなくしたいと考えています。
 今議会に必要な条例改正案を提出しています。

木質バイオマス事業の今後の方向性

 次に、木質バイオマス事業の今後の方向性について申しあげます。
 2007年3月に策定した「豊岡市バイオマスタウン構想」において、市内産間伐材等森林資源の有効活用や災害のない健全な森づくり等を主な目的として、2011年9月から市と北但東部森林組合が協同してペレット関連事業をスタートさせました。
 しかし、当初の予想に反し、原油価格等が長期にわたって低迷するなどの理由から、ペレットの需要も低迷し、ペレットを製造する株式会社豊岡ペレットの経営を圧迫してきました。
 他方、2016年12月から朝来バイオマス発電所が稼働し、北但東部森林組合に対しても、間伐未利用材等の供給を強く求められるようになりました。
 さらに、ペレット製造装置の法定耐用年数が迫り、将来にわたって製造を続けるためには、多額の再投資を早急に行わなくてはならない事態となりました。
 そこで市と北但東部森林組合で協議を行った結果、ペレット原料となる間伐未利用材等を朝来バイオマス発電所への供給に切り替えた方が森林組合の経営上有利であるのみならず、市の元々のバイオマスタウン構想の理念に、より貢献し得るとの結論に至りました。
 この発展的転換を進めるために必要な北但東部森林組合のトラック購入等の設備整備に対し、積極的に支援を行いたいと考えています。財源は、森林環境譲与税を予定しています。

豊岡市大交流(観光)ビジョン

 次に、豊岡市大交流(観光)ビジョンについて申しあげます。
 観光の側面から「小さな世界都市‐Local & Global City‐」の実現に貢献 するため、目指すべき姿やその状態を達成するための対応策などについてのビジョンを検討しており、年度内の完成を目指しています。
 2030年度を目標年度とし、目標数値、専門職大学と連携した観光人材の育成や働き方改革による人材確保、豊岡観光イノベーションを核とした新たな推進体制の構築、地消地産の促進による市内経済循環の拡大、新たな観光振興財源の確保の必要性などについて記述する予定です。
 ビジョンの策定委員会においては、今後とも観光施策を着実に進めていくためには財源確保も極めて重要である、との議論も行われています。
 そこで2019年度は、専門家や市内の観光事業者などから成る検討委員会を設置し、ビジョンを受けたアクションプランを策定するとともに、財源確保策についても検討していきたいと考えています。

農業共済事業の1県1組合化

 次に、農業共済事業の1県1組合化について申しあげます。
 農業共済事業は、県内26の市、組合等でそれぞれ運営していますが、これを兵庫県農業共済組合連合会と共に一つの組合として事業を行う、いわゆる1県1組合化が進められています。
 農業共済制度の変更に伴う引受農家戸数の減少が予想されており、これに対応し、職員の専門性を高めて事務の合理化を進めるため、全国でも1組合化の動きが進んでいます。既に、33都府県で1組合化されています。
 今後、県内全市町と連合会により、新組合設立に向けた覚書を来たる3月に締結し、2020年4月の設立を目標に、法的手続きを開始することとなります。
 2019年12月の定例議会において、新組合の設立に合わせた農業共済条例の廃止について提案する予定としています。

有害鳥獣対策事業

 次に、有害鳥獣対策事業について申しあげます。
 2017年度から「第2期シカ有害被害撲滅大作戦」を実施しています。
 2019年1月末現在の捕獲頭数は、有害捕獲は3,723頭であり、昨年度同期比約10パーセントの減、狩猟による捕獲は1,867頭であり、昨年度同期比約20パーセントの増となっています。このまま推移すると、2018年度の捕獲目標頭数6,500頭に近い実績値となる見込みです。
 今回の作戦の最終年度となる2019年度では、県捕獲専門家チームの派遣を受け入れ、捕獲体制をさらに強化し、農業被害の減少に取り組みたいと考えています。

森林整備地域活動支援交付金の自主返納

 次に、森林整備地域活動支援交付金の自主返納について申しあげます。
 当該交付金は、森林経営計画の作成等の活動に対し、国、県から市を通じて活動主体に交付されるものです。また、市も随伴補助を行っています。
 2018年3月に国からの指示を受け、2012年度から2016年度の交付金について実績調査を行ったところ、計画どおりの間伐作業が一部区域で実施されていないなど不適切な取扱いが判明しました。これらに係る部分について、このたび市が返納すべき金額が確定しましたので、必要な補正予算を今議会に提出しています。
 なお、国県に自主返納した額に市の随伴補助に係る額を加えた合計額を活動主体から市に返還していただくこととしております。
 今後は、事業の達成状況等について県とともに確認、指導するなど、適正な管理を行ってまいりたいと考えておりますので、ご理解いただきますようお願いいたします。

森林環境譲与税の活用

 次に、森林環境譲与税の活用について申しあげます。
 2019年度から、市町村が実施する森林環境の保全事業に必要な財源として、森林環境税および森林環境譲与税の創設が見込まれています。
 国税である森林環境税を、市町村が個人住民税と併せて1人当たり年額千円徴収し、これを国が森林環境譲与税として市町村などに配分する仕組みとなっています。森林環境税の徴収は2024年度からの開始ですが、国から市町村などへの森林環境譲与税の配分は、2019年度から先行して行われることとされています。
 この譲与税は、森林の現況把握や森林所有者の意向調査、私有林や公有林における間伐等の森林整備、木質バイオマスの利用推進などに使用することが可能ですが、2019年度は、朝来バイオマス発電所への間伐未利用材供給のために北但東部森林組合が行う設備整備への補助に使用することとしています。

プレミアム付商品券事業

 次に、プレミアム付商品券事業について申しあげます。
 2019年10月から予定されている消費税の引上げが低所得者や子育て世帯へ与える影響を緩和するとともに、地域における消費を喚起し、地域経済の活性化を図るため、額面25,000円の商品券を20,000円で購入できるプレミアム付商品券事業を商工団体等と連携しながら実施したいと考えています。
 住民税が非課税である方や3歳未満のお子様のある方を事業の対象者とし、2019年10月1日からの使用開始としたいと考えています。
 なお、必要となる事務経費やプレミアム部分に係る費用負担については、全て国庫補助金で賄われることとなります。

「道の駅」整備

 次に「道の駅」整備について申しあげます。
 北近畿豊岡自動車道の(仮称)豊岡インターチェンジ付近での「道の駅」整備の可能性について、詳細な位置や民間事業者の参入等に係る検討を進めてきました。
 しかしながら、当該インターチェンジ付近では、チェーン着脱場や雪寒基地を設置する計画があるため「道の駅」の用地スペースを確保するには、市単独の造成工事が必要となり、多大な費用を要することが明らかになってきました。そのため、この場所での整備については断念することとしました。
 北近畿豊岡自動車道が接続する予定の山陰近畿自動車道のルート検討も進んできたため、今後は、(仮称)豊岡インターチェンジ以北での「道の駅」整備の適地について、検討を継続していきたいと考えています。

幼児教育無償化への対応

 次に、幼児教育無償化への対応について申しあげます。
 2019年10月1日から、3歳児から5歳児までの全ての子どもおよび住民税非課税世帯の0歳児から2歳児までの子どもについて、幼稚園、保育所、認定こども園の実費負担を除く費用が無償化される予定です。また、認可外保育施設等についても、3歳児から5歳児は月額37,000円、住民税非課税世帯の0歳児から2歳児は月額42,000円を上限に、保育料への補助が行われる予定です。
 これらに伴う財源については、初年度は全額国費負担で、以後は消費税率の10パーセントへの引き上げに伴う地方消費税の増収分の一部を充てることとなっています。
 しかしながら、無償化が行われると、さらに保育ニーズが増加するものと予想されます。このため、引き続き「保育士等確保推進事業」に取り組むとともに「豊岡市における幼児教育・保育及び放課後児童のあり方計画」を策定し、適切な幼児教育・保育を継続できるよう努めてまいります。

学校等の敷地取得

 次に、学校等の敷地取得について申しあげます。
 小学校および認定こども園の敷地には、個人や地元地区などからお借りしている部分があります。
 このうち、特に、個人からお借りしている土地について、将来にわたって安定的に学校園の敷地として利用できるよう、取得に向けて、地権者との交渉、測量調査を行っています。
 小学校3校については、土地の取得にかかる交渉等を行っているところです。認定こども園1園については、2019年度から取得に向けた交渉を開始する予定です。
 なお、繰越明許費に係る補正予算を今議会に提出しています。

学校等での空調設備整備の進捗状況

 次に、学校等での空調設備整備の進捗状況について申しあげます。
 現在、小学校の普通・特別支援教室と幼稚園、認定こども園の保育室への空調設備の整備を進めています。
 2019年1月末現在、整備予定37校園のうち4校で設置工事に着手し、12校園で年度内の工事着手を予定しています。これは、当初の予定より早い進捗となっています。
 今後、施工業者や学校等と綿密に調整しながら可能な限り早期の進捗を図り、2019年の夏には37校園のうちの27校園で空調設備が稼働できるよう努めます。残る学校園についても、2020年の夏までには工事を完了し、空調設備を稼働させたいと考えています。

小中学校・幼稚園の危険ブロック塀対策の進捗状況

 次に、小中学校・幼稚園の危険ブロック塀対策の進捗状況について申しあげます。
 2018年6月の大阪府北部地震で問題となった危険ブロック塀のうち、目視点検により緊急性が高いと判断した4箇所については、既に撤去およびフェンス設置を行いました。
 それ以外に必要な対策工事は、29校園で35箇所あります。今後、速やかな工事発注に努め、2019年度中の工事完了を目指します。
 なお、繰越明許費に係る補正予算を今議会に提出しています。

植村直己冒険館機能強化改修運営事業

 次に、植村直己冒険館機能強化改修運営事業について申しあげます。
 植村直己冒険館の2021年9月のリニューアルオープンに向け、2018年11月に要求水準を含めた募集要項等を公表したところ、参加表明を行う事業者がありました。
 2019年4月には事業計画等の提案書類を受け付け、選定委員会の審査を経て、2019年6月に優先交渉権者を決定したいと考えています。その後、9月定例議会で契約締結の議決をいただき、事業契約を締結したいと考えています。

新文化会館の整備

 次に、新文化会館の整備に係る状況について申しあげます。
 豊岡市新文化会館整備基本構想・基本計画策定委員会において、市の文化施設の状況や課題を整理し、市民アンケート等も参考にした上で基本構想の案を作成しました。来たる3月7日までの期限で「小ホール的機能は新文化会館に整備し、出石庁舎の市民ホールを改修して小ホール機能を持たせることは行わない」との方針も含めて、パブリックコメントを実施しているところです。その結果を踏まえ、委員会で最終協議した後、年度内に市として正式に基本構想を策定したいと考えています。2019年度は、引き続いて基本計画の策定に取り組みます。

出石総合スポーツセンター野球場の竣工

 次に、出石総合スポーツセンター野球場の竣工について申しあげます。
 施設の経年劣化等が見られることから、内野の舗装改修、外野の人工芝生化、防球ネットの設置等の大規模改修を進めてきました。このたび、来たる3月30日に竣工式を開催し、リニューアルオープンする運びとなったところです。
 今後、地元の皆さまをはじめ、多くの市民に親しまれ、利用される施設となるよう、積極的なPRに努めていきたいと考えています。

東京オリンピック・パラリンピック

 次に、東京オリンピック・パラリンピックについて申しあげます。
 ドイツボートチームについては、本市での事前合宿の実施が決定した後、強化合宿の実施についても協議を行ってきました。しかし「予算上の理由により強化合宿については実施困難」との連絡が、去る1月にありました。今後は、2019年8月の「世界ボートジュニア選手権」のために訪日するコーチおよび関係者を本市にお招きし、事前合宿に向けて現地の施設を視察していただければと考えています。
 フランスボートチームについては、2019年9月頃に強化合宿を行うべく、フランスボート連盟内で調整が行われていましたが「ラグビーワールドカップの影響で航空運賃が高騰したことを受け、断念せざるを得ない」との連絡が去る2月6日にありました。
 日本ボートチームについては、来たる4月、本市での強化合宿を3年連続で行っていただく予定となっています。
 なお、公益社団法人日本ボート協会には、事前合宿の誘致をはじめ、本市のスポーツ振興に協力をいただいており、オリンピック・パラリンピックを契機に、ボート競技の普及・振興などに関して一層連携を強化したいと考えています。そこで、日本チームの強化合宿の際に、協会関係者にも豊岡にお越しいただき「協力協定の調印式」を行う予定としています。

生涯学習サロン整備

 次に、生涯学習サロン整備について申しあげます。
 改築を予定していた既存建物に不同沈下が発見され、その対策の検討と必要な工事費を試算する業務を設計業者に追加発注していました。
 このたび、この検討や試算を踏まえ、総事業費等を総合的に勘案した結果、既存建物を取り壊した上で、適切な規模で新築整備することが最善であるとの結論に至りました。
 なお、整備する施設については、人が多く行き交う場所でもあることから、民間に利活用していただけるスペースを設けることも視野に入れ、広く活用案を募って、優れた案があれば取り入れたいと考えています。
 今議会では、既存建物解体の設計・監理業務に必要な予算のみ提出しています。解体工事や新築設計に必要となる予算については、来たる6月定例議会に提出したいと考えています。
 以上により、生涯学習サロンの開設は当初予定より1年半ほど遅れ、2021年4月を見込んでおります。
 費用をかけて取得した建物を取り壊さざるを得ない事態となってしまったこと、また、開設が遅れることにつきまして、深くお詫び申しあげます。なにとぞご理解をいただきますようお願い申しあげます。

公共施設マネジメントの推進

 次に、公共施設マネジメントの推進について申しあげます。
 公共施設全体のあり方について、庁内で横断的に議論し、総合調整や進捗管理を行うため、去る2月15日、副市長を委員長とする「公共施設等マネジメント庁内推進委員会」を設置・開催しました。
 今後、施設ごとの具体的な対策内容や実施時期、実施費用などを記載した個別施設計画を策定します。それらを参考にしつつ、施設の統廃合や機能の複合化、また、おおむね旧市町単位における必要な機能等を検討する「(仮称)地域デザイン懇談会」を立ち上げたいと考えています。
 なお、売却可能な施設は、建物付き土地売却を進めることとし、老朽化等により周囲に危害を及ぼす建物は、解体・撤去を予算の範囲内で進めることとします。今後も必要である施設については、長寿命化に配慮した改修を進めたいと考えています。

日高庁舎長寿命化工事

 次に、日高庁舎長寿命化工事について申しあげます。
 築後37年が経過し、老朽化が進んでいる日高庁舎の長寿命化とともに、省エネ化、多機能化を図るための改修工事を2018年度から2021年度までの間で実施しているところです。
 2019年度は「庁舎の外壁塗装」「屋上防水シートの更新」「2階フロア空調機の更新」等を行う予定としています。

北但1市5町新市建設計画の変更

 次に、北但1市5町新市建設計画の変更について申しあげます。
 この計画は、北但合併協議会によって合併前に策定されたもので、合併特例債を活用するために必要な計画です。
 合併特例債の発行期限を5年間延長する改正法が2018年4月に成立したことに伴い、計画期間を5年間延長し、財政計画に係る部分に変更を加えたいと考えています。当該変更に係る議案を今議会に提出しています。

2019年度の組織

 次に、2019年度の組織について申しあげます。
 策定した「豊岡市ワークイノベーション戦略」および「豊岡市役所キャリアデザインアクションプラン」を一体的、かつ強力に推進するため、総務部に「ワークイノベーション推進室」を設置します。
 また、職員の人材育成等をさらに強化することとし、職員課を「人事課」に改称するとともに、生涯学習課の男女共同参画に関する事務を「ワークイノベーション推進室」に移管し、人権・男女共同参画係を「人権係」に改称します。
 公共施設マネジメントを強力に推進するため、政策調整部に「公共施設マネジメント推進室」を設置します。
 新文化会館の整備を着実に進めるため、地域コミュニティ振興部に「新文化会館整備推進室」を設置します。
 そのほか、戦略的政策室とUIターン戦略室を廃止し、事務を政策調整課に移管するとともに、ハートリーフ戦略室を「ハートリーフ推進室」に改称し、健康増進課の所管とします。また、コウノトリ共生課の2係を統合し、「コウノトリ共生係」とします。

 新年度予算の編成は、私の市長就任以来、最も困難な作業となりました。経常的経費のうち一般財源分が前年度比約6億円の増となったこと等により大幅な財源不足をきたし、財政調整基金を16億円取り崩す事態となりました。これまで当初予算で10億円程度の取崩しであれば、入札残や執行残等で最終的に補填することも可能でしたが、今回はその限度を超えると見込んでいます。
 しかも、普通交付税に関する合併特例が段階的に縮小され、2020年度、 2021年度の2カ年で、普通交付税にはさらに約5億円のマイナスベクトルが働くことになります。
 このままでは、財政調整基金はあと5年から6年で底をつき、市民の日々の暮らしを支えるという基本的使命すら果たすことができなくなる可能性があります。
 現在、収支を均衡させつつ成果重視の施策に転換を図る第3次行政改革を進めています。現在の行革は2021年度までを期間としていますが、以上のような厳しい現状を踏まえ、成果重視の戦略的政策遂行と財政状況改善の双方をめざす取組みを第4次行財政改革として前倒し的に早急に取りまとめ、実施していきたいと考えています。
 具体的には、第3次行政改革でまだ手を付けることができていない業務の民間委託の推進、公共施設再編の推進、AIやICTの活用による業務の効率化とスリム化、財源の確保等について検討し、実施してまいります。
 政策調整部に行財政改革担当の部参事を配置し、体制を強化して取り組むこととしています。

平成30年度補正予算

 最後に、平成30年度補正予算について申しあげます。
 一般会計補正予算第11号です。14億1,378万3千円の減額となっています。
 減額の主なものは、入札残、事業費の確定に伴うもののほか、年度末までの支出予定の精査による不用額等の減額です。
 繰越明許費では、財産管理費をはじめ、年度内にその支払いが終わらないもの27件、16億6,166万円を追加し、1件を変更しています。
 債務負担行為の補正では、2件の廃止と11件の限度額変更をしています。
 また、年度内の今後の財政収支見通しについては、地方債や特別交付税・地方譲与税など、現時点では確定していないものが多くあり、これらが確定した段階で更に補正の必要が生じることとなります。
 したがってその際には、財政事情を勘案する中で、所要の専決補正をしたいと考えていますので、ご了承賜りますようお願い申しあげます。

 以上をもちまして、私の総括説明を終え、各議案の詳細については担当部長等から説明いたしますので、よろしくご審議いただき、適切なるご決定を賜りますようお願い申しあげます。
 ありがとうございました。

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