平成27年第3回豊岡市議会(定例会)市長総括説明

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 8月28日、第3回豊岡市議会定例会の議案提出に当たり、中貝市長が、当面する市政の諸課題、提出議案の主なものについての説明(市長総括説明)を行いました。

 おはようございます。
 平成27年第3回豊岡市議会定例会の開会に当たり、議員各位のご健勝をお喜び申しあげますとともに、日頃のご精励に対し深く敬意を表します。
 去る7月23日、千葉県野田市で3羽のコウノトリが試験放鳥されました。さらに今秋、韓国禮山(イエサン)郡と福井県越前市での放鳥も予定されています。豊岡での試験放鳥から10年が経ち、コウノトリ野生復帰の取組みは国内外に大きく広がり始めています。
 韓国での放鳥に先立ち9月2日に開催される国際シンポジウムには私も招かれ、豊岡の取組みについて講演をする予定です。翌3日の放鳥式にも出席し、記念すべき瞬間に立ち会ってまいります。コウノトリの郷公園から送られた鳥の2世も放鳥される予定です。
 また、市では放鳥10周年関連行事として、昨年韓国に渡ったコウノトリの写真展を9月19日からコウノトリ文化館で開催します。韓国の僧侶トヨン氏が、コウノトリに愛称を付け、現地で見守りながら撮り続けた写真を公開します。あわせて、9月23日にはトヨン氏と私との対談も予定しています。
 さて、今議会に私から提出する案件は、報告事項6件、事件決議9件、条例7件、予算11件、決算4件の合計37件です。
 なお、会期中に人事案件2件を追加提出する予定としていますので、あらかじめご了承賜りたいと存じます。
 それでは、当面する市政の諸課題及び提出議案の主なものについてご説明申しあげます。

安全に安心して暮らせるまち

 第1に、「安全に安心して暮らせるまち」に関連する内容について申しあげます。
 まず、豊岡市支え合いサービス事業の実施についてです。
 改正介護保険法に基づき、要支援認定者のホームヘルプサービスとデイサービスの事業を、従来の介護保険給付から市の事業である地域支援事業の「介護予防・日常生活支援総合事業」に順次移行していきます。
 現在、従来の介護予防給付と全く同じ内容の予防給付基準サービスのみを提供していますが、今後は支え合いサービス事業も実施します。
 支え合いサービスは、利用者の自立意欲の向上と効率的、効果的な支援を目的に、NPOや社会福祉法人などの団体と地域住民の方が連携、協働して、軽易な介護予防・生活支援サービスを提供するものです。
 6月から支え合いサービス事業の受託団体を募集したところ、訪問型の支え合い生活支援サービスでは、6地区を対象に4団体から、通所型の支え合い通所介護では、5地区を対象に5団体から応募があり、審査の結果、全ての団体を受託団体に選定しました。事業の開始時期は、10月または来年の1月を予定しています。
 応募のなかった地区については、引き続き募集を行い、受託団体の確保に努めてまいります。
 次に、豊岡市地域密着型サービス事業者の公募結果について申しあげます。
 5月25日から約2カ月間、第6期介護保険事業計画に基づき、今年度中に施設等の整備に着手し来年度にはサービス提供ができる事業者を公募しました。
 公募内容は、城崎・竹野・日高・但東のいずれかを圏域とする小規模特別養護老人ホーム1カ所、日高・但東のそれぞれを圏域とする小規模多機能型居宅介護事業所2カ所です。
 小規模特別養護老人ホームは、新温泉町の社会福祉法人徳和会から、また、日高圏域の小規模多機能型居宅介護事業所は、日高町の一般社団法人ソーシャルデザインリガレッセから応募があり、審査の結果、両者を指定候補事業者として選定しました。
 但東圏域の小規模多機能型居宅介護事業所については応募がありませんでしたので、今年度中に再度公募を行う予定にしています。
 次に、豊岡斎場の改修について申しあげます。
 豊岡斎場は、稼働後30年が経過し老朽化しているため、火葬炉部分を全面改修します。今年度は、実施計画の策定、耐震調査等を行うとともに、年内を目途に火葬炉専門業者からのプロポーザル方式による業者選定を行う予定です。
 工事期間は来年度から2年間で、6炉ある火葬炉を2炉ずつ工事します。稼働炉が減るため、1炉を1日に2回使用することを想定し、火葬時間の予約制を導入する予定にしています。葬祭業者などと十分協議し、利用のしやすい時間設定をしたいと考えています。

人と自然が共生するまち

 第2に、「人と自然が共生するまち」に関連する内容について申しあげます。
 まず、北但ごみ処理施設の稼動に伴う家庭ごみ収集分別区分の見直しについてです。
 来年4月の新施設の稼動に合わせ、ごみの再資源化、再利用化を促進するため、家庭ごみ収集分別区分を現行の6分別から、蛍光管・乾電池・粗大ごみの3分別を加えた9分別に変更します。
 市民の皆様に周知するため、10月以降、清潔で明るい町づくり環境衛生推進大会や各地域の区長会で説明するほか、要望に応じて地区公民館等での説明会の開催を予定しています。また、新分別区分・方法を説明した分別冊子を新たに作成し、来年1月末を目途に各家庭に配布します。
 さらに、普及啓発用DVDを作成し、説明会や出前講座で活用するとともに、市ホームページに掲載し、分別収集に混乱が生じないように努めてまいります。
 次に、竹貫地場ソーラー第2期発電事業における設備認定の失効について申しあげます。
 竹貫地場ソーラー第2期発電事業は、平成26年12月定例議会で債務負担行為をお願いし、平成26年度の売電単価に基づき手続きを進めてまいりました。しかし、このたび、国への申請手続きを期限内に行わなかったために、売電単価を確定する設備認定が失効することとなりました。
 事業を継続する場合、新たに平成27年度の売電単価を得るために再申請を行う必要がありますが、キロワットアワー当たりの売電単価が5円減額となります。これに伴う収入減については、申請手続きの事務を市から株式会社カネカに委託していたものであることから、カネカからの申し出及び弁護士の見解も踏まえ、全額を同社が支払うことで合意しています。したがって、市財政への影響はありません。
 しかし、申請自体は市の名義で行うもので、市として期限内申請に関するチェックを行っていれば防げた事態であり、市自らのミスでもあります。議員並びに市民の皆様に深くお詫びを申しあげます。今後は進行管理の徹底により再発防止に努めてまいります。
 今回の事態による本事業スケジュールへの影響はありませんので、国の設備認定の再申請を行い、事業を継続したいと考えています。引き続き、環境都市「豊岡エコバレー」のシンボルとして再生可能エネルギーの地産地消を進めてまいりますので、なにとぞご理解を賜りますようよろしくお願い申しあげます。
 次に、下水道使用料の改定について申しあげます。
 下水道事業は、来年度から企業債の元本返済資金が不足する事態に陥ると見込まれるため、豊岡市公営企業審議会に使用料のあり方を諮問し、審議を行っていただいています。
 また、下水道事業会計の収益のほとんどは、使用料と一般会計からの繰出金であるため、使用料のあり方と共に、一般会計繰出金の考え方の見直しについても検討してまいりました。
 その結果、総務省が定める一般会計の繰出基準の中で、具体的な算定方法を自治体の判断に委ねているものについては、国が策定する地方財政計画に準拠した算定方法を検討し、その方法で算定してもなお不足する分については使用料の負担とすることにしたいと考えています。
 さらに、地方財政計画に準拠した算定額と、地方財政計画の歳入に計上されている繰出金の財源のうち豊岡市で担保されている額とにはかい離があり、この不足分を一般会計と下水道使用料との折半により負担し合うこととします。
 この繰出基準の見直しは今年度から適用することとし、見直し後の基準で算定した追加繰出金に係る補正予算を今議会に提出しています。
 今後、見直し後の繰出基準による収支シミュレーションに基づき、10月上旬を目途に、公営企業審議会で使用料改定に向けて審議を進めていただきたいと考えています。

持続可能な「力」を高めるまち

 第3に、「持続可能な「力」を高めるまち」に関連する内容について申しあげます。
 まず、海外戦略についてです。
 今年上半期に本市内に宿泊した外国人旅行者数は1万4,282人で、前年同期の6,878人の2.1倍に増加しました。国全体が1.5倍であることから、高い伸び率だと言えます。
 城崎温泉の外国人宿泊者数は、1万3,156人で全体の92.1パーセントを占めています。但東以外の地域は増加傾向を示し、中でも日高地域は前年同期の8.3倍と非常に高い伸びを示しています。
 外国人宿泊客の国・地域別のデータは城崎温泉しかありませんが、今年上半期では、中国が2,587人で前年最多の台湾の1,696人を抜いてトップとなりました。前年同期との比較では、中国が5.2倍、ベトナムが3.3倍と増加率が高く、本市がターゲット市場としているヨーロッパでも、フランスが2.7倍、イギリスが2.0倍と大きく伸びています。
 エリア別シェアの特徴としては、東アジアが日本全体では70.9パーセントなのに対し、城崎温泉は48.8パーセントと22.1ポイント低くなっています。一方、ヨーロッパは日本全体では4.3パーセントなのに対し、城崎温泉は18.3パーセントと14.0ポイント高く、豪州は日本全体では2.1パーセントなのに対し、城崎温泉は6.8パーセントと4.7ポイント高くなっています。
 これらは、これまでのヨーロッパをターゲットとした取組みが功を奏した結果であり、今後もヨーロッパに重点を置くとともに、新たに東南アジアにも目を向けてプロモーションを展開してまいります。
 また、11月にイギリスのロンドンで開催される世界最大規模の旅行博WTMに、3年連続で出展します。
 今年は、城崎温泉・豊岡という豊岡市の単独出展ではなく、関西での広域的連携の強化と出展の効率化を図るため、神戸国際観光コンベンション協会、大阪観光局と共同出展します。
 会期中、ブースでの共同プロモーションのほか、別会場を確保し、現地のメディアや旅行会社を対象としたPRセミナーも共同で開催する予定にしています。
 今後も引き続き海外からの誘客促進を図るため、関係団体や民間事業者と連携しながら取組みを強化してまいります。
 次に、アンテナショップについて申しあげます。
 東京・有楽町のアンテナショップ「コウノトリの恵み豊岡」は、開設から4年が経過しました。
 総売上高は、4年目の平成26年7月から平成27年6月までは3,968万円で、前年の3,692万円と比較して7.5パーセント増加しています。
 購入者数も、4年目は4万8,022人で、前年の4万4,421人よりも8.1パーセント増加しています。
 これらの要因としては、首都圏で開催した市のイベントや東京但馬会などでの出張販売により認知度が向上したこと、赤米・コウノトリ育むお米・旬の野菜等を生産者と共に販売する特別イベントの継続実施により固定客がついてきたことなどが考えられます。
 また、かに道楽の首都圏店舗5店では、昨年に引き続きアンテナショップ商品の販売やパンフレット等の配布、ポスターの掲示を行うなど、日和山観光株式会社の関連会社全体で首都圏での情報発信の役割も担っていただいています。
 今後も、安定的な経営を基盤とした上で「豊岡市のブランドイメージを売り出す情報発信拠点」「移住・定住促進にもつながる魅力・価値を伝え届ける拠点」としての機能を果たすように努めてまいります。
 次に、第4回アジア太平洋ジオパークネットワーク山陰海岸シンポジウムについて申しあげます。
 ユネスコや世界ジオパークネットワークの関係者、アジア各国のジオパーク関係者などが、ジオパークの現状や課題を共有し、今後のあるべき姿を探る「アジア太平洋ジオパークネットワークシンポジウム」が、日本で初めて山陰海岸ジオパークで開催されます。開催期間は9月16日から19日までで、豊岡市民会館と鳥取環境大学を会場に、国内外からジオパーク関係者約500人の参加が予定されています。
 9月17日の豊岡会場では、開会式、世界ジオパークネットワーク会長のゾウロス氏などによる基調講演、分科会、ウェルカムパーティーなどが行われます。ウェルカムパーティーは「ジオまちバルIN豊岡」と題して、まちバル形式で実施する予定です。飲食店約20店舗と連携し、ジオパーク関係者と地域住民とのふれあいにより、おもてなしと交流を展開します。また、市役所市民広場に特設ステージを設置し、豊岡市、香美町、新温泉町の芸能なども披露します。
 また、11月のユネスコ総会で、世界ジオパークネットワークのユネスコ正式事業化が審議される予定になっています。それに先立って開催される今回のシンポジウムは、ジオパークの可能性を国際的にアピールする上で、象徴的な意味合いを持ちます。関係機関と連携を密にしてシンポジウムが成功するよう努めてまいります。
 次に、2015年ミラノ国際博覧会について申しあげます。
 今年5月から10月までの6カ月間、イタリア・ミラノで開催されているこの博覧会は、「地球に食料を、生命にエネルギーを」をテーマとし、148の国・地域・機関が参加しています。日本館ではコウノトリがメイン展示で大きく紹介されています。
 市ではこの機会を絶好のチャンスと捉え、7月16日から19日までの4日間、兵庫県出展事業の一つとしてコウノトリ育むお米や豊岡の観光PR等を実施してまいりました。
 JAたじまと共同出展したステージイベントでは、コウノトリ育むお米やその背景にあるコウノトリ野生復帰について映像を交えて紹介しました。城崎温泉西村屋の高橋総料理長は、コウノトリ育むお米に但馬牛やカニを加えた和風リゾットを来場者約400人に振る舞い、大変好評を得ました。また、県が作成したパンフレットを使用して、城崎温泉、出石城下町など豊岡の観光資源をPRしました。
 日本館のレストランとフードコートでは、コウノトリ育むお米が専用米として使用されています。使用数量は当初計画より増量され、約24.5トンが見込まれています。
さらに、県主催の「ひょうごプレミアムレセプション」では、イタリアを中心とした流通、メディア、飲食関係者等約200人に対し、コウノトリ育むお米や関連商品の紹介を行いました。
 今後、コウノトリ育むお米の認知度を更に高め、海外販路の検討を進めるとともに、国内での一層の価値の向上を図ってまいりたいと考えています。
 また、ミラノ万博に先立ち、県の井戸知事と共に、パリで外国人記者協会の記者を対象としたPR会見を実施しました。私から豊岡のプレゼンテーションをしたほか、昨年の夏に城崎国際アートセンターに1カ月間滞在されたフランスの著名な俳優、ジェローム・キルシャーさん、イレーヌ・ジャコブさんご夫妻に浴衣姿で城崎温泉・豊岡の印象を語っていただきました。
 多くの記者から、コウノトリの野生復帰など本市の取組みに対する質問が出されました。また、藤原次郎氏編集のふるさとスケッチシリーズのダイジェスト版である、本市の映像「豊岡絵巻」やコウノトリと共に生きる豊岡の映像を紹介した際には、出席者から大きな拍手が起き、豊岡の取組みに対する現地の関心の高さをうかがい知ることができました。
 次に、わな猟によるシカ捕獲専任班の新設について申しあげます。
 昨年7月に編成された銃猟によるシカ捕獲専任班に続き、今年8月1日から、わな猟によるシカ捕獲専任班の有害捕獲活動を始めました。この専任班は市の有害鳥獣捕獲班から選ばれた4人の班員で構成しています。捕獲場所は市内一円で、個人ではわなの設置調整が困難なスキー場やゴルフ場、コウノトリの郷公園などの公的施設内を想定しています。効率的、効果的な捕獲ができるよう市鳥獣害対策員と相談しながらわなの設置場所を決めます。
 わな猟によるシカ捕獲専任班1班の年間捕獲目標頭数は200頭です。引き続き、2班目の班編成についても調整を図り、シカの捕獲活動を推進してまいります。
 次に、都市計画道路の変更について申しあげます。
 市内の都市計画道路は38路線で、計画延長は約66キロメートルです。整備率は平成25年3月末現在で64パーセントであり、長期にわたり事業未着手のまま、土地所有者等の権利に制限をかけている道路が多くあります。
 社会情勢や経済状況の変化に伴う道路の必要性や、北近畿豊岡自動車道の開通状況なども踏まえた上で、県の「都市計画道路見直しガイドライン」に基づき、平成24年度から県と共に都市計画道路の見直し・検証を行ってまいりました。
 幹線街路20路線、延長14.34キロメートルの見直し・検証の結果、6路線の廃止を含む、7路線、2.89キロメートルの都市計画変更を行うこととしました。
 7月に都市計画道路を廃止する地元関係地区に対する説明会を3会場で、また、8月7日に全市民を対象とした説明会を開催しました。
 今後、都市計画変更案の縦覧、市都市計画審議会・県都市計画審議会の審議を経て、来年4月以降に都市計画の決定告示をする予定です。
 次に、住宅耐震リフォーム工事費補助金制度について申しあげます。
 住宅の耐震改修の促進施策として、簡易耐震診断費用の無料化、耐震改修工事費用の一部に対する補助を実施しています。昨年度末で1,089件の住宅が簡易耐震診断を受け、約70パーセントの757件の住宅が「倒壊等のおそれがある」と評価されています。しかし、この内これまでに耐震改修を実施した住宅は約9パーセントの68件にとどまっています。
 過去の耐震改修工事の実施状況を確認すると、半数程度が耐震工事の際にリフォームも行っています。また、対象住宅の老朽化の状況を勘案すると、耐震工事とセットでリフォームを行う潜在需要も高いと考えられるため、リフォーム工事部分も補助対象とすることにより、耐震改修を実施する住宅の増加が期待できると判断しました。そこで、耐震改修を行う住宅のリフォーム工事について、30万円を限度に工事費の3分の1を補助することとし、今議会に関連の補正予算を提出しています。
 次に、豊岡市中山間地域定住促進事業補助金、いわゆる「空き家改修補助金」の返還に係る訴えの提起について申しあげます。
 市では、平成22年度から、市外からの定住促進を目的として移住者が行う空き家改修に対して最大100万円の支援を行っています。
 この度、平成23年にこの補助を受けた方が、「市内へ定住する」という補助金交付条件を満たさない状況にあると判断し、市は、現在、豊岡市補助金等交付規則等に基づき、この方に対し補助金の交付決定を取り消し、補助金の返還を求めています。
 一方、この方は、昨年末に宅建業者の物件説明の誤りを知り、宅建業者のほか物件紹介者である市にも、今年5月7日に賠償請求の訴えを起こし、現在係争中です。
 裁判所は、市からの補助金返還請求の訴えがあれば、それを受理した上で、請求原因で重複する賃貸・販売行為と定住条件違反について併せて判断する方針です。
 市は、今後、補助金交付の取消決定に係る異議申し立て期間の終了等を踏まえた上で、市が交付した100万円の補助金返還を求める訴えを提起したいと考え、今議会に関係議案を提出しています。

未来を拓く人を育むまち

 第4に、「未来を拓く人を育むまち」に関連する内容について申しあげます。
 まず、小中一貫教育モデル事業についてです。
 市では、平成19年度から「豊岡市小中連携教育構想」を掲げて、市全体で小中連携教育に取り組んでいます。この間に得られた成果と課題を踏まえ、将来の「小さな世界都市・豊岡」を担う子どもたちに必要な資質能力を身につけさせるため、(1)小学校1年生からの英語教育、(2)コミュニケーション教育、(3)ふるさと教育を3本柱とする「豊岡市小中一貫教育」を平成29年度から市全体で展開していく予定です。特に、小学校1年生からの英語教育については、幼児期の英語遊び保育とのつながりを重視してまいります。
 これに先がけて、今年度から但東中学校区をモデル校区として、小学校の英語カリキュラム作成等を進めています。このたび、その取組みが国の「小中一貫教育調査研究事業」に採択されましたので、今後は、国の委託金を活用しながら調査研究を進めてまいりたいと考えています。
 次に、小学校のバス通学補助認可基準の見直しについて申しあげます。
 近年、(1)少子化による児童の単独または少人数で通学する地区の増加、(2)交通量の多い歩道未整備の通学路や長距離区間に民家がない通学路の安全性の課題、(3)不審者やクマ等の野生動物の出没による危険性などを理由に、バス通学の要望が増えています。
 そこで、児童のより安全な通学環境を確保することを目的に、小学校のバス通学補助認可基準を見直しました。
 現行で3キロメートル以上としている距離基準の例外要素を点数化し、それが基準点数以上となる場合は、通学形態等を総合的に勘案してバス通学地区を決定します。新たな認定地区では、路線バスが利用可能な場合は路線バスを利用し、そうでない場合はスクールバス運行を実施します。
 この新基準に基づき、4行政区2路線でのスクールバスの新規運行と、3行政区でのスクールバスの拡大運行をしたいと考えています。今議会に新規運行用スクールバスの購入に係る補正予算を提出しています。

人生を楽しみお互いを支え合うまち

 第5に、「人生を楽しみお互いを支え合うまち」に関連する内容について申しあげます。
 まず、(仮称)図書館未来プランについてです。
 市では、図書館のコミュニティ・交流拠点として目指すべき役割や機能の方向性について、有識者から意見聴取をした結果、図書館の将来像を明確にする必要があると判断しました。
 そこで、市民代表等で構成する(仮称)図書館未来プラン検討会議を設置し、来年9月末を目途に(仮称)図書館未来プランの策定を行います。今後、市民参画ワークショップの開催や市民アンケートの実施、シンポジウムの開催などを予定しています。
 次に、2015日本冒険フォ-ラムについて申しあげます。
 このフォーラムは、植村直己顕彰事業として4年に一度実施するもので、第2回目の今年は11月22日に明治大学で開催します。全国の冒険関係者とのつながりを更に強めること、植村直己冒険館が目指す理念や本市の魅力を東京発で全国に発信し誘客を図ることをねらいとしています。
 今回は、植村直己さんの「人とこころ」を伝える基調講演をはじめ、植村さんが挑み、あこがれ続けた「極地」をテ-マに、冒険の醍醐味や地球環境への思いなどを伝えるパネルディスカッションを予定しています。
 開催に当たっては、全国の冒険者で構成する地平線会議の皆様に力添えをいただいて、参加の呼びかけや運営の充実を図るとともに、全国の冒険関係者や植村ファンの交流促進に努めてまいります。
 今回のフォーラムを契機に、全国から本市を訪れる人の動きをつくり出し、4年後の2019日本冒険フォーラムは豊岡市で開催したいと考えています。
 次に、「子どもたちが豊岡で世界と出会う音楽祭~おんぷの祭典~」について申しあげます。
 第2回となる今年のテーマは「ウィーンから豊岡に 本物の響きと感動を 子どもたちへ」です。11月10日から15日までの6日間、豊岡のあちらこちらが音楽であふれます。
 子どもたちのためのコンサート、スペシャルコンサート、地元の中高校生と共演するファイナルコンサートを開催します。また、すぐ間近で音楽に触れる学校訪問コンサートや街角コンサート、さらには最上のアンサンブルに浸るサロンコンサートも実施します。
 出演者は、ヴァイオリンなどの弦楽器修復の第一人者である中澤宗幸氏とヴァイオリン奏者である中澤きみ子氏のご夫妻をはじめ、世界的なコンクールで優秀な成績を収めた音楽家の方たちです。
 次に、円山川運動公園の移転整備について申しあげます。
 移転先である下鶴井の事業用地を取得するに当たり、手続きの迅速化と租税特別措置法による課税特例のメリットや農振農用地の除外手続を考慮し、昨年10月29日に土地収用法に基づく事業認定申請を行いました。去る7月21日付けで県知事から事業認定を受けましたので、現在、農用地利用計画の変更申請により農用地除外の手続きを進めています。
 この事業認定により、移転整備事業は一歩前進しました。引き続き、地元や関係機関と協議を行いながら、用地の取得を進めるとともに、環境に配慮した運動公園の整備に努めてまいりたいと考えています。
 次に、新しい地域コミュニティに係るモデル地区の拡大について申しあげます。
 市では、今年2月に「新しい地域コミュニティのあり方方針」を策定しました。「自分たちの地域は自分たちで守る」という考え方を基本に、地区公民館の範囲で新しい地域運営の仕組みを作り上げてまいります。
 その準備として、段階的にモデル地区の取組みが行われています。昨年度に10地区、今年度当初に10地区、更に7月に1地区がモデル地区となっています。今年10月には新たに豊岡・新田・八代・清滝の4地区での取組みが予定されています。これで、29地区の内の25地区がモデル地区となります。
 平成29年4月からのコミュニティセンターへの移行に向け、新しい地域コミュニティ組織の立上げ、「はじめの第一歩計画」の策定、住民自治意識の高揚等の取組みを着実に進めてまいります。

市政の運営

 第6に、「市政の運営」に関連する内容について申しあげます。
 地方創生、すなわち人口減少対策についてです。
 推計によると、本市の2040年、今から25年後の人口は約6万2千人で、2010年の国勢調査時の人口と比べて約2万4千人減少すると見込まれています。これは、現在の豊岡地域の2分の1の人口が消滅し、または城崎・日高・但東の三つの地域の人口がまるまる消滅し、あるいは城崎・竹野・出石・但東の四つの地域の人口がまるまる消滅するのに匹敵します。私たちは、その圧倒的な量の破壊力を直視しなければなりません。
 人口減少を止めることは、相当期間、不可能です。そこでまず、人口減少のスピードを極力和らげる量的緩和を図るとともに、その対策を通じて地域社会・地域経済のありようの質的転換を図ることによって、なお進む人口減少下にあっても地域活力を維持する道を探らなければなりません。地方創生総合戦略の策定作業は、その道を探る努力に他なりません。
 そのことを踏まえ、豊岡市地方創生戦略会議においては、戦略体系図の上位目的、すなわち将来目指すべき状態を「豊岡に暮らす価値を認め、豊岡で暮らすことに自信と誇りを持って住む人が増えている」とすることの確認がなされた上で、より具体的手段について議論が進められているところです。
 これまでの分析で、本市の人口の動きは、(1)ほとんどの年齢層で転入・転出の数がほぼ均衡しているのに対し、若年層の転出オーバーが大きく、(2)若年層が減る中で未婚率が上昇していることから、出産適齢期のカップルが減少して出生数が低下するとともに、(3)その減少した子どもたちが成長して大学等に進む段階でまた転出オーバーになる、という悪循環にあることが分かっています。
 そこで地方創生戦略の策定に当たっては、若年層を対象に転出抑制と転入促進、結婚促進に重点を置くこととしています。
 あわせて、カップル当たりの出生数についても、豊岡のカップルは比較的多くの子どもをもうけていることがうかがえますが、さらなる増加につながる有効な方策があるかどうかを検討してまいります。

予算、決算

 次に、一般会計補正予算第2号について申しあげます。
 予算全体を見直し、今後の執行見込額を精査する中で、過不足が生じる経費や今年度の人事異動による人件費の整理など、緊急やむを得ないものを計上しています。
 歳入歳出予算の補正総額は7億621万6千円の追加となり、これに必要な財源は繰越金等で措置しています。
 なお、平成26年度の決算確定に伴う決算剰余金の処理のため、財政調整基金へ3億9千万円を積み立てます。
 次に、平成26年度の決算の認定に関連し、その概要を申しあげます。
 一般会計の総額では、新庁舎等の大型建設事業の終了とそれに伴う市債発行額の大幅な減額により、歳入歳出共、500億円を下回る規模となりました。
 歳入面では、市税収入が市たばこ税は減収となったものの、個人市民税や法人市民税、固定資産税等の増収により全体としては増額となりました。一方、歳出では、社会保障関係費の自然増や高い水準で推移している公債費に加え、一部事務組合への負担金が増嵩するなど厳しい状況が続きました。
 しかし、財源の確保や経費の節減に努め、「小さな世界都市」の実現を目指して、豊岡エコバレーと大交流、これらを支える情報発信と人材育成に重点的な予算付けを行い、特長的な施策を展開し、地域経済の活性化に積極的に取り組んでまいりました。
 また、コミュニティ、災害、経済衰退、財政崩壊という四つの危機に立ち向かうため、果敢に、大胆に、挑戦する施策を推進してまいりました。
 その結果、一般会計の最終的な実質収支については、7億4,577万4千円の黒字決算となりました。平成25年度の実質収支額との差引きである単年度収支額は、前年度の実質収支額が9億円を超えていたこともあり、1億6,156万7千円のマイナスとなりました。しかし、年度中の基金への積立金や取崩し額など黒字・赤字要素を加味した実質単年度収支は11億1,863万7千円となり、おおむね適切な財政運営ができたものと考えています。
 なお、経常収支比率については、88.8パーセントと前年度から3.1ポイント上昇しています。地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく健全化判断比率については、今議会に監査委員の意見を付して報告しています。実質公債費比率は13.9パーセントと前年度と比較し1.6ポイントの減少となり、地方債発行の許可団体を判断する18パーセントを引き続き下回りました。将来負担比率も110.8パーセントと9.7ポイントの減少となっており、いずれも早期健全化基準を下回っています。
 このように財政指標については改善が見られますが、いまだ地方債の現在高が非常に高い水準にあります。下水道事業などの公営企業や一部事務組合に対する一般会計の負担についても、今後、引き続き高い水準で推移することが見込まれ、厳しい状況が続くものと考えています。したがって、企業会計や一部事務組合を含めた公債費負担の適正化を図ることが最重要課題であると認識しています。
 加えて、税収入の確保、未利用地の売却、滞納対策の徹底や受益者負担の適正化等財源の一層の確保に努める必要があります。また、歳出面では、経常的経費の抑制など、一層の削減を図らなければならないと考えているところです。
 以上が決算の概要です。詳細については、お手元に決算書及び関係資料をお届けしていますので、ご清覧賜りますようお願い申しあげます。
 以上をもちまして、私の総括説明を終え、各議案の詳細については担当部長等から説明いたしますので、よろしくご審議いただき、適切なるご決定を賜りますようお願い申しあげます。
 ありがとうございました。

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