公売とは
市税が納期限までに納付されず、市が督促状を発した日から10日を経過した場合などに、その滞納に対する処分として滞納者の財産を差し押さえすることとなります。
差し押さえした財産は、換価処分(差し押さえした財産を売却して現金にすること)によって、滞納市税に充当します。
財産を換価処分するときは、これを公売に付さなければならないこととされています。
公売の方法
公売には「入札」と「せり売り」の2通りの方法が定められています。
いずれの場合も、不特定多数の方に買い受け希望を募り、公正な競争で有利(高価)な売却を図ることを原則としています。
公売には、税務職員や公売を妨害した者などを除き、原則として誰でも参加できます。
入札
一定の条件の下に、物件に対して1回だけ買受希望金額を誰にも分からない状態で提示します。
締め切られた後、提示金額を比較し、最も高価な価格を提示した方に売却決定となります。
入札には、ある特定の日に実施する「期日入札」と、一定の入札期間を定めて行う「期間入札」があります。
せり売り
一定の条件があることには変わりありませんが、買受希望金額として提示された金額は、他の方も知ることができ、買い受けたい場合には、それ以上の金額を提示することが必要です。
また、金額の提示は制限時間までであれば何度でも提示することができます。
最後に最も高い金額を提示した方に売却決定することとなります。
公売を「入札」とするか「せり売り」とするかは、滞納処分を行う豊岡市の判断となりますが、物件の性質等によっていずれかを選択します。
一般的に、不動産は生涯で数度の高価な買い物です。いくらならその物件を買うかということについても、家族でじっくり検討することになるのではないでしょうか。その場で金額がつりあがっていく可能性のあるせり売りは、不動産の売却にはなじまないということがいえます。
このため、不動産は「入札」によって売却を行います。反対に、絵画や骨董など、その品物が欲しいという人がたくさん居ると見込まれる物件は「せり売り」が適しているといえます。
公売の手順
- 公売公告
いつどこでどのような物件をどんな方法で売却するのか、代金の支払い時期や方法など公売に必要なことを、広く周知します。
実際には、市役所の掲示板に掲載するなどの方法で周知しますが、広報などでもお知らせします。
公売の公告は、公売の日の少なくとも10日前までに行います。 - 見積価格の公告
公売では、最低この金額以上で買い受けてほしいという見積価格を決定します。
この公告は、物件の種類などによって公告しなければならない時期が決まっていますが、公売公告と同時に行うことがほとんどです。
例外的に、見積価格を公告せずに行う公売もあります。 - 公売保証金の納付
公売に参加していただくために、公売保証金の納付を求めることがあります。公売保証金が必要なときは、物件ごとにその保証金の金額を見積価格の公告に掲載します。
この場合、公売保証金の納付がないと公売には参加できませんが、公売保証金を求めない公売もあります。
公売保証金は、落札者とならなかった場合には返還されます。ただし、公売を妨害したり、最高価申込者となった後辞退した場合など、没収されることもあります。 - 入札またはせり売り
実際に買受希望の金額を提示することです。入札の場合には、金額の登録を行った後、終了期日を待ちます。なお、金額の登録は、一度しかできません。せり売りの場合は、他の人と競りあっていくこととなります。 - 最高価申込者の決定
定められた時間となったら、見積価格以上で最高の価格を提示した者を最高価申込者として決定します。
不動産の場合などには、最高価申込者が辞退した場合などに備えて、次順位買受申込者を決定します(2番手の権利者ということです)。 - 終了の告知
最高価申込者を決定したら、その内容を一定期間公開し、入札やせり売りが終了したことを告知します。 - 売却決定
あらかじめ定められた日に、最高価申込者に対してその物件の売却決定を行います。 - 買受代金の納付
買受代金から公売保証金を差し引いた金額を納付していただきます。この場合の公売保証金は、手付金の性格を有するといってよいかもしれません。
これで買い受け代金全額が支払われたことになり、この時点で財産の権利が移転することとなります。
ただし、このときまでに滞納者が滞納市税を完納した場合、売却決定が取り消され、公売はなかったものとなります。 - 引渡し等
買い受け代金が納付されたら、その方に物件を引き渡します。
引渡しの方法は、動産等の場合は直接引き渡しや送付、不動産等の場合には権利移転の登記です。
権利移転は引渡しのときでなく、買い受け代金が納付されたときです。その後物件に滅失毀損などがあっても、市はその責任を負いません。 - 配当等
売却で得た金額を滞納市税に充当します。
残余が出た場合、他に債権を有している者で交付要求をしてきた者に対して配当を行います。それでも残金が出る場合には、残金を滞納者にお返しします。
公売保証金
公売保証金とは国税徴収法により定められている、入札する前に納付しなければならない金員です。
公売保証金は原則として、豊岡市が売却区分(公売財産の出品区分)ごとに、見積価額(最低入札価格)の100分の10以上の金額を定めます。
物件を落札された場合、公売保証金は内金として充当し、落札されなかった場合はお返しすることになります(没収された場合を除く)。
公売保証金の納付方法
公売保証金の納付は、売却区分ごとに必要です。
納付方法は、物件が不動産の場合は、銀行振込または現金の直接持参となります。共同入札する場合の公売保証金の納付についても同様です。ただし、その際代表者以外の名義で納付しないよう注意してください。
公売保証金の没収
納付した公売保証金は、以下のいずれかに該当した場合、没収し、返還しません。
- 落札者となり売却決定されたが、納付期限までに買受代金を納付しない場合
- その他、地方税法がその例とする国税徴収法第108条第1項の規定に該当する場合
国税徴収法第108条第1項
税務署長は、次に掲げる者に該当すると認められる事実がある者については、その事実があつた後二年間、公売の場所に入ることを制限し、若しくはその場所から退場させ、又は入札等をさせないことができる。その事実があつた後二年を経過しない者を使用人その他の従業者として使用する者及びこれらの者を入札等の代理人とする者についても、また同様とする。
一 入札等をしようとする者の公売への参加若しくは入札等、最高価申込者等の決定又は買受人の買受代金の納付を妨げた者
二 公売に際して不当に価額を引き下げる目的をもつて連合した者
三 偽りの名義で買受申込みをした者
四 正当な理由がなく、買受代金の納付の期限までにその代金を納付しない買受人
五 故意に公売財産を損傷し、その価額を減少させた者
六 前各号に掲げる者のほか、公売又は随意契約による売却の実施を妨げる行為をした者
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このページに関する問合せ
市民部 税務課 収税係
〒668-8666 豊岡市中央町2番4号
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