平成23年第2回豊岡市議会(定例会)市長総括説明

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 6月3日、6月市議会定例会の議案提出にあたり、中貝市長が施政方針と当面する市政の諸課題、提出議案の主なものについての説明(市長総括説明)を行いました。

 おはようございます。
 平成23年第2回豊岡市議会定例会の開会に当たり、議員各位のご健勝をお喜び申しあげますとともに、日頃のご精励に対し、深く敬意を表します。

 また、永年にわたり自治の伸展にご尽力いただいたご功績により、兵庫県功労者表彰をお受けになりました村岡峰男(むらおか みねお)議員に対し、心からお祝い申しあげます。
 今後、さらなるご活躍を祈念申しあげます。

 去る5月29日から30日にかけて、台風2号の影響で大雨になり、各地で道路や農地が冠水し、海岸には大量のごみが打ち寄せられるなど、市民生活に大きな影響が出ました。一部で床下浸水も発生しました。また、農業分野では、農地や麦、ハウス物などの農産物等で約5千万円の被害報告を受けています。被災された皆様に対し、心からお見舞い申しあげます。被害状況の詳細は現在調査中ですが、今後適切に対応してまいります。
 今回の雨は、時間雨量としては大きなものではありませんでしたが、長時間続いたため、豊岡での総雨量189ミリメートルという大雨になりました。このため、水位はそれほど大きくは上昇しなかったものの、なかなか下がらず、主要幹線である県道豊岡瀬戸線や六方田んぼは長時間にわたり冠水しました。
 県道豊岡瀬戸線の冠水は、今年度、国において着工される奈佐小橋下流から結和(ゆわ)橋までのパラペット設置工事の完成により、また、六方田んぼについては、県管理の六方川排水機場の更新工事が完成すれば改善されるものと思われます。
 市では、今後もこれらの事業を早期に完成していただくよう国及び県に求めてまいります。
 今年になって、市が水防体制を執ったのはすでに7回になります。明日、4日には全職員参加の大雨洪水防災訓練を行いますが、さらなる緊張感を持って出水期に臨んでまいります。

 続いて、東日本大震災の支援の概要についてご報告申しあげます。
 市では、議会からも参加をいただいて、被災地支援検討会議で協議しながら具体的支援を行っています。
 岩手県陸前高田市、宮城県大崎市、美里町(みさとまち)、南三陸町、多賀城市、石巻(いしのまき)市などに職員を派遣してきました。消防本部も緊急消防援助隊として、発災当日から宮城県山元町を中心に4月下旬まで捜索活動に従事してきたところです。
 5月末現在の派遣人員は実人員で143人、延べで1,004人になります。
 市民の皆様にも、義援金の提供を始め、2回にわたり支援物資の提供にご協力いただいたほか、豊岡市社会福祉協議会と共催して募集した宮城県気仙沼市での災害ボランティアにも定員いっぱいの参加を得ました。
 お寄せいただいた義援金の一部は、4月28日に2,172万3,321円を日本赤十字社へ送金しました。その他の義援金については、10万円を資材購入費に使用し、5月末現在で1,946万7,162円を今後の状況に応じ柔軟に対応できるよう、留保しています。
 本市への避難者に対しては、市営住宅の提供、就職先の紹介、家電製品等の提供、支援金の支給、保健師の訪問による子どもの心のケア、保育料の減免等の対応を行い、あるいは行うこととしています。
 今後とも、可能な人的・物的支援を継続してまいります。

 東日本大震災が本市経済に与える影響ですが、豊岡商工会議所が震災直後に調査を実施したところ、回答事業所の7割が「影響あり。あるいは、将来影響が見込まれる」と答えています。
 それを受け、市では5月中旬以降、製造業、小売業、建設業等を対象に直接面接による影響調査を実施しました。「震災直後には消費マインドの低下や資材不足・部品不足などの影響が顕著であったが、現在では、ほぼ平常に戻っている」という回答を得ています。未だ若干の影響を受けているという事業所においても、半年後から遅くとも1年後には回復するとの見通しを立てているとのことです。
 被災地はまだ予断を許さない状況が続いており、どのような影響が及ぶのか予測し難いところです。今後、悪影響が予測される場合には、いち早く適切な対応が取れるよう状況を十分注視してまいります。

 さて、今議会に私から提出いたします案件は、報告事項7件、事件決議7件、条例4件、予算5件の合計23件です。
 なお、会期中に報告事項1件、人事案件2件、事件決議1件の計4件を追加提出する予定としておりますので、あらかじめご了承賜りたいと存じます。

 それでは、当面する市政の諸課題及び提出議案の主なものについてご説明申しあげます。

安全に安心して暮らせるまち

 第1に、「安全に安心して暮らせるまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、円山川緊急治水対策事業の進捗状況についてです。
 豊岡排水機場整備工事、KTR円山川橋梁架替工事、鳥居橋の架替工事等は予定どおり去る3月末に完成しました。中郷築堤については、当初、出水期までの予定とされていましたが、現在では今年9月となる見込みとなっています。八代排水機場については、予定どおり今年度末の完成予定と聞いています。
円山川下流部では、今年度、パラペット設置工事の他、桃島樋門ゲートポンプ設置工事、戸島地区堤防嵩上げに係る用地買収に着手されると聞いています。
 また、市の稲葉川土地区画整理事業は昨年10月に着工したところですが、関連して、国において、区画整理事業内の円山川左岸や稲葉川左岸の築堤工事が順次実施されています。県においても、旧国道312号の尾川橋の架替工事に着工され、仮設道路の準備が進められています。市も、多数に及ぶ用地相続権者への説明とともに、造成工事を鋭意進めてまいります。
 ところで、緊急治水対策事業が完成した場合、内水にどのような影響が出るのか、市独自に解析を進めてきました。
 緊急治水対策事業完成後を想定し、無堤防地区等のうち、平成16年の台風23号で特に被害の大きかった浅倉地区や中郷地区など11地区を対象として、台風23号の降雨規模により解析を行ったところ、全地区で床上浸水家屋は無く、また、床下浸水家屋も22戸程度になるとの結果を得ました。これは、台風23号における対象地区での床上浸水272戸、床下浸水59戸に比べて大幅な改善であると言えます。
 今後とも地域の皆様の協力を得ながら、国及び県とも一層の連携を図り、治水に取り組んでまいります。

 次に、災害対策について申しあげます。
 東日本大震災は、私たち自身の課題も改めて浮かび上がらせました。
 1点目は、津波の想定についてです。
 市は、県の津波災害研究会が行った「平成12年度兵庫県沿岸域における津波被害想定調査」による「最大想定津波高は3.6メートル」を基に防災計画を作成していますが、県に対し、津波の想定が果たしてこれでよいのか検討の要請を行っていきます。
 2点目は、避難場所の確認及び津波避難訓練です。
 市で海岸部の高台を調査しましたが、多数が避難するには面積的に不足し、高低差や避難路の状況を考えると、要援護者対策としても危険が伴うと判断しています。このため、高台だけではなく、小中学校の3階以上も避難場所として指定する必要があるものと考えています。
 併せて、具体的な避難訓練も必要です。そこで、年度内に港地区、竹野地区において避難訓練を実施したいと考えています。
 3点目は、住宅の耐震化です。
 市では、豊岡市耐震改修促進計画を定めており、公共施設、一般住宅ともに平成27年度末には耐震化率90パーセント以上を目標としています。
 公共施設は計画に沿って進めていますが、一般住宅の耐震化は思うように進んでいないのが実態です。県の助成制度に加え、市の独自補助制度も設けているところですが、今後市民への働きかけを強化し、目標の達成に向けて取り組んでまいります。
 4点目は、戸籍等重要なデータのバックアップです。
 現在、戸籍については、データを日々バックアップし、月に一度バックアップテープを豊岡地方合同庁舎4階の法務局豊岡支局に提出し、保管をしていただいています。住民基本台帳、税などホストコンピュータで処理を行っている業務のすべてのデータについても同様にバックアップし、消防本部3階に保管しています。なお、住民情報については、住基ネットにより、国において氏名、住所、生年月日、性別の情報が保管されているところです。
 最低限の安全対策は取れていると考えていますが、バックアップテープの更新の頻度、保管場所の是非についても検討を加えてまいります。
 5点目は、地域コミュニティーの強化です。
 この大震災でもコミュニティーの重要性が指摘されています。地域の人から一声が掛かって避難に結びついた事例も紹介されています。自主防災の強化はもちろんですが、普段のつながりも重要です。地域活動、公民館活動等によるコミュニティーの強化を支援してまいります。
 また、これに関連して災害時要援護者制度の見直しも検討したいと考えています。現制度では、登録対象者の条件に幅があるために登録者が多く、災害時の限られた時間内には登録者のすべてに地域支援者の支援が及ばないなどの懸念があります。そこで、真に支援を必要とする方々の避難を円滑に進めるため、登録対象者の条件について見直しを行うこととしました。
 最後に、エネルギー対策です。
 省エネを徹底して進めるとともに、太陽電池やペレットストーブ、ペレットボイラー、深夜電力や燃料電池の利用促進など、再生可能エネルギーの普及とエネルギー利用の多様化をさらに進めてまいります。

 次に、総合健康ゾーンの運営状況について申しあげます。
 ウェルストーク豊岡は、昨年4月にオープンして1年が経過しました。初年度の運営状況は、事業者提案の年間の目標来場者数21万7,248人に対して実績は20万5,734人、達成率94.7パーセント、年度末での月会員の目標登録者数2,432人に対して実績は1,960人、達成率80.6パーセントという結果でした。目標には至らなかったものの、概ね堅調な運営状況であったと評価しています。事業者からも、「約100万円の黒字で、経営面でも良好に運営できている」との報告を受けています。
 去る4月18日には、地元医師会や大阪産業大学の協力の下(もと)、運動療法に特化した総合健康ゾーン診療所を開業し、生活習慣病等の重症化を予防するため、個人に合った指導を行っています。
 今後、さらに市民が安全で効果的な運動を実践できるよう、この診療所の特徴を広く市民に周知してまいります。また、医師会との連携を図り、医療従事者等をメンバーとする運営委員会を設置して事例報告を行うなど、運営内容の検証を進めることとしています。
 ところで、健康づくりに関しては、「2011チャレンジデー」において、参加率55.5パーセントで見事に勝利することができました。市民の皆様の参加に心から感謝申しあげます。

 次に、周産期医療体制の検討について申しあげます。
 但馬全体で周産期の総合的な医療体制のあり方について検討するため、去る4月21日に「但馬こうのとり周産期医療センター検討会議」が設置されました。検討会議は、但馬の市町長、医師会長、分娩可能な医療機関の病院長、大学教授、県関係者など計18人の委員で構成され、年内に検討会議の取りまとめが予定されています。
 周産期医療体制の整備は緊急の課題であることから、市では、過疎地域の周産期医療のモデルとなるよう積極的に関与するとともに、「定住自立圏構想」の仕組みを活用して、財政的な支援をしていきたいと考えています。

 次に、ドクターヘリ・ドクターカーの出動状況について申しあげます。
 昨年4月に就航したドクターヘリの出動件数は、今年3月末までに847件でした。1日平均2.4件の出動で、国内最多となっています。この要因としては、救急要請時の119番通報内容が一定の基準に合致すれば、すぐにヘリを要請するキーワード方式での運航としているためです。
 なお、本市管内における出動件数は161件で、全体の約19パーセントを占めています。
 また、昨年の12月に運行開始しましたドクターカーの出動件数は、3月末までに90件です。本市管内における出動は36件で、全体の40パーセントを占めています。
 但東地域を例に取ると、病院搬送に掛かる時間が平均で24分短縮されており、豊岡病院の担当医師も「ドクターヘリの有効活用で北近畿の重症患者の救命率は2倍から3倍上がったと思う」とのコメントを出しておられます。ドクターヘリ・ドクターカーは、救命率の向上と後遺症の軽減にかなり寄与しているものと大いに評価しているところです。

 次に、豊岡市国民健康保険税条例の一部改正について申しあげます。
 豊岡市国民健康保険運営協議会においてご審議いただき、去る5月13日に「平成23年度豊岡市国民健康保険事業運営の基本方針について」の答申を受けました。この答申の趣旨を尊重し、豊岡市国民健康保険税条例の一部改正案を今議会に提出しています。
 地方税法の一部改正により基礎課税分の限度額を51万円に、後期高齢者支援金分の限度額を14万円に、介護分の限度額を12万円に引き上げるとともに、それぞれの税率を改定するものです。
 賦課総額の決定に当たっては、医療費の増加と現在の経済情勢を考慮し、国民健康保険財政調整基金から1億5千万円の充当を行うこととしました。被保険者一人当りの国保税額は、基礎課税分、後期高齢者支援金分、介護分を合わせて9万5,760円であり、昨年度と比較して3.03パーセントの伸びとなります。

 次に、こども医療費助成事業の拡充について申しあげます。
 現在、小学校4年生から中学校3年生までの児童・生徒を対象に、入院に掛かる医療費助成をしていますが、県の制度改正を受けて、新たに小学校4年生から6年生までの児童を対象に、助成対象を通院にも拡大することとしました。
 通院に掛かる医療費の自己負担額の3分の1を助成するもので、事業実施は今年10月1日としています。

人と自然が共生するまち

 第2に、「人と自然が共生するまち」に関連する内容について申しあげます。

 北但ごみ処理施設整備事業についてです。
 北但行政事務組合で用地買収が進められ、取得面積は全体買収予定面積の 89.09パーセントとなりました。施設整備に最低限必要とされる区域8.8ヘクタール内で見ると89.90パーセントが買収済みですが、さらに土地所有者の内諾は得られているものの、立木トラストが買収の障害となっている分が9.80パーセントあり、結局現時点で土地所有者の理解が得られていない用地は、1筆約265平方メートル、割合は0.3パーセントという状況です。
 組合では、立木トラスト者の調査や、判明したトラスト者に対する任意交渉に精力的に取り組んできたものの、任意買収に応じていただけない状況にあります。
 用地買収に内諾された3名の土地所有者も自らトラスト契約撤回に向け努力され、また、地元の森本区・坊岡区においても、今年2月に区民有志による「立木トラスト契約の撤回を願う区民を支援する会」が組織され、立木トラスト実施団体の代表者に対し契約撤回への要請活動を続けられてきました。しかし、残念ながら、いずれの交渉も関係者からは拒否又は黙殺されている状況です。
 北但ごみ処理施設は、既存施設の損耗の状況、構成市町の財政に与える影響などを考えると、計画どおり平成27年度には完成させる必要があります。逆算すると、遅くとも平成24年度上半期には、施設整備に最低限必要な区域8.8ヘクタールの用地取得を完了する必要があります。そこで、組合では、(1)住民生活の混乱や市町財政の損失、すなわち住民負担の増大を回避する必要があること、(2)任意交渉では進展が望めないこと、(3)自らの意に反する立木トラストが継続されている土地所有者の精神面などの負担を軽減する必要があること、(4)用地提供者や地元区の理解や地域活性化への気持ちに応える必要があることなどから、土地収用制度の活用も視野に入れた準備を進めることとし、過日関連予算が議会において承認されたところです。
 なお、今回の措置は、直ちに土地収用制度を活用しようとするものではなく、用地取得時期の期限と土地収用制度を活用する場合に要する期間を考慮しつつ、任意交渉を続け、それでもなお事態進捗が見込まれない場合に備えるものとされています。
 また、組合は、5月31日、都市計画事業として事業を進めるため、都市計画事業認可申請を県知事に行っています。

持続可能な「力」を高めるまち

 第3に、「持続可能な「力」を高めるまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、豊岡市中心市街地活性化対策についてです。
 昨年7月、中心市街地を構成する関係者による「豊岡市中心市街地活性化基本計画策定委員会」を設置し、検討を進めています。
 策定委員会では、市民等へのヒアリング結果や市民アンケートによる意識調査結果等を踏まえ、計画の柱となるテーマを「住まう・集う・商う」の三つに設定し、課題を浮き彫りにしながらまとめの作業に入っているところです。
 一方、豊岡商工会議所は、今年1月、かばん関係者等による「豊岡中心市街地活性化協議会」を設置し、「かばん」をキーワードに宵田商店街の空き店舗といちご駐車場を一体的に活用する活性化策を検討されています。この活性化策は市に提案されることになっており、市では、協議会からの提案事業も踏まえ、基本計画を策定したいと考えています。
 また、策定委員会では、計画を実行する組織や仕組みのあり方についても検討がなされています。
 なお、市では、新庁舎完成を見越し、南庁舎別館、市民広場等の利用構想の策定にも取り組むこととしています。

 次に、観光誘客促進による地域活性化対策について申しあげます。
 長引く景気の低迷による観光入込み客の減少に加え、東日本大震災の影響による全国的な自粛ムードで、旅行等を控える動きも見られています。
 市内の主だった観光スポットや宿泊施設などでは、ゴールデンウィーク期間中は、城崎の昨年比約25パーセント増を始め、他の施設も微増あるいは昨年並みとなったようですが、今後の落ち込みが懸念されます。
 そこで、市では、観光客誘致にむけてそれぞれの観光協会から提案のあった事業に対し支援を行うこととしました。
 浴衣の似合うまち城崎温泉のPRのため、時刻を手書きしたボードを持った浴衣女性が時刻を伝えるウェブサイトの「『美人時計(とけい)』を活用した情報発信」、近年の健康ブームで人気の高まっている遠泳大会「竹野浜オープンウォーター大会」、高原の地形を利用した、家族で楽しめる「神鍋高原マウンテンバイクレース」、着物を新たな観光素材としたおもてなしの演出を図る「(仮称)出石藩時代祭り事業」、古代米アート、蓮池(はすいけ)、モンゴル博物館などをバスで巡る「たんとう『古代米アート』見学ツアー」など、それぞれの特色を活かしたインパクトのある話題性の高い誘客促進の取組みを支援し、地域活性化を図りたいと考えています。
 なお、但馬豊岡観光協議会に市が補助し、本市への誘客拡大を目的とした観光PR用の短編映画及びCM映像の製作に取り組んでいます。
 完成は今月中旬を予定しており、完成後は、テレビ放映や市ホームページでの配信、観光PRのための様々な映像発信媒体での活用を計画しています。
 なお、市民向け完成試写会を今月下旬に行う予定です。
 また、特急「こうのとり」誕生記念事業も行います。
 これまで、大阪駅等へのポスター掲示、特典付旅行商品の造成等の情報発信と鉄道を利用した誘客に取り組んできましたが、今後のシーズンに向け、JR環状線の一編成の車内吊り広告すべてを豊岡ブランドの広告にする、新しくなった大阪駅に設けられたマルチビジョンでCM映像を放映する等の事業を実施し、誘客に努めたいと考えているところです。

 次に、ものづくり支援について申しあげます。
 この4月から「ものづくり支援センター」を経済課内に新設しました。企業が抱えるものづくりへの課題やニーズに対して、地域内でいつでも気軽に相談の受けられる専門性の高い窓口として、研究機関や大学、企業などへの橋渡しを行っています。
 去る5月12日には兵庫県立大学との間で連携協定を締結しました。今後、連携事業の一環として、同大学の教員を本市に招きセミナーを開催するとともに、同大学の産学連携機構コーディネーターによるものづくりの技術相談会を開催することとしています。
 さらに、企業の技術力や販路拡大を進展し、本市経済の発展に貢献することを目的として、去る4月下旬に「豊岡市工業会」が設立されました。市では、当会の活動に対して積極的に支援を行うこととしているところです。

 次に、魅力ある景観形成の取組みについて申しあげます。
 市では、良好な景観の保全・創造をより実効的なものとするため、景観計画の策定や一定の基準を満たさない場合に変更命令が出せるよう景観条例の制定に取り組んでいます。
 市独自で景観行政を行うため、景観法に基づく景観行政団体になるべく県と協議を行ってきましたが、6月1日付けで景観行政団体になりました。
 これにより、景観法を根拠とする一定の強制力を背景に、今後策定する市の景観計画や景観条例による良好な景観の保全・創造の取組みがより実効のあるものになると考えています。

 次に、バス交通対策について申しあげます。
 地域主体で公共交通を担うものとして、出石町奥山地域の「チクタク奥山」は今年度より本格運行が始まりましたが、この成功事例を手本に、5月23日には但東の資母地域でも試験運行開始となりました。出石の小野地域でも同様の取組みが準備されています。
 また、新たな取組みとして、10月から神鍋線を対象に上限200円バスの実証実験を行います。先月、清滝地区及び西気地区住民への説明会を開催しました。神鍋線を次代に引き継ぐには地元の皆様一人ひとりの取組みが何より大切であると訴えたところです。
 今後は、実験開始に向け、地域の方々のご意見をいただきながら運行計画を見直すとともに、実証実験の詳細について事業者と詰めていきたいと考えています。
 さらに、今年度よりバス通学の高校生を持つ保護者の負担軽減を図るため、1月(ひとつき)当たりの個人負担の上限を1万5千円とし、その額を超える分を市が補助する制度を導入しました。5月末現在で116人の申請を受け付けています。
 「乗って守ろう」を合言葉に始めたe通勤プロジェクトも引続き行っていますが、これらの施策を効果的に実施し、持続可能なバス交通を目指したいと考えているところです。

未来を拓く人を育むまち

 第4に、「未来を拓く人を育むまち」に関連する内容について申しあげます。

 まず、宇宙教育についてです。
 今年1月、JAXA(ジャクサ)による宇宙ステーション補給機「こうのとり2号機」の打上げが成功しました。補給機の名称が「こうのとり」と命名され、児童・生徒の宇宙への関心も大変高まっています。これを機会に、児童・生徒が宇宙視点で環境を考えられるように、そして、将来の目標を広げられるように宇宙学習に取り組んでいきたいと考えています。
 そこで、市立の全小中学校を対象に、5年計画で宇宙に関する学習を計画的、系統的に実施することとしました。今年度は「宇宙のとびらを開く」、2年目以降は「宇宙に飛び出す」をテーマに、「宇宙視点の環境教育」、「宇宙への大きな夢を持った人づくり」の2点を中心とした学習を考えています。
 広い視野を持った子どもたちが育つことを期待しているところです。

 次に、(仮称)竹野認定こども園の位置決定について申しあげます。
 新園舎の位置については、昨年11月以降、竹野・中竹野地域の代表者からなる「竹野・中竹野地域認定こども園新園舎検討委員会」で検討いただき、今年3月に「竹野健康福祉センター駐車場」が適地とする決定をいただきました。
 その後、市では、検討委員会の決定事項を尊重しつつ、行政面での検討を行ってきましたが、検討委員会決定の場所を建設場所と定めたところです。
 来年度の開園に向け、過日、地域や保護者を対象に説明会を開催しました。保護者の一部から疑問の声もありましたが、概ね理解を得られたものと思います。今後、予定どおり施設整備を行っていきたいと考えています。

人生を楽しみお互いを支え合うまち

 第5に、「人生を楽しみお互いを支え合うまち」について申しあげます。

 全国市町村交流レガッタの開催についてです。
 全国ボート場所在市町村協議会が主催する「第20回全国市町村交流レガッタ豊岡大会」を9月24日と25日の2日間、円山川城崎漕艇場を会場に開催したいと考えています。
 今年度は、茨城県潮来(いたこ)市で開催される予定でしたが、潮来市が東日本大震災で被災し、復旧業務に専念するため開催を見合わせたことに伴い、主催者から本市での開催要請がありました。
 急な要請でしたが、地元ボート協会を始め、関係機関とも相談し、開催を引き受けることとしました。大震災により各地のボート大会などが中止されるなど、沈滞ムードが蔓延していますが、本市で開催することでボート競技者を始め、被災地を応援したいと考えています。
 また、多くの選手、関係者を迎えることから、市への経済効果にも期待しているところです。

市政の運営

 第6に、「市政の運営」に関連する内容について申しあげます。

 まず、新庁舎建設事業についてです。
 建設工事について、去る4月12日に近隣の大開東区、永楽区及び豊岡駅通商店街振興組合を対象とした工事説明会を実施しました。また、4月20日には安全祈願祭が行われ、平成25年3月の完成に向けて本格的に着工となりました。今年度は、主に地盤改良工事、杭工事、基礎工事、現本庁舎の曳家工事を実施する予定です。
 なお、再公告した機械設備工事についても入札が成立し、契約について今議会に議案を提出しています。
 敷地の土壌については、2月10日に出された県知事の調査命令に基づき、詳細な調査を実施し、その結果を県に報告しました。
 今後、県の指導に基づき適切な処理を行うこととしますが、これに要する工事のため、建築工事の変更契約についても議案を提出しています。
 これらの契約については直ちに締結し、工事着手する必要がありますので、本日ご審議いただくことについて格別のご理解をお願い申しあげます。

 次に、「いのちへの共感に満ちたまちづくり条例」の制定について申しあげます。
 現在、有識者からなる検討委員会で検討が続けられていますが、大枠が固まりつつあり、早ければ今月中旬には検討委員会から中間報告がなされる見込みです。
 その概要ですが、いのちは限られていること、様々につながっていること、支えあっていることを確認するとともに、未来への責任を果たすために、私たちと多様な生きものが共生しながら、ふるさとの暮らしや風景を守り、引き継ぐ、というまちづくりに取り組む決意を込めた内容となっています。
 検討委員会では、今月下旬から7月にかけて市民の皆様との意見交換を行い、その後、条例素案の最終報告がなされる予定です。この報告を受けて、市としての条例案を検討し、9月定例議会に提出したいと考えています。

 次に、東日本大震災の公共事業への影響について申しあげます。
 国は、今年度の公共事業・施設費、主にハード事業ですが、その執行を一律5パーセント削減し、東日本大震災の復旧に全力を挙げる方針を示しています。そのため、市町村が実施する国庫補助事業についても、補助金の交付内示等が一部留保されている状況です。
 現段階で、未だ国庫補助金の内示がないものや、申請額に対して一部減額があったものなど、本市への影響は、道路・住宅・学校・教育・下水道の各分野で、13の事業に及びます。市歳入予算額との差ですが、約3億7千万円余り減額となっており、大きな影響が発生しています。
 このような状況を踏まえ、これら13事業について検討した結果、次のとおり一定の方針を定めました。(1)現予算内で追加施工し、残事業は次年度以降に先送りするものとして2事業、(2)引続き追加要望を行うとともに、今後の国の動向を注視し、改めて事業実施の判断を行うものとして2事業、(3)起債事業等他の財源を確保するなど、減額等があっても予定どおり事業実施するものとして5事業、(4)一部削減された補助金額の範囲内で事業実施するものとして4事業です。
 今回、他の財源を確保するなど事業実施することとしたものは5事業ですが、起債事業に振り替えたことによって、借入額が1億3,550万円増額となり、頭金として必要な一般財源は973万9千円増額となります。また、将来、起債の償還に当たり、交付税措置されずに一般財源で負担することになる額も、約4千万円増加することとなります。
 今後、特に予算額どおりに内示がない事業については、引続き強力に追加要望を行ってまいります。
 国は第2次の補正予算編成に向けた作業を行うこととしており、引続き注視が必要ですが、実施するなら事業の年度内完了を目指すためにも、現段階で判断を留保している2事業については、秋頃までに国の動向や市民の皆様への影響等を踏まえ最終判断したいと考えているところです。

予算、決算

 続いて、平成22年度一般会計専決補正予算及び決算見込みについて申しあげます。

 まず、平成22年度一般会計専決補正予算第9号についてです。
 地方譲与税・各種交付金・特別交付税等が確定しましたが、予算額を上回る歳入額となりました。今後の財政見通しを踏まえた上で、財政調整基金へ3億7千万円、被災者生活再建支援基金へ1億2千万円を積立てることとし、また、3月末までの東日本大震災支援経費2,700万円と合わせて、去る3月31日に専決処分しましたので、今回、報告案件として提出しています。
 なお、被災者生活再建支援基金は、今回の積立てにより、これまでの積立金と合せた残高は約5億円となります。
 平成22年度の決算ですが、市税等の歳入増や歳出経費の不用額などにより実質収支では約7億円の黒字となる見込みです。平成21年度の実質収支額との差引きである単年度収支については、約2億5千万円のマイナスとなり、平成21年度の黒字額より減少しています。
 また、年度中の基金への積立金や取崩し額、繰上償還額など黒字・赤字要素を加味した実質単年度収支は約16億円となります。この数字の中には、すでに繰上償還として支出済みの約12億7千万円も計算上含まれており、これを除くと約3億3千万円が実質的な黒字額ということになります。財政指標から分析すると、財政運営は概ね適切にできたものと考えています。

 次に、平成23年度一般会計補正予算について申しあげます。
 まず、補正予算第1号です。東日本大震災支援経費2,300万円を追加するため、4月8日付けで専決処分したものです。
 次に、補正予算第2号です。今回の補正は緊急やむを得ないもののみ補正することとし、東日本大震災支援経費や観光誘客促進による地域活性化対策などを含めた総額で2億7,674万7千円を計上し、それに必要な財源は地方交付税等で措置しています。
 財政運営については、引続き一層の財源の確保と経費の節減合理化に努め、中長期的な視点に立った節度ある運営に十分留意し、財政体質の健全化に努めてまいります。

 以上をもちまして、私の総括説明を終え、各議案の詳細については、担当部長から説明いたしますので、よろしくご審議いただき、適切なるご決定を賜りますようお願い申しあげます。
 ありがとうございました。

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