平成16年台風23号メモリアルデーの学校園の防災・減災授業を紹介します!(2021年度)
防災・減災授業等の取組み
豊岡市では、2004年台風23号の被災体験を踏まえ、2005年から市内小中学校、幼稚園・認定こども園(市立の全49校園)で10.20メモリアルデー防災・減災授業等を実施しています。
それらを通して、園児・児童・生徒が生命の尊さや助け合うことの大切さを学び、防災・減災意識の定着や「自分の命は自分で守る」力の育成を図っています。
防災教育教材の提供
豊岡市教育委員会が作成した防災資料の他、2017年度からは豊岡市が協力して国土交通省近畿地方整備局豊岡河川国道事務所が作成した防災教育教材を防災・減災授業に活用しています。
今年度は新たに園児向けの教材と平時・水害時比較写真集を作成しました。
また、次年度の防災学習教材の参考とするため、教材を配布した学校園からのアンケートを取り、感想などを聞いています。
西保育園、新田小学校、豊岡北中学校の取組みを紹介します!
西保育園(3歳児、4歳児、5歳児クラス)
日時
10月22日(金曜日) 午前10時~12時
内容
西保育園では、台風23号メモリアルデーの取組みとして、園児引き渡し訓練、メモリアル集会と給食の時間を活用して非常食の試食が行われました。
園児引き渡し訓練
大雨による早めの降園を伝える館内放送を契機に、園児は降園の準備を行いました。
その後、先生が保護者役となって教室で園児の引き渡しを行いました。
先生からは、大雨でいつもと違う時間に帰るときは、いつも迎えにきてる人とは違う人が迎えに来ることがあること、迎えに来た大人のいうことをよく聞くようにとの話がありました。


平成16年台風23号メモリアル集会
教材を活用した学習
園児向け防災教育資料を使用して大雨が降ったらどうなるかを学びました。
被災した当時の車が横転し泥だらけになっている写真がスクリーンに映し出されるとびっくりして声を上げる子もいるなど、水害の怖さを実感しているようでした。
平成16年台風23号体験談
当時、市内の別の保育園に勤務していた先生の話を聞きました。
雨がひどく、今日の訓練みたいに早く降園したこと、ずぶぬれになって避難したこと、およそ1日後保育園に行ってみると保育園の中が泥だらけだったことなどの話を聞きました。
飼っていたウサギが亡くなった話では、多くの園児から「かわいそう」という声があがりました。
メモリアル集会最後に、参加者全員で台風23号で犠牲となった方に黙とうを捧げました。
非常食を食べる
災害時の非常食について、給食調理員さんから説明を受け、実際に給食として食べました。
メニューはα化米(チキンライス)のおにぎり、自宅から持ってきたおにぎり、豚汁、みかんでした。
災害時を想定し普段の食器を使用せず、使い捨ての皿やプラスチックのフォークを使用し食べました。また、自宅から持ってくるおにぎりは、洗い物を減らすためラップで包むよう保護者へお願いしました。


感想など
先生
災害時と平常時の写真が比較でき、分かりやすかったため、園児が集中して聞いていたように思いました。
園児の声
- 川があふれて、水が家の中に入ってきたら怖い。
- ウサギが死んだ話はかわいそうだった。もし、友達が死んだら悲しい。
- α化米のおにぎりはおいしいかった。でもやっぱり家から持ってきたおにぎりがおいしい!
新田小学校 3年生(防災・減災授業)
日時
10月20日(水曜日) 午前11時15分~12時(第4校時)
授業内容
「水害とたいさくについて」をテーマに、雨がたくさん降ったらどうなるか、どんな危険があるかについて、考えました。
児童は「雨で体がぬれたら、寒くなって風邪をひく」「家が雨もりしたら、天井が落ちてくるかもしれない」など、考えた意見を積極的に発表していました。
そのあと、先生から道路やまちが水浸しになったときの危険について話があり、児童は真剣な面持ちで聞いていました。


授業を終えて(感想)
上田裕紀校長
イラストや動画が使用されており、わかりやすい防災教材だった。児童もイラストや動画で説明を受けることでより理解が深められる部分もあった。今回の3年生の授業では、他科目の学習とリンクしていない部分や少し難しい内容があった。そのまま教材を使用するのではなく、他科目の学習状況などに応じて、学校側で教材を編集する必要がある。
関哲生先生
パワーポイントの教材なので、授業は行いやすく、写真やイラストもわかりやすかった。ただ、学習していない内容があるため、説明に時間がかかった。使用するときには、編集する必要がある。
児童の声
- 自分は1階に住んでいるから洪水が起こったらこわい。
- 大雨が降ったらいろんな危険があることがわかった。
豊岡北中学校 2年2組(防災・減災授業)
日時
10月22日(金曜日) 午後2時45分~午後3時35分(6校時)
授業内容
「分散避難の考え方を知る」をテーマに、新型コロナウイルスがまん延する中での避難を考えました。
教材にある問題に加え、より自分事として捉えるため「自分の地域で100年に1回の大雨が降っているとき、どのように避難するか」を自分の住んでいる地域の防災マップを確認しながら考えました。
生徒からは「自宅2階の山とは反対側の部屋で過ごす」「浸水想定が3m未満なので2階へ避難する」「知人宅が遠いので感染症対策としてマスクをいっぱい持って北中に行く」「災害想定がないので自宅で過ごす」などの意見が出ていました。


授業を終えて(感想)
岸本康晃先生
生徒はこれまでの防災学習によって「避難する」必要性は理解しているため、その先を考えさせる授業展開を工夫しました。分散避難という言葉を理解させるだけでなく「もし自分の地域で災害が起こったら、どのように行動するか」という視点で授業の組み立てをしました。
生徒の声
- ただ、避難所に行けば絶対安心というわけではなく、コロナのこともしっかり考えて、分散避難することが大切だと思った。
- 今日の授業は今までの「避難しなさい」といわれるだけの授業ではなく、どのように安全を確保するか考える授業で勉強になった。また、自分の考えの及ばないところでコロナの影響があることを学んだ。
- 実際に大災害が起こったとき、今日学んだことを実践できるか真剣に考えたい。
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