平成29年第5回豊岡市議会(定例会)市長総括説明

このページの情報をツイッターでツイートできます
このページの情報をフェイスブックでシェアできます
このページの情報をラインでシェアできます

ページ番号1003730 

印刷大きな文字で印刷

 9月1日、第5回豊岡市議会定例会の議案提出に当たり、中貝市長が、当面する市政の諸課題、提出議案の主なものについての説明(市長総括説明)を行いました。

 おはようございます。
 平成29年第5回豊岡市議会定例会の開会に当たり、議員各位のご健勝をお喜び申しあげますとともに、日頃のご精励に対し深く敬意を表します。
 まず、被災地支援についてご報告します。
 7月、福岡県及び大分県で大きな豪雨災害が発生しました。
 これを受けて、最大の被災地である福岡県朝倉市に7月8日から15日の間、7月31日から8月5日の間の2回、職員を派遣しました。災害対策ノウハウに関する支援と災害対策本部の意思決定支援が目的でした。
 大規模災害時、災害対策本部の意思決定は困難を極めます。他の自治体からはもっぱら物資や義援金の提供と実働部隊の派遣が行われますが、被災自治体の意思決定に対する支援や災害対策ノウハウの提供はほとんど行われてこなかったのが実態です
 そこで、市では、大水害を経験した市町村のトップで構成する「水害サミット」において、サミットメンバーが被災地の災害対策本部に職員を派遣し、その意思決定をサポートする仕組みを、自治体間の互助の仕組みとして構築することを提案し、国土交通省と協議しながら、具体案を策定する作業を始めていました。
 こうした中で今回の災害が発生し、国土交通省からテストケースとして実施してはどうかとの提案を受け、実施したものです。
 1回目は豊岡市単独で2名を派遣しましたが、朝倉市から直接依頼を受けて実施した2回目は1名を派遣し、「水害サミット」の発起人市の一つである新潟県三条市からの派遣職員2名と連携して、災害対策本部の意思決定の支援を実施しました。
 加えて、平成26年丹波豪雨災害を経験した丹波市とも現地で合流し、豊岡市、三条市、丹波市の3市による、復旧・復興に向けての多岐にわたる提言「朝倉市の災害対応に係る課題等の整理及び意見等報告書」を朝倉市長に提出し、帰任しました。
 この「ノウハウの支援」が被災地の一日も早い復旧・復興の一助になることを願っています。
 また、市民の皆さんから多くの義援金をお寄せいただきました。
 個人で行なう災害支援は、「物資」よりも「義援金やボランティア活動」という、被災地ニーズに寄り添った支援にご理解いただいていることに改めて感謝を申しあげます。
 次に、コウノトリ育むお米の海外販路拡大について申しあげます。
 コウノトリ育むお米は、今年の5月末から香港への輸出が始まっています。香港は、世界の国・地域の中で日本からの商業ベースでの米輸出量が最大の地域で、重要なマーケットです。
 そこで、8月15日から、香港におけるコウノトリ育むお米の販売促進を目的に出張してまいりました。
 JAたじまや東邦物産と共に、香港中心部の高級スーパー2店舗に特設ブースを設け、精米機や炊飯器を持ち込んで試食販売を行いました。これまでに香港へ輸送した無農薬2キロ入り250袋を完売し、今月中旬から順次、追加納品が予定されています。
 また、香港政府を表敬訪問して環境長官と面談し、同米の輸出開始とコウノトリ野生復帰の現状報告をしてきました。さらに、定番販売推進のため関係企業、事業者を訪問し産地の取組みを伝えました。
 今月22日からは、アメリカ・ニューヨークに出張し、昨年に引き続き日本食レストランエキスポでコウノトリ育むお米と、その背景にある野生復帰の取組みをPRしてまいります。さらに、今年はロサンゼルスでも日本食レストランエキスポに出展し、さらなる販路拡大を目指します。
 ニューヨークの高級和食店ブラッシュストローク向けの輸出については、昨年11月から今年8月末までの10カ月間で計約3トンが出荷されたと聞いています。アメリカの大都市での展開を通じて、世界的な認知度を高めることを目標に、今後も取組みを進めてまいります。
 なお、今回のアメリカ出張の機会を利用して、その期間中にボートの世界選手権が開催されているフロリダに足を延ばし、フランスチームの関係者にお会いして、東京オリンピックの事前合宿や強化合宿の誘致活動を行うこととしています。
 さて、今議会に私から提出いたします案件は、報告事項5件、事件決議11件、条例5件、予算11件、決算12件の合計44件です。
 なお、会期中に事件決議1件を追加提出する予定としておりますので、あらかじめご了承賜りたいと存じます。

 それでは、当面する市政の諸課題及び提出議案の主なものについてご説明申しあげます。

安全に安心して暮らせるまち

 第1に、「安全に安心して暮らせるまち」に関連する内容について申しあげます。
 但東歯科診療所の整備についてです。
 但東歯科診療所は、昭和48年8月に旧但東町によって公設民営方式で開設され、以来地域の歯科診療を担ってきましたが、平成26年4月、歯科医の急死により閉鎖状態となっていました。
 このたび、城崎にある河原歯科医院の河原院長から、週2日程度なら但東での歯科診療を引き受けても良いとの意思表明をいただきました。
 平成28年度に但東区長協議会が全戸を対象に実施した住民アンケート調査では、但東歯科診療所が再開した場合、37.5パーセントの人が利用すると回答していました。このアンケート結果による受診者数の見込みから収支見込を検討すると、診療所として運営する場合、週2日程度の診療であれば運営収支が均衡するとの見込みが得られました。そこでこの際、但東歯科診療所を再開することとし、必要な整備を行いたいと考えています。
 現施設は老朽化が進んでいるため、新たに但東市民センター和室を改修することとし、実施設計に係る補正予算を今議会に提出しています。平成30年8月の開院を目指します。
 開院後は、河原院長とそのご子息である歯科医による交代制で診療を行う予定にしています。

持続可能な「力」を高めるまち

 第2に、「持続可能な『力』を高めるまち」に関連する内容について申しあげます。
 まず、アンテナショップ運営状況についてです。
 東京・有楽町のアンテナショップ「コウノトリの恵み豊岡」は、開設から6年が経過しました。
 6年目となる昨年7月から今年6月までの総売上額は4,003万円で、5年目に引き続き4千万円を超え、店舗面積1坪当たりの売上げが1千万円を超えました。しかし、ここ3年間の総売上額は4千万円前後で推移しており、やや頭打ちの状況になっています。
 この状況を打破し、さらなる売上げ増を図るため、運営事業者の日和山観光株式会社において主力商品の開発・選定や、魅力的な売り場の商品陳列やレイアウト等について検討がなされています。
 市も運営事業者と協働しながら、アンテナショップを拠点とした情報発信機能の強化を図ってまいります。
 次に、外国人観光客の動向等について申しあげます。
 今年第2四半期の外国人宿泊客は1万3,090人で、対前年同期8.8パーセントの増となりました。上半期の合計では、2万5,446人、対前年同期12.7パーセントの増となっています。引き続き堅調に増えているものの、第1四半期の対前年同期が17.2パーセントの増であったことと比べると、伸びがやや鈍化しています。
 第2四半期の数字を地域別に見ると、城崎地域が1万2,240人で市全体の9割強を占め、次いで豊岡地域が560人、竹野地域が179人となっています。
 国別の人数が把握できる城崎地域では、中国が2,039人で最も多く、次いでタイ1,285人、香港1,241人、台湾1,062人、アメリカ919人などとなっています。
 国別の対前年同期では、タイが48.6パーセントの増、台湾が35.8パーセントの増、フランスが29.3パーセントの増と高い伸びを示す一方、中国が16.5パーセントの減、韓国が4.6パーセントの減となっています。本市の誘客ターゲットである欧米豪は5,195人で23.3パーセントの増と順調に増加しています。
 今後も引き続き、欧米豪の個人旅行者をメインターゲットに、城崎の閑散期の需要を高め、平準化させるための取組みを進めてまいります。
 また、シンガポールを対象としたビジット・ジャパン地方連携事業をはじめ、神鍋を中心にタイや台湾からのインバウンド事業に取り組みながら、城崎以外の地域へと市内延泊を導いていくための誘客促進施策を進めていくこととしています。
 次に、外国語版WEBサイトの改修及び外国人観光客案内サインの設置について申しあげます。
 昨年度実施したインバウンド受入体制整備の調査報告結果で、市全体のインバウンド効果を相乗的に高めるためには、城崎温泉以外の観光地情報を充実させることや、外国人観光客に対応した案内サインの整備などが急務であることが明らかになりました。一方で、英語表記による案内サインが多過ぎても好まれず、外国人向けに観光地化され過ぎていないところも魅力の一つになることが分かりました。
 このため、各地域を周遊する観光客の受入体制の構築に向けた取組みとして、本市の外国語版WEBサイト「Visit Kinosaki」を拡充し、観光地情報の発信強化を行うとともに、外国人観光客が市内周遊時に不便なく観光地を訪問できるよう英語表記による案内サインを整備していくこととしています。
 次に、「神鍋高原線上限200円バス」次期運行計画等について申しあげます。
 神鍋高原線は、平成23年度から「上限200円」の社会実験を3カ年にわたり実施しました。その結果、「地域で路線バスを乗って守る」という新たな意識が醸成され、大幅な利用者数の増加など、一定の効果があったため、引き続き「1期3年間の活性化運行」を実施しました。
 今年9月末で活性化運行期間が終了するにあたり、地元及び関係機関で利用実績等の検証や分析を行い、10月以降の運行計画を決定しました。
 次期運行計画では、「神鍋線乗って守ろう”協働運行”」をキャッチフレーズに、(1)利用頻度の低い便の見直し等、適正な運行計画の検討(2)運行事業者のサービス向上を促し、快適な乗車環境の整備-を実施することとしています。
 これにより、従来定めた「年間利用者目標=12万1千人」を目指し、「上限200円バス」として継続して取り組んでまいります。
 次に、若い女性のUIターン増加策に向けた調査事業について申しあげます。
 2015年国勢調査結果を踏まえた分析によりますと、10代で失われる人口の20代の転入超過による回復率、いわゆる若者回復率は、39.5パーセントとなり、前回の34.2パーセントより、5.3ポイント増加しました。
 しかし、今回の結果を男女別で見た場合、男性の若者回復率は52.1パーセントで、前回と比べ17.4ポイント増加しているのに対し、女性の若者回復率は26.7パーセントで、前回と比べ6.7ポイントの減となっています。女性の若者回復率は男性の若者回復率の約半分でしかありません。
 この結果を受け、若い女性のUIターン増加策の策定に資するため、都市部に住む豊岡出身の20代女性のUターンに関する意識調査を実施することとし、今議会に関係の補正予算を提出しています。
 今後、とりわけ女性の若者回復率向上を地方創生の重要課題として取り組んでまいります。
 次にアーティスト・クリエイター移住促進策の可能性の検討について申しあげます。
 既に市では、平田オリザ氏、幅 允孝(はば よしたか)氏など一流のアーティストやクリエイターとの強いつながりにより(1)コミュニケーション教育が全国でも先導的な取組みとしてスタートし、(2)城崎国際アートセンターや出石永楽館などの取組みの情報発信が飛躍的に進むなど、まちの魅力とその発信力が向上しています。
 さらに進んで、アーティストやクリエイターが市内に移住し、日常的に市民や事業者と接し、あるいはしばしば訪れて、まちづくりに関わるようになれば、センスのいいまち、創造的で面白いまち、多様な人・物・事を受け入れるリベラルなまちの創造が加速され、UIターンをする若者の増加につながる可能性があります。そこで、その移住促進策の可能性について、検討してまいります。

人生を楽しみお互いを支え合うまち

 第3に、「人生を楽しみお互いを支え合うまち」に関連する内容について申しあげます。
 まず、出石文化会館の改修等についてです。
 出石文化会館ひぼこホールは、平成6年に整備されて以来、490席の手ごろな規模の、音響効果が高いホールとして評価を得、出石地域の団体を中心に利用されて、今日に至っています。
 しかし、開館から23年が経過し、舞台設備等の老朽化に加えて、屋根部材が落下するなど、屋根や外壁の劣化が進んでおり、人的被害の恐れも出てきたため、専門家による老朽度調査を実施しました。
 調査によると、電気設備、機械設備、舞台機構、音響・照明等が既に更新時期を迎えているほか、屋根、外壁などの劣化が相当進んでいること等から、このままではホールとしての機能を維持することは困難であり、機能を回復するためには約16億円の投資を必要とすることが判明しました。
 同調査では、さらに20年後には躯体の改修も必要となるため、約18億円の再投資が必要であるとされています。
 ひぼこホールは、現在、敷地の一部を立入禁止にしているほか、今後さらに屋根部材の剥離箇所が広がり落下する危険性が高くなり、外壁剥離の可能性もあると指摘されていることから、抜本的にどうするのか、早急に判断を行う必要が出てきました。
 そこで、その対応について検討した結果、(1)ひぼこホールの機能を回復するためには、多額の費用を要し、合併特例が平成33年度からなくなる中で、財政的負担が大きいこと、(2)市の公共施設再編計画にもあるとおり、市の施設全体について、将来的に施設の統廃合等が不可避の状況にある中で、ひぼこホールの大ホール、市民会館大ホールの利用率がともに低い状況にあることを考慮すると、両ホールの機能統合は、仮に今回のことがなかったとしても、いずれ必要になること、(3)合併特例債は、既に他にその用途がほぼ決まっており、緊急防災・減災事業債も事業費の4分の1程度しか活用できず、有利な財源が見込めないこと、等から判断して、ひぼこホールの機能を引き続き維持するための大規模な改修・整備については断念せざるを得ない、との結論に至りました。
 利用されている方々にとっても厳しい判断となりますが、何とぞご理解を賜りますようお願い申しあげます。
 具体的な廃止時期や、地元の利用頻度が比較的高い小ホール機能の確保の是非、跡地利用などについては、重要な課題として検討し、できるだけ早く結論を出したいと考えています。
 なお、市の公共施設再編計画は、建物の躯体の耐用年数に着目して検討しており、ホールにとっての生命線である音響・照明・舞台機構等、多額の費用を要する設備の耐用年数については考慮していませんでした。
 市内のホール機能を有する施設は、いずれも建築から相当年数が経過しており、今回の結果を受けて、他施設においても延命化などの観点から、同様の検討を行う必要があります。
 特に、市民会館については、舞台設備の更新を予定しているところですが、ひぼこホールの例に鑑み、建物全体の老朽度等を早急に検証した上で、対応の必要性について検討することとしています。
 次に、出石総合スポーツセンター野球場用地の未登記物件に係る訴えの提起について申しあげます。
 野球場用地の未登記物件については、5月2日に相続人に対し、時効取得を原因とする所有権移転登記手続きを求めて豊岡簡易裁判所へ提訴しました。
 7月12日、市の請求通りの判決があり、それを受けて所有権移転登記手続きの準備を進めていたところ、相続人に漏れがあることが判明しました。
 このため、漏れのあった相続人を相手に、時効取得を原因とする所有権移転登記手続きを求める訴えを提起したいと考えています。今議会中に訴えの提起に係る議案を追加で提出することとしています。
 次に、地域コミュニティの推進について申しあげます。
 地区公民館をコミュニティセンターへ移行して約半年が過ぎました。各地域コミュニティ組織では、それぞれの地区の課題解決に向けた取組みや地区を元気にする取組みが行われています。
 コミュニティ新田では、若者の企画による「人文字イベント」が4月に行われ、7月には「若者たちのバーベキュー交流会」が行われるなど、継続して若者が参画する場を創出されています。
 また、竹野南地区コミュニティわいわいみ・な・みでは、昨年度からJAたじまの空き店舗を活用して、イナカーの待ち時間や診療所帰りに立ち寄れる交流広場を運営されていますが、今年4月から農作物を持ち寄って販売する直売所の取組みも行われるなど、地区内で買い物ができる機能が加わりました。
 各組織とも手探り状態での活動ではありますが、着実に事業を進められており、市としても連絡会や意見交換会などでお互いの情報を知る機会や、外部有識者からアドバイスを受ける機会を設けるなど、引き続き支援を行ってまいります。

市政の運営

 第4に、「市政の運営」に関連する内容について申しあげます。
 まず、コウノトリ豊岡寄付金の寄付窓口拡大についてです。
 本市では、平成20年度の国の「ふるさと納税」制度の創設と同時に、寄付金の募集を行ってきました。しかし年々、ふるさと納税を導入する自治体が増え、寄付金獲得を巡る競争が全国的に激化している中で、本市への寄付金は減少傾向にあります。
そこで、寄付金額の増加につなげるため、現在の寄付窓口に「楽天ふるさと納税」を加え、募集を11月から開始することとしました。また、市内事業者の協力により、謝礼品をさらに充実させることとしています。
 なお、今年10月から、業務の所管を政策調整課から環境経済課へ移管することとしています。
 次に、定住自立圏構想における圏域形成協定の変更について申しあげます。
 平成24年度から国の「定住自立圏構想推進要綱」に基づき、中心市である豊岡市と但馬2市2町が1対1で形成協定を締結した上で、具体的な取組みを定めた定住自立圏共生ビジョンを策定し、住民が安心して暮らせる圏域の形成を進めています。
 このたび、但馬地域における人口減少対策の一環として、新たに「専門職大学の誘致」に係る項目を協定に追加し、協定内容の変更を行うものです。専門職大学については、平成29年5月に学校教育法の一部を改正する法律が成立し、設置基準が近々、制定される見込みとなっています。これを受け、但馬圏域の自治体が誘致に係る協定を締結し、県と連携を取りながら、一体となって誘致の実現を目指します。
 また、協定にあったこうのとり周産期医療センター及び北但ごみ処理施設については、施設整備が完了したため、今後の両施設の運営に対する取組みの充実を図るとする修正を行います。
 これらの協定変更に係る議案を今議会に提出しています。
 次に、マイナンバーカードの交付状況について申しあげます。
 マイナンバーカードの本市での申請枚数は、7月末現在で7,443枚で、住民基本台帳人口8万3,936人に対して8.87パーセントと、県下では41市町中36位にとどまっています。
 社会保障、税、災害対策の行政手続きの際には、マイナンバーが必要となっていることから、マイナンバーの提示と本人確認が一枚ででき、顔写真付きの身分証明書となるマイナンバーカードの普及について、さらなる周知・広報を行ってまいります。
 また、来年度以降、本人からの申出により住民票やマイナンバーカード等へ、過去に使用してきた戸籍上の氏の記載が可能となり、記載事項の充実が図られることとなっています。
 このシステム改修について、今年度中の改修に限り国庫補助対象とされていることから、改修に係る補正予算を今議会に提出しています。
 次に、市参与の設置について申しあげます。
 現副市長の真野 毅氏は9月14日で任期満了となりますが、就任以来8年間、民間の企業経営等の経験に基づくノウハウを活用して、インバウンドの推進、豊岡観光イノベーションの立ち上げと運営、戦略的政策評価の推進、ソーシャルビジネスを目指す人材の育成等に携わっていただきました。
 これらの分野については、退任後も当分の間、引き続きそのノウハウを必要とするため、10月1日から非常勤の市参与として任命し、市行政に対する支援をいただきたいと考えています。
 なお、市参与設置に係る補正予算を今議会に提出しています。

予算、決算

 続いて、一般会計補正予算について申しあげます。
 まず、補正予算第2号です。これは、去る8月7日・8日に、本市に最接近した台風5号に係る海岸漂着ごみ等対策経費1,296万1千円を追加するため、8月8日付で専決処分したものです。
 次に、補正予算第3号について申しあげます。
 予算全体を見直し、今後の執行見込額を精査する中で、過不足が生じる経費や今年度の人事異動による人件費の整理など、緊急やむを得ないものを計上しています。
 歳入歳出予算の補正総額は5億9,399万円の追加となり、これに必要な財源は地方交付税、繰越金等で措置しています。
 なお、平成28年度の決算確定に伴う決算剰余金の処理のため、財政調整基金に4億6千万円を積み立てます。

 次に、平成28年度の決算の認定に関連し、その概要を申しあげます。
 一般会計の総額で、歳入は500億円を若干上回りましたが、歳出では北但ごみ・汚泥処理施設整備事業に伴う北但行政事務組合への負担金の大幅な減額や市債元金の減額により、500億円を下回る規模となりました。
 歳入面では、市税収入がほぼ横ばいで、地方消費税交付金、地方交付税、ごみ処理手数料、コウノトリ豊岡寄付金が大幅に減額となっています。
一方、歳出では、社会保障関係費の自然増があるものの市債元金や、北但行政事務組合への負担金が大幅に減少しています。
 平成28年度は「地方創生・キックオフ」として、豊岡市地方創生総合戦略を推進してきました。また、「ローカル&グローバル」の旗印を掲げ、さまざまな施策の展開に取り組んでまいりました。
 さらに、コミュニティ崩壊、災害、経済衰退、財政崩壊という四つの危機に立ち向かうため、新しい地域コミュニティのあり方検討、学校等公共施設の耐震化、経済成長戦略の推進、公共施設マネジメント計画の推進など、果敢に、大胆に、挑戦する施策を推進してまいりました。
 その結果、一般会計の最終的な実質収支については、9億1,288万1千円の黒字決算となりました。平成27年度の実質収支額との差引きである単年度収支額も、7,935万2千円の黒字となり、年度中の基金への積立金や取崩し額など黒字・赤字要素を加味した実質単年度収支は16億999万1千円となり、おおむね適切な財政運営ができたものと考えています。
 なお、経常収支比率については、89.6パーセントと、前年度から2.0ポイント増加しています。地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく健全化判断比率については、今議会に監査委員の意見を付して報告しています。実質公債費比率は11.8パーセントと前年度と比較し0.8ポイントの減少となり、地方債発行の許可団体を判断する18パーセントを引き続き下回りました。将来負担比率は102.6パーセントと9.9ポイント減少し、いずれも早期健全化基準を下回っています。
 このように財政指標については国の基準を下回っていますが、いまだ地方債の現在高が非常に高い水準にあります。下水道事業などの公営企業や一部事務組合に対する一般会計の負担についても、今後、引き続き高い水準で推移することが見込まれ、厳しい状況が続くものと考えています。したがって、企業会計や一部事務組合を含めた公債費負担の適正化を図ることが最重要課題であると認識しています。
 加えて、税収入の確保、未利用地の売却、滞納対策の徹底や受益者負担の適正化等財源の一層の確保に努める必要があります。また、歳出面では、経常的経費の抑制など、一層の削減を図らなければならないと考えているところです。
 以上が決算の概要です。詳細については、お手元に決算書及び関係資料をお届けしていますので、ご清覧賜りますようお願い申しあげます。
 以上をもちまして、私の総括説明を終え、各議案の詳細については担当部長から説明いたしますので、よろしくご審議いただき、適切なるご決定を賜りますようお願い申しあげます。
 ありがとうございました。

関連情報

より良いウェブサイトにするために、ページの感想を聞かせてください。

質問:このページの情報は役にたちましたか?
質問:このページの内容は分かりやすかったですか?
質問:このページは見つけやすかったですか?

このページに関するご質問やご意見は、「このページに記載されている情報の担当課」までお問い合わせください

このページに関する問合せ

市長公室 秘書広報課 秘書係
〒668-8666 豊岡市中央町2番4号
電話:0796-23-1114 ファクス:0796-24-1004
問合せは専用フォームを利用してください。