2026年度 教育行政の方針と施策の展開
令和8年第2回豊岡市議会で、嶋教育長が『教育行政の方針と施策の展開』を説明しましたので、お知らせします。
2026年度 教育行政の方針と施策の展開
令和8年第2回豊岡市議会定例会の開会に当たり、議員の皆様のご清栄をお喜びいたしますとともに、日頃の教育行政に対するご理解・ご支援に対しお礼申しあげます。
「豊岡で育む『在りたい自分』と『在りたい未来』を創造する力」を基本理念とする「第5次とよおか教育プラン」がスタートし、1年が経ちました。
これは、時代や環境がどう変化していこうと、自分の居場所があり、自分の良さや持ち味が分かるといったそれぞれの幸福感を持てること、そして自分はどう在りたいか、どんな未来を創っていきたいかという意識を持つ子どもの育成にあたろうとするものです。
2025年度の全国学力・学習状況調査の質問紙では、小学生、中学生ともに約87パーセントが「自分にはよいところがある」と回答しており、自分自身を肯定的に受け止めている児童生徒が比較的高い水準にあると理解しています。引き続き、全ての児童生徒が幸福感を持てるための環境づくりを進めていきます。
今年度は、本市初の義務教育学校である竹野学園が開校し、この3学期から同じ校舎で全学年そろっての学校生活が始まりました。昨年12月の内覧会には、竹野地域の方を中心に400人を超える参加者があり、改めて関心の高さと期待の大きさを実感したところです。
異年齢交流を可能とする義務教育学校の特性をいかし、とりわけ学校独自の教科である「たけの未来づくり科」では、現代版「村を育てる学力」となるような教育内容や方法を模索し、取組みみみを進めていきます。
また、2月16日には、教員研修の充実と、学校の教育課題解決を図るため、国立大学法人兵庫教育大学と連携協定を締結しました。兵庫教育大学の知的資源、人的資源を活用することで、教職員の資質と実践的指導力の向上に努めていきます。
それでは、第5次とよおか教育プランの体系に基づき「予測困難な時代を生き抜く力を育む教育の推進」と「自分らしく安心して過ごせる学校園の創造と家庭・地域などとの共創」に分けて説明します。
予測困難な時代を生き抜く力を育む教育の推進
はじめに「予測困難な時代を生き抜く力を育む教育の推進」について申しあげます。
主な取組みみ
多様性の尊重と包摂性のある教育の推進
まず「つながりのある特別支援教育」についてです。
本市では、多様性を認め合い、包摂性のある共生社会の実現に向けた教育推進のため「支援の要らない子は一人もいない」を理念に、子どもの自立と社会参加を見据え、一人一人の教育的ニーズに応じた指導と支援を行っています。
学校生活支援教員の配置やスーパーバイザー支援事業など、多様性を認め合い共に過ごすための条件整備、交流学習を充実させるための特別支援教育支援員の配置による学びの継続を図るとともに、教職員の専門性の向上に取り組みます。
特に、学校生活支援教員については、通常の学級に在籍しながら学習や生活の面で特別な教育的支援を行う、いわゆる通級指導において、認知機能を高めるトレーニングなどの自立活動を通して、不器用さの改善、基礎学力の土台作り、対人スキルの向上を図り、将来的な自立につながる能力の育成に努めます。
次に「いじめ・不登校などへの対応」についてです。
今年度のいじめ認知件数は、1月末現在で小・中学校あわせて163件であり、この5年間は年間150件から180件で推移しています。
いじめの発見のきっかけは、保護者からの訴えが最も多く、全体の約35パーセント、2番目に多いのは本人からの訴えで、全体の約26パーセントとなっています。児童生徒、保護者が担任や学校関係者に相談しやすい環境をつくり、家庭との連携を図っていくことで、いじめの早期解決やいじめ重大事態の防止に努めます。
不登校児童生徒数は依然として増加の傾向にあり、今年度は1月末現在で小・中学校あわせて178人と、コロナ前の約2.1倍となっており、特に小学生が増加しています。そのため、新たな不登校の未然防止のために先行的に行う取組みみと、学校へ登校しづらくなった児童生徒に対して自立を促すための取組みみの2軸で構成された「豊岡市不登校対策アクションプラン」を策定し、取組みみを進めています。
不登校の未然防止の取組みみとしては、昨年度から校内サポートルームを全校に設置し、本年度6校の小学校と9校全ての中学校に支援員を配置しました。その校内サポートルームでの柔軟な支援の効果が出てきており、中学校で新たに不登校になった生徒が1月現在、2023年度は52人であったのに対し、2024年度は31人、2025年度は33人となっています。今後さらに、支援員の拡充を図ります。また、市内の効果的な取組みみを共有するための好事例集を今年度内に発行する予定です。
学校へ登校しづらくなった児童生徒への支援としては、多様な学びの場を確保するため、こども支援センターを核としてフリースクールなど施設間のネットワークづくりを進めます。そして、今後も地域でのつながりと居場所づくりを広げるため、学校・家庭・地域の連携を強化します。
また、フリースクールについては、設置者および利用者を対象に、引き続き財政的な支援を行います。
確かな学力の育成
2点目に「確かな学力の育成」について説明します。
新しい時代に求められる資質・能力として「やり抜く力・自制心・協働性」を中心とした非認知能力の向上に引き続き取り組みます。とりわけ1,2年生を対象とした演劇ワークショップの評価検証では、体や言葉を使って、自分の考えや気持ちを表すことやそれらを受容される体験により、自己肯定感や集団の中で合意形成する力においてプラスの結果が出ています。教員とファシリテーターの連携を図るとともに、非認知能力の育成を全ての教育活動の基本においた取組みみを進めます。
次に「小中一貫教育を核とした一層の連携教育」についてです。
これまで9年間行ってきた小中一貫教育「豊岡こうのとりプラン」は、本市独自のカリキュラムである「ふるさと教育」「英語教育」「コミュニケーション教育」で構成されています。2026年度は、特に「ふるさと教育」の時間で、学習課題を教師が一方的に与える内容から、子どもたちの興味やニーズを中心とした現実的な内容へ、また子どもたちが地域とのつながりや交流の機会を作り出す内容へと転換を図り、探求的な学びを充実させていきます。
豊かな心の育成
3点目に「豊かな心の育成」について説明します。
子どもたちが他者を思いやり、自分らしく生きる力を育むためには、多様な価値観に触れ、感じ、考える機会を学校・家庭・地域が連携してつくり出していくことが大切です。
まず「生命の尊厳を基盤とした人権教育」についてです。
人権教育を通じて育てたい資質・能力は、(1)自分の人権を守り、他者の人権を守ろうとする意識・意欲・態度(2)人権に関する知的理解(3)人権感覚の三点です。学校園において、発達段階に応じた教育を計画的、組織的に取り組みます。
特に、近年増加傾向にあるインターネット上の人権侵害やネットいじめに対しては、子どもたちが情報の真偽を見極める力を身につけ、誤情報に流されない力を育むことも重要です。そのためにも、関係機関との連携や教職員研修の一層の充実を図ります。
次に「読書活動の充実」についてです。
子どもにとって読書は、感性を磨き、心に豊かさを与えるとともに、目の前の情報に対して「真実かどうか、根拠は何か」と吟味して考える「クリティカルシンキング」の素地を養うなど、欠くことのできないものです。インターネット環境の中に生きる現代の子どもたちが読書を身近に感じるために、読書活動の充実を目的とした研究校の実践など、効果的な取組みみを市内の学校園に広めていきます。
図書館本館は、1998年の竣工から27年が経過し、施設の長寿命化改修工事を行いました。外回りや空調、照明などの改修の他、開架フロアや学習コーナーの床タイル、壁クロスの貼替、トイレ環境の改善を行い、快適に過ごせる場所となっています。今後も蔵書の充実と行事の開催などにより、読書を楽しめる環境づくりに努めます。
また、10年後の図書館の姿を描くとして2016年度に策定した「豊岡市図書館未来プラン」が2026年度で終了します。人口減少、生活様式が多様化する中で、市の実態に即した効果的な図書館運営を行うため、2027年度から5か年の計画とする改訂プランを策定します。
健やかな体の育成
4点目に「健やかな体の育成」について説明します。
子どもたちが生涯にわたって心身ともに健康で安全な生活を送り、運動やスポーツに親しむ資質・能力を育成できるよう、食事・運動・睡眠を中心とした望ましい生活習慣の形成に向けた取組みみを進めます。
特に、睡眠は基本的な生活リズムの確立や学力の向上、不登校の防止に深く関わっています。就寝・起床時刻の見直しを促す睡眠記録表の活用を通して、児童と保護者双方の意識向上を図るなど、学校と家庭が連携し、子どもたちが適切な生活習慣を身につけられるよう、継続して取り組んでいきます。
学校給食については、(1)「安全安心な食事の提供」、(2)「『食育』につながる給食づくり」、(3)「地域とつながり地域を大切にする給食づくり」に取り組み、食材の地産地消率の向上に努め、あわせて有機農産物の使用を推進します。
また、食材が高騰する中、子どもたちに栄養バランスや質を保った給食を提供するため、物価の変動に合わせて毎年給食費を決定します。
いわゆる給食無償化については、国の負担軽減制度の創設により、2026年4月から小学校の保護者負担額を無償とします。
一方、中学校はこの制度の対象とはならず、本市では保護者負担額の段階的引上げの途上にあることから、本来であれば2026年度の保護者負担額は上昇するところですが、保護者の負担増を抑制するため上昇分を公費負担し、2025年度と同額に据え置きます。
生きる力の基礎の育成
5点目に「生きる力の基礎の育成」について説明します。
「遊びが学び」と言われる乳幼児期に、子どもは遊びや直接的な体験を通して、自ら周りのひと・もの・ことに関わり、試したり工夫したりしながら目的に向かおうとします。こうした経験が、これからの時代を生き抜いていく力の土台になると考えます。
この乳幼児期に積み上げてきた経験や資質・能力を小学校での学びにつなげていくために、2025年度から「豊岡市架け橋プログラム」をスタートしました。
今年度の取組みみにより、園と小学校が連携する体制は確立されてきました。見えてきた課題は小学校の規模によりさまざまですが、園同士が横の連携も図りながら、子どもたちの育ちと学びの連続性、継続性をさらに高めていくための取組みみを進めます。
次に、保育所など保育料の軽減についてです。
現在、3歳以上児の保育料は無償化されていますが、3歳未満児については、世帯の所得に応じた負担をいただいています。
子育て世帯の経済的負担の軽減のため、2026年4月から3歳未満児の保育料を引き下げる予定としています。
これにより、より一層、保護者が安心して仕事と家庭を両立できる環境を整えていきます。
自分らしく安心して過ごせる学校園の創造と家庭・地域などとの共創
次に「自分らしく安心して過ごせる学校園の創造と家庭・地域などとの共創」について申しあげます。
主な取組みみ
学校園・家庭・地域などの連携・協働の推進
1点目に「学校園・家庭・地域などの連携・協働の推進」について説明します。
まず「地域全体で子どもを育てる環境の充実」についてです。
中学校部活動の地域展開・地域連携につきましては、持続可能な活動体制の構築をめざし、段階的に取組みみを進めていきます。2026年度には、サッカーやボートを対象としたモデル事業を開始するとともに、野球・バレーボールなど人数確保が課題となる競技において、複数校による合同部活動を実施する予定としています。さらに、2027年度から2028年度末にかけて、休日の部活動を担う新たな地域クラブ団体の募集を行い、休日の部活動の全面的な地域展開をめざします。平日の部活動につきましては、当面は学校で継続しつつ、準備が整った部活動から順次、地域での活動へ展開していきます。 今後も、子どもたちが安心して学び、成長できる環境を地域に確保するため、市長部局とより一層の連携を図り、新たな部活動の仕組みづくりを着実に進めます。
次に、青少年健全育成の推進につきましては、地域・家庭・学校園・行政が連携・協働して、子どもと地域社会とのつながりや居場所づくりを広げていくため、引き続き、各地域コミュニティ組織などを中心に構成される青少年健全育成地区会議の活動を支援します。
また、増加する青少年のSNSなどの利用によるトラブルを未然に防ぐため、出前授業によるスマホ・ケータイ安全教室の開催、PTAとの共催による研修会の開催などの啓発事業を進めます。2026年度の研修会は子どもの参加も促し、親子で一緒に考える機会の創出につなげていきます。
次に「地域コミュニティ組織と連携した学びの推進」についてです。
地域住民などが学校運営に参画する「コミュニティ・スクール」は、導入3年目を迎えます。子どもたちの居場所づくり、子どもたちが地域の伝統行事に触れる機会の充実のほか、学校が抱える課題解決のためにアイデアを出し合い、地域全体で子どもたちの成長を支える環境づくりと取組みみの充実をめざします。
安全・安心な教育の推進と教育環境の整備
2点目に「安全・安心な教育の推進と教育環境の整備」について説明します。
まず、学校施設の計画的な改修についてです。
学校施設の長寿命化・大規模改造は、「豊岡市学校施設個別施設計画」に基づき、学校施設に求められる機能・性能を維持・確保します。
国の交付金の採択保留により着手が遅れていました三江小学校長寿命化改修工事について、2025年12月に交付金の内定を受けることができましたので、2026年度に事業に着手します。
また、2025年度から整備を進めている小学校の体育館空調設備について、2026年度に、田鶴野小学校をはじめ11校の小学校の整備を行います。
次に、学校におけるICT環境整備についてです。
国が進めるGIGAスクール構想に基づき、ICTを活用した教育が日常化しましたが、当初に整備した端末が更新時期を迎えていることから、県の補助金を活用し、児童・生徒の学習用端末を更新します。
2025年度の中学校学習用端末の更新に続き、2026年度は、小学校学習用端末の更新を行い、ICTを最大限に活用できる教育環境を引き続き整備します。
次に「安全教育・防災教育の推進」についてです。
過去の災害を踏まえた年3回のメモリアルデー 防災・減災授業を実施します。体験型の防災教育を充実させ、過去の教訓を継承していくことで、子ども自らが状況を判断し、「自分の命は自分で守る力」、「助け合いや共生の心」を育みます。
次に「学校園の再編」についてです。
教育委員会では、子どもたちのより良い学びの環境を確保するため、「豊岡市立小中学校適正規模・適正配置計画」に沿って、地域や保護者の皆さんと協議を進めているところです。
小坂小学校と小野小学校の統合については、両校区の関係者で組織する統合準備委員会で統合に必要な調整項目の協議を終え、3月28日に小野小学校で閉校式と閉校記念行事を、4月7日には小坂小学校で統合式を予定しています。
但東地域については、施設一体型の小中一貫校に再編する計画への合意形成に向けて、地域と協議を進めています。計画への同意が得られ次第、関係者による開設準備委員会を立ち上げ、保護者や地域の皆さんと本格的に協議を進めていく予定です。
小規模特認校制度を活用している八代小学校では、2026年度の全児童数の見込みは14人と極端に少ない状況に変わりはなく、2027年度以降の制度継続について、八代地区の関係者と協議を進めています。
また「豊岡市立小中学校適正規模・適正配置計画」は、2026年度で前期計画の期間が終了し、2027年度から後期計画がスタートします。前期計画の進捗状況や後期計画の対象地域との合意形成状況、地域からの新たな要望などを踏まえて、また、計画策定時の想定を上回る少子化の進行など、近況を反映したものに時点修正を行います。これにより、後期計画の再編時期をより明確にし、適切な時期に関係地域との協議を開始します。
就学前施設の再編についても、「豊岡市における幼児教育・保育および放課後児童のあり方計画」に基づき、関係園・保護者・地域などと十分に議論を行いながら計画を進めます。
次に「就学支援」についてです。
豊岡市奨学金については、2027年度以降の新規貸与者を対象に手続き時期の見直しを行います。進学時の金銭的負担が大きい状況を踏まえ、経済的負担を支援するため、初回貸与月を現行の7月から早めていきます。
教職員の資質・能力の向上
3点目に「教職員の資質・能力の向上」について説明します。
子どもたちの多様な学びを実現するためにも、教職員の資質・能力向上の研修は必要不可欠です。日々の授業の根幹となる授業づくりの在り方については、小学校で「授業づくり学級づくり研修会」の質的向上を、中学校では豊岡市中学校教育研究会における「各教科部会研修会」に、兵庫教育大学の知的・人的資源を最大限に活用した体制を構築していきます。また、兵庫県が定める兵庫県管理職資質向上指標および兵庫県教員資質向上指標を、本市管理職・教員などのキャリアステージに応じて効果的に活用するなど、子どもたちの学びと同じく教職員も主体的に学ぶ研修体制を構築していきます。
学校園の組織力の強化
4点目に「学校園の組織力の強化」について説明します。
4月1日から、教職員の業務量管理や健康確保措置を義務付ける「公立の義務教育諸学校などの教育職員の給与などに関する特別措置法などの一部を改正する法律」が施行されます。本市ではこれを踏まえ、2023年度に策定した「豊岡市『学校における働き方改革』推進方針」を改め、新たに「業務量管理・健康確保措置実施計画」を策定します。教職員が“子どもたちと向き合う時間”や“授業の質を高める時間”を十分に確保できるよう、まずは時間外在校など時間が月80時間超の教職員数をゼロにすることを最優先でめざしつつ、全ての教職員が月45時間以内となることを目標とします。
社会教育
次に、社会教育について説明します。
2024年度に5か年計画で策定しました社会教育基本計画が、3年目を迎えます。社会教育基本計画の基本理念である、学びと活動による「自分づくり 生きがいづくり つながりづくり まちづくり」の実現に向け、新たに「社会教育・生涯学習人材バンク」を開設します。この人材バンクでは、伝えたい経験・知識・特技などを持つ市民の方に講師として登録いただき、講座情報の一元化を進めます。登録講師の自主講座開催、受講を希望する団体・グループと登録講師とのマッチングなど、まなび合いの機会創出を進めます。
また、2025年度に引き続き、社会教育関係者、学識経験者などで構成する社会教育推進委員会を開催します。この委員会でいただいた意見を踏まえ、関係課で連携を図りながら、社会教育関連施策が効果的なものとなるよう努めます。
教育委員会は、「とよおか教育プラン」、「社会教育基本計画」を踏まえ、市長部局と一丸となって本市の教育行政に取り組んでいかなければならないと考えています。
議員の皆様には、格別のご理解とご協力をお願い申しあげます。
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