下り列車に乗った劇作家

中貝市長の徒然日記

下り列車に乗った劇作家
〔市広報 平成29年10月号(9月25日発行号)から〕

 先月市内で開かれたアートのシンポジウムでのこと。壇上から平田オリザさんが「いずれ劇団の本拠を豊岡に移します。そのときは私も移ってきます」と発言されました。

 平田さんは、世界的に活躍する、日本を代表する劇作家です。突然の発表に、会場は一瞬言葉を失い、一呼吸おいて大きな拍手が沸きました。

 傍聴していた神戸新聞の記者は「大ニュース!」と興奮。記事がネットに配信されると、今度は演劇に関心のある方々が騒然となりました。平田さんが主宰する劇団「青年団」のホームページはアクセスが殺到してダウンし、ネット上では「嘘だろ?」「腰を抜かしました」「時差ボケ吹っ飛ぶほどの衝撃」などという言葉が飛び交いました。

 平田さんのお考えは、以前からお聞きしていました。そしてその準備は静かに進行していました。東京五反田にある劇団の倉庫機能の大半は、既に江原駅近くに移転しています。稽古場候補地のリストアップも作業が進んでいます。

 平田さんは書いておられます。「私は、現在、1年の4分の1を海外で過ごし、3分の1を東京以外のところで過ごしています…豊岡滞在中に、但馬空港から朝の飛行機で伊丹に行って阪大で授業を行い、夕方の便で豊岡に戻ったことも何度かあります…東京にいなければならない理由が、全くなくなってしまったというのが実情です」。

 世界トップクラスの創造環境、城崎国際アートセンターで滞在制作を経験し、安定し集中して作品づくりができる環境を望む気持ちが一層強くなった、豊岡でそれができる、とも述べておられます。

 日本中の地方が子どもたちを上り列車に乗せて送り出してきました。子どもたちは帰ってこず、地方は衰退の道をたどってきました。しかし、今、平田さんは自ら下り列車に乗って豊岡に移住する、とおっしゃっているのです。こんなに嬉しいことはないです。


問合せ

政策調整部 秘書広報課 広報・交流係
Tel:0796-21-9035
Fax:0796-24-1004
E-mail:kouhou@city.toyooka.lg.jp
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